JPH0420762Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案はペール缶等の開口を閉止するための缶
蓋に関する。

（従来の技術） 従来のペール缶容器等の蓋として、通常、ラグ
カバーまたは固定締付バンドが知られている。し
かし、これらの中、前者は閉止するために蓋締機
を使用しなければならず、閉止作業に時間がかか
るという問題点があり、また、開蓋時の取外し作
業も同様である。その上、かかる蓋は開蓋後は塑
性変形により蓋としての機能が損なわれる点も問
題点である。後者は前者の上記問題点を解決でき
るが、構造が複雑でコストが高い欠点がある。

上述した問題点を解決するための考案が実開昭
59−126855号に開示されている。

上記考案は缶容器の開口側外周に設けられた環
状の突起に対する缶蓋の係合手段が中央もしくは
その近くに孔を有し、容器の内方に向つて突出す
る複数の突起構造である。これにより缶蓋は閉止
の場合は容器に対して押しつけるだけで良いから
封缶作業が確実にでき、また、開蓋の場合は容器
の環状部及び缶蓋の突起が弾性変形によるため取
外し作業が容易であるとともに、再閉止可能であ
る。かかる利点がある一方で予じめ孔を有する係
合手段であること及び開蓋が弾性変形（わずかな
塑性変形を伴うことがある）によるため、開蓋の
事実を認識し難く消費者に対する内容物の保証の
点で改良の余地がある。

（考案の目的） 本考案は缶蓋の取付け、取外しが簡便であるこ
と、消費者に対する保証を高めること、しかも消
費者において開封後も蓋を繰り返し使用でき、内
容物の小出し使用に便利に利用できる缶蓋を提供
することを目的とする。

（解決するための手段及び作用） 上記目的を達成するために本考案は、缶等容器
の開口部の全面をカバーする缶蓋の外周に開口部
外周の環状フランジ部の下側に係合するいくつか
の突起を有する缶蓋において、環状フランジ部の
外接壁に外面に凹入しフランジ部の下側に係合突
出する突起を設けるとともに、凹入部に切裂シー
ル部を設けた構成である。

かかる構成によれば、缶蓋の取付けは缶等容器
の開口部に載置カバーする缶蓋を缶等容器に押し
つけることで外接壁の突起が環状フランジ部を強
制的にとび越えてフランジ部の下側に入り込んで
堅牢に係合し、かかる装着後は切裂シール部をド
ライバーの先端で破らない限り開蓋不能であるか
ら、このシール部の有無により開蓋事実を外部か
ら容易に認識できるし、開蓋後も突起は切裂線よ
り下半部のみが内曲処理され、変形した上半部及
びそこにある係止部が残存するので蓋の機能を損
うことなく繰り返し使用できることになる。

（実施例） 以下、本考案の実施例を示す図面について説明
すれば、第１図は缶蓋Ａの斜視図で、各等容器Ｂ
の開口部全面をカバーする頂壁１と、外周に缶等
容器Ｂの環状フランジ部５に沿つて所定長さだけ
垂下する外接壁２とを有し、６……は外接壁２の
円周に区分していくつか設けた内方突起であり、
後記詳述するように突起外面の凹入部３に切裂シ
ール部４……を有する。

第２図は缶等容器Ｂに缶蓋Ａを装着したところ
の一部を破断した斜視図で缶蓋Ａは頂壁１の外周
に内周壁２ａと外周壁２とで下向きＵ字形の環状
溝７を有するカバーフランジ部８を設けてあり、
環状溝７にパツキン材９を介して缶等容器Ｂの開
口部外周の環状フランジ部５を挟入している。本
考案の缶蓋Ａは密封性能の程度を除外すれば内周
壁２ａを必ずしも必要とせず、環状フランジ部５
に沿つて接触する外接壁２を有すれば十分であ
る。外周壁２はその下端を環状フランジ部５より
所定寸法だけ下方に延長し、カール部２ｂを設け
る。環状フランジ部５に対応して外接壁２には自
体を加工して外面に凹み内面に当該環状フランジ
部５の下側に入り込む内方突起６をいくつか設け
て缶蓋Ａの装着時に係止部６ａを係合可能にす
る。３は内方突起６の外面の凹入部でこの凹入部
及び前記内方突起は外周壁２の円周方向に延びる
巾寸法を特に限定するものではないが、一般的に
缶蓋Ａの取外しはドライバーＣで行われるから、
このドライバー先端巾に対応してつくられる。凹
入部３の凹入溝３ａには左右巾方向に沿つて切裂
シール部４を設ける。この切裂シール部４は内方
突起６の肉厚を貫いて同突起面に完全に開口する
裂目としたり、または内方突起６の肉厚を薄くす
る凹入溝側からの切目線を設けてドライバーＣの
先端により容易に破れるようにする。また、切裂
シール部４は凹入溝３ａの上下巾を二分する線上
か、それより下方に設ける。

第３図に示すように、ドライバーＣの先端を凹
入部３に挿し、外力を加えると弱い切裂シール部
４が破れ、第４図のように先端を貫通させたドラ
イバーＣを上方に持ち上げると一方でドライバー
先端は内方突起６の切裂シール部４より下半部分
６ｂだけを外接壁２の内面に内曲処理し、他方、
内方突起６の上半部分６ｃはドライバーＣにより
変形するが、ドライバーの押し付け側にあるので
環状フランジ部５に対して変形された係止部６ａ
を残存させる。従つて、切裂シール部４を破き開
蓋した缶蓋Ａであつても蓋の機能を依然として保
有し、消費者において繰り返して使用できる。

（考案の効果） 本考案は以上のように構成したので、容器に装
着された缶蓋は内方突起により封印し、しかも消
費者に外部から確実、容易に認識できる切裂シー
ル部によつてヴアージンシールを保証でき、ま
た、このシール部は消費者において簡易に破いて
開蓋できるとともに、開蓋後も変形された係止部
を残存させるので蓋の機能を損なわず、しかも手
で取付け取外して再使用できる等、実用価値の大
きい缶蓋である。

【図面の簡単な説明】

第１図は斜視図、第２図は破断した部分斜視
図、第３図は部分断面図、第４図は部分断面図で
ある。 Ａ……缶蓋、Ｂ……缶等容器、２……外周壁、
３……凹入部、３ａ……凹入底、４……切裂シー
ル部、６……内方突起、６ａ……係止部、６ｂ…
…突起下半部、６ｃ……突起上半部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 缶等容器の開口部及び開口部外周の環状フラン
   ジ部をカバーする頂壁及び頂壁外周に連設下曲す
   る外周壁を有する缶蓋が環状フランジ部の外接壁
   に環状フランジ部に係合する突起を有する蓋にお
   いて、環状フランジ部５に接触する外接壁２に外
   面に凹入し、フランジ部５の下側に係止部６ａを
   もつ内方突起６を設けるとともに、同突起外面の
   凹入部３の凹入底３ａに破断時に係止部６ａを有
   する内方突起６の上半部６ｃと、外接壁２内面に
   内曲処理される内方突起６の下半部６ｂとに二分
   しうる切裂シール部４を設けて成る缶蓋。