JPS6028022Y2 - 電子楽器の鍵盤装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、複数個の鍵の配列間隔に対応して複数個の
固定接点が形成されたプリント基板上に、この複数個の
固定接点に対して連結一体構造の可動接点を配置して構
成した鍵スィッチを鍵盤フレームに取り付けた電子楽器
の鍵盤装置に関する。

従来の電子楽器の鍵盤装置においては、リーフ接片等の
金属接点からなる鍵スィッチを各鍵毎に別個に独立して
設けていたので、鍵スィッチならひにその取り付は構造
が複雑で、部品点数が多く、−組立に多くの工数を必要
とし、それゆえ鍵盤装置が複雑、大型、高価になるばか
りでなく、スイッチ接点が接触時にチャタリングを生じ
易い等の欠点を有していた。

この考案は上記の点に鑑みてなされたもので、近年のデ
ジタル技術を応用して、各錘の押鍵動作を連結一体構造
の可動接点にて時分割スキャンニングすることによって
どの鍵が押されたかを検知し、楽音構成回路により押さ
れた鍵に対応した楽音を発生ずるようにした電子楽器が
本出願人により開発されたことに伴ない、上記可動接点
と各錘の配列間隔に対応してプリント基板上に形成され
、上記可動接点によってオン・オフされる固定接点とか
らなる構造簡単な鍵スィッチを、上記プリント基板とと
もに鍵盤フレームに容易且つ確実に取付けると共に、上
記プリント基板の反りや変形等を防止し得るようにした
ものである。

以下、この考案の実施例を添付図面を参照して説明する
。

第１図はこの考案にかかる鍵盤装置に用いられる鍵スィ
ッチを部分的に示すものである。

同図において、１はプリント基板であり、このプリント
基板１の上面にその長手方向に沿って各錘の配列間隔に
対応して固定接点２が形成されている。

各固定接点２は互いに近接して形成されたプリントパタ
ーンによる対の電極２ａ、２ｂからなり、一方の電極２
ａはオクターブ毎に夫々共通接続され、他方の電極２ｂ
はダイオード３を介して各ノート毎に夫々共通接続され
ている。

４はプリント基板１上に鍵の配列方向の全幅に亘って載
置されている可動接点である。

この可動接点４は底面に導電ゴｌ、による電極５が例え
ばオクターブ毎に分割（−で貼着された中空構造の可動
部４ａと、この可動部に平行して両側に配設された肉厚
の固定部４ｂ、４ｃとを具備腰これらの各部は可動部４
ａに貼着された電極５がプリント基板１に形成された固
定接点２から若干離間して配置されるように夫々肉薄の
支持片４ｄ、４ｅを介して互に接続されている。

この可動接点４の電極５以外の部分は、例えはシリコン
コム等の絶縁性弾性材から成る。

あるいはこの可動接点４の全体を導電コムで形成腰固定
部４ｂ、４ｃとプリント基板１との間に絶縁性スペーサ
を介在させるようにしてもよい。

このように、プリント基板１上に構成された鍵スィッチ
７を組込んだ、本考案の一実施例である電子楽器の鍵盤
装置を第２図に示す。

同図において、１１は鍵で、その後端部は鍵盤フレーム
１２の後部立上り部に設けられた窓部１２ａから幾分突
出し、その上面に設けられた支点溝１１ａが窓部１２ａ
の上縁に嵌合し７ている。

そして、スプリング保持穴１１ｂと鍵盤フレーム１２に
設けられたスプリング受台１３との間に介装された圧縮
スプリング１４によって上方に回動付勢され、腕部１１
ｃが上限ストッパ１５の下面に当接して上動位置を規制
され、略水平状態に保持されている。

ｌｉｄは鍵１１の下端に固設された鍵スイツチ作動用の
アクチュエータである。

また、１６は鍵１１の押鍵時の左右方向の揺れを規制す
る鍵ガイドオあり、鍵フレーム１２の切り起し部１２ｂ
の周囲に合成樹脂等によ−って形成されている。

第１図によって説明した鍵スィッチ７を構成するプリン
ト基板１は基板保持具１７を介して取付けねじ１８によ
って鍵盤フレーム１２の下面に取り付けられており、こ
のプリント基板１上に可動接点４が基板保持具１７の第
１の保持部２１とプリント基板１上に形成された突出部
２４とによって固定部４ｂ、４Ｃ（第１図）の側面を圧
接保持されて載置されている。

