JPH0339833Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、ハイハツトシンバルスタンドの昇
降シヤフトに取付けられて上シンバルを支持する
ハイハツトシンバルの上シンバル受けに関するも
のである。

〔従来の技術〕

ハイハツトシンバルの上シンバルは、ハイハツ
トシンバルスタンドの昇降シヤフトに取付けた上
シンバル受けに支持されており、ペダルを踏み込
んで昇降シヤフトを下降させることによつて下シ
ンバルに打ち合されるようになつている。

第４図は上記ハイハツトシンバルの上シンバル
受けとして従来使用されているものを示したもの
で、この上シンバル受けは、ハイハツトシンバル
スタンドの昇降シヤフト１に摺動可能に嵌合され
る外周にねじ３を設けたパイプ状シンバル受け本
体２の外周に、上シンバルＡをその上下からフエ
ルトリング６ａ，６ｂを介して支持する上下一対
のナツト部材４，５を螺合したもので、この上シ
ンバル受けは、シンバル受け本体２の上端部に螺
合挿入されて先端において昇降シヤフト１に当接
する止めねじ７を締付けることによつて昇降シヤ
フト１に固定されている（特願昭62−38711号公
報参照）。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかしながら、上記従来の上シンバル受けは、
先端において昇降シヤフト１に当接する止めねじ
７によつて昇降シヤフト１に固定されるものであ
るために、昇降シヤフト１に対する固定力が弱
く、そのために、ペダルの踏み込みにより上シン
バルを下シンバルに打ち合せたり、上シンバルを
ステイツクで叩いて演奏しているときに、衝撃に
よつて上シンバル受けがずれ下がつて、上シンバ
ルＡの位置が狂つてしまうことがあるという問題
をもつていた。

この考案は上記のような実情にかんがみてなさ
れたものであつて、その目的とするところは、昇
降シヤフトに対する固定力を強くして演奏中の衝
撃によるずれ下がりを確実に防ぐことができるよ
うにしたハイハツトシンバルの上シンバル受けを
提供することにある。

〔問題点を解決する手段〕

この考案は、上記問題点を解決するために、上
シンバル受けを、昇降シヤフトに摺動可能に嵌合
されるパイプ部の上端に前記昇降シヤフトをその
一側から抱えるシヤフト受け部を形成するととも
に前記パイプ部の外周に前記上シンバルをその上
下からフエルトリングを介して支持する上下一対
のナツト部材を螺合したシンバル受け本体と、こ
のシンバル受け本体のシヤフト受け部に対向して
前記昇降シヤフトをその他側から抱えるシヤフト
押え部材と、このシヤフト押え部材の一側部と前
記シヤフト受け部の一側部とを連結する連結部材
と、前記シヤフト押え部材の他側部を前記シヤフ
ト受け部側に締付けてこのシヤフト押え部材と前
記シヤフト受け部との間に前記昇降シヤフトを挟
持固定させる締付け部材とからなる構成としたも
のである。

〔作用〕

すなわち、この考案の上シンバル受けは、シン
バル受け本体の上端に形成したシヤフト受け部
と、このシヤフト受け部に対向するシヤフト押え
部材とによつて昇降シヤフトを両側から抱えると
ともに、前記シヤフト押え部材を締付け部材によ
つて前記シヤフト受け部側に締付けることによつ
て、このシヤフト押え部材と前記シヤフト受け部
とで昇降シヤフトを両側から挟持固定するように
したものであり、前記シヤフト押え部材はその一
側部において連結部材によりをシンバル受け本体
のシヤフト受け部の一側部に連結されているため
に、このシヤフト押え部材の他側部を前記締付け
部材によつて前記シヤフト受け部側に締付けれ
ば、シヤフト押え部材の他側部側と前記シヤフト
受け部との間隔が縮小されてこのシヤフト押え部
材とシヤフト受け部とが昇降シヤフトを両側から
強く抱え持つから、この考案の上シンバル受けに
よれば、昇降シヤフトに対する固定力を強くし
て、演奏中の衝撃によるずれ下がりを確実に防ぐ
ことができる。

