JPH07216629A - 空隙を含有する三方向突出断面および四方向突出断面のフイラメント - Google Patents

空隙を含有する三方向突出断面および四方向突出断面のフイラメント

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JPH07216629A
JPH07216629A JP6337255A JP33725594A JPH07216629A JP H07216629 A JPH07216629 A JP H07216629A JP 6337255 A JP6337255 A JP 6337255A JP 33725594 A JP33725594 A JP 33725594A JP H07216629 A JPH07216629 A JP H07216629A
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Wae-Hai Tung
ワエ−ハイ・トウング
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EI Du Pont de Nemours and Co
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    • D01D5/00—Formation of filaments, threads, or the like
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 本発明は、各突出部内に少なくとも１個の軸
方向に延びる連続空隙を含む改良を特徴とする、空隙の
ない軸方向の芯体を持つ三方向突出断面または四方向突
出断面を有し、その輪郭に沿った先端により連結した凸
曲面を有する、平坦な表面を持たず、約１．２ないし
４．５の変形比を持つその輪郭に沿って２ないし２０個
の湾曲反転を有する、熱可塑性合成重合体を含むフィラ
メントを提供する。 【効果】 本件フィラメントは、低い光輝を示し、高い
嵩と優れた汚染隠蔽性能とを有するカーペットの製造に
特に好適である。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の背景】
【０００２】
【発明の分野】本発明は、各突出部の輪郭に沿った凸曲
面を持つ三方向突出断面形または四方向突出断面形を有
する改良された合成フィラメントに関するものである。
フィラメントの各突出部には少なくとも１個の連続空隙
が位置している。本件フィラメントは、低い光輝を示
し、高い嵩と優れた汚染隠蔽性能とを有するカーペット
の製造に特に好適である。
【０００３】
【関連技術の記述】タング（Ｔｕｎｇ）の米国特許第
５，１０８，８３８号、第５，１７６，９２６号、およ
び第５，２０８，１０６号には種々の三方向突出断面形
および四方向突出断面形を有する合成フィラメントが開
示されている。これらのフィラメントは平坦な表面を持
たず、各突出部の輪郭に沿って先端により連結された凸
曲面を有している。これらのフィラメントはカーペット
糸の製造に使用することができ、これはさらに、低い光
輝と高い嵩とを有するカーペットを製造するための裏張
り材料にタフト加工することができる。
【０００４】しかし、この種のフィラメントおよびカー
ペットに伴う一つの欠点は、これらが貧弱な“汚れ性
能”を示す可能性があることである。“汚れ性能”の語
は、実際に起きる汚れとは無関係であり得る目に見える
汚れに対する繊維の見掛けの抵抗性を意味する。本発明
に従えば、フィラメントの長さ方向に沿って連続的に延
びる空隙を組み入れることにより、上記のフィラメント
の汚れ性能が改良され得ることがここに見いだされた。
【０００５】
【発明の概要】本発明は、特徴的な三方向突出断面およ
び四方向突出断面を有する改良された合成フィラメント
に関するものである。本件フィラメントは平坦な表面を
持たず、フィラメントの輪郭に沿った先端により連結し
た凸曲面を有している。これらのフィラメントはさら
に、そのフィラメントの断面の輪郭に沿って２ないし２
０個の湾曲反転を有することを特徴としている。少なく
とも１個の連続的な空隙がフィラメントの各突出部を通
して軸方向に延びている。フィラメントの軸方向の芯体