なお、これらの構造の詳細は後述する。

そして、鍵１１が押鍵操作により矢印Ａ方向に押し下げ
られると、アクチュエータｌｌｄが下降して、鍵盤フレ
ーム１２に穿設された透孔１２ｃを挿通して固定接点４
の可動部４ａを押圧変形し、その下面に貼着された導電
ゴムによる電極５によってプリント基板１上に形成され
た固定接点２の電極２ａ、２ｂ間を短絡する。

したがって押鍵に対応した固定接点２が閉成されること
になる（第１図参照）。

そして、どの鍵が押されたかは図示しない回路により時
分割スキャンニングによって検知される。

次に、第３、第４図を参照して基板保持具の構造を詳細
に説明する。

第３図は基板保持具１７にプリント基板１及び可動接点
４を保持させて、鍵盤フレームに取り付ける前の状態を
示す拡大断面図であり、第４図は基板保持具１７のみの
第３図の矢示Ｂ−Ｂ方向から見た平面図である。

第３図は第４図のＣ−Ｃ線に沿う断面図に相当する。

基板保持具１７は、プリント基板１を保持するための第
１の保持部２１及Ｑ・第２の保持部２２とを有し、これ
らの各保持部が連結部２５によって連結され、例えは合
成樹脂によって一体的に形成される。

第１の保持部２１は、プリント基板１の長手方向の長さ
と略等しい長さの連続した側面２１ａを有し、この側面
２１ａにプリント基板１の板厚と略等しい幅の溝２１ｂ
が長手方向に沿って設けられている。

第２の保持部２２は、プリント基板１に穿設された第１
の透孔部１ａに嵌挿される突状体、例えば柱状体に形成
され、プリント基板１を上方から保持する突部２２ａと
、下方から保持すると共にプリント基板１に穿設さた第
２の透孔部１ｂに係合する爪２２ｂを一体に形成された
円弧状の爪保持部２２ｃを備えている。

２６．２６は第１、第２の保持部２１．２２にそれぞれ
設けられたねじ穴で、その内面にねじ係止用の小突起２
７が設けられており、鍵盤フレーｌ、１２へ取り付ける
際、取付ねじ１８を自己保持して作業を容易にする。

このような構造の基板保持具１７にプリント基板１を保
持させるためには、プリント基板１を第３図で上方から
第１の透孔部１ａに第２の保持部２２を挿通させ、側縁
部１ｅが第１の保持部２１のＲ２１ｂに嵌入するように
矢印り方向に押込めばよい。

このようにすると、プリント基板１の長手方向の側縁部
１ｅが第１の保持部２１の溝２１ｂに嵌入保持されると
共に、第２の透孔部１ｂに爪２２ｂが嵌入してプリント
基板１の水平方向の移動を阻止腰革２の保持部２２の突
起２２ａと爪保持部２２ｃとによってプリント基板１の
中間部が挟持されて保持される。

プリント基板１上には突出部２４が形成されており、基
板保持具１７によってプリント基板１がこのように保持
されたとき、この突出部２４と第１の保持部２１の側面
２１ａとの間に、それによって固定部４ｂ、４ｃの側面
が圧接保持されるように可動接点４をプリント基板１上
に載置すれば鍵スィッチ７が構成される。

なお、第２の保持部２２は第１の保持部２１の長手方向
に沿って間隔を置いて複数個設けられている。

また、突出部２４は合成樹脂等により可動接点４の一方
の固定部４Ｃの外側面に沿ってプリント基板１上に適当
な間隔を置いて設けられており、プリント基板と一体成
形するか、あるいは別部材を接着、嵌合する等によって
形成される。

第５図乃至第７図はそれぞれこの考案の他の実施例を示
す第３図と同様な断面図であり、第３図と同様な部分に
は同一符号を付しその説明を省略する。

第５図の実施例にお・ける基板保持具１７′は、その第
２の保持部２２′がプリント基板１に穿設された第１の
透孔部１ａに嵌挿する柱状体であり、その周面の一部に
プリント基板１が嵌入し得る溝２２’ａが設けられてい
る。

