JPS6026148B2 - アクリロニトリル系多孔質膜の製造方法 - Google Patents

アクリロニトリル系多孔質膜の製造方法

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JPS6026148B2
JPS6026148B2 JP2320877A JP2320877A JPS6026148B2 JP S6026148 B2 JPS6026148 B2 JP S6026148B2 JP 2320877 A JP2320877 A JP 2320877A JP 2320877 A JP2320877 A JP 2320877A JP S6026148 B2 JPS6026148 B2 JP S6026148B2
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精二 高尾
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  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、アクリロニトリル(以下ANと略称する)系
重合体を出発物質として多孔質膜を製造する方法に関す
るものであり、更に詳しくはAN系重合体を無機塩濃厚
水溶液に溶解せしめてなる製膜原液を膜状に形成した後
、特定の条件下において固化並びに熱処理することを要
旨とする膜構造の非対称性が大きく、機械的強度及び分
離性能を改善せしめたAN系多孔質膜の製造方法に関す
るものである。
近年廃水処理、海水の淡水化、食品工業或は医療分野等
の広範な用途分野において、半透膜を使用する各種物質
の分離技術が注目され、今後も更に大きな発展が期待さ
れている。
そのような膿分離技術として、水系媒体中に浮遊、分散
乃至は溶解している物質の大きさに応じてマイクロ渡過
、眼外濠週、逆浸透等種々の手法が提案されている。
即ち、上記の各分離目的に応じて膜に要求される性能が
異なることは言うまでもないが、共通的に要求される性
能として、水系媒体の透過速度(以下単に「透過速度」
と略称する)が大きいこと、塩排除能力(除去したい成
分の排除能力)に優れること、機械的及び化学的性質に
優れることなどが挙げられる。現在公知の半透膜は極め
て多く存在しているが、上記の諸性能を実用的水準にま
で満足する膜は必ずしも存在していないのが実状であり
、例えばセルロース・アセテート膜は特に耐薬品性、耐
微生物分解性などに欠点が認められる。
一方、AN系重合体膜は化学的性質などに優れ、主とし
てジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメ
チルスルホキシド等の有機溶剤溶液から半透膜を得る方
法が種々提案されている。しかし、このような有機溶剤
を使用する方法では溶剤の揮発により膜の表面層のみが
繊密化し、必然的に非対称構造膜を作製し易い反面、斯
かる溶剤の揮発は製膜時における作業環境の悪化を惹起
し、また製膜原液温度、溶剤の蒸発雰囲気及び凝固条件
等の決定や調節がむずかしく、更に凝固時における腰の
内層と繊密化された表面層との収縮不均斉に基づき膜の
中に大きな空隙や孔を発生するため、機械的強度が低く
氏密化し易い等の欠点を有していた。また、AN系重合
体の無機溶剤溶液から半透膜を作製する方法も知られて
いるが、無機溶剤として例えば硝酸を用いる場合には、
AN系重合体が容易に加水分解するため製勝原液を低温
に維持する必要があり、また硝酸中に含される亜硝酸を
除去するために高度の精製操作が要求され、更に最終的
に得られる膜の分画(カットオフ)分子量は概して大き
く、分画分子量領域を調節することも容易ではない。
また、無機塩濃厚水溶液を溶剤としたAN系重合体製膜