も連続的な空隙を含有していてもよく、また、芯体が空
隙のないものであってもよい。
【０００６】好ましくは、フィラメントの空隙含有率は
約４ないし２０％である。適当な熱可塑性重合体にはポ
リアミド、たとえばナイロン６６またはナイロン６、ポ
リエステル、ポリオレフィン、およびポリアクリロニト
リルが含まれる。このフィラメントからは嵩高連続フィ
ラメント糸または紡糸ステープル糸を製造することがで
きる。
【０００７】
【図面の記述】図１は、先行技術の円形紡糸口金毛細管
の表面図である。
【０００８】図１Ａは、図１に示した型の毛細管を通し
て紡糸したフィラメントの断面図である。
【０００９】図２は、先行技術の三方向突出紡糸口金毛
細管の表面図である。
【００１０】図２Ａは、図２に示した型の毛細管を通し
て紡糸したフィラメントの断面図である。
【００１１】図３は、３個の中央環状スロットと３個の
周辺環状スロットとを有する本発明記載の紡糸口金毛細
管の表面図である。
【００１２】図３Ａは、図３に示した型の毛細管を通し
て紡糸した、その各突出部の空隙と空隙のない軸方向の
芯体とを有するフィラメントの断面図である。
【００１３】図４は、３個の中央環状スロットと３個の
周辺環状スロットとを有する、周辺スロットと中央スロ
ットとの寸法が異なる本発明の紡糸口金毛細管の表面図
である。
【００１４】図４Ａは、図４に示した型の毛細管を通し
て紡糸したフィラメントの断面図である。
【００１５】図５は、４個の中央環状スロットと４個の
周辺環状スロットとを有する本発明の紡糸口金毛細管の
表面図である。
【００１６】図５Ａは、図５に示した型の毛細管を通し
て紡糸した、その各突出部の空隙と空隙のない軸方向の
芯体とを有するフィラメントの断面図である。
【００１７】図６は、４個の中央環状スロットと４個の
周辺環状スロットとを有する紡糸口金毛細管の表面図で
ある。
【００１８】図６Ａは、図６に示した型の毛細管を通し
て紡糸したフィラメントの断面図である。
【００１９】
【発明の詳細な記述】本発明のフィラメントは一般に、
フィラメントの空隙と全体断面との所望の構成を与える
ように設計された紡糸口金毛細管を通して、溶融重合体
または重合体溶液を紡糸して製造する。
【００２０】本件フィラメントは、溶融紡糸可能な合成
熱可塑性重合体から製造することができる。これらの重
合体には、たとえば、ポリプロピレンのようなポリオレ
フィン、ポリヘキサメチレンアジパミド（ナイロン６
６）およびポリカプロラクタム（ナイロン６）のような
ポリアミド、ならびにポリエチレンテレフタレートのよ
うなポリエステルが含まれる。共重合体、三元重合体、
およびこの種の溶融混合物も好適である。たとえば、ア
ントン（Ａｎｔｏｎ）らの米国特許第５，１０８，６８
４号に記載されているようなヘキサメチレンアジパミド
とヘキサメチレン−５−スルホイソフタラミドとの共重
合体も使用することができる。他の適当なナイロンの共
重合体および三元重合体は、イソフタル酸およびテレフ
タル酸のようなジ酸の単位、ならびに２−メチルペンタ
メチレンジアミンのようなジアミンの単位を含有してい
てもよい。
【００２１】一般に、溶融紡糸法においては溶融重合体
を紡糸口金を通して空気もしくは他の気体中に、または
そこで重合体が冷却され、固化してフラメントを形成す
る適当な液体中に押出す。典型的には溶融重合体を急冷
チムニーに押出し、ここで、形成されたばかりの熱フィ
ラメントに冷却空気を吹き付ける。このフィラメントを
供給ロールを用いて急冷帯域を通して延伸し、ついで仕
上げ剤塗布機からの紡糸延伸仕上げ剤で処理する。つい
で、このフィラメントに加熱延伸ロール上を通過させ
る。続いて、このフィラメントを捲縮加工し、短い長さ
に切断してステープル繊維を製造することもでき、嵩高
加工して嵩高連続繊維（ＢＣＦ）を製造することもでき
る。糸の捲縮加工はギヤ捲縮またはスタファーボックス
捲縮のような技術により実行することができる。糸の嵩
高加工には、ブリーン（Ｂｒｅｅｎ）およびラウターバ
ッチ（Ｌａｕｔｅｒｂａｃｈ）の米国特許第３，１８
６，１５５号に記載されているような熱空気ジェット嵩
高加工法を使用することができる。
【００２２】溶液を形成する重合体、たとえばアクリロ
ニトリルの重合体を使用することもできる。これらの重
