JPS6023492Y2 - メタルガスケツトのシ−ル構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、内燃機関のシリンダライナとシリンダブロッ
クのはめ合いすき間の水密または油密を保つことができ
るメタルガスケットのシール構造に関する。

シリンダブロックとシリンダヘッドの接合面は、気密や
水密を保つためにシリンダへラドガスケットが挾まれ締
付けられている。

従来このシリンダへラドガスケットには、金属シート等
を基材としたメタルガスケットが使用されることがある
。

このメタルガスケットは圧縮率が低く耐久性の大きい利
点があるが、シール性に劣る欠点がある。

一方、シリンダライナ外周にはライナ冷却用の水ジャケ
ットが設けられている。

しかし、この水はライナとブロックのはめ合いすき間を
上昇して、ブロック上面に洩れ出るおそれがある。

従来、シリンダへラドガスケットにメタルガスケットを
使用する場合には、上記の水洩れを防止するため第１図
に示すように、ライナ７とブ陥ツク２のはめ合いすき間
３の上端かど部が丸く面取りされているのを利用して、
この面取り部４に対応するメタルガスケット５の金属シ
ート部分が、上記面取り部４に接するように外側に立て
たビード６が形成されていた。

この場合、シリンダヘッド１がブロック２に締付られる
と、このビード６が面取り部４にはまり込んで水密か保
たれる。

しかし、この従来例シール構造では、シリンダライナお
よびシリンダブロックの組立誤差あるいは製造誤差によ
っては、ビードが面取り部に正確にはまり込まず、確実
に水密を保つことができない欠点があった。

本考案はこれを改良するもので、シリンダライすとシリ
ンダブロックのはめ合いすき間からの水洩れを確実に防
止することができるメタルガスケットのシール構造を提
供することを目的とする。

本考案は、シリンダライナとシリンダブロックとのはめ
合いすき間の上端部がメタルガスケット部分に位置する
構造であって、シリンダヘッドの締付に伴ってこのメタ
ルガスケット部分が上記スき間をシールするように、メ
タルガスケットの上記上端部との接触面にビードを備え
たシール構造において、上記ビードは、上記上端部の極
く近傍では上記メタルガスケットがこの上端部から離れ
るように形成されたことを特徴とする。

次に実施例を図面に基づいて詳しく説明する。

第２図はシリンダヘッド締付は前の本考案実施例メタル
ガスケットのシリンダライナ部のシール構造を示す断面
図である。

シリンダブロック２のシリンダ部分には、シリンダライ
ナ７がはめ込まれ、このシリンダライナ７の外周には直
接冷却水が循環する水ジャケット８が設けられている。

シリンダライナ７は、シリンダブロック２のカウンタポ
ア９の底部で受けられる直角フランジ１０によってシリ
ンダブ冶ツク２の中に支持されている。

シリンダライナのフランジ１０はシリンダブロック２に
結合した状態でブロック上面とフランジ上面とが一致腰
このシリンダライナフランジ１０とシリンダブ陥ツク２
との結合部は、内燃機関運転中のシリンダライナ７の熱
膨張を考慮して、ブロック側との間にはめ合いすき間３
が形成されている。

このため、シリンダライナ冷却用の水ジャケット８の水
が、このはめ合いすき間３を上昇し、シリンダブロック
２の上面に洩れ出るおそれがある。

なお、シリンダライナ７とシリンダブロック２のはめ合
いすき間３のかど部は丸く面取り４がなされている。

メタルガスケット５は、少なくともシリンダヘッド側（
上面）およびシリンダブロック側（下面）が金属シート
で構成された積層板型のメタルガスケットである。

このメタルガスケット５の開口部は、断面がＵ字形であ
ってその間にＯリング１１を挾み込んだグロメット１２
で覆われガスシールを行うことができるよう構成されて
いる。

このメタルガスケット５のシリンダブロック側（下面）
金属シートの上記面取り部４に対応する部分に、ガスケ
ットの内部に立てて上記面取り部４より大きいビード１
３を形成されている。

第３図はシリンダヘッドを締付けたときの本考案実施例
メタルガスケットのシリンダライナ部のシール構造を示
す断面図である。

シリンダヘッド１が締付けられ、メタルガスケット５が
締付けられると、ビード１３が圧縮される。

それにより、ビード１３の両側近傍に高面圧部１４が発
生する。

そのため、シリンダライナのフランジ１０とシリンダブ
ロック２の結合部のはめ合いすき間３のシールは、面取
り部４では行われず、ｅ−ド１３の両側に生じた高面圧
部１４で行われる。

ところが、この高面圧部１４は上記の面取り部４とは異
なり、シリンダライナのフランジ１０の上面およびシリ
ンダブ陥ツク２の上面のそれぞれ平面図である。

したがって、シリンダライナ７およびシリンダブロック
２の組立誤差あるいは製造誤差（段差）にかかわらず、
上記面取り部４のシールを確実に行うことができる。

以上説明したように、本考案メタルガスケットのシール
構造によれば、シリンダライナとシリンダブロックのは
め合いすき間の水上りによるシリンダブロック上面への
水洩れを確実に防止することができる。

なお、上記実施例ではシリンダライナの水ジャケットの
水洩れについて説明したが、同様の趣旨で、油上りによ
る油洩れをも確実に防止することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例のメタルガスケットのシリンダライナ部
のシール構造を示す断面図。 第２図はシリンダヘッド締付は前の本考案実施例メタル
ガスケットのシリンダライナ部のシール構造を示す断面
図。 第３図はシリンダヘッドを締付けたときの本考案実施例
メタルガスケットのシリンダライナ部のシール構造を示
す断面図。 １・・・・・・シリンダヘッド、２・・・・・・シリン
ダブロック、３・・・・・・はめ合いすき間、４・・・
・・・面取り部、５・・・・・・メタルガスケット、６
，１３・・・・・・ビード、７・・・・・・シリンダラ
イナ、訃・・・・・水ジャケット、９・・・・・・シリ
ンダブロックのカウンタボア、１０・・・・・・シリン
ダライナのフランジ、１１・・・・・・０リング、１２
・・・・・・グロメット、１４・・・・・・高面圧部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. シリンダライナとシリンダブロックとのはめ合いすき間
   の上端部がメタルガスケット部分に位置する構造であっ
   て、シリンダヘッドの締付に伴ってこのメタルガスケッ
   ト部分が上記すき間をシールするように、メタルガスケ
   ットの上記上端部との接触面にビードを備えたシール構
   造において、上記ビードは上記上端部の極く近傍では上
   記メタルガスケットがこの上端部から離れるように形成
   されたことを特徴とするメタルガスケットのシール構造
   。