JPS6023408Y2 - ドアロツク用アクチュエ−タ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は自動車等のドアのロックおよびアンロックを電
気的操作スイッチにより自動的に行なう装置の駆動装置
部アクチュエータに関するものである。

従来ドアロック用のアクチュエータとしては、第１図に
示すような電磁ソレノイドが用いられている。

第１図において１はヨーク２および２′は電磁コイル、
３は可動鉄心、４はシャフト、５は軸受を示す。

第１図においてその動作を説明する。

第１図に示す電磁コイル２に通電すると可動鉄心３は電
磁吸引力により図示矢印Ａ方向へ吸引される。

また電磁コイル２′に通電すると可動鉄心３は電磁吸引
力により図示矢印Ｂ方向へ吸引される。

以上のように電磁コイル２および２′に交互に通電する
ことによりシャフト４に取付けられたロッド（図示せず
）を押引作動し、ドアロックおよびアンロックを行なう
。

ここで一般的なロックおよびアンロックの機構および過
程について説明する。

先ず機構としては、アクチュエータのシャフトに取付ら
れたロッドはフックに固着され、このフックがいわゆる
ヒンジに固着あるいは開放されることにより、ロックあ
るいはアンロックを行なう。

このロックおよびアンロックの過程で、フックにはトー
ションバーやコイルばねが取付られており、その動作に
は節度がもたせられている。

従って、ロックおよびアンロックともこの節度を乗り越
してしまえば逆戻りしないようになっている。

通常、この節度を乗り越えるまでの動作距離は動作開始
から２ｒｒｒｍ程度まであり、アクチュエータに必要な
推力は以上の初期から２ｒｒｖｎ程度までに節度を乗り
越える推力（一般的には２．５ｋｐ・ｆ程度）があれば
良いことになっている。

従ってドアロック・アクチュエータの推力特性に真に必
要とされるものは動作の初期の推力が大きく、終端では
小さいことである。

ここで、第１図に示した電磁ソレノイドの推力特性を第
２図に示す。

この方式の発生推力の基本は可動鉄心とヨークの軸方向
に相対向する端面間の電磁吸引力であるため、第２図に
示したように動作開始時には発生推力が小さく、動作終
了時に発生推力が大となる特性となる。

以上述べたような電磁ソレノイド方式アクチュエータに
は次のような欠点がある。

（１）動作終了時の発生推力が犬であるため終端での作
動音が衝撃的でかなり大きい。

（２）終端での衝撃音を吸収するために吸収材をヨーク
端面あるいは可動子端面に装置すると電磁吸引力を発生
するＧａｐ長さが大となるため、発生推力が低下してし
まう。

（３）押、副動作の各々に別個の電磁コイルを使用せね
ばならないため、形状、重量共大となる。

本考案の目的は、上述の従来のドアロック装置の欠点を
解消して、動作開始時の推力が動作終了時のそれより大
なる推力特性が得られ、小型・軽量な往復駆動装置を有
するドアロック用アクチュエータを提供することである
。

以下、本考案の詳細を実施例を示す図面により説明する
。

第３図は本考案の一実施例を示す縦断面図である。

同図において６は縦断面端面を略Ｅ型に形成して軟磁性
材料からなるヨークであり、該ヨーク内に相隣る部分に
同極が発生するように、２個の電磁コイル７および７′
を直列または並列に結線して配設する。

次に該ヨーク内に半径方向の表面が互いに異極性となる
ように着磁したリング状の永久磁石９，９′を円柱状の
軟磁性部材１３に固着腰かつ永久磁石９および９の外周
面にそれぞれ磁極片８′および８′を固着してなる可動
子１４を設置する。

さらに可動子１４の両端にそれぞれ軸１２および１２′
を固着し、これらを軸受１５および１５′を介してそれ
ぞれカバー１０および１０′に軸方向摺動自在に支持す
る。

なお１１および１１′は衝撃音吸収のための吸音材であ
り、ゴム等により形成する。

次に上記のように構成された装置の作動を説明する。

第３図において、電磁コイル７および７′に略Ｅ型ヨー
クの中央部にＳ極が両端部にＮ極が発生するように通電
すると、可動子磁極片８′はＥ型ヨーク端部と磁気的に
反撥し、可動子磁極片８はＥ型ヨークのもう一方の端部
に磁気的に吸引される。