原液を成膜固化後t無機塩含有状態で加熱乾燥、延伸操
作を施し、水洗脱塩後更に乾燥する製膜法も知られてい
るが、この方法では概して繊密層が厚くなり易く、膜横
造の非対称性及び透過速度も不充分である。ここにおい
て本発明者は、上記の欠陥を克服し、優れた膜性能を有
するAN系多孔質膜を製造すべく鋭意研究した結果、A
N系重合体の溶剤として無機塩濃厚水溶液を使用し、凝
固条件並びに後続の熱処理条件を特定化せしめることに
より、機械的強度に優れた非対称構造膜が得られると共
に、透過速度及び塩排除能を好適な範囲に維持したAN
系多孔質膜を製造し得る事実を見出し、本発明に到達し
た。
即ち、本発明の目的は、膜構造の非対称性に優れ、膜中
の微細孔径の制御が容易であり、透過速度及び塩排除能
を好適な範囲に調節し得るAN系多孔質膜の製造方法を
供給することにある。
本発明の他の目的は、毅際時における溶剤揮発に伴う作
業環境上の問題がなく、延伸工程の省略が可能であり、
しかも機械的強度に優れたAN系多孔質膜の工業的に有
利な製造方法を提供することにある。本発明の更に異な
る目的は、抗圧密化性の優れ、乾燥或は湿潤下における
保存においても安定の膜性能を維持すると共に、使用後
に乾燥してしまった膜も再使用に耐える性質(以下「乾
燥し再使用性」と略称する)に磯れた取扱い容易なAN
系多孔質膜膜の製造方法を提供することにある。
本発明の更に異なる他の目的は、マイクロ燈過膜、限外
麓過膜、隔膜、複合膜用基材等の各種用途分野に応じて
必要な分離性能の付与が可能なAN系多孔質膜の製造方
法を提供することにある。上述した本発明の目的は、A
N系重合体を無機塩の濃厚水溶液に溶解して該重合体の
濃度を重合体、無機塩及び水の総量に対して5〜25重
量%の範囲に維持した製膜原液を準備し、該製膜原液を
膜状に形成した後、無機塩と水との総量に対する無機塩
濃度が25重量%以下であり且つ温度が15〜40℃の
第1凝固裕中で部分固化せしめ、次いで無機塩濃度15
重量%以下、温度120以下の第2凝固裕中で完全固化
せしめた後、次に温度50〜120℃の水及び/又は水
溶性非溶媒中で熱処理することにより、達成することが
できる。
ここにおいて、本発明に係る多孔費膜の出発物質として
使用するAN系重合体は公知の方法で得られたものが用
いられ、AN単独若しくはAN単位を8の重量%以上結
合含有してなる重合体が好ましい。
即ち、ANの含有率が80%に満たない場合には、得ら
れる膜の耐薬品性、水との適度や親和性、耐熱性、耐微
生物分解性等が不十分となり〜好ましくない。また、斯
かるAN系重合体の分子量ま、3ぴ0のジメチルホルム
アミド中にて測定した極限粘度〔り〕が0.4〜4の範
囲にあるものが好ましく、該分子量が小さ過ぎると成膜
性、機械的強度が及び耐水性が劣り、、分子量が大き過
ぎても成膜性が悪い。なお、ANと共重合する単量体と
しては、ANと共重合可能な公知のコーモノマーを用い
ることができ、例えばブタジェン、ィソプレン等の共役
ジェン単量体類;スチレン、Qーメチルスチレン、クロ
ロスチレン等の芳香族ビニル単量体類;、メタクリロニ
トリル、シアン化ビニリデン等のニトリル単量体類;ア
クリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル
等のアクリル酸ェステル類;メタクリル酸メチル、メタ
クリル酸エチル、メタクリル酸ブチル等のメタリル酸ェ
ステル類;、塩化ビニル、臭化ビニル、塩化ビニ1」デ
ン、臭化ビニリデン等のハロゲン化ビニル及びビニリデ
ン類:、酢酸ビニル、プロピオンビニル等のビニルェス
テル類;、エチルビニルェーテル、ブチルビニルェーテ
ル等のエーテル類などがある。
まず、上記AN系重合体を溶剤に溶解して製膜原液を作
製する。
本発明に用いる斯かる溶剤としては、ロダンソーダ、ロ
