JPS6019966Y2 - 多気筒エンジンの吸気装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、アイドリング運転を含む低負荷運転におい
て独立の吸気通路に、共通のアイドル燃料通路から燃料
を分配して供給するようにした多気筒エンジンの燃料分
配装置の改良に関する。

相互に独立した吸気通路によって、各々の気化器から供
給される混合気を気筒毎あるいは気筒群毎に供給するよ
うにした多気筒エンジンにおいて、吸気通路を相互に連
通ずる連通路をスロットルバルフ下流に設け、スロット
ルバルブをバイパスするバイパスエア通路を上記連通路
に連通ずるとともに、バイパスエア通路あるいはバイパ
ス通路と連通路との連通部にアイドルポート（アイドル
燃料通路）を開口させ、アイドリング運転等のスロット
ルバルブ全開時における各吸気通路への燃料（混合気）
の供給を共通化し、アイドル燃料の調整の簡素化を図る
ようにした多気筒エンジンの燃料分配装置は従来より知
られている。

しかしながら、上記の燃料分配装置においては、アイド
ルポートが連通路に直接的にあるいは連通路の直上流の
バイパスエア通路に開口しているため、燃料はバイパス
エア通路から流下してくるエアと殆んどミキシングされ
ることなく連通路に導出されてしまう傾向があるため、
アイドルポートに対してアイドルアジャストスクリュが
偏心している場合には燃料の分配が偏より、アイドルア
ジャストスクリュの位置によって分配特性が種々変化す
るといった極めて不安定な分配性能を示す不具合があっ
た。

また一方、エンジンのブローバイガス及び燃料タンクで
発生する蒸発燃料を、各気筒に還元又は導入する場合、
独卒した吸気通路を備えた多気筒エンジンでは、各吸気
通路に夫々還元通路又は導入通路を開口させなければな
らず、スロットルバルブ全閉時においては、各スロット
ルバルブの密閉不良又は不揃いによって、還元量、導入
量にバラツキを生じる問題があった。

したがって、この考案は、両者の問題を同時に解消すべ
くなされたものであって、小径の分配路を介して各吸気
通路に連通ずる拡大室に単一のアイドルアジャストスク
リュを備えたアイドルポートを開口させたバイパスエア
通路を連通させてアイドル燃料を拡大室に導びくととも
に、エンジンのブローバイガス及び、又は燃料タンクで
発生する蒸発燃料を拡大室に導入することにより、アイ
ドル燃料及びブローバイガス及び、又は蒸発燃料を、ミ
キシングの良好な混合気として、各吸気通路に均等に分
配しうるようにした多気筒エンジンの吸気装置を提供す
ることを目的としている。

以下、より具体的に、図示の実施例について、この考案
を説明する。

第１図において、１，２はそれぞれ異なる気筒（図示せ
ず）と連通ずる相互に吸気通路、３はスロットルバルブ
（第２図１８参照）をバイパスするバイパスエア通路、
４はバイパスエア通路３の下流に連通し、吸気通路１，
２に対して二等辺三角形の頂点をなす位置に設けた断面
円形の拡大室、５，６は拡大室４と各吸気通路１，２と
を夫々連通ずる小径断面の分配路、７は分配路５゜６よ
り下流において吸気通路１，２を相互に連通ずる連通路
で、該連通路７はスロットルバルブ全閉時における密閉
不良等に起因する両吸気通路１．２間の負圧のアンバラ
ンスを解消し、分配路５．６からの燃料の吸引を安定化
する。

一方、８はバイパスエア通路３と拡大室４との連通部Ａ
と対向する拡大室４の周壁部Ｂに開口させたブローバイ
ガス及び、又は蒸発燃料の導入通路、９は導入通路８の
途中に設けた周知のベンチレーションバルブで、該バル
ブ９は設定以上の吸気負圧で開作動し、クランクケース
や燃料タンクに発生する蒸発燃料を吸着するキャニスタ
等からブローバイガス及び、又は蒸発燃料を新気ととも
に上記拡大室４に導入する。

第２図に示すように、前記バイパスエア通路３には、該
通路３が拡大室４に連通ずる部分より僅か上流において
、アイドル燃料通路としてのアイドルポート１０を開口
させ、スロー系燃料通路１１から供給される燃料の一部
をバイパスエア通路３に供給する。

アイドルポート１０の燃料流出量は、周知のアイドルア
ジャストスクリュ１２の調整により設定する。

また、バイパスエア通路３のバイパスエア量の設定は、
同様にバイパスエアアジャストスクリュ１３によって行
う。

第１図にも示す如く、バイパスエア通路３は、両吸気通
路１，２に関する対称中心線Ｘと拡大室４外周との交差
部Ａ、 Ｂ、とくに上記連通路７に近い側の交差部Ａに
おいて連通し、その下端に形威した彎曲部３ａによって
バイパスエア通路３を垂直下向きに流下してくるバイパ
スエア流ａを、むやみに流れを乱すことなく拡大室４の
直径方向に向かうエア流すに、はＳ゛直角偏向させ、該
エア流すを、上記連通部Ａに対向する拡大室４の周壁部
Ｂに開口させた導入通路８から導入するブローバイガス
及び、又は蒸発燃料の流れＣと衝突させることにより、
上記対称中心線Ｘに関して左右対称な旋回流ｄを生皮す
るようにしている。

また、小径の分配路５，６の開口位置としては、吸気通
路１，２に関する対称中心線Ｘと直交する拡大室４の対
称中心線Ｙに関し左側に設定し混合気の衝突位置から離
す方が滞溜時間を長く確保でき、ミキシングを向上する
上で好ましい。