合体溶液はフィラメントに乾式紡糸する。乾式紡糸法で
は、重合体溶液を連続流として加熱室に押出しして溶媒
を除去する。
【００２３】上記の紡糸法においては、特定の紡糸条
件、たとえば粘度、押出し速度、急冷法等が使用する重
合体に応じて変化するであろうことが認められる。重合
体紡糸ドープはまた通常の添加剤、たとえば酸化防止
剤、染料、顔料、帯電防止剤、紫外光（ＵＶ）安定剤等
を含有していてもよい。
【００２４】図３、４、５、および６を参照すれば、本
発明記載のフィラメントの製造に適した紡糸口金毛細管
の例が示されている。
【００２５】図３において毛細管は、“中央環”（４）
を形成するように配置された３個の中央環状スロット
（１）、（２）、および（３）を含有している。中央環
から３個の放射状スロット（５）、（６）、および
（７）が延びてこの環を３個の周辺環状スロット
（８）、（９）、および（１０）に連結している。溶融
重合体または重合体溶液は中央環状スロットおよび周辺
環状スロット、ならびに放射状スロットを通して流れ、
本発明の三方向突出フィラメントを製造することができ
る。典型的には、ほぼ等間隔離れた中央環状スロットが
それぞれ約０．００２ないし０．００５インチの幅を有
している。同様に周辺環状スロットも約０．００２ない
し０．００５インチの幅を有しており、ほぼ等間隔離れ
ている。
【００２６】上記の寸法は特定の重合体の溶融粘性と表
面張力とに応じて変化し得ることが理解される。さら
に、周辺スロットは典型的には同一の寸法を有している
が、図４に示されているように、中央スロットと周辺ス
ロットとが同一寸法のものである必要ではない。毛細管
が中央環から延びる放射状スロットを含有することも必
要ではない。放射状スロットを持たない毛細管の設計は
図４に示されている。
【００２７】図５および６に示されているようなその他
の具体例においては、毛細管は３個ではなく４個の周辺
環状スロットを有している。これらの型の毛細管は本発
明の四方向突出フィラメントの製造に使用することがで
きる。この種の四方向突出断面の例は図５Ａおよび６Ａ
に示されている。
【００２８】中央スロットおよび周辺スロットは、図３
Ａ、４Ａ、５Ａ、および６Ａに示されているように、対
応する準円形空隙をフィラメント内に形成するような様
式で配置されていることが可能である。これに替えて、
中央スロットおよび周辺スロットはフィラメント内にた
とえば方形、五角形、または六角形の空隙を形成するよ
うな種々の形状で配置されていてもよい。
【００２９】本発明のフィラメントは約４ないし２０％
の空隙含有率（中空であるフィラメント断面の百分率）
を有する。この空隙含有率は急冷速度および／または重
合体溶融粘性を調節して調節することができる。一般に
は、空隙含有率は急冷速度または溶融粘性の増大ととも
に増加する。
【００３０】本発明のフィラメントが、その開示が本件
明細書中に引用文献として組み入れられている上記のタ
ングの米国特許第５，１０８，８３８号に記載されてい
る型の断面を有することは決定的に重要である。特に本
件フィラメントは基本的に平坦な表面を持たない三方向
突出断面または四方向突出断面を有する。本件フィラメ
ントはフィラメントの輪郭に沿って先端により連結され
た凸曲面を有する。これらの先端部は“湾曲反転点”で
あると考えられる。“湾曲反転点”の語は、フィラメン
トの輪郭に沿って曲線をなぞる点がその方向を反転させ
る、フィラメントの輪郭に沿った定点を意味する。図３
Ａを参照すれば、これらの湾曲反転は先端部（１１）、
（１２）、（１３）、（１４）、（１５）、および（１
６）として示されている。この独特のフィラメント構造
が、この種のフィラメントを含有するカーペットが低い
光輝を示し、高い嵩を持つことを可能にすると考えられ
る。
【００３１】本発明の肝要な改良は、フィラメントがそ
のフィラメントの長さ方向に沿って連続的に延びる空隙
を含有することである。フィラメントの各突出部に少な
くとも１個の連続的な空隙が位置している。好ましくは
軸方向の芯体も空隙を含有するが、空隙のない軸方向芯
体を有するフィラメントを製造することもできる。この
種の空隙の存在が改良された汚れ性能を可能にすると考
えられる。
【００３２】本件フィラメントは一般にその長さ方向に
沿った断面において均一であり、カーペット、織物、ま
