JPS601927Y2 - チヤツク装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は加工すべきクランク軸のピン部中心をスピンド
ル回転中心に一致させるべくジャーナル部を偏心して保
持するチャック装置に関するものである。

本考案の目的は、クランク軸ジャーナル部を保持する受
金のスピンドル中心に対する偏心量調整機構を受金近傍
に設けるとともにこれのクランプ機構を簡素化すること
であり、ひいてはクランク軸ピン部のジャーナル部に対
する偏心量が異なる異種ワークに対する段取替え作業を
容易にすることである。

従来のチャック装置においては、ビン部偏心量の異なる
クランク軸を保持するために、スピンドルの端面に半径
方向移動調整可能にチャック本体が案内されており、こ
のチャック本体を移動調整してクランク軸ジャーナル部
を保持する受金のスピンドル中心に対する偏心量を変え
ていた。

かかる偏心量調整用の可動案内面はチャック本体の端面
に形成されているのに対し、クランク軸ジャーナル部を
保持する受金は軸方向にかなり離間しているため、かか
るチャック本体を締付けるクランプ力に対するクランク
軸支持剛性を高めることが困難であった。

又、チャック本体のクランプ機構として複数の締付ボル
トがチャック本体の周囲に配置されているので、偏心量
の調整を伴う段取替え作業においては、これらボルトの
個々の締め緩め操作を必要とし、特にスピンドルを回転
割出して操作すべきボルトを作業者側に割出す必要があ
り、段取替え作業は煩雑であり長時間を要していた。

本考案はかかる従来の欠点をなくすために、チャック本
体はスピンドル端面に固着し、このチャック本体に対し
ジャーナル部を保持する受金を移動調整するようにした
ものである。

以下本考案の実施例を図面に基いて説明する。

第１図、第２図において、１０は主軸台、１１はこの主
軸台１０に回転可能に軸承されたスピンドル、１２はこ
のスピンドル１１の端面に固着されたチャック本体、こ
のチャック本体１２は路上半分が除かれ下半分が軸線方
向に突出する鍔部１２ａを有しその鍔部１２ａの先端部
にはクランク軸ジャーナル部Ｊを保持する受金１３が設
けられている。

この受金１３にて保持されるジャーナル部中心０１とス
ピンドル中心Ｏ０を結ぶ線と平行な溝状の案内面１４が
チャック本体１２に形成され、この案内面１４に可動部
材１５の下面及び両側面が案内され、この可動部材１５
の上面には切欠部１５ａが形成され、この切欠部１５ａ
に前記受金１３が嵌入固着されている。

可動部材１５の一端側部に突設された突出部１５ｂには
雌ねじ１６が刻設され、チャック本体１２に回転のみ許
容されて軸承されたねじ軸１７と螺合している。

前記鍔部１２ａの端壁１８上部には、受金１３の近傍を
切除した切欠部１８ａが形姓され、受金１５に保持され
るクランク軸との干渉が生じないようになっている。

又切欠部１８ａの下方には前記案内面１４に達する深さ
の窓１９が形成され、この窓１９ａ内には可動部材１５
の側面に一端が当接し、他端がチャック本体１２に当接
する締付ブロック２０が挿入されている。

この締付ブロック２０を貫通しチャック本体１２に螺合
する締付ボルト２１を締付けることにより締付ブロック
２０は可動部材１５を押圧クランプする。

端壁１８の切欠部１８ａの一側端には左下りに傾斜する
基準面２５が形成され、この基準面２５ど受金１３との
間に位置決めブロック２６が挟着保持され、可動部材１
５に支持された受金１３の位置決めがなされている。

この状態において、受金１３に保持されるジャーナル部
中心０□のスピンドル中心Ｏ０に対する偏心量ｅは、ク
ランク軸のジャーナル部中心に対するピン部中心の偏心
量と一致するように設定されている。

次にクランク軸Ｗの位相決め機構について説明する。

クランク軸側の位相決め基準面２７はカウンタウエート
部の側端部に形成されているものとし、この位相決め基
準面２７と当接する基準当金２８が第３図に示すように
鍔部１２ａ上面に突設されている。