また、アイドルポート１０から導出された燃料が、液状
のま）、拡大室４の底部に溜まるのを防止するためには
、小径の分配路５，６を矩形断面とし、その底面を拡大
室４の底面に合致させるように拡大室４の下部に開口さ
せることが好ましい。

なお、拡大室４は、気化器１４と吸気マニホールド１５
との間に介装する二層のインシュレータ１６．１７のう
ちの図の上側のインシュレータ１６を利用して形威し、
また前記連通路７は下側のインシュレータ１７を利用し
て形成するようにすれば、それだけ加工を簡単にするこ
とができる。

なお、第２図中、１８は吸気通路１の分配路５ノ上流に
設けたスロットルバルブ、１９はスロー系燃料通路１１
に連通し、スロットルバルブ１８の全閉時その上流、下
流にまたがって開口するスローポートである。

上記の如く、バイパスエア通路３の下流に連通ずる拡大
室４を設けるとともに、拡大室４と各吸気通路１，２と
を夫々連通する小径の分配路５゜６を設けた場合、バイ
パスエアアジャストスクリュ１３によって計量されたバ
イパスエア通路３を流下するエア流ａは、アイドルアジ
ャストスクリュ１２によって計量されたアイドル燃料を
伴って拡大室４に流入する。

その際、エア流ａは彎曲部３ａにより拡大室４を直径方
向に横切る径方向流すに滑らかに変換され、径方向流す
は、拡大室４の中央を横切って、導入通路８から導入さ
れてくるブローバイガス又は蒸発燃料の流れＣと衝突し
、旋回流もしくは乱流ｄとなって一時的に滞溜し、最終
的には分配路５，６に作用する吸気負圧によって各吸気
通路１，２に吸入される。

したがって、アイドルポート１０はら導出される燃料は
、流れａ、 ｂｔ Ｃ，ｄによって比較的長い時間浮遊
され、その間にエア及びブローバイガス又は蒸発燃料と
のミキシングが促進される。

その結果、拡大室４には、ブローバイガス又は蒸発燃料
を含む均一な空燃化の混合気が常時滞溜状態で保持され
、各吸気通路１，２には、分配路５゜６を介してミキシ
ングの良好な混合気が均等に分配され、気筒間における
燃焼のバラツキを防止することができる。

この場合、上記連通路７はスロットルバルブ１８の開度
のバラツキがあっても両分配路５，６に作用する吸気負
圧を常時等圧に維持することができるので分配路５，６
からの分配をより安定化できるうえ、ブローバイガス又
は蒸発燃料の各気筒間への分配も均等化することができ
る。

また、ブローバイガス及び、又は蒸発燃料の拡大室への
導入はいずれか一方のみ、例えばブローバイガスのみを
拡大室に導入し、蒸発燃料はエアクリーナ等から導入す
るようにしてもよい。

ブローバイガスと蒸発燃料の両方を拡大室に導入する場
合は、夫々単独に、ブローバイガスはエンジンのクラン
クケースから、蒸発燃料は、燃料タンクから或は燃料タ
ンクに発生した蒸発燃料を吸着するキャニスタから拡大
室に導入するようにしてもよいが、燃料タンク及びキャ
ニスタをクランクケースに連通し、前記導入通路をその
クランクケースに連通して、ブローバイガスと蒸発燃料
の混合ガスを拡大室に導入するようにしてもよい。

以上のように、この考案は、単一のアイドルアジャスト
スクリュを備えた、アイドルポートを拡大室に開口させ
てアイドル燃料をバイパスエア通路に導びくとともに、
エンジンのブローバイガス及び又は燃料タンクで発生す
る蒸発燃料を拡大室に導入し、アイドル燃料の気化をブ
ローバイガス及び又は蒸発燃料によって促進し、ミキシ
ングの良好な混合気そして、アイドル燃料及びブローバ
イガス及び、又は蒸発燃料を各吸気通路に均等に分配し
うるようにした多気筒エンジンの吸気装置を提供するも
のであって、この考案によれば、拡大室においてバイパ
スエア通路からのエア流とブローバイガス及び、又は蒸
発燃料の流れとを衝突させることにより、アイドル燃料
を含めた全体のミキシングを充分に促進させることがで
き、拡大室内に滞溜する均一空燃化の混合気を吸気負圧
で吸気通路に均等に導入することができ、アイドル燃料
及びブローバイガス及び、又は蒸発燃料をバラツキなし
に各気筒に供給しうる結果、とくにスロットルバルブを
全閉時における各気筒の燃焼性を良好なものとすること
ができ、エンジンの運転性、エミッション性能を向上さ
せることができるといった効果を奏することができるう
え、ブローバスガス及び、又は蒸発燃料の各気筒への供
給を共通化することができ、供給構造の簡略化とともに
供給量のバラツキを防止することができるといった効果
を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案に係る一実施例の要部平面図、第２図
は第１図のＩ−Ｉ線方向垂直断面図である。 １．２・・・・・・吸気通路、３・・・・・・バイパス
エア通路、４・・・・・・拡大室、５，６・・・・・・
分配路、訃・・・・・導入通路、９・・・・・・ベンチ
レーションバルブ、１０・・・・・・アイドルポート、
１１・・・・・・スロー系燃料通路。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 異なる気筒へ夫々連通ずる一対の吸気通路と、スロット
   ルバルフヲバイパスするバイパスエア通路に単一のアイ
   ドルアジャストスクリュを備えたアイドルポートを開口
   させ、上記バイパスエア通路の下流に設けた拡大室と一
   対の吸気通路とを独立的に連通ずる分配路とを備えると
   ともに、該拡大室にエンジンのブローバイガス及び又は
   エンジンの燃料タンクで発生した蒸発燃料の還流通路を
   開口させるように構成したことを特徴とする多気筒エン
   ジンの吸気装置。