JPS6018782B2 - コンクリ−トスラブの現場施工法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明はコンクリートスラブの現場施工法に関し、非
常に施工が簡単に行なえるようにしたものである。

従来より建築物の床村、天井材、壁材として構成される
鉄筋コンクリートスラブの施工については、その軽量化
等のために内部を中空化させる施工が種々実用化されて
おり、最近では中空化のためにコンクリート内の埋込材
としてダンボール型枠を用いる施工が開発されている。

しかし上記ダンボール型枠使用による施工では、ダンボ
ール型枠間に鉄筋支承用の部材を別に配置させねばなら
ぬほか、鉄筋支承用の部材に対するダンボール型枠の固
定部材およびダンボール型枠上での鉄筋保持部材等をも
要するものであり、多くの部材を要するために施工上の
面倒と施工コストの高騰を生じるものである。またこれ
ら多くの部材使用による重量負担も生じ、中空にすべく
ダンボール型枠を用いて軽量化しようとする意図も半減
するおそれもあり、種々の点で改良余地の多い施工法で
あつた。そこで、この発明においては上記のダンボール
型枠使用による施工に比べはるかに優れた施工を合成樹
脂の発泡体による独特の埋込材を使用した施工法によっ
て実現しようとしたものであり、その特徴とするところ
は、空間を存して縦横に複数を配列した適宜形状の主体
部と、該主体部間で主体部上端よりも低位暦で主体部ど
うしを縦横に鞍続している従属部とを備えている合成樹
脂の発泡体の複数枚を接続して埋込村として用い、該埋
込材を基礎上に設置しておき、次いで基礎上方のコンク
リート打設個所に鉄筋を縦横に配筋する際に、少なくと
も縦横一方の鉄筋が主体部間の従属部上に配筋されるよ
うに配筋した後、コンクリートを打談するコンクリート
スラブ現場施工法に存しているものである。

次いで、この発明の実施態様について図を参照しながら
以下に説明する。

先ず、この発明に使用する埋込材Ａとしては、全体が合
成樹脂の発泡体例えばポリスチレン発泡体等独立気泡を
有するものにて形成されたもので、第１図のごとく空間
３を存して図では縦横に複数を配列して短い略円柱形状
等をなす主体部１と、該主体部１，１間で主体部上端よ
りも低位層で主体部１，１どうしを縦横に接続している
従属部２とを備えているものを用いるもので、先ず当初
に打設してあるスラブ低部側になる基礎となるべきコン
クリート基板Ｂ上に、上記のごとき埋込材Ａを複数枚接
続して設置しておき（第２図参照）、次に埋込材Ａのう
ち主体部１，１間の縦横の従属部２，２上に鉄筋Ｃ，Ｃ
の全体を縦横に配筋した後（第３図および第４図）、ス
ラブ上部側になるコンクリートＤを打設し、空間３にも
コンクリ−トＤが打設されてスラブ内に埋込材Ａが埋設
された施工を行なう（第５図参照）。

また、この発明施工上、基礎としては上言己のようにコ
ンクリート基板ＢだけでなくコンクリートＢ′上に砂利
石Ｅ等を敷いた第６図のような基礎上に施工される場合
もある。

また配筋される鉄筋Ｃ，Ｃとしては図のごとく縦横両方
の配筋全体が塵込材Ａの従属部２，２上に配筋されるの
みでなく、縦横の一方のみを埋込材Ａの一方の従属部２
上に配筋し、これと直交する他方の鉄筋を従属部２の下
方、即ち基礎のコンクリート基板Ｂまたは砂利石Ｅ上等
に配筋して実施する場合（図示せず）もある。また施工
上、埋込材Ａとしては縦横の従属部２，２の高さが同じ
ものだけでなく、特に第６図のように一方を高く、他方
を低くしたものを用いると、縦横の配筋高さを決め易く
配筋し易い実施となる。また主体部１および従属部２を
所要数配列した埋込村Ａどうしを接続して大きさを拡大
するには１枚の埋込材の上記配列を角形になるようにし
ておいて、周囲の対向し合う側の主体部の一方に凸部４
を、他方に凹部５をそれぞれ形成して互に係合でさるよ
うにすればよい（第７図および第８図参照）。さらに埋
込村の主体部１の上面に凸部６を、下面に凹部７をそれ
ぞれ形成してあるものを使用すると、埋込材Ａ，Ａどう
しを上下に積み重ね可能となり（第９図参照）、運搬お
よび保管上便利なだけでなく、積み重ねて施工を要す０
る場合にも便利である。これら拡大接続のための凹凸部
および積み重ねのための凹凸部を形成して実施するには
、何れも埋込材全体の成形加工時において同時に形成さ
れるようなものが好適である。タ 上記埋込材Ａを形成
する合成樹脂の発泡体としては、ポリスチレン発泡体の
ほか、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル
およびこれらを主体とするコポリマー等から製造される
発泡体をもって形成したものも使用可能となり、主体０
部１および従属部２の形状は図示のものに限定されず種
々実施できる。