ダンカリウム等のロダン塩、ナトリウム、マグネシウム
、カルシウム、バリウム、アルミニウム等の過塩素酸塩
類、臭化リチウム、塩化亜鉛等の無機塩類の濃厚水溶液
を使用する。なお、斯かる溶剤としてロダン塩水溶液を
使用する場合には、水溶液の総量に対してロダン塩濃度
を4の重量%以上、好ましくは43〜55%に維持し、
また塩化亜鉛水溶液を使用する場合には、60%以上の
塩濃度に維持することが好ましい。また、上記製膜原液
中のAN系重合体濃度は、重合体、無機塩及び水の総量
に対して5〜25重量%、好ましくは8〜15%の範囲
に維持する必要がある。即ち、斯かる重合体濃度が5%
に満たないときには、平膜状或は中空繊維状のいずれの
形態の膜を作製する場合においても成膜性、機械的強度
及び塩排除能に劣り、また該濃度が25%を越えるとき
には、高粘度原液となるため成膜性に劣り、透過速度も
小さく好ましくない。次に、このようにして作製した製
膜原液を例えば平板、エンドレスベルト、回転ドラムな
どの上に流延、又はスリット状、アンニュラー状等の口
金を介して押出などの方法により、平膜、チューブ、中
空繊維等の膜上に形成する。
なお、膜の厚みは完全固化膜として概ね10〜200仏
になるようにドクターブレード等を使用して調節する。
次いで、斯くして形成したゾル状膿を直ちに或は不活性
雰囲気中を通過せしめた後に凝固裕中に浸濃固化せしめ
るが、本発明においては斯かる凝固操作を二段階で行な
う。即ち、まず無機塩濃度が無機塩と水との総量に対し
て25重量%以下、好ましくは20%以下であり、温度
が15〜40つ0、好ましくは18〜33o0の第1凝
固裕中で部分固化せしわ、次に無機塩濃度15重量%以
下、好ましくは12%以下、温度1が0以下、好ましく
は8℃以下の第2凝固裕中で完全固化せしめる必要があ
る。斯かる第1格の塩濃度が25%を越えるときには、
膜の凝固液非接触面の方が凝固液接触面よりも繊密にな
るが、この繊密度は不充分であり、第2俗を通過せしめ
た後においても斯かる繊密度は改善されず、塩排除能及
び機械的強度の劣る膜しか得られない。また、第1俗温
度が1500未満のときには膜構造の非対称性が不充分
となり、40ooを越えるときは膜の機械的強度が著し
く劣るものとなり、好ましくない。更に、本発明の第1
凝固裕条件を採用しても、第2浴の塩濃度が15%を越
えるときや温度が1が0を越えるときには膜に実用的な
機械的強度を付与せしめることができない。なお、第2
格の塩濃度は、通常第1格の塩濃度以下の範囲に設定す
ることが好ましい。このように本発明に係る二段凝固に
おける凝固時間は、目標とする膜性能、膜の厚みなどに
応じて変える必要があり、一義的に規定できないが、第
1格においては概ね数秒から数百秒、第2格においては
それより長時間凝固浴中に浸簿せしめる。
即ち、一般的傾向として第1格の凝固時間を長くすると
、後続の第2浴処理効果が充分に発現しないため、透過
速度や分画分子量が大きくなる反面、機械的強度や塩排
除能の劣るものが、また斯かる時間を短かくすると、逆
に第1浴の処理効果を発現せしめることができず、機械
的強度や塩排除館に優れる反面、透過速度の小さい膜し
か得られず、いずれにおいても本発明に推奨する如き二
段凝固に基づくバランスのとれた膜性能を発現せしめる
ことができず、好ましくない。なお、凝固裕液に用いら
れる無機塩の種類は、第1格と第2格で同一である必要
はなく、また該塩はAN系重合体の溶解に用いられた無
機塩である必要もない。
しかし、工業的有利な製造方法としてはAN系重合体の
溶解に用いられた無機塩を凝固裕液に用いるのが有利で
ある。更に、このように一体的に結合された二段凝固工
程を経て作製された完全固化膜を、温度50〜120こ
0、好ましくは80〜10び○の水及び/又ははエチレ
ングリコール、プロピレングリコール、エチルセロソル