たは不織布の用途を含む数種の異なる応用面に使用する
ことができる。カーペットの応用面には、本件フィラメ
ントは捲縮しないままでも、カーペット糸に付加的な嵩
を与えるために捲縮してもよい。この種のフィラメント
を含有するカーペット糸は、嵩高連続フィラメント（Ｂ
ＣＦ）糸の形状であってもステープル繊維糸の形状であ
ってもよい。本件フィラメントを相互に、または他のフ
ィラメントと混合してフィラメント混合物を形成させ得
ることも認められる。カーペット糸には、繊維１本あた
りのデニール数（ｄｐｆ）は好ましくは６ないし２５の
範囲であり、全糸デニール数は少なくとも約５００であ
ろう。
【００３３】ここで、当該技術分野で公知の技術によ
り、このカーペット糸をカーペット裏張り材料にタフト
加工する。この糸をループとして挿入してループパイル
カーペットを形成させることができる。カットパイルカ
ーペットには、このループを切断して平行直立タフトを
形成させ、ついで、これを所望の高さに一様に刈り取る
ことができる。この糸から製造した本発明のカーペット
は基本的に光輝を持たず、高い嵩を有し、かつ優れた汚
れ性能を有する。
【００３４】以下の実施例は本発明をさらに説明する
が、本発明の範囲を限定するものととらえるべきではな
い。
【００３５】試験方法 カーペットの光輝および嵩高さの評価 種々のカーペット試料の嵩および光輝の程度は、どのカ
ーペットをどの糸で製造したかの知識なしに、並列比較
により目視的に比較した。本件カーペットは、カーペッ
トの構成および表面構造を熟知した人々のパネルにより
検査した。円形断面繊維により構成されたカーペット試
料を対照例として選択した。残余の試料には、嵩および
光輝の双方に関して低い、中間的な、または高いという
主観的な評価を与えた。
【００３６】相対粘性 ナイロン６６の相対粘性（ＲＶ）は５．５グラムのナイ
ロン６６重合体を５０ｃｃのギ酸に溶解させて測定し
た。ＲＶは、ナイロン６６／ギ酸溶液の絶対粘性のギ酸
の絶対粘性に対する比率である。絶対粘性は双方とも２
５℃で測定した。 汚れ性能 カーペットの試験試料を８インチ×８インチの寸法に切
断した。３つの試験試料を導引テープでつなぎ合わせて
幅８インチ、長さ２４インチのカーペット片を形成させ
た。このテープでつないだカーペットを深さ８インチ、
内周２４インチの金属製容器にはめ込み、２個の固いワ
イヤの輪で固定した。３Ｍから市販されている標準汚染
汚物３０ｇを１リットルのサーリン（Ｓｕｒｌｙｎ）ビ
ーズに添加し、ボールミルで５分間混合して汚れたビー
ズを製造した。汚れたビーズ２５０ｍｌと１／２インチ
のボールベアリング２５０ｍｌとを上記の金属製容器に
添加し、ついで、これを封じた。この試験試料を金属製
容器から取り出し、真空に引いて結合していない汚染物
質を除去し、評価して相対的な汚れ性能を測定した。貧
弱な汚れ性能を示すカーペット試料には高いという汚れ
評価を与えた。すなわち、このカーペットは高度に目視
的汚染を受けていた。良好な汚れ性能を示すカーペット
試料には低いという汚れ評価を与えた。すなわち低い目
視的汚染を有していた。
【００３７】空隙百分率の測定 フィラメントの断面の空隙百分率（空隙含有率）は、空
隙の面積とフィラメントの全断面積とを測定するデュポ
ン形状分析器（ＤｕＰｏｎｔＳｈａｐｅＡｎａｌｙｚｅ
ｒ）、ＶＳＡ−１型を用いて測定することができる。デ
ュポン形状分析器は、個々のフィラメント断面の輪郭の
ディジタル指数の数値分析を行って織物繊維糸の断面を
特定するものである。空隙面積を断面積で割る簡単な計
算で、フィラメントの断面の％空隙率が得られる。
【００３８】
【実施例】以下の実施例においては、種々の断面を有す
るナイロン６６フィラメントを製造した。このナイロン
６６フィラメントは、図１−４に示したものと同様の毛
細管設計を有する種々の紡糸口金から紡糸したものであ
る。全ての試料に使用したナイロン６６重合体は７８±
３単位の相対粘性（ＲＶ）を有していた。紡糸パック前
の重合体温度は約２９０±１℃に制御し、紡糸流通量は
毎時７０ポンドであった。重合体紡糸ドープ液はいかな
る艶消し剤をも含有していなかった。この重合体を種々
の紡糸口金を通して押出し、２個の同寸法のフィラメン
ト分画に分けた。ついで、この溶融繊維を３００立方フ
