JPH0611049Y2 - 燃料フィルタ用ブラケット - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は燃料フィルタを取付けるブラケットであって
特にディーゼル機関用のものに関する。

（従来の技術） 従来内燃機関の燃料供給路の途中に燃料フィルタ用ブラ
ケットが組み込まれ、燃料フィルタが取付けられる。デ
ィーゼル機関では燃料供給ポンプで送出された燃料が燃
料フィルタ用ブラケットの流入路を経て燃料フィルタへ
入り、濾過されてブラケットの流出路へ入り、さらに燃
料供給路の先端にある噴射ポンプへ入る。噴射ポンプは
プランジャポンプ等が用いられ高圧力で所要量の燃料を
エンジン内へ噴出させるようになっている。

（考案が解決しようとする課題） 上記の噴射ポンプは噴射が閉じられると、その直後に高
圧の残圧が逆流し、脈動状態でブラケットの流出路から
燃料フィルタへ到達する。特に低燃費化を狙って噴射ポ
ンプを高圧化する傾向が生じているので、逆流する脈動
残圧も高圧となり、燃料フィルタの濾材や、燃料供給路
中のチューブなどの破損をもたらしやすくなっている。

（課題を解決するための手段） この考案は燃料フィルタ用ブラケット内部に設けた流出
路と調圧室とを連通させ、調圧室は小孔を介して大気に
開放された空気室と金属ダイヤフラムで液密に区画され
た構成である。

（作用） 機関への燃料供給は燃料供給ポンプから燃料供給路を経
てブラケットの流入路、燃料フィルタ、ブラケットの流
出路を通り噴射ポンプで高圧化されて機関内へ噴射され
る。噴射ポンプで生じた高圧の残圧が逆流すると、この
圧力は流出路に連通している調圧室へ達する。調圧室と
金属ダイヤフラムで区画された空気室は小孔で大気へ開
放されているから、圧力による金属ダイヤフラムの撓み
を受けてダンパーとなり圧力を吸収する。

（実施例） 第１図に実施例を示す。燃料フィルタ用ブラケット１は
内部に流入路２と流出路３と空室４が設けられている。
流入路２の１端2aと流出路３の１端3aはブラケット１の
壁面に設けられたフィルタ取付座５に開口し、流入路の
他端2bと流出路の他端3bはそれぞれブラケット１の側壁
に開口している。空室４は金属ダイヤフラム６で調圧室
７と空気室８とに区画される。金属ダイヤフラム６の周
縁の表裏面にはＯリング9a、9bが配設されて液密を保
つ。調圧室７は通孔7aにより流出路３に連通する。空気
室は小孔8aが設けられ大気に開放される。

燃料フィルタ用ブラケット１はディーゼル機関（図示せ
ず）に取付けられる。第２図のように流入路２の他端2b
が燃料供給ポンプ10と燃料チューブ11aで接続され、流
出路３の他端3bが燃料チューブ11bで噴射ポンプ12と接
続される。フィルタ取付座５にはフィルタエレメント13
を収容した燃料フィルタ14が取付けられる。燃料フィル
タ14はカートリッジ型でもセンターボルト型でもよい。
燃料供給が行なわれ噴射ポンプ12の残圧が逆流して流出
路３に及ぶと、その圧力は通孔7aで調圧室７に達し、金
属ダイヤフラム６が撓んで空気室８がダンパーとなる。

（考案の効果） この考案の燃料フィルタ用ブラケットは噴射ポンプから
高圧力の残圧が逆流しても流出路の途中で消滅して燃料
フィルタに及ばず、フィルタエレメントなどの破損を起
こさせない。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の実施例、第２図はその装着状態の例
である。 ２……流入路、３……流出路 ６……金属ダイヤフラム、７……調圧室 ８……空気室

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】内部に燃料の流入路と流出路とが設けられ
   るとともに、金属ダイヤフラムで空気室と調圧室とに液
   密に区画された空室を備え、空気室に小孔を設けて大気
   に連通させ、調圧室を流出路に連通させた燃料フィルタ
   用ブラケット。