JPS6028024Y2 - 電子楽器の鍵盤装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、複数個の鍵の配列間隔に対応して複数個の
固定接点が形成されたプリント基板上に、この複数個の
固定接点に対して連結一体構造の可動接点を配置して構
成した鍵スィッチを、鍵盤フレームに取り付けた電子楽
器の鍵盤装置に関する。

従来の電子楽器の鍵盤装置においては、リーフ接片等の
金属接点からなる鍵スィッチを各線毎に別個に独立して
設けていたので、鍵スィッチならびにその取り付は構造
が複雑で、部品点数が多く、組立に多くの工数を必要と
し、それゆえ鍵盤装置が複雑、大型、高価になるばかり
でなく、スイッチ接点が接触時にチャタリングを生じ易
い等の欠点を有していた。

この考案は上記の点に鑑みてなされたもので、近年のデ
ジタル技術を応用して、各錘の押鍵動作を連結一体構造
の可動接点にて時分割スキャンニングすることによって
どの鍵が押されたかを検知腰楽音構成回路→こより押さ
れた鍵に対応した楽音を発生するようにした電子楽器が
本出願人により開発されたことに伴ない、上記可動接点
と各錘の配列間隔に対応してプリント基板上に形成され
、上記可動接点によってオン・オフされる固定接点とか
らなる構造簡単な鍵スィッチを、上記プリント基板とと
もに鍵盤フレームに容易且つ確実に取付けると共に、特
にその可動接点の位置を正確に保持し、各錘に対して同
じ動作をなし得るようにしたものである。

以下、この考案の実施例を添付図面を参照して説明する
。

第１図はこの考案にかかる鍵盤装置に用いられる鍵スィ
ッチを部分的に示すものである。

同図において、１はプリント基板であり、このプリント
基板１の上面にその長手方向に沿って各錘の配列間隔に
対応して固定接点２が形成されている。

各固定接点２は互いに近接して形成されたプリントパタ
ーンによる対の電極２ａ、２ｂからなり、一方の電極２
ａはオクターブ毎に夫々共通接続され、他方の電極２ｂ
はダイオード３を介して各ノート毎に夫々共通接続され
ている。

４はプリント基板１上に鍵の配列方向の全幅に亘って載
置されている可動接点である。

この可動接点４は底面に導電ゴムによる電極５が例えば
オクターブ毎に分割して貼着された中空構造の可動部４
ａと、この可動部に平行して両側に配設された肉厚の固
定部４ｂ、４ｃとを具備し、これらの各部は可動部４ａ
に貼着された電極５がプリント基板１に形成された固定
接点２から若干離間して配置されるように夫々肉厚の支
持片４ｄ、４ｅを介して互に接続されている。

この可動接点４の電極５以外の部分は、例えばシリコン
ゴム等の絶縁性弾性材から戊る。

あるいはこの可動接点４の全体を導電ゴムで形成し、固
定部４ｂ、４ｃとプリント基板１との間に絶縁性のスペ
ーサを介在させるようにしてもよい。

なお、固定部４ｄ、４ｅには、後述する基板保持具の可
動接点保持部と係合する保合部である凹溝部４ｆ、４ｇ
が形成されている。

このように、プリント基板１上に構成された鍵スィッチ
７を組込んだ、本考案の一実施例である電子楽器の鍵盤
装置を第２図に示す。

同図において、１１は鍵で、その後端部は鍵盤フレーム
１２の後部立上り部に設けられた窓部１２ａから幾分突
出し、その上面に設けられた支点溝１１ａが窓部１２ａ
の上縁に嵌合している。

そして、スプリング保持穴１１ｂと鍵盤フレーム１２に
設けられたスプリング受台１３との間に介装された圧縮
スプリング１４によって上方に回動付勢され、腕部１１
ｃが上限ストッパ１５の下面に当接して上動位置を規制
され、略水平状態に保持されている。