ィート／分（０．２３６ｍ3／秒）で９℃の冷却空気を
繊維に吹き付けるチムニー内で急冷した。このフィラメ
ントを８００ヤード／分（７３２ｍ／分）の表面速度で
回転する供給ロールで急冷帯域を通して引き出し、つい
で、延伸および捲縮用の潤滑剤で被覆した。この被覆し
た糸を、加熱した（２１０℃）一対の延伸ロールを用い
て２１９７ヤード／分で延伸した（延伸比率２．７５
倍）。ついで、この糸をクーン（Ｃｏｏｎ）の米国特許
第３，５２５，１３４号に記載されているものと同様の
二重衝突嵩高加工ジェット（２３０℃の熱空気）内に前
進させて、２本の１２００デニール、フィラメントあた
り１５デニール（ｄｐｆ）の糸を形成させた。
【００３９】紡糸し、延伸し、捲縮した嵩高連続フィラ
メント（ＢＣＦ）糸をケーブル撚り機で１インチあたり
２．５回（ｔｐｉ）ケーブル撚りし、ついで、１／８イ
ンチゲージのループパイルタフト加工機で２２オンス／
平方ヤード、パイル高１／４インチのカーペットにタフ
ト加工した。このタフト加工したカーペットをベック乾
燥機内で乾燥して中程度の黄色とアボガド色とのカーペ
ットを形成させた。黄色いカーペットは汚れ試験に使用
し、アボガド色のカーペットは光輝と嵩との評価に使用
した。カーペットの美観は、カーペットの構成と表面構
造とを熟知した人々のパネルにより評価した。その結果
を表Ｉに報告する。
【００４０】 表Ｉ 例 断面 光輝 嵩 汚れ 比較例1 円形、図1A 低い 低い 高い 比較例2 凸曲面を有する空隙のない三方向突起、図2A なし 中程度 高い 実施例1 凸曲面を有する４空隙三方向突起 なし 高い 低い （軸方向芯体にも空隙） 実施例2 凸曲面を有する4空隙三方向突起 なし 高い 低い （軸方向芯体にも空隙） 比較例１ 図１Ａに示すような円形の断面を有する空隙のないフィ
ラメントを製造した。このフィラメントを、図１に示す
ような直径０．０１０インチの円形オリフィスを有する
紡糸口金毛細管を通して紡糸した。
【００４１】比較例２ 図２Ａに示すような凸曲面を持つ三方向突起断面を有
し、その突出部にも軸方向芯体にも空隙を持たないフィ
ラメントを製造した。このフィラメントは、図２に示す
ような、以下の寸法を有する紡糸口金毛細管を通して紡
糸した。
【００４２】中央オリフィスは０．０１５０インチの直
径を有し、放射状スロットは０．００２５インチの幅を
有していた。周辺オリフィスは０．０１５０インチの直
径を有していた。中央オリフィスからの周辺オリフィス
の中心までの距離は０．０２８５インチであった。
【００４３】実施例１ 凸曲面を持つ三方向突出断面を有し、その突出部のそれ
ぞれに空隙を有し、またその軸方向芯体にも空隙を有す
るフィラメントを製造した。このフィラメントは、以下
の寸法を有する紡糸口金毛細管を通して紡糸した。
【００４４】３個の中央環状スロットはそれぞれ０．０
０２４インチの幅を有し、０．０１００インチの間隔で
離れて“中央環”を形成していた。中央環の半径は０．
０３００インチであった。中央環から延びる３個の放射
状スロットはそれぞれ０．００２０インチの幅を有して
いた。中央環を囲む３個の周辺環状スロットはそれぞれ
０．００２４インチの幅を有していた。これらの周辺環
状スロットにより形成される３個の“周辺環”はそれぞ
れ０．０３００インチの半径を有していた。毛細管の深
さは０．０１５インチであった。
【００４５】実施例２ 凸曲面を持つ三方向突出断面を有し、その突出部のそれ
ぞれに空隙を有し、またその軸方向芯体にも空隙を有す
るフィラメントを製造した。このフィラメントは、以下
の寸法を有する紡糸口金毛細管を通して紡糸した。
【００４６】３個の中央環状スロットはそれぞれ０．０
０４０インチの幅を有し、０．００８インチの間隔で離
れて中央環を形成していた。中央環の半径は０．０４０
０インチであった。中央環を囲む３個の周辺環状スロッ
トはそれぞれ０．００３０インチの幅を有していた。こ
れらの周辺環状スロットにより形成される３個の周辺環
はそれぞれ０．０２００インチの半径を有していた。毛
細管の深さは０．０１５インチであった。
【００４７】本発明の主なる特徴および態様は以下のと
おりである。
【００４８】１．各突出部内に少なくとも１個の軸方向
に延びる連続空隙を含む改良を特徴とする、空隙のない
