JPS60235B2 - 感熱転写記録材料 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は感熱転写記録用組成物に関するものであり、
特に感熱記録へッド‘こより加熱して転写層を被記録体
に転写して記録を得る感熱転写記録方式に使用されるも
のであって、該転写層を軟化温度が６０〜１２０℃であ
り光重合可能な化合物と増感剤及び着色剤とで構成して
なる感熱転写記録材料を提供しようとするものである。

ファクシミリ、計算機用プリンターあるいは測定機器用
プリンターなどに対して最近感熱記録方式が採用される
ようになっている。この感熱記録方式は、これを行う装
置が比較的簡単であるばかりでなく入力信号と同時に記
録物が得られる一次発色であること、無騒音であること
及び記録紙が比較的安価であるなど幾多の利点を有する
ものである。ここで通常用いられる感熱記録紙は染料発
色タイプ及び金属化合物タイプが知られている。

前者はロィコ染料等の無色染料とビスフヱノール類等の
固体有機酸を含み、加熱によって上記固体有機酸を溶融
させ無色染料を発色させるものであり、又後者は、ステ
アリン酸第二鉄などの高級脂肪酸金属塩と没食子酸のよ
うなフェノール類、その他の有機還元剤並びに硫黄化合
物、アミノ化合物などが配合されて居り、これが加熱に
よって金属を遊離させ、金属、金属硫化物あるいは金属
酸化物などによる着色画像を得るものである。しかしこ
れらは発色物質及び発色助成物質を混合したものを記録
紙に塗布するものであるから、該塗布時又は保存中の発
色を防止するための特別な配慮が必要であり、一方他の
放電記録紙に比べ安価ではあるが普通紙に比べて２〜３
倍にも達する高価であり、又更に記録後定着されないこ
とにより保存安定性に問題があり、例えば何等かの原因
で加熱を受けたり、有機溶剤、酸性又は塩基性物質との
接触で発色又は腿色し記録物の価値を低下させてしまう
恐れがあった。

そこで熱転写記録材料による転写シートを用い赤外線照
射等により普通紙上に保存安定性に優れた記録を得るサ
ーモフアックス方式が試みられている。

例えば転写シート上に揮発性又は過冷却性物質を塗布し
加熱による揮発又は溶解でこれを記録面上に転写し、転
写された油又は過冷却性物質による潜像にトナーをふり
かけ現像して記録を得る方法である。しかしこの方法は
上述の現像工程を必要とすることから装置が複雑化する
欠点が免がれない。

他方、一次発色により記録を得る転写シートとして、昇
華性色素及び熱熔融性ワックスを塗布した転写シートが
知られている。この方法の場合は加熱と同時に記録物が
得られる利点を有するが、記録面が紙などの粗面に限定
され、例えばプラスチックフィルム、金属箔などの平滑
面で耐摩凝性の大きい保存性の良い記録物を得ることは
非常に困難である。そして上記昇華性染料の揮発温度は
通常の感熱記録紙の発色温度と比較して数十度以上も高
く、十分な記録濃度を得るためには感熱ヘッドに対して
過大な電圧をかけなければならない欠点が免がれない。
そして一般に感熱記録へッド‘こよる記録方式では、熱
の伝達が効率良く行われるよう該ヘッドと記録面とを一
定圧力下で保持するのが普通であるが、この圧力下で転
写面に地汚れなどを生ずることがあり各種使用材料の制
限が避けられない。

発明者等はかかる欠点を解決すべく、感熱記録方式によ
って普通紙、プラスチック及び金属箔など各種の記録面
に一次発色でしかも保存安定性に優れた記録を得るべく
研究を重ねこの発明を完成したのである。即ちこの発明
は、感熱記録へッド‘こより加熱して転写層を被記録体
に転写して記録を得る感熱転写記録方式に使用されるも
のであって、該転写層を軟化温度６０〜１２０ｑｏであ
り光重合可能な化合物と増感剤及び着色剤とで構成して
なる感熱転写記録材料を提供するものである。

この発明の実施例において上述の転写層を支持する基体
シートとしては取扱い上の支障のない限り薄いものが熱
伝達性が良いので好ましく、１０〜３０仏の紙「プラス
チックフィルム、セロフアン又は金属箔などが用いられ
る。

又この発明の実施例で用いられる着色剤としては、要求
される色調などに応じカーボンブラック、無機顔料、有
機顔料又は染料から適当なものを選択して用いることが
できる。

そしてこの発明において転写層の主材となる材料として
は軟化温度が６０〜１２０００であり光重合可能な化合
物と増感剤が用いられる。

用いられる化合物としては アセナフチレン 融点９３℃クマリ
ン 融点７ｒｏ８‐メチル
ケィ皮酸 融点９８．５００クロトン酸
融点７１．５ｏｏＱ‐クロルアク
リル酸 融点６５ｑ０８ ‐クロルアクリ
ル酸 融点８５．５００８‐ペンゾィルアク
リル酸 融点９６ｑｏなどの光重合可能なビニ
ル基、アクリル基、メタクリル基を有する低分子化合物
および次記一般式で示されるェポキシアクリレート類、
（ここでＲはＨまたはＣＨ３であり、ｎは重合度であり
１〜２０である）ノボラツクアクリレート類、 （ここでＲはＨまたはＣＨ３、Ｒは日、アルキルまたは
アリル基、ｎは重合度であり０〜１０である）などがあ
る。