〔実施例〕

以下、この考案の一実施例を第１図〜第３図を
参照して説明する。

第１図〜第３図において、１０はシンバル受け
本体であり、このシンバル受け本体１０は、ハイ
ハツトシンバルスタンドの昇降シヤフト１に摺動
可能に嵌合される円形孔１１を通設したパイプ部
１０ａの上端に、前記昇降シヤフト１をその一側
から抱えるシヤフト受け部１０ｂを形成するとと
もに、前記パイプ部１０ａの外周にその中間のシ
ンバル嵌合部を除いてねじ１２，１２を設けて、
このパイプ部１０ａの外周に、上シンバルＡをそ
れの上下からフエルトリング１５ａ，１５ｂを介
して支持する上下一対のナツト部材１３，１４を
螺合したもので、上記ナツト部材１３，１４のう
ち、上部側のナツト部材１３は、その緩みを防ぐ
ためにダブルナツトとされている。一方、１６は
上記シンバル受け本体のシヤフト受け部に対向し
て前記昇降シヤフトをその他側から抱えるシヤフ
ト押え部材である。このシヤフト押え部材１６
と、前記シヤフト受け部１０ｂはそれぞれ昇降シ
ヤフト１の径よりも十分大きな横長形状とされて
おり、このシヤフト押え部材１６とシヤフト受け
部１０ｂとの両方の対向面には、それぞれの全高
さわたつて、昇降シヤフト１のほぼ半周を抱える
断面半六角形のシヤフト保持溝ａ，ｂが形成され
ている。１７は上記シヤフト押え部材１６の一側
部を前記シヤフト受け部１０ｂの一側部に連結す
る連結ボルトであり、この連結ボルト１７は、シ
ヤフト押え部材１６の一側部に設けたボルト挿通
孔１８に挿通されてボルト頭部をシヤフト押え部
材１６に受止めさせるとともに、シヤフト受け部
１０ｂの一側部に設けたねじ孔１９に螺合されて
いる。また、２０はこの連結ボルト１７に遊嵌し
てシヤフト押え部材１６とシヤフト受け部１０ｂ
との間に介在されたコイルばねからなる押しばね
であり、シヤフト押え部材１６は、この押しばね
２０で外側に押圧されるとともに、連結ボルト１
７によりシヤフト受け部１０ｂからの離間量を規
制されて、そのシヤフト保持溝ａとシヤフト受け
部１０ｂ側のシヤフト保持溝ｂとの底面間の間隔
が昇降シヤフト１の径とほぼ同じ間隔になるよう
にシヤフト受け部１０ｂに連結されている。ま
た、２１および２２は、シヤフト押え部材１６の
他側部を前記シヤフト受け部１０ｂ側に締付けて
このシヤフト押え部材１６とシヤフト受け部１０
ｂとの間に前記昇降シヤフト１を挟持固定させる
ための締付けねじおよびハンドルナツトであり、
締付けねじ２１は、シヤフト受け部１０ｂの他側
部に設けたねじ挿通孔２３に挿通されてボルト頭
部を回り止め固定されるとともに、シヤフト押え
部材１６の他側部に設けたねじ挿通孔２４に挿通
されてこのシヤフト押え部材１６の外面に突出さ
れ、ハンドルナツト２２は、この締付けねじ２１
のシヤフト押え部材１６の外面に突出する先端部
に螺合されている。

この上シンバル受けは、上記ハンドルナツト２
２を緩めた状態で昇降シヤフト１に沿つて上下に
スライドさせることによつて高さを調整されると
ともに、ハンドルナツト２２を締付け方向に回し
てシヤフト押え部材１６をシヤフト受け部１０ｂ
側に押圧することによつて、シヤフト押え部材１
６とシヤフト受け部１０ｂとで昇降シヤフト１を
両側から挟持して昇降シヤフト１に固定させるも
ので、前記シヤフト押え部材１６はその一側部に
おいて連結ボルト１７によりシンバル受け本体１
０のシヤフト受け部１０ｂの一側部に連結されて
いるために、このシヤフト押え部材１６の他側部
を前記締付けねじ２１およびハンドルナツト２２
によつてシヤフト受け部１０ｂ側に締付ければ、
シヤフト押え部材１６の他側部側とシヤフト受け
部１０ｂとの間隔が縮小されてこのシヤフト押え
部材１６とシヤフト受け部１０ｂとが昇降シヤフ
ト１を両側から強く抱え持つから、この上シンバ
ル受けによれば、昇降シヤフト１に対する固定力
を強くして、演奏中の衝撃によるずれ下がりを確
実に防ぐことができる。

