JPS6020773Y2 - ドアロツク用アクチュエ−タ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は自動車等のドアのロックおよびアンロックを電
気的操作スイッチにより自動的に行なう装置のアクチュ
エータに関するものである。

従来からドアロック用のアクチュエータとしては第１図
に示すような電磁ソレノイドが多く用いられている。

第１図において１はヨーク、２および２′は電磁コイル
、３は可動鉄心、４はシャフト、５は軸受を示す。

第１図においてその動作を説明する。

第１図に示す電磁コイル２に通電すると可動鉄心３は、
電磁吸引力により図示矢印Ａ方向へ吸引される。

また電磁コイル２′に通電すると可動鉄心３は電磁吸引
力により図示矢印Ｂ方向へ吸引される。

以上のように電磁コイル２および２′に交互に通電する
ことによりシャフト４に取付けられたロッド（図示せず
）を押引作動し、ドアのロックおよびアンロックを行な
う。

ここで一般的なロックおよびアンロックの機構および過
程について説明する。

先ず機構としては、例えば自動車工学便覧（自動車技術
全編）に記載されているようにアクチュエータのシャフ
トに取付けられたロッドはドア側に設けられたフックに
固着され、このフックがボディ側に取付けられたヒンジ
と係合することにより、ロックあるいはアンロックを行
なう。

このロックおよびアフロツクの過程で、フックにはトー
ションバーやコイルばねが取付けられており、その動作
には節度がもたせられている。

従ってロックおよびアンロックとも、この節度を乗り越
してしまえば逆戻りしないようになっている。

通常、この節度を乗り越えるまでの動作距離は動作開始
から２〜４ｍ程度までであり、アクチュエータに必要な
推力はこの動作開始から２〜４ＴＩｖＩｌ程度までに節
度を乗り越える推力（一般的には２．５ｋｇ・ｆ程度）
があれば良いことになっている。

従ってドアロック・アクチュエータの推力特性に真に必
要とされるものは動作の初期の推力が大きく、終端では
小さいことである。

ここで、第１図に示した電磁ソレノイドの推力特性を第
２図に示す。

この方式の発生推力の基本は、可動鉄心と−クの軸方向
に相対向する端面間の電磁吸引力であるため、第２図に
示したように動作開始時には発生推力が小さく動作終了
時に発生推力が大となる特性となる。

以上述べたような電磁ソレノイド方式アクチュエータに
は次のような欠点がある。

（１） 動作終了時の発生推力が大であるため終端で
の作動音が衝撃的でかなり大きい。

（２） 終端での衝撃音を吸収するために、吸音材を
ヨーク端面あるいは可動子端面に装着すると電磁吸引力
を発生するギャップ長さが大となるため、発生推力が低
下してしまう。

（３）押、副動作の各々に別個の電磁コイルを使用せね
ばならないため形状、重量具入となる。

本考案の目的は、上述した欠点を解消して、動作開始時
の発生推力が大で、小型かつ軽量でしかも長寿命の往復
駆動装置をそなえたドアロック用アクチュエータを提供
することである。

以下本考案の詳細を実施例を示す図面により説明する。

第３図は本考案の一実施例を示すドアロック用アクチュ
エータの往復駆動装置の縦断面図である。

同図において６は、軸を含む平面における縦概面端面を
略Ｅ形に形成した軟磁性材料からなるヨークであり、軸
方向の中央部および両端部にそれぞれ中央磁極部６ａお
よび端部磁極部６ｂ、６Ｃを有している。

該ヨーク内には相隣る部分に同極が発生するように、２
個の電磁コイル７および７′を直列または並列に結線し
て配設する。

次に上記ヨーク内の中央部には、端部に磁極片８および
８′を有し、軸方向に着磁してなる円筒状の永久磁石９
を構成要素とする可動子を軸方向摺動自在に設置する。

磁極片８および８′はそれぞれ上記永久磁石の外周面か
ら上記端部磁極部に圏向って軸方向に伸びるリング状部
８ａおよび８’ａを有している。

更に該可動子の両端に軸１２および１２′を固着腰該軸
を軸受１０および１０′にて摺動保持する。

なお１１および１１′は衝撃音吸収のための吸音材であ
り、ゴム等により形成する。

次に上記のように構成された装置の動作を説明する。

第３図において、電磁コイル７および７′にヨーク６の
中央磁極部６ａにＳ極が端部磁極部６ｂ、６ｃにＮ極が
発生するように通電すると、可動子の磁極片８′は端部
磁極部６ｂと磁気的に反撥し、可動子の磁極片８は、ヨ
ークのもう一方の端部磁極部６ｃと磁気的に吸引しあう
。

