JPS6025510Y2 - サツシ枠用変形防止金具 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はリップ溝形の断面を有するサツシ枠の取付けに
際し、ねじの締付力によりねじ止め部が変形するのを防
止するためにサツシ枠のねじ止め部の内側に装着してサ
ツシ枠を補強するサツシ枠用変形防止金具に関するもの
である。

従来、サツシ枠を建築物の躯体にねじ止めする場合にそ
のサツシ枠が第１図に示す如くリップ溝形の断面を有し
ているとねじの締付力によりそのねじ止め部が部分的に
変形して想像線で示したような状態となり、外観が低下
する他、気密材などの設置状態が設計したサツシそのも
のの所望の状態とならずに気密性や水密性が低下したり
、障子の動きに支障が生じたりする場合が多々存在して
いた。

このようなねじの締付力による変形を防止するためには
、サツシ枠を構成する部材の肉厚を厚くするか又は補強
リブなどを設けてサツシ枠の曲げ剛性を高める方法が考
えられるが、サツシ枠はアル□ミニウム製の場合には押
出成形により、また鋼板製の場合には折曲げ加工により
それぞれ製作されるために長尺部材の長手方向の一部分
だけで肉厚を厚くしたり補強リブを設けたりすることは
不可能であり、上記した如き方法を採用することは不必
要な部分まで曲げ剛性を高めることになるので不経済と
なり、工業的に採用し得る方法とは言い得ない。

そこで本考案者は種々研究の結果、現場においてねじで
締め付げる部分のみに簡単に装着してその部分を補強し
てサツ゛シ枠の変心を防止し、その装着がサツシ枠の内
側であるのでサツシ枠の外観を何ら損うことのないサツ
シ枠用変形防止金具を開発し、本考案を完成するに至っ
たのである。

すなわち、本考案は上部の両側に垂直部が連設されその
垂直部に連設されて外側に直角に設けられた鍔部より戊
る断面バット形で、その高さがサツシ枠の躯体への当接
面より内側天井面までの高さに等しく、両鍔部の端面間
の長さがサツシ枠のリップの端面間の長さより短く、上
部にはサツシ枠を躯体に固定するためのねじが挿通され
るねじ穴が穿設されており、上部の端部及び／又はそれ
ぞれの垂直部の一端にはその長手方向がサツシ枠の長手
方向と直角になるまでの回転を妨害しないための切欠部
が設けられ、また上部の両端及び／又はそれぞれの垂直
部の他方の一端にはその長手方向がサツシ枠の長手方向
と直角になるまで回転した時にサツシ枠内側面に当接す
る当接部が突設されており、更にそれぞれ鍔部の一端に
その長手方向がサツシ枠の長手方向と直角になるまでの
回転を妨害しないための鍔部切欠部が設けられているこ
とを特徴とするサツシ枠用変形防止金具を提供するもの
である。

以下、図面により本考案に係るサツシ枠用変形防止金具
の実施例について詳細に説明する。

第、２図は本考案に係るサツシ枠用変形防止金具の１実
施例の平面図、第３図は第２図におけるＡ−Ａ線断面図
、第４図は本考案に係るサツシ枠用変形防止金具をサツ
シ枠に装着して建築物の躯体に固定した状態を示す説明
図、第５図は本考案に係るサツシ枠用変形防止金具の他
の実施例の平面図である。

図面中、１は上部、２は上部１の両側に連設された垂直
部、３は垂直部２に連設されて外側に直角に設けられた
鍔部であるり、この上部１と垂直部２と鍔部３とて断面
バット形で形成される。

４はリップ溝形の断面を有するサツシ枠８を建築物の躯
体９に木ねじなどのねじ１０で取付固定する際にねじ１
０が挿通されるように上部１に穿設されたねじ穴であり
、このねじ穴４は上部１のほぼ中央に設けられているこ
とが好ましい。

５は上部１の端部に金具の長手方向がサツシ枠８の長手
方向と直角になるまでの回転を妨害しないために設けら
れた切欠部、５′はそれぞれの垂直部２の一端に金具の
長手方向がサツシ枠８の長手方向と直角になるまでの回
転を妨害しないために設けられた切欠部、６は上部１の
両端及び／又はそれぞれの垂直部２の他方の一端に金具
の長手方向サツシ枠８の長手方向と直角になるまで回転
した時にサツシ枠８の内面に当接するように突設された
当接部、７はそれぞれの鍔部３の一端に金具の長手方向
がサツシ枠８の長手方向と直角になるまでの回転を妨害
しないために設けられた鍔部切欠部である。

なお、かかる形状において本考案に係るサツシ枠用変形
防止金具はサツシ枠８の内側に挿入して回転させること
によってサツシ枠８に装着するものであるからその高さ
Ｈはサツシ枠８の躯体９への当接面より内側天井面まで
の高さｈに等しく且つ両鍔部３の端面間の長さＷはサツ
シ枠８のリップの端面間の長さＷより短いことが必要で
ある。

