JPS5820768B2 - コンクリ−トスラブ用基板に対する埋込材の取付施工法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明はコンクリートスラブ用基板に対する埋込材の
取付施工法に関し、非常に施工が簡単に行なえると共に
良好な施工結果が得られるようにしたものである。

近来、高層ビルの開発に伴ない、建築物の軽量化、建材
の工業製品化、輸送の低コスト化および設備配管の省力
化などが問題点として取り上げられている。

そのため建築物の床材、天井材として構成される鉄筋コ
ンクリートスラブの施工法については、それぞれの厚さ
を犬にし強度を上げると共に、軽量化、遮音効果等を上
げるために内部を中空化させる施工法が種々実用化され
ており、具体的には中空化のためにコンクリ−ト内の埋
込材として鉄板を中空箱にしたものや、鋼管、スレート
管、コンクリート管を用いるほか、耐水ダンボール型枠
を埋込材として用いる施工法が開発されている。

しかしながら、何れの施工法も中空化させる埋込材の製
作に手数を要する等生産性の点で欠点があり、また鉄板
による中空箱および各種管による埋込材の使用では中空
化し得てもそれ自体の重量のため軽量化の点では今−歩
の改良を要し、輸送面においても難点がある。

さらに耐水ダンボールによる埋込材は耐水処理が施され
ていても素材がダンボールであるため、雨天時の施工で
は変形し易い難点があると共に取付後の雨天の際にはシ
ートカバーによる覆い作業を要し、非常に面倒であった
。

また、このダンボールによる埋込材は吸水し易く、ダン
ボールが膨潤変形するため打設後のコンクリートに亀裂
が発生するおそれがあった。

上記した種々の埋込材のほか、これらと比べより一層軽
量な埋込材として合成樹脂の発泡体を用いてコンクリー
ト内に埋込んで使用することも種々行なわれていたが（
例えば実公昭５０−２７１３８、実公昭５２−４４３４
０参照）、何れも発泡体の定着手段としてスラブ施工に
要する安定性および簡易性に欠けるものであった。

そこで、この発明においては、上記した各埋込材使用に
よる従来技術に比べ、軽量化および断面性能（断面強度
）ならびに遮音性能の増進をはかれると共に断熱スラブ
としてははるかに優れた施工を実現できるように、合成
樹脂の発泡成形品からなる埋込材をコンクリートスラブ
用基板に対し簡単且つ確実に取付施工し得るようにした
ものである。

即ち、この発明による特徴は、周側面の少なくとも一部
に溝部、凹陥部等の凹部を形成した合成樹脂の発泡成形
品からなる埋込材を、コンクＩＪ ｍト基板上に配設し
、次いで上記埋込材の凹部にモルタルダンゴの一部が入
り込むようにして該モルタルダンゴをコンクリート基板
上に設置させ、モルタルダンゴの固化によって埋込材を
コンクリート基板上に取付固定するコンクリートスラブ
用基板に対する埋込材の取付施工法に存している。

次いで、この発明の実施態様について図を参照しながら
以下に例示する。

Ａは合成樹脂の発泡成形品例えばポリスチレン発泡体等
独立気泡を有するものによって形成された埋込材であり
、部厚い形態を有し、内部が充実された形状のものでも
よいが素材節約のための肉盗みと施工の軽量化を促進す
るためにも底面側に空間ａを形成した箱形のものや貫通
した空間ａ′を形成した形状のものを用いる方が好まし
い。

そして上記発泡成形品からなる埋込材Ａの周側面の少な
くとも一部に溝部、凹陥部等の凹部１ 、１’、 １“
を有する発泡成形品を用いて、施工を行なうもので、先
ず、スラブ下部層になるコンクリート基板Ｃをコンクリ
ート打設によって形成しておき（第１図参照）、コンク
リート基板Ｃの上面へ上記埋込材Ａを適当間隔で配設し
、次いで埋込材Ａの凹部１゜１’、１’にモルタルダン
ゴＤの一部が入り込むようにしてモルタルダンゴＤをコ
ンクリート基板Ｃ上に設置する。

このモルタルダンゴＤは、埋込材Ａの周側面とコンクリ
ート基板Ｃとを連結するような状態で設置される。

そしてモルタルダンゴＤの固化によって埋込材Ａをコン
クリート基板Ｃに取付固定するものである。

その取付固定状態は埋込材Ａの凹部１ 、１’、 １’
内にモルタルダンゴＤの一部が入り込んでいるため、埋
込材Ａを上方へ単独で持上げようとしてもコンクリート
基板Ｃ上に設置固定されであるモルタルダンゴＤによっ
て単独での持上げを阻止できる固定状態を呈している。

