JPS6027086Y2 - 軸受構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は例えば前車軸の操向車軸等における軸受構造に
関する。

従来、一端に前輪バブ軸を連結したナックル軸は、前車
軸に固定の操作用支筒に支持され、バブ軸のボス部と支
筒との間に配置されたスラスト軸受及びシール部材によ
って、支筒に対するスラスト荷重が支えられ、泥水等の
浸入が阻止されている。

この従来構造においては、スラスト軸受を使用している
ため、軸受部分の容積が大きく、また容積が大きい割に
スラスト荷重を受ける面積が小さいため傷みが生じ易い
。

更に、軸受部分の大きさは限界があるので、大きいスラ
スト軸受を使用すると、共に配置されるシール部材が小
さくなり、シール性能を向上させることが困難となる。

またナックル軸の上下動によって、シール部材のリップ
が摺動面から逸脱することもある。

本考案は以上のような従来構造の欠点に鑑み、スラスト
軸受の代りにスペーサ及びスラスト座金を設けることに
より、スラスト荷重支持面積の拡大、占有容積の縮少及
びコストダウンを可能にし、スペーサと横軸のボス部と
に嵌合し縦軸支筒の拡大筒部内周面を摺動面とするシー
ル部材を設けることにより、シール性能の向上を計った
軸受構造を提供することを目的とする。

本考案は下端に拡大筒部が延設されている縦軸支筒に縦
軸が相対回転自在に支持されており、この縦軸の下端に
横軸の一端に形成したボス部が嵌合連結されており、前
記ボス部の上部は前記縦軸支筒の拡大筒部に包囲されて
おり、前記縦軸支筒の下端に当接する座金と前記ボス部
の上面とに当接するスペーサとが前記縦軸に嵌合されて
おり、前記拡大筒部の内周面に摺動するシール部材が前
記ボス部及びスペーサにまたがって嵌合されていること
を特徴とする。

尚、本考案は前車軸のナックル軸に適用した実施例を示
すが、その他の軸に適用することができる。

以下、本考案の実施例を図面に基いて説明する。

トラクタの前車軸のナックル軸部を示した第１図及び第
２図において、前車軸１の両端部に縦向傾斜姿勢の操向
用支筒２が固定され、この支筒２に相対回転自在に支持
されているナックル軸３の上端にはタイロッドで同行さ
れるナックルアーム４が固定され、その下端には前輪ハ
ブ５を回転自在に支持するハブ軸６のボス部６ａが嵌合
溶着されている。

７はハブ軸６に嵌合され且つ前輪ハブ５支持用の軸受の
間隔を規制するスペーサである。

前記支筒２の下端部からはボス部６ａのスラスト受部６
ｃに囲繞される拡大筒部２ａが延設され、この拡大筒部
２ａのスラスト受面２ｂとボス部６ａのスラスト受部６
ｃの受面６ｂとの間にスラスト座金８及びスペーサ９が
挿入されている。

１０は潤滑油を含浸したウレタン樹脂製ブツシュであり
、支筒２とナックル軸３の間に２個介在されている。

スラスト座金８はピン８ａによって支筒２に対して廻り
止めが施こされている。

スペーサ９は断面り字形の環状部材であり、前記スラス
ト座金８と当接する面を有する大径部９ａと、ボス部６
ａと当接する面を有する小径部９ｂとが形成されている
。

このスペーサ９の小径部９ｂとスラスト受部６ｃと拡大
筒部２ａとで形成される環状空間１２にシール部材１３
が配置されている。

前記シール部材１３のシール環１３ａはスペーサ９及び
スラスト受部６ｃにまたがって圧入嵌合し、リップ１３
ｂは拡大端部２ａの内周面を摺動面２ｃとしている。

前記シール部材１３のシール環１３ａの内周をゴム等の
弾性体で作っても良い。

このようにすれは、スペーサ９とナックル軸３及びシー
ル部材１３との間のシール効果も向上できる。

第３図は本考案の変形例を示しており、支筒２の拡大筒
部２ａの内周に断面り字形スリーブ１５（フランジ付き
スリーブ）を挿入しており、このスリーブ１５の内周面
がシール部材１３の摺動面２ｃとなっている。

前記変形例ではスリーブ１５を設けることによって、シ
ール部材１３の摩耗を減少し且つシール性能をより向上
させている。

また、スリーブ１５はフランジ付きなので、補修交換が
容易である。

尚、前記支筒２が縦軸支筒、ナックル軸３が縦軸、ハブ
軸６が横軸となる。

前記の如く構成される本案においては、従来構造に比べ
て、縦軸のスラスト荷重を支持するスラスト軸受の代り
にスペーサを用いるので、スラスト荷重を受ける面積が
大きい割に占有容積が小さくてすみ、傷みがなくなり且
つ大荷重に対する耐久性が向上し、高価なスラスト軸受
を使用しないのでコストダウンが可能となる。

また、縦軸の軸受部分をコンパクトにしたり又は大きな
シール部材の使用によるシール性能の向上を計ったりす
ることが可能となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案軸受構造の実施例を示す断面説明図、第
２図は第１図の円Ａ内を拡大した説明図、第３図は第２
図に示した本考案の変形例を示す断面説明図である。 １・・・・・・前車軸、２・・・・・・支筒、２ａ・・
・・・・拡大筒部、２ｃ・・・・・・摺動面、３・・・
・・・ナックル軸、４・・・・・・ナックルアーム、６
・・・・・・ハブ軸、６ａ・・・・・・ボス部、８・・
・・・・スラスト座金、９・・曲スペーサ、９ａ・・・
・・・大径部、９ｂ・・・・・・小径部、１３・・・・
・・シール部材、１５・・・・・・スリーブ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 下端に拡大筒部が延設されている縦軸支筒に縦軸が相対
   回転自在に支持されており、この縦軸の下端に横軸の一
   端に形成したボス部が嵌合連結されており、前記ボス部
   の上部は前記縦軸支筒の拡大筒部に包囲されており、前
   記縦軸支筒の下端に当接する座金とこの座金と前記ボス
   部の上面とに当接するスペーサとが前記縦軸に嵌合され
   ており、前記拡大筒部の内周面に摺動するシール部材が
   前記ボス部及びスペーサにまたがって嵌合されているこ
   とを特徴とする軸受構造。