JPS60231818A - ポリブチレンテレフタレ−ト異形断面繊維とその製造法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はポリブチレンテレフタレート繊維に関し、更に
詳しくは低強度で高伸長弾性率を有し、分散染料に対し
高度に易染色性を示す断面形状が複数孔の中空異形断面
を示した防汚性、耐疲労性、抗ピル性に優れたポリブチ
レンテレフタレート繊維に関する。

テレフタル酸またはその誘導体から誘導されるポリエス
テルは十分な繊維弾性、反発性を有し、その弾性、反発
性を主に必要とする繊維工業分針、例えばカーペット、
モケット、寝具などインテリア分針への広範囲な使用が
あり、その大部分の繊維はポリエチレンテレフタレート
である。しかし、ポリエチレンテレフタレートは特にカ
ーペット、モケット用繊維としては、好まれる物理的特
性に欠如する部分が見られる。即ち、ポリエチレンテレ
フタレートは高ヤング率で更に適度な繊維弾性に欠は製
品に於ける耐疲労性に劣り、風合的にも硬剛である。更
に染色特性としても鮮明さ、染料吸尽率が悪いなど不満
足な点があるのである。

従ってポリエチレンテレフタレートのかわりにポリブチ
レンテレフタレートを用いることが提案され、一部市場
ではカーペット繊維としてヘキマト社［Ｔ−８１３Ｊな
どが見られる。ところでこれらポリブチレンテレフタレ
ート繊維はポリエチレンテレフタレート繊維に比較して
低ヤング率で高い伸長弾性率を有する特性を示し、カー
ペットなどでの耐疲労性の向上、更に耐摩耗性、耐湿熱
性がナイロンに比べ良いこと、染色速度、発色が良くポ
リエチレンテレフタレートのように高圧またはキャリア
ー染色しなくてよいこと、更にポリブチレンテレフタレ
ートの紡糸時の配向結晶化が非常に高いことによる低強
度な繊維であることなどはポリエチレンテレフタレート
に比べ優れた面として、即に公知な事実であるが、実用
上は羊毛並強度で抗ビル性が高いものが望まれ、又カー
ペット成形時のシャーリング性不足、染色性の向上、更
には防汚性の不足などが指摘され、市場での評価は十分
満足できる水準には達していない。

本発明者らはポリブチレンテレフタレートの公知な利点
を生かしポリブチレンテレフタレートの紡糸時の配向結
晶化挙動に着目し、カーペット、モケットに好適な、繊
維形状をも含めた改良について種々検討を重ね本発明に
達したものである。

本発明の骨子とするところは、ポリブチレンテレフタレ
ートからドラフト率１５０以上ある紡糸引取り速度で一
方向流の高速気流を吹き付はポリブチレンテレフタレー
トの持つ配向結晶化の早さを更に急激に変化させること
による配向挙動の大巾な改質と、一方向流による繊維横
断面内に配向と結晶の異方性を附与し延伸熱処理により
繊維内部の結晶性を緩和することによる染色性の大巾な
向上、および断面円中空化異形化繊維により特にカーペ
ット、モケット製品の必要特性である防汚効果を著しく
向上させたものである。

以下本発明の詳細な説明する。

穿孔面積が０．５〜６−１好ましくは０．４〜３−であ
るＴ形スリット孔の外スリット巾（水平スリット部の巾
）（ａ）と内スリット巾（垂直スリット部の巾）（ｂ）
との比（（１ｋ）／（ｂ））が１．１〜１．５、好マｔ
。

くは１．２〜１．４であるＴ形スリットを円周上に２個
から７個該水平スリット部が円周上に並び垂直スリット
部が該円周中心に向かうように組合せた異形ノズルから
吐出されたポリブチレンテレフタレートポリマーをノズ
ル直下で急冷し高ドラフトで紡糸することにより初期の
目的を達成せんとするものである。

一般に低強度、高染色性を得るためには溶融粘度の低い
ポリマーを用いるとか、有効な第３成分を共重合したポ
リマーを用いるとか極端に異形化した断面（特公昭５６
−５５４８４）をとる方法によるのが一般的であるが本
発明では市販されている改質されていないポリブチレン
テレフタレートポリマーをそのまま利用できる点で有利
であり、更に安価である。

Ｔ形スリットは、第１図に示すように、円周上に点対称
形に配置するのが好ましく、点対６形以外の配置では紡
糸時の斜向が大きく不安定な紡糸調子となる。Ｔ形スリ
ットの組合わせでは内スリットが中心部分で接続されて
いないことが重要で接続したノズル配置では外周部分が
融着せずパンクする欠点を有する。更にＴ形スリット孔
の外スリット巾（ａ）と内スリット巾（ｂ）のスリット
比（（ａ）／（ｂ）〕が１．１未満でもパンク率が急増
する欠点を有する。逆に該スリット比が１，５より大で
は紡出繊維の横断面形状の外周部に凹変形を起しカーペ
ット、モケットの防汚性能を著しく低下させると同時に
光沢性が低下して好丈しくない。