またモルタルダンゴＤは埋込材Ａの取付けを一層強化す
べく、接着材を併用して埋込材Ａをコンクリート基板Ｃ
に取付施工する場合もある。

またモルタルダンゴＤに接着剤を混入しておいてもよく
、この場合コンクリート基板Ｃと埋込材Ａとの一体性を
一層向上でき、打設コンクリートの浮上り防止およびず
れ防止にも寄与できる。

なお、上記の埋込材Ａの取付施工は建築施工現場での施
工に適し、１枚のコンクリート基板Ｃ上での取付施工の
みでなく、第３図等に示すようにコンクリート基板Ｃ２
Ｃ同士の接続個所にまたがるように埋込材Ａを取付固定
することもできる。

そのほか、現場外で型枠を使用した施工により、埋込材
付のユニット化されたコンクリート基板となるよう埋込
材Ａを取付施工することも可能である。

さらに上記の施工に使用される発泡成形品からなる埋込
材Ａにおいて、モルタルダンゴＤの一部が入り込む周側
面の凹部１ 、１’、 １’としては第１図〜第３図の
ごとき埋込材Ａの上端から途中までの溝部による凹部１
のほか、第４図のような凹陥部による凹部１′さらには
第５図のごとき複数の横溝状の凹部ｒ等を例示でき、モ
ルタルダンゴＤの一部が入り込んで取付固定を果せる形
状の凹部であれば上記に例示したものに限定されず使用
できる。

なお、上記埋込材Ａがコンクリート基板Ｃへ取付施工さ
れた後、コンクリートスラブ施工に全体が使用される際
、上記埋込材Ａの上を施工作業者が歩行することも多く
なるので、埋込材Ａについては、一層増強された構造に
すべく、内部に金網２或はその他のものが埋設された補
強構造とじたリ（第６図参照）、上面側にベニヤ板、塩
化ビじル板、鉄板その他の耐圧板３を接合して荷重分散
をはかる補強構造とする場合（第７図および第８図参照
）のほか、上層のみを一体化のまま強化できるよう非発
泡樹脂化或は低発泡化させて補強可能な構造にして実施
することもできる。

何れの振合も埋込材Ａを形成する合成樹脂の発泡成型品
としてはポリスチレン発泡体のほか、ポリエチレンポリ
プロピレン、ポリ塩化ビニルおよびこれらを主体とする
コポリマー等から製造される発泡体をもって形成したも
のも使用可能となり、その形状としては図示のものに限
定されず種々実施できるまたコンクリート基板Ｃには予
め鉄筋を立設しておくのが、コンクリートスラブ施工へ
の使用上好都合となるもので、この鉄筋としては、埋設
された鉄筋すのはか一部がコンクリート基板Ｃに埋設さ
れた二股状の脚状杆ｂ′と、脚状杆ｂ／ 、 ｂ／同士
を溶接、止め具等で継ないだ水平な連結杆ｂ／ｌとから
なるものを用いるのが施工上好ましいが、他の鉄筋を使
用することも可能である。

上記したこの発明によって発泡成形品からなる埋込材Ａ
を取付施工され一体化されたコンクリート基板Ｃは建築
物のコンクリートスラブ施工に使用されるもので、その
使用の一例としては、コンクリート基板Ｃ上にスラブ上
部層となるコンクリートＣを打設し、下部のコンクリー
ト基板Ｃと一体化して、スラブ内には埋込材Ａが埋設さ
れることになる（第９図参照）。

なお、必要に応じてコンクリート基板Ｃ上に連結筋を組
んだり、上部配筋を行なった後、スラブ上部層となるコ
ンクリートＣを打設することもできる。

この発明によれば、既に述べたごとく発泡成形品からな
る埋込材Ａのうち周側面の少なくとも一部に溝部、凹陥
部等の凹部１ 、１’、 １’を形成しておき、このよ
うな凹部１ 、１’、 １’内にモルタルダンゴＤの一
部が入り込むようにコンクリート基板Ｃ上にて埋込材Ａ
をモルタルダンゴＤで取付固定させる施工法ゆえ、埋込
材Ａはコンクリート基板Ｃ上に浮上ることなく確実に定
着させることができる。