ブ、グリセリン等の水溶性非溶媒(水溶性でありAN系
重合体の非溶剤である媒体)中で熱処理する必要がある
。即ち、斯かる熱処理温度が50qo未満のときには塩
排除能、並びに重合体の凝固構造固定の不足に基づく耐
熱性、抗圧密化性、乾燥再使用性等の改善効果を十分期
待できず、120午Cを越える温度では好ましくない重
合体凝固構造の大改善等が活発になり、透過速度の低下
などの問題を派生し、好ましくない。また、制限収縮下
、即ち収縮率(チューブ若しくは中空繊維状の膜ではそ
の最軸方向の長さの、また平膜では膜表面の任意の軸万
向の長さの、熱処理前・後における変イG率)を例えば
10%以下に抑制した条件下において斯かる熱処理を施
すことが好ましい。即ち、熱処理時における収俊率が1
0%を越えるときには透過速度や膜面平滑性の著しい低
下を来たし、好ましくない。また、上記熱処理と同時に
延伸を施すことはなんら差支えないが、延伸操作により
膜性能の変化を生起することを念頭におく必要がある。
即ち、例えばチューブ若しくは中空繊維状の膜では主に
一触延伸を施すが、高延伸を施すほど延伸軸方向の機械
的強度が向上する反面延伸軸と直角方向の強度低下が透
過速度の低下を来たし、また平膜で二轍以上に延伸を施
す場合には、高延伸になるほど透過速度が大きくなると
同時に分画分子量も増大する。なお、斯くして作製され
た膜を乾燥する場合には、膜性能を維持するために熱処
理温度以下の温度条件で、比較的緩やかに乾燥する。
上述したように、AN系多孔質膜の作製にあたり、AN
系重合体を無機塩の濃厚水溶液に溶解してなる製膜原液
を膜状に形成した後、特定条件下において固化及び熱処
理する各工程を一体的に結合した本発明の方法を採用す
ることにより、機械的強度に優れると共に、透過速度及
び塩排除館を好適な範囲に維持した非対称構造膜が得ら
れる。
また、AN系多孔費膜は、出発物質であるAN系重合体
の有する耐水性、水との適度な親和性、耐薬品性、耐熱
性、耐微生物分解性等の優れた特性に基づき、腰分離用
途を格段と拡大せしめることができる。本発明の如く製
膜原液の作製用溶剤として無機塩の濃厚水溶液を用いる
ことにより、溶剤の揮発に伴う作業環境の悪化や斯かる
揮発防止のために冷却が不要であるばかりでなく、該製
膜原液は何ら化学変化を起こさないので例えば室温及至
数10度で貯蔵でき、取扱いが容易である。
また、斯かる溶剤を使用する場合には、膜中に大きな空
隙や孔の発生がなく、比較的均質な微細空隙を有する膜
が得られ、圧密化による透過速度減少の問題も起こりに
くい。また、本発明の如く凝固工程を二段階で実施し、
第1俗及び第2浴夫々の無機塩濃度や温度、更には凝固
時間を適宜選択することにより、従来無機塩濃厚水溶液
を溶剤として使用する場合には作製困難であった非対称
構造膜が得られ、機械的強度、透過速度、塩排除館、分
画分子量等諸性能のバランスがとれた膜が得られると共
に、斯かる膿性能を使用目的に応じて種々に調節するこ
とができることが、本発明の特筆すべき知見である。
更に、斯かる凝固工程の採用により、従来必須とされて
いた複雑非能率な延伸工程の省略が可能であり、製造工
程の大幅な簡略化が計れることも本発明の特徴的利点で
ある。更にまた、斯かる凝固固化膜を熱処理することに
より、透過速度の大きな低下なしに塩排除館を改善せし
めると共に、耐熱水性、抗圧密化性、乾燥再使用性等を
改善し、以つて取扱い容易な膜を得ることができる。
なお、本発明のAN系多孔質膜は、マイクロ櫨週膜、限
外様過膜、逆浸透膜用支持体、隔膜等として直接使用で
きるばかりでなく、更に膿片面の再溶解、繊密化、架橋
、第2成分の表面コーティング、プラズマ処理、グロー
放電処理、より高温下での熱処理等の手段によって逆浸
透膜等として使用することもできる。
本発明の理解を更に良好にするため、次に本発明の代表