上記ノズルを用いて紡出した繊維は第２図に示すように
、繊維横断面がなめらかな凹凸状の少ない三角形状、四
角形状、五角形状、六角形状を有し、内部孔は各頂点か
ら中心部に頂点を有する四辺形で、６孔、４孔、５孔、
６孔の中空孔を有し、繊維横断面の外周壁厚（Ａ）と内
部隔壁厚（川との比（ｆＡ）／　（Ｂｌ　）が０．６〜
１．０のものが得られる。該壁厚比が１．０より大の場
合は防汚性能に大きく寄与せず、逆に核化が０．６未満
では延伸時のローラーあるいは捲縮附与時に起る横圧力
に耐えられず繊維が偏平化するなど好ましくない。

上述した本発明の繊維横断面であれば繊維の表面反射散
乱と繊維の側面から入射した透過光が断面の外周壁にて
反射し、内部反射光としてほぼ放射状に均一に拡散され
る現象が強く現れるため、通常一般に用いられているカ
ーペット用繊維のＴ形、万葉形断面などの、大部分表面
で反射散乱されることにより汚れの目立ちを防止してい
るものに比べ遥かに大きな効果、即ち繊維表面に耐着し
た汚れを目立たなくする光学的な効果を持つ。この効果
は染料Ｅａｓｔｍａｎ　Ｐｏ１ｙｅｓｔｅｒ　Ｂｅｄ　
Ｂを用い、各染色濃度での染料吸着量と、その繊維の視
感濃度（Ｋ％８　）の関係から説明することができる。

第３図は本発明による繊維と中実丸断面繊維、Ｔ形断面
繊維の染料吸着量と視感濃度（Ｖ８二見ための濃度）の
関係を示したもので、染料吸着量は染色残液を光電比色
計で測定し、実際の染料吸着量を計算した値であり、視
感濃度は日立Ｃｏ１ｏｒＡｎａｌｙｚｅｒ　５０７型で
測定した値である。一般に（指値（Ｋ：吸収係数、８：
散乱係数）は着色物の見ための濃度に比例する値として
示され、同一染料吸着量で比較すると本発明による繊維
は中実丸断面繊維の１／２以下、Ｔ形断面繊維の２／３
以下の１値である。この様にＶ８値が低いことは着色物
が淡く見えることを意味し、繊維自身の散乱係数８の増
大に大きく関係し、この視感濃度Ｖ８の低さは繊維の汚
れを目立たなくする尺度として利用できる。

断面内に中空孔を有するものでも外周部に回度形゛を有
するものでは汚れが付き易い欠点を示し、更に内部中空
孔が実質的に横断面で円形や楕円形を示すものについて
も充分な内部反射光が得られず汚れの目立ちを防止する
には至らなかった。内部中空孔の数については、２以下
の場合内部反射光が弱く防汚効果としては期待できるも
ので！虚なかった。才た６を越えるも防汚効果のより以
上の効果が期待できないことと、ノズルの耐強度的欠陥
が現れること、ノズル製作コストが急騰するなど工業的
な実施に好ましいものではな０゜本発明は前述のノズル
を用いてポリブチレンテレフタレートポリマーを溶融紡
糸するさいに、ノズル直下４．５〜５０Ｃ１！で、１〜
７ＷＶ秒、好ましくは１，５〜５ＷＶ秒の冷却風を吹き
つけてドラフト率を１５０以上あるようにして引取るこ
と番ζより、繊維横断面内に異方性を持たｉるものであ
る。該異方性は冷却風吹付は側即ち風上側と風下側番ζ
配向と結晶性の差を持つもので、風上側は風下側曇ζ比
べ高い配向性と結晶性を示す。本発明−とよるノズルの
場合、得られる繊維横断面内に３孔力）ら６孔の空気断
熱層を有する為、風上側と風下側１ζＩｆぼ二層構造体
に近い断面円異方性を示し、このため延伸工程による延
伸倍率は配向・結晶性の高６１風上側が律則となるため
風下側は延伸番ζよる配向・結晶化が充分進行・完結さ
れない状態で延伸を終了することになる。従って風上側
に比べ結晶性が低いものとなり、繊維全体としては強度
力Ｓ２．８ｇ／ｄ以下、染色性に於いては常圧１００℃
染色条件下での染料吸尽率８５％以上、１１０℃で該吸
尽率９５％以上の高い染色性を示す繊維力ぶ得られ　□
るものである。望だ伸長弾性率は、ポリブチレンテレフ
タレート独自の特徴である高（Ａ伸長弾性率を保持し、
本発明の方法により損うもので６ｉな力１つだ。

