JPS6027700Y2 - 車輌用座席の前後移動装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は車輌用座席において最適な着座位置となるよう
に、あるいは後席乗員の乗降に便利となるように座席を
前後させる装置に関する。

車輌用座席を前後に移動する装置としては、座席の座部
フレーム下部に固着されるアッパーレールと該アッパー
レールを支持するロアレールとを滑動自在に係合させた
装置がよ知られている。

スライド機構であるアッパーレール及びロアレールは緊
密に係合させ、しかも、重量に耐えるために断面係数の
大きいＬ字状あるいはコ字状の形状となっている。

したがって製作時、取付は時の手間もかかり、車体にか
かる重量も自動車の軽量化という観点から考慮にはいる
ものでであった。

例えは、特公昭５４−３０１６３号公報に記載の従来例
が知られている。

これはアッパーレールを別個独立に設けずに、座部フレ
ームに受部材を形成しこれをアッパーレールとしたもの
である。

そして、ロアレールの代りに各種断面形状の棒状部材を
床面に固定し、受部材の溝部の断面形状を棒状部材の一
部の断面形状に対応する形としたものであり、受部材を
棒状部材に滑動可能なように担持させたものである。

また、受部材は、シートフレームの側部折り返し部分で
形成されていて、この水平方向に延出する受部材をその
下面側で棒状部材が担持する。

従って、受部材の溝部は、棒状部材の一部の断面形状に
正確に沿った形状に加工されていないと、ガタが発生し
易くなる。

このガタを防止するためには棒状部材と受部材の溝部と
の嵌合を精密に行なうために受部材をきわめて精密に加
工しなければならないものであった。

また、この従来例では、ロック機構は受部や棒状部材と
は別個に床面に取付けなければならず、この取付作業や
そのために使用する部品点数の増大は免れ得なかった。

まや床面に別個独立に設けたロック機構と、座部フレー
ムとの係合位置を正確に合せるための作業も困難であっ
た。

本考案は上記のような事情に鑑みてなされたものであっ
て、座部フレームの側板を折曲することによって、アッ
パーレールを兼ねる座部フレームとし、突出係合部の形
成によって座部フレームの強度を増すとともに、車体の
軽量化を図るとともに、ガタの発生を抑止し、ロック機
構を簡単に組込むことのできる車輌用座席の前後移動装
置を提供するものである。

このような目的を達威すため、本考案は、座部フレーム
の車輌の前後方向に沿った側板の一部を内側へ切起して
上方を向いたアングル状の切起部を形成するとともに、
下部を内側へ折り曲げて下方を向いたアングル状の折曲
部を構成し、これら切起部と折曲部とから突出係合部を
形成し、車体側に固着されるロアレールの断面形状をチ
ャンネル状に形成しこの中に突出係合部を樹脂層を介し
て滑動自在に係合させロアレールの一方の上面側部に複
数の溝を形成し、座部フレームに切起部形成個所から外
部に突出しロアレールの溝に咬合するように常時付勢さ
れたレバーを備えたロック機構を設けたものである。

以下図面を参照して本考案の好適な実施例を説明する。

第１図に示す座席のクッション（図示せず）を固定する
座部フレーム１の車体の前後方向の側板７の中央部には
座部のスライド長の切起し部１１が形成され座部フレー
ム１の側板下部に折曲部１２が形成され、切起し部１１
と折曲部１２とによって第２図に示すように突出係合部
７ａが構成されている。

突出係合部７ａは、第２図に示すように断面形状を有し
、突出保合部７ａの内側面にはガタ防止の補強材２が固
着され、樹脂層４を介してロアレール３に滑動自在に係
合されている。

ロアレール３は車体″（図示せず）に固着されており、
アッパーレールを兼ねた座部フレーム１がロアレール３
に滑動案内されることによって座席を前後に調節可能と
している。

次に座席を固定する機構の第３図に示した。

座部フレーム１に固着されたロック機構６はバネ６１と
レバー６２とによって構成され、座部フレーム１とはバ
ネ６１を以て固着されている。

バネ６１はロアレール３に固定された板状部材５によっ
て水平方向に対して保持されている。

レバー６２は座部フレーム１の側板７の一部を切起す際
に形成された窓１３より座席外部に突出し、バネ６１の
復元力によって垂直下方へのバネ力を受はロアレール３
の上面側部に形成された複数の溝３１の１つと咬合する
ことによってその位置に固定され座部がスライドするの
をロックしている。

したがッテロアレール３に形成される溝３１の数によっ
てスライド量を何段階にも調節可能としている。

またレバー６２を矢印ｆ方向に引き上げることによって
レバー６２は溝３１との咬合を解除され、座席はスライ
ド可能となる。

以上のように本考案では、座席の座部フレームの側面を
折曲することによってアッパーレールと腰従来のように
アッパーレールを介するこトナく座部フレーム自体がロ
アレールに滑動自在に係合されている。

したがって座部フレームがアッパーレールを兼ねること
によって座部及び車体の軽量化を図ることができ、部品
数の減少によってコストダウンも可能としている。

またロックレバ−をクッションフレームの切り起し部よ
り座席外部に突出できるため使用にも便利であると共に
製作・取付は時の工程も短縮することができ、合わせて
座席の表皮を座部フレームの切り起し部を通して折り込
み係止することも容易である。

さらに座部フレームの一部を切り起すそことによって「
はり」構造となり断面係数が大きくなるため強度が増し
ている。

さらに本考案では、突出係合部は上下方向に突出する部
分を有し、この上下方向の突出部分を断面チャンネル状
のロアレールが側方からおおう恰好に取付くため、水平
方向に延びるようにしたものに比べ、水平方向の少ない
スペースで固定側部材と可動側部材とを連結することが
でき、しかも座部フレームの内部の空間を活かして省ス
ペースを図るものである。

さらにまた、突出係合部は樹脂層を介してロアレールの
中に滑動自在に係合させられるので、ガタの発生を抑止
できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す車輌用座部の前後移動
装置の分解斜視図、第２図は第１図の前後移動装置のＩ
−Ｉ線断面図、第３図はロック機構を示す前後移動装置
の一部断面図である。 １・・・・・・座部フレーム、２・・・・・・補強材、
３・・・・・・ロアレール、４・・・・・・樹脂層、５
・・・・・・板状部材、６・・・・・田ツク機構、７・
・・・・・側板、？ａ、７ｂ・・・・・・突出係合部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 座部フレームの車輌の前後方向に沿った側板の一部を内
   側へ切起して上方を向いたアングル状の切起部を形成す
   るとともに、下部を内側へ折り曲げて下方を向いたアン
   グル状の折曲部を形成腰これら切起部と折曲部とから突
   出係合部を構威し、 車体側に固着されるロアレールの断面形状をチャンネル
   状に形成しこの中に突出係合部を樹脂層を介して滑動自
   在に係合させ、 ロアレールの一方の上面側部に複数の溝を形成し、 座部フレームに切起部形成個所から外部に突出しロアレ
   ールの溝に咬合するように常時付勢されたレバーを備え
   たロック機構を設けたことを特徴とする車輌用座席の前
   後移特装置。