JPS6020150Y2 - 楽器用スタンド - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は楽器用スタンドの改良に関し、特にスネアド
ラム等の楽器を所望の角度姿勢にセットできるようにし
たものである。

ドラムセットにおいて、スネアドラム等は演奏者の好み
によって所望の角度姿勢にセットできるようになってい
る。

このため、通常ボールジヨイントからなる角度調整機構
が用いられている。

このボールジヨイントはスタンド支柱１の上端部に固定
した金属製のボールをクランプベースとソケットで回動
可能に抱持し、クランプベースに螺装した締付けねじで
ボールを押圧してソケットの内周面に押圧固定するよう
に構成されている。

しかしながら、従来のボールジヨイントにおいては、ボ
ールと締付けねじとの接触は金属同士の接触となってい
るので、両者間に生じる摩擦結合力は小さなものとなり
、ボールの固定を確実に行なうことができない。

したがって、ドラム演奏時の振動、衝撃等によってドラ
ムを保持する取付ロッドを介してクランプベースおよび
ソケットが回動し、所定角度のセット状態が変化するの
で、演奏上好ましくないという欠点があった。

また、クランプベースおよびソケットの内周面はボール
の半径とほぼ等しい曲率半径を有しているので、取付ロ
ッドを任意の角度姿勢に設定する際、ボールが回動しす
らいという不都合もあった。

この考案は、上述した欠点に鑑みなされたもので、ボー
ルを合成樹脂で形成すると共にクランプベースの内周面
の曲率半径をボールの半径よりも幾分大きく設定してこ
れら両者間に適宜な間隔を設けるという極めて簡単な構
成により、締付時にボールを確実に固定できるようにし
、取付ロッドに装着された楽器を演奏時に安定した角度
姿勢に維持できるようにすると共に取付ロッドの角度姿
勢を容易に変え得るようにした楽器用スタンドを提供す
るものである。

以下、この考案の一実施例を添付図面を用いて詳細に説
明する。

同図において、パイプ材からなるスタンド支柱１は、そ
の下端部においた図示しない脚体により垂直姿勢に支持
されており、このスタンド支柱１の上端部には合成樹脂
材からなるボール２が固着されている。

このボール２は表面に何ら凹凸を有しない完全な球体に
形成され、その周囲にはクランプベース３と、ソケット
４が配設されており、これらクランプベース３とソケッ
ト４とは前記ボール２を回動可能な状態に抱持し、ねじ
５によって一体的に結合されている。

また、前記クランプベース３の内周面、すなわちボール
受部３ａは、その曲率半径が前記ボール２の半径よりも
幾分大きめに形成されており、このボール受部３ａのほ
ぼ中央部には締付ねじ６が螺合するように形成されたね
じ孔７が設けられている。

一方、前記ソケット４の内周面、すなわちボール受部４
ａは、その曲率半径がボール２の半径とほぼ等しく形成
されており、前記締付ねじ６の締付は時に、この締付け
ねじ６の先端部６ａとソケット４のボール受部４ａによ
って前記ボール２を強固に挟圧保持するように構成され
ている。

また、前記クランプベース３には、スタンド支柱１とほ
ぼ直交する方向に延在された取付ロッド８が固定されて
おり、この取付ロッド８にはドラム支持体９が取付ロッ
ド８の長手方向に摺動自在に軸装されている。

この支持体９は締付ねじ１０によって前記取付ロッド８
め所望の位置に固定されるようになっている。

また、前記支持体９には図示しない操作つまみによって
俯仰動自在なドラム支持アーム１１が取付けており、こ
の支持アーム１１上には例えばスネアドラムＳが載置さ
れるようになっている。

以上のように構成された楽器用スタンドにおいて、スネ
アドラムＳを所望の角度姿勢にセットするには、締付ね
じ６を前記ボール２が回動可能な状態に緩め、この状態
で前記取付ロッド８を所望取付角度姿勢にセットし、次
に再び前記締付けねじ６を締付ければよい。

この結果、ボール２は締付ねじ６の先端面６ａとソケッ
ト４のボール受部４ａ間に強固に挟圧保持され、もって
スネアドラムＳの角度姿勢の調整作業は完了する。

なお前記スネアドラムＳを水平移動させたい場合は、締
付ねじ１０をドラム支持体９が取付ロッド１２に対して
摺動可能な状態に緩め、この状態で前記ドラム支持体９
を所望の方向に移動させることによって行なう。

以上説明したようにこの考案に係る楽器用スタンドによ
れは、ボールを合成樹脂材により形成したものであるか
ら、このホールの外周面と締付けねじの先端面との圧着
力は従来の金属同士のものに較べて大きくなり、締付け
ねじの締付時において前記ボールの回動は確実に阻止さ
れることになる。

したがって、一旦取付ロッドを所望角度姿勢にセットす
ると、従来のようにこの取付ロッドが演奏時の振動等に
より回動し、セット状態が変化したりすることなく、常
時安定した角度姿勢を維持できる。

また、クランプベースのボール受部はその曲率半径がボ
ールの半径よりも幾分大きく設定されているので、取付
ロッドの角度調整時に締付ねじを緩めれば、ボールを簡
単に回動させることができ、取付ロッドを所望取付角度
姿勢に容易にセットすることができるという効果を有す
る。

【図面の簡単な説明】

添付図面はこの考案に係る楽器用スタンドの一実施例を
示す一部破断正面図である。 １・・・・・・スタンド支柱、２・・・ボール、３・・
・・・・クランプベース、４・・・・・・ソケット、６
・・・・・・締付けねじ、８・・・・・・取付ロッド。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 脚体によって立設されたスタンド支柱と、このスタンド
   支柱の上端部に固定されたボールと、一体的に結合され
   て取付ロッドに固定されその内周面で前記ボールと共通
   に抱持するクランプベースおよびソケットと、前記クラ
   ンプベースに螺装されて前記ボールをソケットの内周面
   に押圧固定することにより前記取付ロッドを任意の角度
   姿勢に保持する締付けねじとを備え、前記ボールを合成
   ｔｉｔ脂によって球状に形威し、前記クランクベースの
   内周面の曲率半径をボールの半径よりも幾分大きく設定
   し、ソケットの内周面の曲率半径をボールの半径とほぼ
   等しく設定したことを特徴とする楽器用スタンド。