繊維横断面内の異方性については偏光顕微鏡下での繊維
のレターデーション（７″）を測定することＣζより、
異方性の有無あるいは大小を確認することが可能である
。ポリブチレンテレフタレートで４よ紡出後配向結晶化
が早く、非常に高Ｌ）ｒを示す。

該ｒの値は１２００近辺にありポリエチレンテレフタレ
ート紡糸原糸の約２倍であり、風上側と風下側のレター
デーション差（ΔＦ）は冷却風１％／秒で１ｒ＝１ｏ　
ｏ、１，５１′ｒＶ秒でΔｒ−２００を示し、低強度化
および高染色化は冷却風の増加による異方性の強さ、即
ちΔＦが大きい程影響度が大きくなるが冷却風７ＷＶ秒
を越える条件では紡糸性即ち糸条が高速気流に耐えられ
ず糸切れを起し断糸を誘発し連続的紡糸ができない。逆
に１Ｗｖ秒未満あるいはドラフト率１５０未満の通常の
紡糸方法おＪび条件に近い場合は繊維断面円異方性が極
端に低くなるか、該異方性が全く取れない為断面内は均
一延伸され、高い配向性と結晶性を有するものとなり扁
い強度を有し染色性は逆に低いものとなる。

前述のノズル以外のＴ形、十形、　形、中空形でもドラ
フト率１５０以とで急冷紡糸することにより断面円異方
性を有する繊細が得られるが、防汚効果の点で満足され
ない。

冷却風の吹き付けは、ノズル直下４５〜３０ｃＩＩ＋の
部分で冷却風を糸条体に対して直交して吹き付けるのが
野猿しく、紡糸性などを考踵して吹き付は角度は１〜５
°下向に冷却気流を流すのがよい。

紡糸ドラフトは、１５０以上、好ましくは６００以上の
大きなドラフトが取れる様にノズル孔面積および紡糸速
度を選ぶことが本発明において肝要で、Ｔ形スリット孔
の穿孔面積は０．３〜６−が選ばれ、０．４〜３−が野
猿しい。紡糸速度は１５００号′分程度でよいが５ＱＯ
Ｏｍ７分以上の超高速紡糸でも可能である。もつとも超
高速紡糸の場合は、断面円異方性が更に顕著になり潜在
捲縮能が顕在化して現れる現象を有するか、現段階では
経済的な点でメリットが高いものではない。

延伸熱処理については、ポリブチレンテレフタレートは
ガラス転移点がポリエチレンテレフタレートより低く、
また熱処理により結晶性の緩和が著しく起るため、ポリ
エチレンテレフタレートよりいずれも低い条件で延伸熱
処理するのが好ましく、延伸温度はポリマーのガラス転
移点以上で最大延伸倍率の７０％以上で延伸され、１５
０℃以下で熱処理される。

延伸後の繊維は、通常従来公知の方法で捲縮熱処理を行
なう。ポリブチレンテレフタレートはその結晶性がポリ
エチレンテレフタレートよりも低いので熱処理により捲
縮の伸びがはげしい為スチーム吹込みによる機械捲縮が
望ましい。又前述したように超高速紡糸の場合には、機
械捲縮を行なわなくても、熱処理のみで潜在捲縮を顕在
化させることができる。

本発明に使用されるポリマー即ちポリブチレンテレフタ
レート樹脂は酸性分としてテレフタル酸グリコール成分
としてはテトラメチレンテレフタレートより成る改質あ
るいは変性されない溶融粘度η。−２０００ポイズ以上
、好ましくは２５００ポイズ以上のポリマーを用いるの
が好ましい。

本発明の繊維は抗ピル性、染色性にすぐれ且つ伸長弾性
率がナイロンに近い特性を有するなどカーペットに於け
る実歩行テスト、耐摩耗テストなど耐疲労性の面ではポ
リエチレンテレフタレート繊維に比べ大巾な向上が見ら
れる。

以下、本発明を実施例により詳しく説明する。

実施例１〜３ 極限粘度〔η〕が１．０５７　ｄｉ／ｇ　（フェノール
とテトラクロルエタンの等量混液中３０℃にて測定）ノ
ポリプチレンテレフタレート樹脂（ツバドール５０１〇
三菱化成製）を溶融押出機から２７０℃で押ａｌし、２
６５℃に保たれたスリット中地、１．３のＴ形スリット
孔３個を直径２．５７１１ｍの円周上に配した１００ネ
ールノズルを用いて溶融紡糸しノズル直下５〜２８ｃｌ
Ｉを冷却風速１．！ＭＦＬ／秒、５　ｍ１秒、５Ｖ秒の
３条件で冷却した。得られた原糸を６０℃の水浴で各々
条件の最大延伸倍率の８５％で延伸し、ついで１インチ
当り７〜８個のスチーム吹込みによる機械捲縮をかけ、
１５０℃の熱風乾燥中１０分間弛緩熱処理し１！１５１
１１の長さに切断して単糸デニール１０デニールのステ
ーブルζζした。