軸方向の芯体を持つ三方向突出断面を有し、その輪郭に
沿った先端により連結した凸曲面を有する、平坦な表面
を持たず、約１．２ないし４．５の変形比を持つその輪
郭に沿って２ないし２０個の湾曲反転を有する、熱可塑
性合成重合体を含むフィラメント。
【００４９】２．各突出部内に少なくとも１個の軸方向
に延びる連続空隙を含む改良を特徴とする、空隙のない
軸方向の芯体を持つ四方向突出断面を有し、その輪郭に
沿った先端により連結した凸曲面を有する、平坦な表面
を持たず、約１．２ないし４．５の変形比を持つその輪
郭に沿って２ないし２０個の湾曲反転を有する、熱可塑
性合成重合体を含むフィラメント。
【００５０】３．上記の空隙含有率が約４ないし２０％
であることを特徴とする１または２記載のフィラメン
ト。
【００５１】４．上記の合成熱可塑性重合体がポリアミ
ド、ポリエステル、ポリオレフィン、およびポリアクリ
ロニトリルよりなるグループから選択したものであるこ
とを特徴とする１または２記載のフィラメント。
【００５２】５．上記のポリアミドがナイロン６６であ
ることを特徴とする４記載のフィラメント。
【００５３】６．１または２に記載されているフィラメ
ントを含む嵩高連続多フィラメントカーペット糸。
【００５４】７．１または２に記載されているフィラメ
ントを含む捲縮ステープル多フィラメントカーペット
糸。
【図面の簡単な説明】
【図１】先行技術の円形紡糸口金毛細管の表面図であ
り、Ａは図１に示した型の毛細管を通して紡糸したフィ
ラメントの断面図である。
【図２】先行技術の三方向突出紡糸口金毛細管の表面図
であり、Ａは図２に示した型の毛細管を通して紡糸した
フィラメントの断面図である。
【図３】３個の中央環状スロットと３個の周辺環状スロ
ットとを有する本発明の紡糸口金毛細管の表面図であ
り、Ａは図３に示した型の毛細管を通して紡糸した、そ
の各突出部の空隙と空隙のない軸方向の芯体とを有する
フィラメントの断面図である。
【図４】３個の中央環状スロットと３個の周辺環状スロ
ットとを有する、周辺スロットと中央スロットとの寸法
が異なる本発明の紡糸口金毛細管の表面図であり、Ａは
図４に示した型の毛細管を通して紡糸したフィラメント
の断面図である。
【図５】４個の中央環状スロットと４個の周辺環状スロ
ットとを有する本発明の紡糸口金毛細管の表面図であ
り、Ａは図５に示した型の毛細管を通して紡糸した、そ
の各突出部の空隙と空隙のない軸方向の芯体とを有する
フィラメントの断面図である。
【図６】４個の中央環状スロットと４個の周辺環状スロ
ットとを有する紡糸口金毛細管の表面図であり、Ａは図
６に示した型の毛細管を通して紡糸したフィラメントの
断面図である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 各突出部内に少なくとも１個の軸方向に
    延びる連続空隙を含む改良を特徴とする、空隙のない軸
    方向の芯体を持つ三方向突出断面を有し、その輪郭に沿
    った先端により連結した凸曲面を有する、平坦な表面を
    持たず、約１．２ないし４．５の変形比を持つその輪郭
    に沿って２ないし２０個の湾曲反転を有する、熱可塑性
    合成重合体を含むフィラメント。
  2. 【請求項２】 各突出部内に少なくとも１個の軸方向に
    延びる連続空隙を含む改良を特徴とする、空隙のない軸
    方向の芯体を持つ四方向突出断面を有し、その輪郭に沿
    った先端により連結した凸曲面を有する、平坦な表面を
    持たず、約１．２ないし４．５の変形比を持つその輪郭
    に沿って２ないし２０個の湾曲反転を有する、熱可塑性
    合成重合体を含むフィラメント。
  3. 【請求項３】 請求項１または２に記載されているフィ
    ラメントを含む嵩高連続多フィラメントカーペット糸。
  4. 【請求項４】 請求項１または２に記載されているフィ
    ラメントを含む捲縮ステープル多フィラメントカーペッ
    ト糸。
JP6337255A 1993-12-28 1994-12-26 空隙を含有する三方向突出断面および四方向突出断面のフイラメント Pending JPH07216629A (ja)

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