JPS602204Y2 - コ−デユロイ織物 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は伸縮性があり薄地でソフトな細畝のコーデユロ
イ織物に関するものである。

細畝を有する緯パイルのコーデユロイ織物はミジンコー
ルとして知られ該織物はコツトン１００％糸条から構成
されている織物が殆んどを占め地糸にコツトンとポリエ
ステルの混紡糸を用いて成る織物が若干市販化されてい
る程度であり、合成繊維糸条１００％から戒る細畝を有
するコーデユロイ織物は皆無である。

又従来のミジンコールは用いる糸条の太さは加工性の面
から４幡手程度が限界であり更に薄くソフトなコーデユ
ロイ織物を得るには更に細番手糸条を用いる必要があり
合成繊維の長繊維糸条を用いるのが有効である。

更に細畝で伸縮性のあるコーデユロイ織物は緯パイル糸
の剪毛時にパイル糸が脱落し製品化が困難であり未だ市
場化はなされていない。

本考案者等は鋭意検討した結果これらの欠点を解消し伸
縮性があり薄地でソフトな細畝コーデユロイ織物を得る
ことに成功したものである。

即ち本考案は緯パイルのコーデユロイ織物において地織
部を形成する経糸として鎖部に高伸縮性フィラメント糸
条を、溝部に高捲縮を有する加工糸に仮撚加熱方向とは
逆方向（以下オーバー解撚方向と云う）に追撚した糸条
を各々配し、又地緯糸としてフィラメント糸を用い、更
にパイル緯糸として熱処理により捲縮を発現するアクリ
ル繊維の紡績糸を用いると共にパイル緯糸を経糸とルー
ズパイル組織に交叉せしめてなるコーデユロイ織物にあ
る。

本考案を図面により更に詳細に説明すると、第１図及び
第２図は本考案の一例を示すものであり、第１図は織成
した生機を緯糸方向に切断した場合の断面図を示し１は
地織部を形成する鎖部の経糸としてて用いた高伸縮性フ
ィラメント糸条２は溝部の経糸に用いた高捲縮を有する
仮撚加工糸にオーバー解撚方向の追撚を施した糸条、３
は地織糸の仮撚捲縮加工糸を示し４は鎖部を形成する経
糸とルーズパイル（Ｖ字型）に交叉しているパイル緯糸
として用いた熱処理によって捲縮を発現するタイプのア
クリル繊維の紡績糸を示す。

第２゛図は第１図の生機を剪毛及び染色仕上を施こして
得られた仕上布を緯糸方向に切断した断面図を示しａは
鎖部をｂは溝部を示し１と２は経糸３は地緯糸４′は剪
毛加工でカットされた染色仕上にて開繊されたパイル緯
糸を示す。

本考案のコーデユロイ織物は特願昭５５−７８１２０等
に示す方法で得るものであり地織部を形成する経糸及び
又は地緯糸に水溶性高分子化合物を付着せしめて織成し
次いで該織物を湿潤、乾燥処理し地糸とパイル緯糸とを
固着させて後にパイル緯糸の剪毛を行ない更に染色仕上
を行なって細畝のコーデユロイ織物を得ることができる
。

本考案のコーデユロイ織物の地織部を形成する鎖部の経
糸に用いる高伸縮性フィラメント糸はスパンデックス糸
、ポリエステル或いはポリアマイドのスプリンジイーヤ
ーン等の伸縮性の大きな糸条を用いるもので得ようとす
る織物の伸長特性によって選定される。

又溝部に配する高捲縮を有する仮撚加工糸にオーバー解
撚方向の追撚を施こした糸条はポリエステル或いはポリ
アマイド等の捲縮数の大キい仮撚加工糸にオーバー解撚
方向の追撚を行なった糸条を用いれば本考案の目的を遠
戚する。

高い捲縮数を持った仮撚加工糸にオーバー解撚を施した
フィラメント糸を溝部の経糸として配することにより染
色仕上工程でのリラックス時のトルク発現が大きく長さ
方向への収縮が鎖部に配された高伸縮性フィラメント糸
の収縮に追従しておこり得られるコーデユロイ織物の伸
長率を大きくすることができる。

オーバー解撚方向への追撚数は製品風合、加工性を考慮
して設定される。

地緯糸に用いられるフィラメント糸は特に限定するもの
ではないが製品風合やパイルの脱落等から仮撚捲縮加工
糸を用いるのが好ましい。

又高伸縮性フィラメント糸を用いることにより経緯両方
向に伸縮性を有するコーデユロイ織物を得ることができ
る。

更にパイル緯糸として用いる熱処理によって捲縮を発現
するタイプのアクリル繊維からなる紡績糸は湿式複合紡
糸方式により得られたミクロクリンプを有する潜在捲縮
型のアクリル繊維或いは乾式複合紡糸方式による潜在捲
縮型のアクリル繊維等の紡績糸条を用いることにより製
品の外観が良好でパイル糸の脱毛のない織物を得ること
ができる。

更にこの緯パイル糸が鎖部を形成する経糸である高伸縮
性フィラメント糸とルーズパイル（Ｖ字型）組織に交叉
することにより緯パイルの毛密度が密で畝部が多く伸縮
性の大きなコーデユロイ織物が得られる。

以上の如く構成された本考案によればまったく新規な薄
地でソフトな細畝を有する伸縮性のコーデユロイ織物が
得られるのであって、その工業的価値は極めて大である
。

更に実施例により本考案を具体的に説明する。

実施例 地織部を威す鎖部の経糸としてスパンデックス糸４０デ
ニールにポリエステル糸３０デニールをダブルカバリン
グした糸条を用い溝部の経糸として仮撚々数３８０ｆｆ
ｒ／Ｍ （Ｚ）、仮撚温度２３０’Ｃテ仮撚加工したポ
リエステル７５デニール７３６フイラメント糸に３０ｆ
ｆＴ／Ｍ（Ｓ）の追撚を施し経糸として配しくこれら経
糸には糊付を行なった）地緯糸として７５デニール／３
６フイラメントのポリエステルの仮撚加工糸を用いパイ
ル緯糸として湿式複合紡糸方式により製造された１００
ケ／インチのミクロクリンプを有する潜在捲縮型のアク
リル繊維１００％より成る紡績糸１／６８Ｍ、Ｃ，を用
いて経糸密度８０本／吋緯糸密度２１昧／吋（地緯糸と
パイル緯糸との比率が１＝２）にて第１図に示す様なル
ーズパイルの組織で織成し得られた生機の裏面を湿潤乾
燥させて後に剪毛及び染色加工を行ない非常に薄地で軟
らかなストレッチの有る細畝のコーデユロイ織物を得た
。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は本考案の一例を示し、第１図は織成
した生機を緯糸方向に切断した断面図であり、第２図は
染色仕上布の緯糸方向に切断した断面図を示す。 第１図及び第２図においで１，２は地経糸、３は地緯糸
、４． ４’はパイル緯糸である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 緯パイルのコーデユロイ織物において、地織部を形成す
   る経糸として鎖部に高伸縮性フィラメント糸条を、溝部
   に高捲縮を有する仮撚加工糸に仮撚加工方向とは逆方向
   に加熱した糸条を各々配し、又地緯糸としてフィラメン
   ト糸条を用い、更にパイル緯糸として熱処理により捲縮
   を発現するアクリル繊維の紡績糸を用いると共に、パイ
   ル緯糸を経糸とルーズパイル組織に交叉せしめてなるコ
   ーデユロイ織物。