特にモルタルダンゴＤの使用による取付施工のため、上
記した埋込材Ａの凹部１ 、１’、 １’はいかなる形
状の場合にもモルタルダンゴＤの一部侵入がし易くて、
しかも凹部が寸法上の点で多少正確性を欠いていても埋
込材の取付施工には影響が少なく施工し易い利点も大き
いものである。

従って取付施工後において、コンクリートスラブ施工に
使用された場合の上部層となるコンクリート打設時に打
設力Ｃとよる上方および水平方向等への位置ずれを起し
たりすることもなく、埋込材Ａの定着性を非常に向上で
きることになる。

また、埋込材Ａが現場以外で取付施工されても、コンク
リートスラブ施工への使用時にはコンクリート基板Ｃと
一体化させであるゆえ、別個に揚重機で建築現場へ揚げ
る場合に比し、はるかに揚重機の稼動効率を向上できる
。

さらにこの発明によって得られたコンクリート基板Ｃは
埋込材Ａ付のものゆえ、コンクリートスラブ施工に用い
られた場合には、打設のためのコンクリート使用量の著
しい削減をもたらし得るほか、従来品に比べ、はるかに
軽量化を促進でき、輸送性の向上をはかれる。

しかもこの埋込材Ａは吸水性もなく、雨天時にも差支え
なく使用でき、断熱性、遮音効果および断面性能（断面
強度）の点でも向上をはかることができる。

しかも気泡組織を有する発泡成形品が埋込材として活か
されるゆえ、ダンボール製の埋込材のごとく吸水に伴な
う膨潤変形のおそれがないためにコンクリートスラブへ
の使用後にも打設後のコンクリートが亀裂発生したりす
るのを防止するのに適する等強度的にも充分なコンクリ
ートスラブ施工を実現するのに役立つコンクリート基板
が提供可能となる。

そのほか、埋込材として発泡成形品を取付固定している
ので、例えば電線管、ガス管等の配管を要する場合にも
コンクリート基板に定着した埋込材を部分的にカットす
るだけで簡単に応じることができ、設備配管の省力化に
も役立つものである。

また、この発明では埋込材として構造が簡単で且つ成形
加工等にて製作し易い合成樹脂の発泡成形品が周側面一
部に有している凹部にてモルタルダンゴを介してコンク
リート基板と強固に連結して取付けられるゆえ、簡単な
取付施工となり、コンクリートスラブ用基板として埋込
材付のものを低コストで提供できる。

【図面の簡単な説明】

図はこの発明の実施態様および使用例等を例示するもの
であり、第１図および第２図は施工時の断面図、第３図
〜第５図は施工の変更例を示す断面図、第６図〜第８図
は埋込材の補強例を示す断面図、第９図はコンクリート
スラブへの使用例を示す断面図である。 Ａ・・・・・・埋込材、ａ 、 ａ／・・・・・・空間
、１ 、１’、 １’−・・・・・溝部等の凹部、２・
・・・・・金網、３・・・・・・耐圧板、ｂ。 ｂ′、ｂ″・・・・・・鉄筋、Ｃ・・・・・・コンクリ
ート基板、Ｄ・・・・・・モルタルダンゴ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 周側面の少なくとも一部に溝部、凹陥部等の凹部を
   形成した合成樹脂の発泡成形品からなる埋込材を、コン
   クリート基板上に配設し、次いで上記埋込材の四部にモ
   ルタルダンゴの一部が入り込むようにして該モルタルダ
   ンゴをコンクリート基板上に設置させ、モルタルダンゴ
   の固化によって埋込材をコンクリート基板上に取付固定
   することを特徴とするコンクリートスラブ用基板に対す
   る埋込材の取付施工法。 ２ 全体が充実形状の埋込材を用いる上記特許請求の範
   囲第１項記載のコンクリートスラブ用基板に対する埋込
   材の取付施工法。 ３ 底面側に空間を有する埋込材を用いる上記特許請求
   の範囲第１項記載のコンクリートスラブ用基板に対する
   埋込材の取付施工法。 ４ 内部を補強構造にした埋込材を用いる上記特許請求
   の範囲第１項記載のコンクリートスラブ用基板に対する
   埋込材の取付施工法。 ５ 上面側を補強構造にした埋込材を用いる上記特許請
   求の範囲第１項記載のコンクリートスラブ用基板に対す
   る埋込材の取付施工法。 ６ コンクリート基板には鉄筋を立設させる上記特許請
   求の範囲第１項記載のコンクリートスラブ用基板に対す
   る埋込材の取付施工法。