的な実施例を示すが、本発明はこれらの実施例の記載に
よってその範囲をなんら限定されるものではない。
なお実施例に示される百分率及び部は、特に断りのない
限り、全て重量基準によるものである。なお、以下の実
施例に記載する透過速度、塩排除率、抗圧密化係数等は
下記の方法にて測定乃至算出したものである。
‘1} 透過速度(F:の/〆・H) 分子量2000のポリエチレングリコール(PEG)の
0・5%水溶液を試験液として用い、膜厚50一の供試
膜を微細多孔質支持板上にのせ膜面直下支持板部以外か
らの洩液のないように加圧猿過装置に装着し、試験液側
と透過液側との圧力差を10k9/仇に設定し、透過液
量を測定した単位膜面積、単位時間当りの透過速度を算
出した。
‘2} 塩排除能(R:%) 下記の一般式(1)によって算出した。
R=(1一C/C。
)×100 (1)但し、C。
は前記試験液のPEG濃度を示し、Cは試験液量の5%
が透過した時点における透過液中のPEG濃度を示す。
即ち、斯かる数値(R)が大きいほど塩排除能が大きい
ことを示す。‘3’ 杭圧密化係数(f:%) 下記の一般式(ロ)によって算出した。
f二(F側/F。
)XI。〇 (□)但し、Fo及びF,ooは、夫
々測定開始時及び測定開始後100時間経過後における
透過速度を示し、斯かる数値(f)が大きいほど抗圧密
化性に優れることを示す。
‘4)膜の繊密度(G:%) 村上色彩技術研究所製光沢度計を使用し、JISZ−8
741に準拠して測定した60o鏡面光沢度での膜の繊
密度を示し、斯かる数値(G)が大きいほど繊密度が大
きいことを示す。
‘5)膜構造の非対称性(△G:%) 下記の一般式(瓜)により算出した。
△G=Q−Gp (m) 但し、Q及び○pは、夫々凝固浴接触面及び流延基板懐
触面の前記600鏡面光沢度を表わす。
斯かる数値(△G)‘よ大きいほど膜構造の非対称性が
大きいことを示し、Gc<Gpの場合には△Gの前に負
号(一)を付して示した。実施例 1AN90%及びア
クリル酸メチル10%を結合含有するAN系重合体(3
0qoのジメチルホルムアミド中にて測定した〔り〕=
0.9)12部を、46%のロダンソーダ水溶液88部
に溶解せしめて製膜原液を準備した。
この原液を脱泡、室温に冷却した後、ガラス板上に膜厚
が固化膜として50±5rになるようにドクターブレー
ドを用いて均一に流延し、次いで、下記第1表に示す凝
固条件で第1浴中に1の砂間浸糟しこ部分固化せしめた
。このようにして作製した7種類の部分固化膜夫々を、
塩濃度4%、温度10℃の第2凝固浴中に3び分間浸潰
して完全固化せしめ、水洗した後、定長保持装置に装着
して9チ0の熱水中で5分間熱処理を施した。なお、第
1、第2凝固格のいずれにおいても、無機塩としてロダ
ンソーダを用いた。斯くして得られた7種類の供試膜(
1〜7)の厚みをマイクロメーターで測定し、50±5
ムのものを選んで膜・性能を評価した結果を第1表に併
記する。
また、第1表に示す凝固条件で第1浴中に、30分間浸
糟し、第2浴を省略する以外は上述したと同様にして作
製した2種類の供謙膜(8,9)について膜性能を評価
した。
その結果を第1表に併記する。
第1表 〔註〕(1)○印:本発明 (2繊密度(Ge):凝固浴接触面の繊密度を示す。
(3)×印:測定不能第1表の評価結果より明らかなよ
うに、本発明に推奨する第1凝固裕条件を満足する試料
2,3,5,6においては膜の強度、膿構造の非対称性
、透過速度、塩排除率のいずれにおいても優れた性能を
有しているが、温度条件が低温側に外れる試料1では膜
の繊密度及び非対称性、塩排除率が極めて劣り、温度が
高温側に外れる試料4及び塩濃度を満足しない試料7で
は、膜の機械的強度が極めて脆弱で全く使用に耐えない
ものしか得られなかった。
