JPS6024930Y2 - 内燃機関の燃料供給装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は内燃機関の燃料供給装置に関するものである
。

従来燃料噴射式内燃機関（以後エンジンという）の燃料
供給装置では燃料タンク、燃料ポンプ、フィルタ、デリ
バリパイプ、プレッシャレギュレータ及びこれらを連結
するフィード通路（パイプ又はホース）により高圧燃料
がデリバリパイプに連通ずるインジェクタからエンジン
に供給され、プレッシャレギュレータと燃料タンク間は
リターン通路になっている。

この際燃料ポンプからプレッシャレギュレータ間のフィ
ード通路は一定圧力に保持された高圧通路となっている
。

インジェクタからエンジンに供給される燃料以外の余分
の燃料はプレッシャレギュレータからリターン通路を通
って燃料タンクに戻る。

このような燃料供給装置ではエンジンが停止した後は燃
料ポンプの下流側の高圧通路に設けたチェック弁の作用
によりチェック弁とデリバリパイプ間はエンジン運転中
と同じ燃圧に保持される。

そしてデリバリパイプ内の燃料はエンジンからの輻射熱
を受けて高温になっている。

この状態でエンジンが再始動されるとデリバリパイプ内
の高温、高圧の燃料は燃料ポンプからの燃料によってプ
レッシャレギュレータから大気圧側のリターン通路に押
し出されるがリターン通路の面積が小さいためリターン
通路内に一定の圧力が発生する。

この結果燃料は強い勢いで燃料タンク内に噴出しタンク
壁板に衝突して騒音が発生することになる。

この考案はリターンされる燃料が燃料タンクに激しく衝
突せず、従って燃料タンクに騒音が発生しない、エンジ
ンの燃料供給装置の提供を目的とする。

以下実施例を示す図面に基づきこの考案を説明する。

第１図において、燃料タンク１内にサブタンク１３が設
けられ、このサブタンク１３内にフィルタ２が設けられ
ている。

フィルタ２はサクションパイプ３により燃料ポンプ４に
連結され、燃料ポンプ４の吐出側にはチェック弁５が設
けられている。

チェック弁５の下流側は高圧バイブロとなっており、こ
れに下流側に順次フィルタ７、デリバリパイプ８、プレ
ッシャレギュレータ９が配置されている。

デリバリパイプ８にはエンジン１１の各気筒に燃料を噴
射するインジェクタ１０が取りつけられている。

プレッシャレギュレータ９とサブタンク１３との間には
リターンパイプ１２が設けられ、このリターンパイプ１
２にサージタンク１４が取りつけられている。

サージタンク１４は第２図のａ、ｂ、ｃのような構造を
有し、第２図ａは内部が空虚のタンクを示腰第２図すは
網目の円筒１５を内蔵するタンクを示し、第２図Ｃは周
壁に多数の小孔を有する円筒１６を内蔵するタンクを示
す。

上記の構成において、エンジンの運転中は燃料タンク１
から燃料ポンプ４により吸み取られた燃料は燃料ポンプ
４とプレッシャレギュレータ９との間の高圧バイブロ内
で一定圧力に保持され、インジェクタ１０からエンジン
１１の各気筒に噴射される。

そして余分の燃料はサージタンク１４、リターンパイプ
１２を経てサブタンク１３に帰る。

この状態でエンジンの停止により燃料ポンプ４が停止す
るとチェック弁５の作用によりチェック弁５とプレッシ
ャレギュレータ９間の高圧バイブロにエンジン運転中の
圧力で燃料が保持される。

この燃料はデリバリパイプ８がエンジンからの輻射熱に
より加熱されるため高温になる。

この状態でエンジンが再始動されると上記高温、高圧の
燃料はポンプからの燃料によってプレッシャレギュレー
タ９から断面積の小さいリターンパイプ１２に吐出され
、高速でサージタンク１４内に入る。

サージタンク１４はエンジンの再始動前は殆んど空虚状
態であるので燃料はサージタンク１４内に一時保持され
徐々にサージタンク４から押し出されるためサブタンク
１３内に低速で流入する。

この結果燃料タンク１は従来のように騒音を発しない。

第３図はエンジン再始動後の車内騒音ｄＢの時間の経過
による変化を示し、イは本考案のサージタンクを有する
場合の燃料供給装置を示し、口は従来の燃料供給装置を
示す。

第３図から本考案が車両の騒音防止に大きな効果を有す
ることが分る。

上述のようにこの考案は燃料タンク、燃料ポンプ、フィ
ルタ、デリバリパイプ、プレッシャレギュレータ及びこ
れらを連結するフィード通路により高圧燃料がデリバリ
パイプからインジェクタを介してエンジンに供給され、
プレッシャレギュレータと燃料タンク間にリターン通路
が設けられているエンジンの燃料供給装置において、前
記リターン通路にサージタンクが設けたものでるから、
エンジンの運転停止後デリバリパイプがエンジンからの
輻射熱により加熱されフィード通路の燃料が高温、高圧
となっている状態でエンジンを再始動しても圧力を持っ
たリターン燃料はサージタンク内に一時保留されて減圧
され徐々に燃料タンクにリターンされるから従来燃料タ
ンクに発生した騒音は完全に防止される。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例の説明図を示す。 第２図ａ、 ｂ、 ｃはそれぞれこの考案の要部の変形
例の平面図及び正面図を示す。 第３図はこの考案を実施した燃料供給装置と従来の燃料
供給装置とによる車内騒音の比較図である。 １・・・・・・燃料タンク、３・・・・・・サクション
パイプ（フィード通路）、４・・・・・・燃料ポンプ、
６・・・・・・高圧パイプ（フィード通路）、７・・・
・・・フィルタ、８・・・・・・デリバリパイプ、９・
・・・・・プレッシャレギュレータ、１０・・・・・・
インジェクタ、１１・・・リターンパイプ（リターン通
路）、１４・・・・・・サージタンク。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 燃料タンク、燃料ポンプ、フィルタ、デリバリパイプ、
   プレッシャレギュレータ及びこれらを連結するフィード
   通路により高圧燃料がデリバリパイプからインジェクタ
   を介して内燃機関に供給され、プレッシャレギュレータ
   と燃料タンク間にリターン通路が設けられている内燃機
   関の燃料供給装置であって、前記リターン通路にサージ
   タンクが設けられていることを特徴とする内燃機関の燃
   料供給装置。