１１ｄは鍵１１の下端に固設された鍵スイツチ作動用の
アクチュエータである。

また、１６は鍵１１の押鍵時の左右方向の揺れを規制す
る鍵ガイドであり、鍵フレーム１２の切り起し部１２ｂ
の周囲に合成樹脂等によって形成されている。

第１図によって説明した鍵スィッチ７を構成するプリン
ト基板１は基板保持具１７を介して取付けねじ１８によ
って鍵フレーム１２の下面に取り付けられており、この
プリント基板１上に可動接点４が基板保持具１７の第１
、第２の保持部２１．２２に挟持されて載置されている
。

なお、これらの構造の詳細は後述する。

そして、鍵１１が押鍵操作により矢示Ａ方向に押し下げ
られると、アクチュエータｌｌｄが下降して、鍵盤フレ
ーム１２に穿設された透孔１２ｃを挿通して固定接点４
の可動部４ａを押圧変形し、その下面に貼着された導電
ゴムによる電極５によってプリント基板１上に形成され
た固定接点２の電極２ａ、２ｂ間を短絡する。

したがって押鍵に対応した固定接点２が閉放されること
になる（第１図参照）。

そして、どの鍵が押されたかは図示しない回路により時
分割スキャンニングによって検知される。

次に、第３図乃至第５図を参照した基板保持具１７の構
造を詳細に説明する。

第３図は第２図の要部拡大断面図、第４図はその矢印Ｂ
−Ｂ方向から見た基板保持具１７のみの平面図、第５図
はそのＤ−Ｄ線に沿う断面図である。

第３図は第４図のＣ−Ｃ線に沿う断面図に相当する。

基板保持具１７は第１の保持部２１と第２の保持部２２
と両者を連結する連結部２３と、可動接点保持用の凸条
２４ａを有する可動接点保持突起２４及びそれを第２の
保持部２２と連結する補助連結部２５とから威り、例え
ば合成樹脂によって一体的に形成される。

第１の保持部２１はプリント基板１の長手方向の長さと
略等しい長さの連続した内側面を有し、この内側面に可
動接点保持用の凸状２１ａとプリント基板１の板厚と略
等しい幅の溝２１ ｂが長手方向に沿って設けられてい
る。

第２の保持部２２は内側面に直線状の可動接点保持用の
凸条２２ａを有し、プリント基板１に穿設された透孔部
１ａに嵌挿される柱状体である。

そして、外側にプリント基板１を上方から保持する突部
２２ｂと下方から保持すると共にプリント基板１に穿設
された保合孔１ｂに係合する爪２２ｃを一体に形成され
た薄肉円弧状の爪保持部２２ｄを備えている。

この第２の保持部２２は第１の保持部２１の長手方向に
沿って適宜の間隔て複数個設けられている。

２６は第１、第２の保持部に設けられたねじ穴で、その
内周面にねじ係止用の小突起２７が突出しており、鍵盤
フレーム１２へ取り付ける際に、取付けねじ１８を自己
保持して作業を容易にする。

このように構成された基板保持具１７にプリント基板１
を装着するには、プリント基板１を第３図の上方からそ
の透孔部１ａに第２の基板保持部２２を、又図示しない
透孔部に可動接点保持突起２４を夫々挿通させた後、側
縁部１ｅが第１の保持部２１のＦｔ２１ｂに嵌入するよ
うに矢示Ｅ方向に押込めはよい。

このよいにすると、プリント基板１の長手方向すなわち
鍵盤長手方向の側縁部１ｅが第１の基板保持部２１の溝
２１ｂに嵌入保持されると共に、係合孔１ｂに爪２２ｃ
が係合してプリント基板１の水平方向の移動を阻止腰革
２の保持部２２の突起２２ｂと爪保持部２２ｄとによっ
てプリント基板１の中間部が挟持されて保持される。

そして、基板保持具１７の第１の保持部２１と、第２の
保持部２２及び可動接点保持突起２４との間に可動接点
４を幾分変形させながら挿入してプリント基板１上に載
置すれば、その固定部４ｂ、４ｃの凹溝部４Ｌ ４ｇ
が夫々第１、第２の保持部２１．２２及び可動接点保持
部２４に形成された可動接点保持用の凸条２１ａ、２２
ａ、２４ａに係合し、所定の位置に確実に保持される。