なお、上記実施例では、シヤフト押え部材１６
の一側部をシヤフト受け部１０ｂの一側部に連結
する連結部材として連結ボルト１７を使用してい
るが、この連結部材はシヤフト押え部材１６とシ
ヤフト受け部１０ｂとを枢着連結するヒンジ部材
等としてもよいし、また、シヤフト押え部材１６
の他側部をシヤフト受け部１０ｂ側に締付けてこ
のシヤフト押え部材１６とシヤフト受け部１０ｂ
との間に昇降シヤフト１を挟持固定させる締付け
部材も、例えば、シヤフト押え部材１６とシヤフ
ト受け部１０ｂとのいずれか一方に挿通されて他
方に螺合する１本のボルトとしてもよい。

〔考案の効果〕

この考案のハイハツトシンバルの上シンバル受
けは、昇降シヤフトに摺動可能に嵌合されるパイ
プ部の上端に前記昇降シヤフトをその一側から抱
えるシヤフト受け部を形成するとともに前記パイ
プ部の外周に前記上シンバルをその上下からフエ
ルトリングを介して支持する上下一対のナツト部
材を螺合したシンバル受け本体と、このシンバル
受け本体のシヤフト受け部に対向して前記昇降シ
ヤフトをその他側から抱えるシヤフト押え部材
と、このシヤフト押え部材の一側部と前記シヤフ
ト受け部の一側部とを連結する連結部材と、前記
シヤフト押え部材の他側部を前記シヤフト受け部
側に締付けてこのシヤフト押え部材と前記シヤフ
ト受け部との間に前記昇降シヤフトを挟持固定さ
せる締付け部材とからなるものであるから、昇降
シヤフトに対する固定力を強くして演奏中の衝撃
によるずれ下がりを確実に防ぐことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第３図はこの考案の一実施例を示した
もので、第１図および第２図は上シンバル受けの
横断平面図および縦断正面図、第３図は上シンバ
ル受けの分解平面図である。第４図は従来の上シ
ンバル受けの縦断正面図である。 １……昇降シヤフト、１０……シンバル受け本
体、１０ａ……パイプ部、１０ｂ……シヤフト受
け部、１３，１４……ナツト部材、１５ａ，１５
ｂ……フエルトリング、１６……シヤフト押え部
材、１７……連結ボルト、２１……締付けねじ、
２２……ハンドルナツト、Ａ……上シンバル。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ハイハツトシンバルスタンドの昇降シヤフトに
   取付けられて上シンバルを支持する上シンバル受
   けであつて、前記昇降シヤフトに摺動可能に嵌合
   されるパイプ部の上端に前記昇降シヤフトをその
   一側から抱えるシヤフト受け部を形成するととも
   に前記パイプ部の外周に前記上シンバルをその上
   下からフエルトリングを介して支持する上下一対
   のナツト部材を螺合したシンバル受け本体と、こ
   のシンバル受け本体のシヤフト受け部に対向して
   前記昇降シヤフトをその他側から抱えるシヤフト
   押え部材と、このシヤフト押え部材の一側部と前
   記シヤフト受け部の一側部とを連結する連結部材
   と、前記シヤフト押え部材の他側部を前記シヤフ
   ト受け部側に締付けてこのシヤフト押え部材と前
   記シヤフト受け部との間に前記昇降シヤフトを挟
   持固定させる締付け部材とからなることを特徴と
   するハイハツトシンバルの上シンバル受け。