また、第2浴を省略する場合には、例え好適な第1浴条
件を採用したとしても、例えば試料9に示される如く膜
の機械的強度が極めて脆弱なものしか得られず、また第
2浴を省略し、第1浴条件も本発明の好適範囲を満足し
ない試料8においては塩排除率に優れるものの、膜の非
対称性及び透過速度が著しく劣る事実が理解される。
なお、本発明における多段凝固製膜工程から作製された
膜は、優れた透析機能を有すると共に、実用的な強靭性
を有するため、圧力の加わる限外濠過操作用膜として極
めてすぐれていることが明らかとなった。
実施例 2 第1俗の凝固条件を、塩濃度20%、温度3000に設
定し、第2表に示す如く第2浴条件を変化せしめたほか
は実施例1記載と同様の製膜法に従って、6種類の供試
膜(10〜15)を作製し、夫々の膜・性能を評価した
結果を第2表に併記する。
また、第1格を省略し第2表に示す第2凝固裕条件を採
用する以外は上述したと同様にして試料16を作製し、
該試料の濃性能を評価した結果を第2表に併記する。第
2表 第2表の評価結果より明らかなように、本発明に推奨す
る第2凝固裕条件を満足する試料10,11,13,1
4においては透過速度、塩排除率等のし・ずれの膿性能
も優れるが、温度又は塩濃度条件を満足しない試料12
又は15においては膜の機械的強度が脆弱で使用に耐え
ない事実が理解される。
また、試料16の評価結果は、例え好適な第2浴条件を
採用しても第1格を省略する場合には、非対称構造膜が
得られず、透過速度の著しく劣る膜しか与えない事実を
示している。実施例 3 第1格の凝固条件を、塩濃度4%、温度3び0、第2格
を塩濃度4%、温度0℃に設定し、熱処理温度を第3表
に示す如く変化せしめる以外は実施例1記載と同様の製
膜法に従って4種類の供試膜(17〜20)を作製し、
夫々の膿性能を評価した結果を第3表に併記する。
第3表 第3表の評価結果より明らかなように、本発明の熱処理
温度条件を採用した試料18,19においてはバランス
がとれ、優れた膜分離性能を有する膜が得られるが、本
発明の好適熱処理温度範囲を満足しない試料17,20
では、バランスのとれた分離膜を提供し得ない事実が理
解される。
なお、熱処理時の収縮率を10%、13%にする外は試
料舷.19と同様にして試料No.21及びNo.22
を作製したところ、これらの試料の透過速度はそれぞれ
0.9〜0.5と低下額向を示し、また試料No.22
においては腰面平滑性がやや失なわれてし、た。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 アクリロニトリル系重合体を無機塩の濃厚水溶液に
    溶解して該重合体の濃度を重合体、無機塩及び水の総量
    に対して5〜25重量%の範囲に維持した製膜原液を準
    備し、該製膜原液を膜状に形成した後、無機塩と水との
    総量に対する無機塩濃度が25重量%以下であり且つ温
    度が15〜40℃の第1凝固浴中で部分固化せしめ、次
    いで無機塩濃度15重量%以下、温度12℃以下の第2
    凝固浴中で完全固化せしめた後、次に温度50〜120
    ℃の水及び/又は水溶性非溶媒中で熱処理することを特
    徴とするアクリロニトリル系多孔質膜の製造方法。
JP2320877A 1977-03-02 1977-03-02 アクリロニトリル系多孔質膜の製造方法 Expired JPS6026148B2 (ja)

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JP3228758B2 (ja) * 1997-02-07 2001-11-12 旭メディカル株式会社 中空糸膜及びその製造方法

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