このことにより可動子には図示矢印Ｂ方向への推力が付
与される。

また電磁コイル７および７′に上述したのとは逆方向の
電流を通電すればヨークには上記と逆極性の磁極が生じ
て可動子には図示矢印Ａ方向への推力が付与される。

ここで、本考案の駆動装置の発生推力の大きさに影響を
与えるＥ型ヨーク磁極片と可動子磁極片との相対関係に
ついて説明する。

先ず、発生推力は永久磁石の磁束量および電磁コイルに
入力する電流量に比例することは当然のことであるが、
ストローク各位置における推力は、それ以外に上述した
Ｅ型ヨーク磁極片と可動子磁極片との相対位置関係に大
きく影響される。

つまり、ストローク位置において最大推力が得られるの
は、その磁気回路のパーミアンスの変化分が最大の位置
になるところである。

その位置は可動子磁極片とＥ型ヨーク磁極片の角部が異
極同志で相対する位置である。

第４図に第３図に示した本考案の一実施例の駆動装置の
推力特性を示す。

同図に示すように動作初期に推力が大きく動作終了時に
推力が小さいというドアロック用アクチュエータに真に
必要とされる特性が得られている。

ここで第４図に示したような推力特性を得るための好適
なＥ型ヨーク磁極片と可動子磁極片との寸法関係につい
て説明する。

第５図は寸法関係説明のための図である。

同図において、ＡはＥ型ヨーク端部磁極片間軸方向長さ
てあり、ＢはＥ型ヨーク中央極片軸方向長さ、Ｃは可動
子磁極片軸方向内側間の長さ、Ｄは可動子磁極片軸方向
外側間の長さ、また１ｇはＥ型ヨーク内周面と可動子外
周面との半径方向間隙いわゆるギャップ寸法である。

これらの寸法において（１）Ｄ、Ａ＞Ｃおよび（２）Ｂ
≧Ｃ≧１ｇであることが、好適な推力特性を得るための
寸法関係である。

なお、第５図においてＤとＡとはＤ＞Ａなる寸法関係を
有しているが、必ずしもこれに限らすＤ≦Ａであっても
良好な推力特性が得られる。

この寸法関係で言わんとすることは、あくまでもＥ型ヨ
ーク磁極片と可動子磁極片との磁気的関係を構成する上
での寸法関係であり、磁気的ギャップを構成する上で必
要な磁極片に対して設定されたものである。

本考案のドアロック用アクチュエータは以上記述の如き
構成および作用であるから、下記の効果を奏し得る。

（１）ドアロック・アクチュエータに真に必要とされる
推力特性をムダなく得られるため装置の小型化、軽量化
が顕著である。

（２）推力特性に影響を与えることなく、終端に衝撃音
の吸音材を設けられること、および終端での発生推力が
小さいことから作動音が非常に静かである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のドアロック用アクチュエータの往復駆動
装置を示す縦断面図、第２図は第１図に示した従来装置
の推力特性図、第３図は本考案の一実施例を示すドア田
ンク用アクチュエータの往復駆動装置縦断面図、第４図
は第３図に示した本考案の一実施例の推力特性図、第５
図は本考案の装置の寸法関係を説明するための図である
。 ６：略Ｅ型のヨーク、７．７’：電磁コイル、８．８’
：可動子磁極片、９． ９’：永久磁石、１０．１０’
：軸受、１１．１１’：吸音材、１２゜１２′：軸、１
３：軟磁性部材。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 電気操作スイッチにより、自動的にドアをロックお
   よびアンロックする装置におけるアクチュエータにおい
   て、軸を含む平面における縦断面端面を略Ｅ型に形成し
   た軟磁性材料からなるヨーク内に、２個の電磁コイルを
   相隣る部分に同極が発生するように配設し、ヨーク中央
   部には、半径方向の表面が互いに反対極性となるように
   着磁してなる一対の永久磁石をそれぞれ軟磁性部材上に
   所定間隔をおいて固着し、かつ各永久磁石の外周面に磁
   極片を固着してなる可動子を軸方向摺動自在に嵌装して
   なる往復駆動装置を用いたことを特徴とするドアロック
   用アクチュエータ。 ２ ヨークと可動子との寸法関係を下記のように定め、
   動作開始時推力が動作終了時推力よりも大となるごとく
   の往復駆動装置の推力特性を得るようにしたことを特徴
   とする実用新案登録請求の範囲第１項記載のドアロック
   用アクチュエータ。 Ｄ、Ａ＞Ｃ Ｂ≧Ｃ≧Ｉｇ 但しＡ：Ｅ型ヨーク端部磁極片間軸方向長さＢ：Ｅ型ヨ
   ーク中央磁極片軸方向長さ Ｃ：可動子磁極片軸方向内側間の長さ Ｄ：可動子磁極片軸方向外側間の長さ １ｇ：Ｅ型ヨーク内周面と可動子磁極片外周面との半径
   方向間隙