JPS6018689Y2 - ガスケツト - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はゴムを母材としたガスケットであって、ゴムの
特性を最大限に生かし、かつ欠点を補ったガスケットで
あり、また石綿ジヨイントシートガスケットでは得られ
ない優れた密封特性を持ち、浸透漏洩がなく封止性に優
れ、且つクリープ・応力緩和が少なく復元性にも優れ、
しかも亀裂破壊のないガスケットを提供しようとするも
のである。

以下本考案の一実施例を図面に基づいて詳述する。

第１図において１はガスケットであり、ゴム（他の樹脂
系エラストマーを含む）より成るリング状の母材２内に
径が１μ〜５０μで且つ長さが２閣〜２−の高弾性高強
度を有するケプラー繊維より成る短繊維３を重量比率５
％〜５０％の割合で各所均一な分散状態に設けるととも
に各短繊維３を円周方向に配向した状態に設け、これを
加硫して母材２と短繊維３とを一体的に結合させたもの
である。

上述の短繊維３は、繊維径を可能な限り細く、また繊維
長さを可能な限り長く設ける程ゴム材の補強材としては
有効であるが、ガスケットに適用するにあたっては、高
弾性高強度の他に流体の封止性や圧縮復元性をも加味し
なければならないため、その繊維形状にあたっては繊維
径が１μより小さくなると所定の繊維長さを維持できな
くなり、５０μを起えると一体成形後にゴム材の弾性機
能が損なわれるため、１μ〜５０μの繊維径が適してい
る。

また、繊維長さは２ｍより短かくなると高弾性高強度の
機能が低下し、２ｏＴＩｒＩＩｔより長くなると母材と
の均一な分散配合が得難くなり、またこ・の繊維を通じ
て流体の漏洩路を導びきやすくするため、２剛〜２（ｈ
ａの繊維長さが適している。

そして、母材２に対する短繊維３の配合割合にあっては
、５％未満ではこの短繊維のもつ高弾性高強度を十分発
揮することができず、５０％を超えると短繊維の特性が
顕著になって逆に伸び率を低下させる原因となり、取付
面に対するなじみが悪くなって接面漏れを誘起する。

また、短繊維を母材のリング状に沿った円周方向の配向
状態に設けることにより、゛ガスケット取付時の取付圧
力に対し、その径方向のはみ出しを規制し、また装着後
はこの円周方向に配した短繊維によってガスケットの径
方向のすべりを規制して使用時の流体圧力による径方向
の負荷に十分耐えるいわゆる封止作用を高め得る役目を
する。

このように構成したガスケット１は、短繊維３が母材２
内に円周方向に配向し、且つ均一に分散した状態で母材
２と一体となって存在しており、しかも短繊維３が高弾
力性を有しているから、短繊維３による母材２の表面の
流動性は母材２を構成するゴム本来の流動性とほとんど
かわりのない状態に保持されており、従ってフランジ締
付は面４．４に圧接した場合、第４図のように母材２は
該締付は面４にぴったりと沿う状態に変形して良好な密
着状態が得られるのであって、すぐれた封止性を発揮す
る。

またこの場合ガスケット１に対して外周側への拡がりを
伴う大変形を生じる様な応力が作用するが、母材２は高
張力を有する短繊維３によって補強されており、外周側
への拡がりが抑制されてハミ出し亀裂破壊が発生するこ
とがない。

そして短繊維３が母材２内で円周方向に配向した状態に
あり、短繊維３が母材２の両面に連絡しないから母材２
と短繊維３との界面を通じて生じる浸透漏洩が全くない
。

しかも上述のように母材２が短繊維３により補強されて
いるからガスケット１はクリープ・応力緩和がなく長期
に亘って優れた封止性を維持するばかりでなく、復元性
にも優れており耐久性のよいものとなっている。

これらの特性は第５図に示すヒステリシス特性の実験結
果と、第６図に示す封止特性の実験結果から明白である
。

以上実施例に示すように本考案のガスケットは高弾力・
高強度を有する短繊維をゴムより成る母村内に分散状態
で設けたことにより、ゴム本来の優れた封止性をそのま
ま保持することができる。

しかも短繊維を円周方向に配向した状態に設けたので特
に円周方向への引張り強度が高く径方向への圧縮変化量
を少なくすることができる。

よってフランジ締付は面での拡がりによる亀裂破壊を完
全に抑制することができ、クリープ・応力緩和を飛躍的
に向上させることができるばかりでなく、各繊維が母材
の両面に連絡しないから母材と繊維との界面における浸
透漏洩を防止でき、上記ゴム本来の封止性とあいまって
優れた封止性を発揮させることができる。

さらに本考案のガスケットは浸透漏洩がないから短繊維
の長さに関係なく、ガスケットの幅、厚み等の寸法を任
意の寸法に形成できる。

また本考案のガスケットは径方向への圧縮変化量を少な
くすることができるから通常のがスヶットに比してガス
ケットの幅を著しく狭くすることができ、これによりガ
スケット原材料が少なくできるとともに接触面積が少な
くなるために成る締付は荷重に対しで高締付面圧が得ら
れる等実用性のあるガスケットとなる。

そしてこのガスケットの特性は第５図の表に示すヒステ
リシス特性と第６図の表に示す封止特性の実験結果から
も確認できる。

すなわちこの表からは本考案のガスケット１の剛性が石
綿ジヨイントシートと同じであるにもかかわらず、洩れ
特性は、ゴムのＮＢＲシートと略同じであることがわか
る。

特に、第６図の封止特性は５０ｋｇ／ｃｌという低締付
面圧で完全に漏れを防止することができる。

また第５図において、圧縮復元特性が良好であるだけで
なく、表中従来のガスケットに比して特性線が全体的に
左側に移動しており、このことは締付面圧に対し、圧縮
歪が少ないことを示し、高強度高弾性のガスケットであ
ることの証明である。

尚、使用する短繊維としては上記のケプラー繊維に限ら
ず炭素繊維やテトロン繊維（芳香族ポリエステル繊維）
等の高弾性、高強度の繊維を用いても同様の結果が得ら
れる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し、第１図は斜視図、第２
図は縦断面図、第３図は第２図のＡ−Ａ断面図、第４図
はフランジの締付は面に対する密着状態を示す断面図、
第５図はヒステリシス特性の実験結果を示す表であり、
第６図は封止特性の実験結果を示す表である。 ２・・・・・・母材、３・・・・・・短繊維。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ゴムより成るリング状の母材内に、径が１μ〜５０μで
   且つ長さが２ｒｔｒｒｎ〜２ｏｒｒｒｌＩｔの高弾性高
   強度を有する短繊維を、重量比率５％〜５０％の割合で
   分散状態に設けるとともに、各短繊維を母材のリング状
   に沿った円周方向の配向状態に設け、これを加硫して母
   材と短繊維とを一体的に結合したことを特徴とするガス
   ケット。