この発明において、使用する化合物の軟化温度を６０〜
１２０００に限定した理由は、この下限以下のものでは
感熱記録ヘッドの押圧だけで転写してしまうことがあり
地汚れの原因となって好ましくなく、又上限を越えると
上述した感熱記録ヘッドへの過大な電力を必要とし適切
でないことによるものである。

又一例として掲げた上述の化合物単独のみでなく、単独
では軟化温度が高すぎて不適切な化合物でもこれに他の
化合物を混合することにより軟化温度を適切な範囲にし
て使用できるようになることもある。

これらの光重合可能な化合物の光重合を促進する増感剤
としては・フェナントレン、アントラセン等の芳香族炭
化水素、５‐ニトロアセナフテン、Ｎ−アセチル‐４‐
ニトロ‐１‐ナフチルアミン等の芳香族ニトロ化合物、
ペンゾイルエチルヱーテル、ミヒラ‐ズケトン等の芳香
族カルボニル化合物、アントラキノン、１２‐ペンズア
ントラキノン等のキノソ類等が使用される。

かかる光重合可能な化合物、増感剤および着色剤からな
る転写層をシート基材上に層着する方法としては所謂溶
液法又は溶融法のいずれによってもこれをなし得るが、
良好な転写性又は解像力を得るためにできるだけ薄層に
することが望ましい。

特に好ましいのは１〜１０ムの範囲が良好である。この
下限以下の余りに薄いものでは所定の記録濃度を得るた
めに着色剤を増量する必要も生じこれは転写性を低下さ
せ好ましくない。上述のこの発明の記録材料を用いた転
写シートを用いて記録を得るには、通常の紙、プラスチ
ックフィルム、シート、金属箔などに上記転写層の面を
当てシート背面から感熱記録へッド‘こより加熱加圧し
た後、記録面を紫外線照射装置により照射し重合硬化す
ることにより達成できる。

このようにして得た記録面は重合固化しているために高
度な保存安定性、耐摩耗性を有している。

以上の説明及び後記実施例から明らかなように、この発
明の感熱転写記録材料を用いることにより記録媒体に制
約を受けることが少なく、耐摩耗性がよく安定した記録
を能率良くかつ安価に提供できるものでありその工業的
価値は極めて大きい。

以下実施例によりこの発明を具体的に説明する。

実施例 １ ピスフェノール型ェポキシ樹脂ェピコート１００２（シ
ェル化学社）とアクリル酸を水酸化カリウム触媒として
反応させェポキシアクリレートを合成した。

上記ェポキシァクリレート １雌ｒベンゾイン
エチルエーテル ０．１ｇｒ青色染料
をｒカーボンブラック
０．６ｇｒメチルエチルケトン
２０ｇｒの分散液を１９仏厚のセロハン紙上
に３〜４仏厚に塗布し転写シートを得た。

この転写シートの転写層面を普通紙（５５ｇｒ／の２）
に重ね感熱記録ヘッドにより記録し青黒色の記録を得た
。次いでこの記録面を８肌′仇の高圧水銀灯で３秒間隙
射して記録面は強固に定着されることが認められた。又
上記普通紙に代えてポリエステルシート（２００仏厚）
及びアルミ箔（２０ｒ厚）を使用したが同様の記録が得
られ、これら各記録は強力な耐摩耗性を有することが認
められた。実施例 ２ 実施例１のセロハン紙の代切こ２０仏厚のグラシン紙を
用いる外は全く同様に行ない良好な記録を得た。

感熱記録へッド‘こ加えられた電力は実施例１では１ド
ット当り１．４Ｗであったのに対して１．６Ｗ必要であ
った。実施例 ３分散液組成を クマリン ｌｏｇｒミヒ
ラーズケトン ０．１ｇｒ青色染料
をｒカーボンブラック
０．６ｇｒヱタノール
２０ｇｒとし塗布厚を４〜５〆とする外は実
施例１と同様にして転写シートを得、これを用いて記録
を得たが、紙でもプラスチックフィルム、シートでも保
存安定性のよい記録が得られた。

尚１ドット当りに加えられた電力は１．２Ｗで十分であ
った。実施例 ４実施例３のクマリンの代りに８‐クロ
ルアクリル酸を使用する以外は実施例３と同様に行った
。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 感熱記録ヘツドにより加熱して転写層を被記録体に
   転写して記録を得る感熱転写記録方式に使用されるもの
   であって、該転写層を、軟化温度が６０〜１２０℃であ
   り、分子中に紫外線を含む光照射により重合可能なビニ
   ル基、アクリル基、メタクリル基を有する化合物と増感
   剤及び着色剤とで構成してなる感熱転写記録材料。