JPS6026Y2 - 金属製まほうびんの底構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は金属製まほうびんの底構造に関する。

従来、金属製内瓶とこの内瓶を包囲する金属製外瓶との
間に形成される空間を真空室とした金属製まほうびんが
提供されている。

上記外瓶の底部には排気用のチップ管が設けられており
、このチップ管を保護するために外瓶の底部を覆う金属
製底カバーが固定されている。

ところが、底カバーは重量軽減のために薄肉金属板で構
成されており、まほうびんを誤って落下させた時など底
カバーに大きな衝撃力が加わると、底カバーが変形して
チップ管を損傷し、上記真空室の真空度を低下させる危
険性がある。

本考案はかかる問題点に鑑みてなされたもので、たとえ
底カバーが変形してもチップ管を損傷する心配のない金
属製まほうびんの底構造を提供することを目的とする。

以下、本考案を一実施例である添付図面にしたがって説
明する。

図面において、１は金属製内瓶、２は金属製外瓶で、内
瓶１と外瓶２との間の空間を真空室３としである。

上記外瓶２は上方より外瓶肩体４と外瓶胴体５と外瓶底
体６との３部材で構成され、これらは互いにＴＩＧ （
ティグ）溶接にて接合されている。

上記外瓶肩体４と外瓶胴体５との接合部７の上下近傍に
は、第９図に示すごとく外方へ突出する傾斜面８ａ、８
ｂが形成され、一方、外瓶胴体５と外瓶底体６との接合
部９の上部近傍にも第１０図に示すごとく斜め下方へ突
出する傾斜面１０が形成されている。

上記外瓶肩体４には栓体１１を螺着すべき雄ネジ４ａと
コツプを兼ねる蓋１２を螺着すべき雄ネジ４ｂとが形成
されている。

また、外瓶胴体５の上端部内面には、保持金具１３にて
ゲッター１４が取付けられ、内瓶外面あるいは外瓶内面
から発生したガスを吸収し、真空度の低下を防止してい
る。

外瓶底体６の下端部中央には、排気用チップ管１５が設
けられている。

上記外瓶底体６の周囲には金属製底カバー１６が嵌合さ
れており、底カバー１６の上端部が上記外瓶胴体５と外
瓶底体６との接合部９の下面に当接するとともに、この
上端部に斜め上方へ突出する傾斜面１６ａが形成されて
いる。

底カバー１６の底部中央には縁立部１７ａを有する開口
孔１７が形成され、この開口孔１７に合成樹脂製底板１
８（第１１図参照）の保護筒１９が嵌合され、保護筒１
９の外周に複数箇所突設した小突起１９ａが縁立部１７
ａ上縁に係合することにより、底板１８は底カバー１６
に固定される。

この底板１８はまほうびんの底面を構成し、まほうびん
を起立させたとき底板１８の外周脚部１８ａが床面に当
接して辷りを防止している。

底板１８の保護筒１９は上記チップ管１５の外周をおお
い、かつ保護筒１９の上端と外瓶底体６との間には間隙
ｅが設けられている。

この間隙ｌはチップ管１５と底板１８の上面との間隙り
より小さく、この金属製まほうびんの底部に大きな力が
作用し、底カバー１６が変形し底板１８が上方へ押し上
げられても、保護筒１９が外瓶底体６の底面に当接して
チップ管１５を損傷しないようにし、真空度の低下等の
不具合を防止している。

上記外瓶肩体４と外瓶胴体５との接合部７、および外瓶
胴体５と外瓶底体６との接合部９の周囲にはそれぞれ胴
リング２０，２７が装着されている。

上方の胴リング２０は第５図、第６図に示すごとく１ケ
所が切断された略Ｃ字形状の樹脂成形品からなり、この
切断部には両側方に開口した貫通孔２１と下方に開口し
た軸受孔２２とが形成されている。

また、この胴リング２０の内面には、上記接合部７が遊
嵌合する空間部２３が形成され、この空間部２３の上下
面から６０°間隔で交互にリブ２４ ａ、 ２４ ｂ
が突設されている。

この胴リング２０は上記接合部７の周囲に嵌合され、貫
通孔２１に締付ネジ２５を挿通してその先端にナツト２
６を螺着することにより締付けらる。

これによって胴リング２０のリブ２４ａ、２４ｂは接合
部７近傍の傾斜面８ａ、８ｂに圧着して若干押しつぶさ
れ、胴リング２０の内周面が外瓶２の外周面に密着し、
同時に胴リング２０は接合部７に上下に位置ずれするこ
となく確実に固定される（第９図参照）。

