JPS6023153Y2 - 吸音発泡ガラス板 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は吸音効果を向上せしめた発泡ガラス板に関する
ものである。

発泡ガラス板は無機質多泡体で、耐火および断熱性にす
ぐれ、建築物の壁材、天井材等として広く用いられてい
る。

そしてこのような用途に用いられる発泡ガラス板は、断
熱性能の他に吸音性能にすぐれていることが望ましい。

発泡ガラス板はその表面に細かい多数の泡が存在するこ
とにより、ある程度の吸音特性を示すが必ずしも充分で
ない。

そこで考案者らは発泡ガラス板に布を貼着することに着
目し、種々の実験を行なった結果、表面に布を貼着した
発泡ガラス板は吸音性能が極めて良好であることを確認
した。

貼着用の布としては有機質系および無機質系の織布およ
び不織布が用いられ得る。

また接着剤としては酢酸ビニル等の有機質接着剤および
水ガラス等の無機質接着剤が用いられ得る。

本考案について考案者らの行なった実験について説明す
れば、第１図に示すように発泡ガラス板（２００Ｘ ２
００ Ｘ ２ｏｍｍ ） １の片面に布２として石綿布
（厚さ１ｍｍ）、ガラスクロス（厚さ１ｍｍ）および木
綿不織布（厚さ０．８Ｍ）を接着剤３により１０Ｔｒｒ
ＩｒＬ間隔て点貼着した。

接着剤としては無機質系布には水ガラスの、有機質系布
には酢酸ビニルの接着剤を用いた。

そしてこれ等の発泡ガラス板と、布を貼着しない発泡ガ
ラス板とについてそれぞれ吸音率を測定した。

結果を第２図に示す。なお、測定は垂直入射吸音率測定
法により吸音率（ａ）＝■ （１−Ｈ） ｘｌｏｏとして求めた。

ここでＩ。は入射音の強度、Ｉは反射音の強度である。

また第２図においてＡは発泡ガラス板のみのもの、Ｂ、
Ｃ９Ｄはそれぞれガラスクロス、木綿不織布、石綿布を
それぞれ貼着した発泡ガラス板の吸音率を示す。

上記の実験結果より知られる如く、表面に布を貼着する
ことにより発泡ガラス板の吸音率は倍増し、１０〜２０
％改善される。

この吸音率改善効果は発泡ガラス板と粘着布による吸音
効果に加えて、更にガラス板と布間の空気層での振動吸
収によるものと推定される。

従って布の粘着法としては全面貼着よりも積極的に空気
層の存在を許す点貼着が望ましい。

また表面を布で被覆したガラス板は外観上もすぐれてお
り、本考案の発泡ガラス板は室内用壁材、天井材および
床材等に用いて極めて好適である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の発泡ガラス板の部分断面図、第２図は
本考案の発泡ガラス板および従来の発泡ガラス板の吸音
率測定結果を示す図である。 １・・・・・・発泡ガラス板、２・・・・・・布、３・
・・・・・接着剤。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 発泡ガラス板の表面に有機質または無機質の布を貼着し
   てなる吸音発泡ガラス板。