この溝２２’ａにプリント基板１の第１の透孔部１ａの
周縁部の一部を嵌入して保持する。

第６図の実施例における基板保持具１７″は、第２の保
持部が２個の柱状体２２″ａ、２２″ｂからなり、プリ
ント基板１の中間部を挟んで取付ねじによって鍵盤フレ
ームに固着される。

第７図の実施例における基板保持具１７ ”’は、その
第２の保持部２２ ’がプリント基板１の第１の保持部
２１によって保持される長手方向の側縁部１ｅと反対側
の長手方向の側縁部１ｆを嵌合保持する溝２２ ／／／
ａを有し、プリント基板１の長手方向に沿ってその全長
に亘って、あるいは適宜の長さで間隔を置いて設けられ
ている。

以上各実施例によって明らかなように、この考案によれ
ば鍵スィッチの構成が極めて簡単になり、部品点数の削
減及び組立工程の簡素化を計ることができると共に、可
動接点に導電ゴムを用いれば固定接点との密着性が良く
、チャタリングの発生を防止することができる。

さらに、鍵スィッチを構成するプリント基板の長手方向
の側縁部が基板保持具の少なくとも一方の保持部でで保
持されるので、プリント基板の反りや変形等が防止され
る。

第８図の実施例のように長手方向の両側縁部を嵌合保持
するようにすれば、その効果は一層大となる。

また、プリント基板上に形成された突出部と、プリント
基板の側縁部を保持する基板保持具の保持部とによって
可動接点の肉厚の固定部の側面が圧接保持されるため、
その位置が正確に保たれ、各錘に対して同一動作が保障
されると共に、組付が容易である。

第３、第４図に示した実施例のように、第１、第２の保
持部を連結一体構造にすれば、取扱いに便利であり、こ
の基板保持具にプリント基板及び可動接点を簡単に、工
具類を使うことなく装着して、鍵盤フレームに取付ける
前に鍵スィッチを完成することができて好都合である。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案にかかる鍵盤装置に用いられる鍵スィ
ッチを部分的に示す斜視図、第２図はこの考案の一実施
例を示す電子楽器の鍵盤装置の鍵の長手方向の側断面図
、第３図及び第４図は第２図の実施例における基板保持
具の構造を説明するための図で、第３図は基板保持具に
プリント基板及び可動接点を保持させた状態の拡大断面
図、第４図はその矢示Ｂ−Ｂ方向から見た基板保持具の
みの平面図、第５図乃至第７図はそれぞれこの考案の他
の実施例を示す第３図と同様な断面図である。 １・・・・・・プリント基板、２・・・・・・固定接点
、４・・・・・・可動接点、７・・・・・・鍵スィッチ
、１１・・・・・・鍵、１２・・・・・・鍵盤フレーム
、１７． １７’、 １７”、 １７”’・・・・
・・基板保持具、２１・・・・・・第１の保持部、２２
゜２２’、２２ａ、２２“−ｂ、 ２２ ”’−−−
−−−第２の保持部、２４・・・・・・突出。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 ■ 複数の鍵が装着された鍵盤フレームと、基板保持具
   を介して上記鍵盤フレームに該フレームと平行に固着さ
   れ、各錘に対応して複数の固定接点が形成されたプリン
   ト基板と、このプリント基板上に配置され上記複数の固
   定接点に対して共通の連結一体構造をなし、中央の可動
   部とその両側に肉薄の支持片を介して配設された肉厚の
   固定部とを備えた可動接点によって構成された鍵スィッ
   チとを具備腰 上記基板保持具は第１及び第２の保持部を有し、少くと
   もその第１の保持部によって上記プリント基板の鍵盤長
   手方向の側縁を保持することにより該プリント基板の変
   形、反り等を防止するとともに、 該第１の保持部と上記プリント基板上に形成された突状
   部とによって上記可動接点の固定部の側面を圧接保持す
   るようにした電子楽器の鍵盤装置。 ２ 基板保持具の第２の保持部がプリント基板に穿設さ
   れた透孔部に嵌挿されて該プリント基板を保持するよう
   になされた突状体であるとともに、第１の保持部と連結
   一体構造となっている実用新案登録請求の範囲第１項記
   載の電子楽器の鍵盤装置。