かかる形状の本考案に係るサツシ枠用変形防止金具の使
用方法について次に説明する。

先ず、本考案に係るサツシ枠用変形防止金具の上部１の
面をサツシ枠８の内側天井面に対向させ、サツシ枠８を
建築物の躯体９に取付固定するためのねじ１０が挿通さ
れるねじ穴と上部１に穿設されたねじ穴４とが一致する
ように本考案に係るサツシ枠用変形防止金具をサツシ枠
８の内側に挿入する。

この際、本考案に係るサツシ枠用変形防止金具の長手方
向とサツシ枠８の長手方向とは平行であるか又はほぼ平
行である。

次にサツシ枠８の内側天井面と上部１とが当接した状態
で本考案に係るサツシ枠用変形防止金具を９０度回転せ
しめて当接部６をサツシ枠８の内側面に当接せしめれば
、本考案に係るサツシ枠用変形防止金具とサツシ枠８が
一体化するので、その状態でサツシ枠８を建築物の躯体
９の所定位置に位置せしめて、サツシ枠８のねじ穴と上
部１に穿設されたねじ穴４とを挿通せしめたねじ１０を
躯体９に螺着せしめればよい。

この際、サツシ枠８はそのねじ締付部の内側を本考案に
係るサツシ枠用変形防止金具によって補強されて剛性が
増加しているのでねじ１０の締付力によって変形するこ
とがないのである。

なお、第２図〜第４図に示した実施例はその平面形状が
点対称であるが、第５図の実施例に示す如くその形状は
点対称形でなくても上部１はその半分のみしか存在して
いなくても差し支えない。

以上詳述した如く、本考案に係るサツシ枠用変形防止金
具は、予め所定形状に裁断した金属板をその断面がバッ
ト形となるよう折曲することによつて製作することによ
って容易且つ安価に製作できるものであり、サツシ枠を
建築物の躯体に取付固定するために躯体にねじを螺着せ
しめる締付力によってサツシ枠が変形するのを防止でき
るためにサツシの外観が低下みないと共にサツシ枠に設
けられている気密材などの位置がすれたり変形したりす
ることもなくなるのでサツシの気密性や水密性が低下し
たり障子の動きに支障が生じたりすることもなくなって
サツシの性能が低下することもなく、またその装着位置
はサツシ枠の内側であるからサツシの外観に何ら支障を
生ぜず、しかもその装着は装着すべき位置のサツシ枠の
内側に挿入して回転させるだけであるので簡単であって
作業性も優れており、その実用的価値は非常に大きなも
のがある。

【図面の簡単な説明】 第１図はサツシ枠を建築物の躯体に固定した従来の状態
の側断面図、第２図は本考案に係るサツシ栓用変形防止
金具ｐ１実施例の平面図、第３図は第２図におけるＡ−
Ａ線断面図、第４図は本考案に係るサツシ枠用変形防止
金具をサツシ枠に装着して建築物の躯体に固定した状態
を示す説明図、第５図は本考案に係るサツシ枠用変形防
止金具の他の実施例の平面図である。 １・・・・・・上部、２・・・・・・垂直部、３・・・
・・・鍔部、４・・・・・・ね（穴、５，５′・・・・
・・切欠部、６・・・・・・当接部、７・・・・・・鍔
部切欠部□、８・・・・・・サツシ枠、９・・・・・・
躯体、１０・・・・・・ねじ、Ｈ・・・・・・本考案金
具の高さ、ｈ・・・・・・サツシ枠の躯体への当接面よ
り内側天井面までの高さ、Ｗ・・・・・・本考案金具の
両鍔部の端面間の長さ、Ｗ・・・・・・サツシ枠のリッ
プの端面間の長さ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 上部１の両側に垂直部２が連設されその垂直部２に
   連設されて外側に直角に設けられた鍔部３より戊る断面
   バット形で、その高さＨがサツシ枠８の躯体９への当接
   面より内側天井面までの高さｈに等しく、両鍔部３の端
   面間の長さＷがサツシ枠８のリップの端面間の長さＷよ
   り短く、上部１にはサツシ枠８を躯体９に固定するため
   のねじ１０が挿通されるねじ穴４が穿設されており、上
   部１の端部及び／又はそれぞれの垂直部３の一端にはそ
   の長手方向がサツシ枠８′の長手方向と直角になるまで
   の回転を妨害しないための切欠部５，５′が設けられ、
   また上部１の両端及び／又はそれぞれの垂直部仝の他方
   の一端にはその長手方向がサツシ枠８の長手方向と直角
   になるまで回転した時にサツシ枠８の内側面に当接する
   当接部６が突設されており、更にそれぞれの鍔部３の一
   端にその長手方向がサツシ枠８の長手方向と直角になる
   までの回転を妨害しないための鍔部切欠部７が設けられ
   ていることを特徴とするサツシ枠用変形防止金具。 ２ ねじ穴４が上部１のほぼ中央に設けられている実用
   新案登録請求の範囲第１項に記載のサツシ枠用変形防止
   金具。