このことにより可動子には、図示矢印Ｂ方向への推力が
付与される。

また、電磁コイル７および７′に上述したのとは逆方向
の電流を通電すれば、ヨークには上記と逆極性の磁極が
現出して図示矢印Ａ方向への推力が付与される。

ここで、本考案に係るドアロック用アクチュエータの駆
動装置の発生推力の大きさに影響を与えるヨークの磁極
部と可動子の磁極片との相対位置関係について説明する
。

先ず、発生推力は永久磁石の磁束量および電磁コイルに
入力する電流量に比例することは当然のことであるが、
ストーク各位置における推力は、それ以外に上述したヨ
ークの磁極部と可動子の磁極片との相対位置関係に大き
く影響される。

一般に、最大推力が得られるストローク位置は、その磁
気回路のパーミアンスの変化分が最大となる位置である
。

したがって本考案における最大推力が得られるストロー
ク位置は、可動子の磁極片の角部とヨークの磁極部の角
部との異極同志で相対する位置である。

第４図に第３図に示した本考案の一実施例に係るドアロ
ック用アクチュエータの駆動装置の推力特性を示す。

同図に示すように動作初期に推力が大きく、動作終了時
に推力が小さいというドアロック用アクチュエータに真
に必要とされる特性が得られている。

ここで第４図に示したような推力特性を得るための好適
なヨークの磁極部と可動子の磁極片との寸法関係につい
て説明する。

第５図は寸法関係説明のための図である。

同図においてＡはヨークの端部磁極部間の軸方向長さ、
Ｂはヨークの中央部極部の軸方向長さ、Ｃは可動子外周
面における磁極片間の軸方向長さ、Ｄは可動子外周面に
おける可動子の軸方向長さ、また１ｇはヨークの内周面
と可動子の磁極片外周面との間隙である。

これらの寸法において（１）Ｄ、Ａ＞Ｃおよび（２）Ｂ
≧Ｃ≧１ｇであることが好適な推力特性を得るための条
件である。

なお、第５図においてＤとＡはＤ＞Ａなる寸法関係を有
しているが、本考案ではこれに限らす、例えばＤ≧Ａで
あっても良好な推力特性が得られる。

ただし、この寸法関係で言わんとすることは、あくまで
もヨークの磁極部と可動子の磁極片との磁気的関係を構
成する上での寸法関係であり、磁気的ギャップを構成す
る上で、必要な磁極片（磁極部）に対して設定されたも
のである。

本考案のドアロック用アクチュエータは上述の如き構成
および作用であるから、下記の効果を奏し得る。

（１）ドアロック用アクチュエータに真に必要とされる
推力特性をムダなく得られるため装置の小型化、軽量化
が顕著である。

（２）推力特性に影響を与えることなく、終端に衝撃音
の吸音材を設けられること、および終端での発生推力が
小さいことから１、作動音が非常に静かである

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のドアロック用アクチュエータにおける往
復駆動装置を示す縦断面図、第２図は第１図に示した従
来装置の推力特性図、第３図は本考案の一実施例を示す
ドアロック用アクチュエータの往復駆動装置の縦断面図
、第４図は第３図に示した本考案の一実施例の推力特性
図、第５図は本考案のドアロック用アクチュエータの往
復駆動装置の寸法関係を説明するための図である。 ６・・・・・・ヨーク、７，７′・・・・・・電磁コイ
ル、８゜８′・・・磁極片、９・・・・・・永久磁石、
１０．１０’・・・・・・軸受、１１．１１’・・・・
・・吸音材、１２，１２’・・・・・・軸。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 ■ 電気操作スイッチにより自動的にドアをロックおよ
   びアンロックする装置におけるアクチュエータにおいて
   、軸を含む平面における縦断面端面形状を略Ｅ形に形威
   し、該略Ｅ形部の軸方向の中央部および両端部にそれぞ
   れ中央磁極部および一対の端部磁極部を有する円筒状の
   ヨーク内に、前記磁極部を取囲む２個の筒状電磁コイル
   を相隣る部分に同極性の磁極が発生するように配設腰前
   記ヨーク中央部には、軸方向に着磁した円筒状の永久磁
   石の両端部に、該永久磁石の外周面から前記端部磁極部
   に向って軸方向に伸びるリング状部を有する一対の磁極
   片を設けて形成した可動子を軸方向移動自在に配置した
   往復駆動装置を用いたことを特徴とするドアロック用ア
   クチュエータ。 ２ ヨークの磁極部と可動子の磁極片との寸法関係を下
   記のように定めたことを特徴とする実用新案登録請求の
   範囲第１項記載のドアロック用アクチュエータ。 Ｄ、 Ａ＜Ｃ Ｂ≧Ｃ≧１ｇ 但しＡ：ヨークの一対の端部磁極部間軸方向長さ Ｂ：ヨークの中央磁極部軸方向長さ Ｃ：可動子外周面における一対の磁極 片間軸方向長さ Ｄ＝可動子外周面における可動子軸方 向長さ １ｇ＝ヨーク内周面と可動子外周面との 間隙