以上のように、この発明によればスラブ底部側のコンク
リート基板Ｂ等の基礎を造っておいた後に、合成樹脂の
発泡体からなる埋込材Ａの複数枚夕を接続して配置する
ので、コンクリートスラブ厚の途中に埋込材Ａを確実に
埋設施工でき、埋込材の形成をコンクリートスラブの大
きさに合わせて容易に所要形状のものとすることが可能
で、しかも上記の埋込材Ａは空間３を存して縦横に複数
を０配列した主体部１と主体部１，１間で主体部上端よ
りも低位層で主体部１，１どうしを縦横に接続している
従属部２とを備えているものを使用して施工するので、
埋込材Ａを配置するだけで一段低い従属部２の位置が少
なくとも一部の配筋コース夕となり、配筋し易く且つ配
筋後はこれより高い主体部１にて鉄筋Ｃ，Ｃの移動が阻
止されることになり、コンクリート打設時に位置ずれを
起したりして配筋バランスを崩したりするおそれもなく
、配筋位置の指定および安定の点で非常に好都合な０施
工が実現される。

また空間３へのコンクリート打設によりコンクＩＪート
スラブと埋込材は結合度合が高まることになる。しかも
埋込村Ａの使用によって、コンクリートスラブ全体のう
ち、埋込村の体積分だけのコンクリートを節約でき、打
談のためのコンクリート使用量の著しい削減をもたらし
得る。さらに埋込材Ａは主体部１および従属部２ともに
合成樹脂の発泡体からなるものゆえ、その気泡部分で実
質的に中空に近いものとなり、吸水性もなく耐水性のあ
る埋込施工となるほか、断熱性の向上をはかることがで
きる。また、この発明による施工では埋込材と鉄筋を配
してコンクリート打設するのに従来のダンボール型枠に
よる埋込施工のように多くの都材を要するものでなく、
施工が簡単且つ低コストに済み、充分軽量化および防音
化にも適する施工であって、しかも単なる中空スラブよ
りも気泡組織を有する発泡体を埋設施工するものゆえ、
耐荷重性の向上が実現できるほか、打設後のコンクリー
トが亀裂発生するのを防止できる等強度アップの点でも
優れた現場施工が実現できる。

【図面の簡単な説明】

図はこの発明の実施態様を例示するものであり、第１図
は施工に使用する埋込材の斜視図、第２図〜第５図は施
工過程を示す断面図、第６図は埋込村の従属部の高さを
縦横で変えて実施する場合の配筋直後を示す断面図、第
７図は接続可能な埋込材を示す斜視図、第８図は接続可
能な埋込材の変更例を示す一部分の斜視図、第９図は積
み重ね可能な埋込材を示す断面図である。 Ｏ Ａ・・・・・・埋込材、１・・・・・・主体部、２
・・・・・・従属部、３・・・・・・空間、４・・・・
・・接続側の凸部、５・・・・・・接続側の凹部、６・
・・・・・積み重ね側の凸部、７…・・・積み重ね側の
凸部、Ｂ，８・・・・・・スラブ底部側のコンクリート
、Ｃ・・・・・・鉄筋、Ｄ・・・・・・スラブ上部側の
コンクタリート、Ｅ・・・・・・砂利石。 第１図 第２図 第３図 箱ム図 第５図 第６図 第７図 袋８図 第９図

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 空間を存して縦横に複数を配列した適宜形状の主体
   部と該主体部間で主体部上端よりも低位置で主体部どう
   しを縦横に接続している従属部とを備えている合成樹脂
   の発泡体の複数枚を接続して埋込材として用い、該埋込
   材を基礎上に設置しておき、次いで基礎上方のコンクリ
   ート打設個所に鉄筋を縦横に配筋する際に、少なくとも
   縦横一方の鉄筋が主体部間の従属部上に配筋されるよう
   に配筋した後、コンクリートを打設することを特徴とす
   るコンクリートスラブの現場施工法。 ２ 基礎がコンクリート基板からなつている上記特許請
   求の範囲第１項記載のコンクリートスラブの現場施工法
   。 ３ 基礎がコンクリート上に砂利石等を敷いたものから
   なつている上記特許請求の範囲第１項記載のコンクリー
   トスラブの現場施工法。 ４ 縦横両方の鉄筋を埋込材の従属部上に配筋する上記
   特許請求の範囲第１項記載のコンクリートスラブの現場
   施工法。 ５ 縦横の鉄筋のうち一方のみを埋込材の従属部上に配
   筋し、これと直交する他方の配筋を従属部下方の基礎上
   に配筋する上記特許請求の範囲第１項記載のコンクリー
   トスラブの現場施工法。