得られた繊維性能を第１表にまとめて示した。

本発明の方法により得られた繊維は従来の綿に比べ強度
が低く、染料吸着率が４く、防汚性能のバロメーターで
ある同一染料吸着率での見掛は染色濃度（にβ）が低い
などきわめて優れた物性を有していた。

比゛較例１〜５ 実施例１番ζ準じて単糸デニール１０ｄｒの綿を種々の
ノズルを用い更に冷却風速ドラフト条件を変えて製造し
ｔこ。

比較例１は冷却風速を０．５７Ａ／秒とした例であり、
比較例２は円形断面でドラフト６０冷却風速０゜７１秒
とした例で、いずれも高い強度を示し染料吸着率が低い
ものであった。

比較例３はＴ形断面の例であり、ドラフト５００冷却風
速４．５７ＦＬ／秒とした例であり強度の低下、染料吸
着率は満足されたものであったが防汚性能が悪いもので
あった。

実施“例４〜５ 実施例１で製造した本発明のステーブル、即ち、単糸デ
ニール１０ｄｒ、強度１．１ｇ／ｄ、伸度５０．７％、
捲縮数８．９ケ／Ｉｎ、捲縮率１１．７％と実施例１で
ノズルを第１図（Ｃ）を用いたものについて染料濃Ｉｆ
１．Ｏｏｏｗ、ｆ、、染色温度１００℃×３０分の染色
条件で染色し、紡績（１／６番手）撚糸（２／６番手）
し１／１０’Ｇ　、パイル長７１１Ｉ！、日付８００ｇ
眉のタフト条件でカットパイル・カーペットとし実用テ
ストを実施した。

比較例としては比較例２．３のステープルを用い比較例
５として市販の同様の処理条件でカットパイルカーペッ
トとして比較した。ポリエチレンテレフタレート繊維を
用い実歩行人数６０００人通過後の汚染度（１Ｍ８　）
とＪＩ８−Ｌ１０２１　に於けるヘタリ度合を第２表に
まとめて示した。

本発明の方法により得られた繊維は従来の綿に比べ、カ
ーペットとしても抗ビル性、耐疲労性、防汚効果などき
わめて優れた性能を発揮していた。

【図面の簡単な説明】

＠１図ｔ６１〜（ｄ）は本発明に使用するノズル形状を
示す。 第２図（＆）〜（ｄ）は本発明に使用したノズルから得
られた繊維横断面を示す。 第３図は繊維横断面の違いによる染料吸尽量と視感濃度
（Ｖ８）の関係を示す。 特許出願人　株式会社　クラレ 代理人弁理士本多　堅 第　１　図 （ａ）　（ｂ）　（ｃ）　（ｄ） 第２図 第３図 般料］逢（ｍ−―

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 】、繊細横断面が三角形ないし六角形の内の一つの多角
   形状である捲縮を有する異形断面繊維であって、実質的
   に外周部に凹凸がなく、内部には該角数に一致した数の
   横断面四辺形の中空部が繊維中心部と繊維頂角に対応し
   た方向に頂角を有するように繊維中心軸の同りに隔壁を
   介して配列して繊維軸方向に貫通しており、該中空部の
   外周壁厚（Ａ）と内部熱壁厚（Ｂｌとの比（（Ａ）／　
   （Ｂ））が０．６〜１．０であり、強度２．８　ｇ／ｄ
   以下、伸長弾性率７０％以上、かつ１００℃での染着率
   ８５％以上、１１　’０　’Ｃでの染着率９５％以上で
   あることを特徴とするポリブチレンテレフタレート異形
   断面繊維。 ２、孔面積が０．３〜７−であるＴ形スリット孔の３な
   いし６個を、そのＴ形スリット孔の水平スリット部の巾
   （ａ）と垂直スリット部の巾（ｂ）との比（（ａ）／（
   ｂｌ）が１．１〜１．５テ、カッ該水平スリット部が円
   周上音ζ並び、垂直スリット部が該円周中心に向かうよ
   うに組合わせた異形ノズルを用いてポリブチレンテレフ
   タレートポリマーを溶融紡糸し、ノズル直下４５．〜５
   ０ＣＩｌのところで１〜フル′秒の冷却風を糸条に直交
   して吹きつけ、ドラフト率１５０以上で引取り、しかる
   後延伸、捲縮、熱処理あるいは延伸、熱処理を行なうこ
   とを特徴とする捲縮を有するポリブチレンチレフ”タレ
   ート異形断面繊維の製造法。