この基準当金２８に基準面２７を押圧するために、クラ
ンク軸Ｗの一部に当接しスプリング３０で付勢されたプ
ランジャ３１が後述するクランプアーム３２に設けられ
ている。

かかる位相決め機構による位相決め状態いおいては、加
工すべきピン部Ｐがスピンドル中心Ｏ８に一致し、ジャ
ーナル部Ｊは案内面１５と平行な方向に偏心されている
。

クランプアーム３２はチャック本体１２に枢軸３３にて
回動可能に枢支され、ジャーナル部Ｊに当接するクラン
プ金３４がアーム下面に突設されている。

このクランプ金３４の押圧力向は受金１３の受面にジャ
ーナル部Ｊを押圧する方向であり、かつ前記可動部材１
５の下面を案内面１４の底面に垂直に押圧する押圧力と
なっている。

クランプアーム３２の先端部には楔状クランパ部材３５
の係入する穴３６が形成されており、第２図に実線で示
すクランプアーム３２の回動端において楔作用にロック
がなされる。

かかる楔状クランプ部材３５を進退させる機構及びクラ
ンプアーム３２を回動させるための機構の詳細について
は説明を省略するが、個々に油圧シリンダを設はラック
・ピニオン機構を介してクランプアーム３２を回動動作
させるとか、楔状クランプ部材３５を進退させることも
できるし、膜スピンドル内に同心的に配置した一部のシ
リンダにより摺動されるラムの一端にリンクを介して楔
状クランプ部材を連結し、又ラムとともに進退するカム
とフォロアによってクランプアームを回動させるように
してめ有効である。

本考案によれば、クランク軸ジャーナル部を保持する受
金を、チャック本体に移動可能に案内された可動部材に
設けたので、可動部材の移動調整によりスピンドル回転
中心に対し受金に保持されるジャーナル部中心の偏心量
を変えることができ、クランク軸のジャーナル部に対す
るピン部偏心量の異なるクランク軸にも容易に対応する
ことができる。

しかも可動部材の案内面ば受金に接近して設けられてい
るので、受金の位置決めクランプ力に対するクランク軸
支持剛性を高めることができる。

これにともない可動部材のクランプ機構の簡素化を図る
ことができ操作性を良くできるので、偏心量の調整を伴
う段取替え作業を容易にしかつ作業時間の短縮化を図る
ことができる。

【図面の簡単な説明】 図面は本考案の実施例を示すもので、第１図はチャック
装置の正面図、第２図は第１図における右側面図を示し
一部を破断した図、第３図は第２図における■−■矢視
断面図である。 １２・・・・・・チャック本体、１３・・・・・・受金
、１４・・・・・・案内面、１５・・・・・・可動部材
、１７・・・・・・ねじ部材、１８・・・・・・端壁、
１９・・・・・・窓、２０・・・・・・クランプ部材、
２１・・・・・・締付ボルト、２５・・・・・・基準面
、２６・・・・・・位置決めブロック、３２・・・・・
・クランプアーム、３４・・・・・・クランプ金、３５
・・・・・・楔状クランプ部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 加工すべきクランク軸ピン部の中心をスピンドル中心に
   一致させるべくジャーナル部を偏心して保持するチャッ
   ク装置において、前記スピンドルの端面に固着されたチ
   ャック本体と、クランク軸のジャーナル部を保持する受
   金を有し、この受金に保持されたジャーナル部中心とス
   ピンドル中心とを結ぶ方向に前記チャック本体に移動可
   能に案内された可動部材と、前記受金にジャーナル部を
   もって保持されるクランク軸の加工すべきピン部中心が
   前記スピンドル中心と一致する位相状態にクランク軸を
   位相決めする位相決め手段と、前記可動部材を移動調整
   し前記ピン部中心がスピンドル中心と一致する位置に位
   置決めする位置決め装置と、前記受金にジャーナル部を
   押圧してクランプするクランプ装置を設けたことを特徴
   とするチャック装置。