特に、リブ２４ａ、２４ｂを上下に対向させずに交互に
設けたため、接合部７の剛性によってリブ２４ａ、２４
ｂが必要以上に押しつぶされることなく、胴リング２０
の弾性を利用して確実に固定できる。

一方、下方の胴リング２７も第７図、第８図に示すごと
く上方の胴リング２０と同様に略Ｃ字形状の樹脂成形品
からなり、切断部には貫通孔２８と上方に開口した軸受
孔２９とが設けられ、内面には空間部３０とリブ３１ａ
、３１ｂとが設けられている。

この胴リング２７は、外瓶底体６のまわりに底カバー１
６を嵌合させた後、外瓶胴体５と外瓶底体６との接合部
９および底カバー１６の上端部の周囲に嵌合される。

そして、貫通孔２８に締付ネジ３２を挿通して先端にナ
ツト３３を螺着することにより、胴リング２７を締付け
る。

このとき胴リング２７のリブ３１ａ、３１ｂは上記接合
部９の上側の傾斜面１０と底カバー１６の上端傾斜面１
６ａとに圧着し、胴リング２７が外瓶２に対して確実に
固定されるとともに、底カバー１６が外瓶２に対して一
体的に固定される。

したがって、底カバー１６を外瓶２に対して溶接や接着
等によらず、簡単に固定できるとともに、底カバー１６
が変形あるいは損傷したときには、この底カバー１６を
取換えることもできる。

また上記胴リング２０，２７の軸受孔２２，２９には軸
３４，３５を介Ｉ７て２個のハンドル３６．３７が回動
可能に取付けられており、このハンドル３６，３７を外
瓶２側に収納したときには、ハンドル３６，３７の外側
面が胴リング２０．２７の輪郭と一致し、ハンドル３６
，３７を外方に回動したときには把手となる。

上記のナラ）２６，３３には下げ紐３８取付用の角鑵３
９が取付けられ、この金属製まほうびんを携帯するとき
、上記ハンドル３６，３７あるいは下げ紐３８のいずれ
を使用することもできる。

なお、上記実施例では保護筒１９自身が開口孔１７に嵌
合するものを示したが、これに限らず、保護筒１９を開
口孔１７に遊嵌合させ、底板１８上面に別個に開口孔１
７への嵌合爪を設けてもよい 以上の説明で明らかなように、本考案によれば、底カバ
ーに嵌合固定した底板に一体に保護筒を突設したので、
底カバーに大きな衝撃力が加わったとき底板で補強する
とともに、たとえ底カバーが変形しても、保護筒の上端
が外瓶の底部に当接してそれ以上の変形を阻止し、チッ
プ管の損傷を防止できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案にかかる金属製まほうびんの正面図、第
２図は一部断面側面図、第３図は一部断面平面図、第４
図は第２図のＩＶ−ＩＶ線線断断面図第５図、第６図は
上方の胴リングの一部断面平面図および第５図のＶＩ−
ＶＩ線断面図、第７図、第８図は下方の胴リングの一部
断面平面図および第７図の■−■線断面図、第９図は外
瓶の接合部に上方の胴リングを取付けた状態の一部拡大
断面図、第１０図は外瓶の接合部に下方の胴リングを取
付けた状態の一部拡大断面図、第１１図は、金属製まほ
うびんの拡大半断面図である。 １・・・・・・内瓶、２・・・・・・外瓶、３・・・・
・・真空室、１５・・・・・・チップ管、１６・・・・
・・底カバー、１７・・開開口孔、１７ａ・・・・・・
縁立部、１８・・開底板、１９・・曲保護筒、１９ａ・
・・・・・小突起。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１） 金属製内瓶とこの内瓶を包囲する金属製外瓶
   との間の空間を真空室とするとともに、上記外瓶の底部
   中央に排気用チップ管を設け、かつ上記外瓶底部の外周
   に底カバーを取付けてなる金属製まほうびんにおいて、
   上記底カバーの底部中央に開口孔を設け、まほうびんの
   底面を構成する合成樹脂製底板を上記開口孔に嵌合固定
   し、この底板の上面中央に、上記チップ管の外周を包囲
   しかつ上端が外瓶の底面と近接した保護筒を一体に突設
   したことを特徴とする金属製まほうびんの底構造。
2. （２）上記底カバーの開口孔に上方に起立する縁立部を
   形成し、底板の保護筒の外周面には小突起を設け、この
   保護筒を開口孔に嵌合することにより上記小突起を縁立
   部上縁に係止したことを特徴とする実用新案登録請求の
   範囲第１項記載の金属製まほうびんの底構造。