このようにしてスイッチ動作し得るようにアッセンブリ
された鍵スィッチを取付けねじ１８によって鍵盤フレー
ム１２に固着すればよい。

そうすると、可動接点４はその固定部４ｂ、４ｃが上下
をプリント基板１と鍵盤フレーム１２によって挟持され
、側面を第１、第２の保持部によって保持されるため一
層確実に位置決め保持される。

なお、上記の実施例では可動接点保持部２４を設けてい
るが、第２の保持部２２を比較的多く設けれは、可動接
点保持突起は必ずしも必要ではない。

第６図はこの考案の他の実施例を示すと第３図と同様な
図である。

この実施例においては、基板保持具１７の第１の保持部
２１及び第２の保持部２２の内側面に夫々可動接点保持
用の凹溝２１ｃ、２２ｅが形成されており、可動接点４
の固定部４ｂ、４ｃの外側面には夫々上記凹溝２１ｃ。

２２ｅに係合する凸条部４ｈ、４ｉが形成されている。

その他の部分は前述の実施例と同様であるのでその説明
を省略する。

このように、基板保持具１７側の可動接点保持部と、可
動接点４の固定部４ｂ、４ｃ側の係合部の形状は互に係
合する形状であればよい。

また、上記各実施例のような基板保持具を用いれば、プ
リント基板の装着が簡単で且つ確実であり、また鍵スィ
ッチを鍵盤フレームに取り付ける前に基板保持具も含め
てアッセンブリ化できるため便利であるが、必ずしもこ
のような基板保持具を用いる必要はない。

例えば、第１、第２の保持部が別体のもの、第２の保持
部が単にプリント基板を両面から挟んで保持するもの等
、種々のものを用いることができる。

以上詳述したように、この考案によれば鍵スィッチの構
成が極めて簡単になり、部品点数の削減及び組立工程の
簡素化を計ることができると共に、可動接点の肉厚の固
定部を一対の基板保持具によって保合保持するので、可
動接点を精度良く確実に保持でき、各錘に対して同一の
動作をなし得る。

また可動接点に導電ゴムを用いれは固定接点との密着性
が良く、チャタリングの発生を防止することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案にかかる鍵盤装置に用いられる鍵スィ
ッチを部分的に示す斜視部、第２図はこの考案の一実施
例を示す電子楽器の鍵盤装置の鍵の長手方向の側断面図
、第３図は第２図の要部拡大断面図、第４図は第３図の
矢示Ｂ−Ｂ方向から見た基板保持具のみの平面図、第５
図は第４図のＤ−Ｄ線に沿う断面図、第６図はこの考案
の他の実施例を示す第３図と同様な図である。 １・・・・・・プリント基板、２・・・・・・固定接点
、４・・・・・・可動接点、４ａ・・・・・・可動部、
４ｂ、４ｃ・・・・・・固定部、７・・・・・・鍵スィ
ッチ、１１・・・・・・鍵、１２・・・・・・鍵盤フレ
ーム、１７・・・・・・基板保持具、２１・・・・・・
第１の保持部、２２・・・・・・第２の保持部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 複数の鍵が装着された鍵盤フレームと、一対の基板保持
   具を介して上記鍵盤フレームに該フレームと平行に固着
   され、各錘に対応して複数の固定接点が形成されたプリ
   ント基板と、このプリント基板上に配置され上記複数の
   固定接点に対して共通の連結一体構造とした可動接点と
   によって構成された鍵スィッチとを具備腰上記可動接点
   か上記鍵のアクチュエータにて押圧駆動される可動部と
   、支持片を介して該可動部の両側に配置されるとともに
   上記一対の基板保持具の可動接点保持部と係合する保合
   部を有する肉厚の固定部とからなることを特徴とする電
   子楽器の鍵盤装置。