JPS601773Y2 - 輻流ろ過装置における多片型ろ材支持壁 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、粒状ろ材層に水を通して、清澄処理する輻
流ろ過装置における多片型のろ材支持壁に関する。

従来の粒状ろ材使用の一般的なろ過装置を第１図に例示
する。

ろ過層１は最下部に集配水室２を形成する如く支持床３
を設け、この支持床３の上に支持砂利４を敷き、この支
持砂利４の上にろ過層５（主に珪砂）を層状に充填し、
この層状ろ過層５の上方に給排水桶６を設ける。

原水層７には給水ポンプ８を設けて給排水桶６に接続し
、処理水槽９は集配水室２に連通し、途中に逆洗用ポン
プ１０を設ける。

また排水弁１１を給排水桶６に接続する。

給水ポンプ８により、原水層７から給排水桶６に原水を
供給すると、原水は給排水桶６を溢流してろ過層５の層
を通過するとき、原水中の濁質はろ過層５に係止し、清
澄水が支持砂利４と支持床３とを通過して流下し、集配
水室２から処理水槽９へ流入して回収される。

ろ過層５に係止した濁質が多くなると、給水ポンプ８を
停止し、逆洗用ポンプ１０により、処理槽９内の清澄水
を集配水室２から上方に吹き上げてろ過層５を攪拌浮動
し洗浄する。

浮動するろ過層５の間から浮上したろ過滓は、給排水桶
６に流入した後排水弁１１を通して排出するのである。

しかし、前記ろ過層５の層（以下ろ過層という）は、第
２図に示すように、逆流洗浄により粗粒砂５ａを下層に
、細粒砂５ｂを上層に分級して積層し、上層部の細粒砂
５ｂにろ過滓を係止してろ過層の閉塞を早める。

従ってろ過層の閉塞を解消するために頻繁に洗浄を繰り
返す必要がある。

この対策として、第３図に示すように原水槽７を集配水
室２接続し、給排水桶６を処理水層９に接続した上向流
によるろ過と、第４図の如く粗粒の珪砂５ａ層と細粒の
硅砂５ｂ層の上に、水と珪砂５ａ、５ｂの間の比重を有
し珪砂５ａよりも大粒の粒状ろ材（例へばアンスラサイ
ト、石炭粒等）５ｃを層状に充填したろ過層とを併用し
た上向流ろ過装置も用いられて来た。

しかし、これらのろ過装置は、集配氷室、支持床、支持
砂利、ろ過層等を層状に重ねて、原水や洗浄水を鉛直方
向に流通させるので、ろ過処理量の増加に応じてろ過面
積を増大させると、これに伴なって装置の占有面積も増
大する欠点があった。

そこで、前記欠点を除き、装置の占有面積を増大するこ
となく、ろ過面積を増大させることが可能なろ過装置と
して輻流ろ過装置が開発された。

この輻流ろ過装置は、円筒状のろ渦層内に、通水自在な
一対の円筒状ろ材支持壁を同心に設けて、このろ肘支持
壁間に水平方向に分級したろ材を充填してろ渦層を構成
し、一方のろ材支持壁から他方のろ材支持壁の方向に通
水して、すなわち水平方向の輻流によってろ過処理を行
なうようになっている。

従ってろ過処理量を増加させたいときは、ろ渦層を鉛直
方向に増加させればよいので、装置の占有面積を増大さ
せることなく、その目的が達せられ極めて効果的である
。

しかし、このろ過装置は、ろ材支持壁の組立てが困難で
あると共に、これが損傷した場合その取替えに多くの手
数を要するという欠点を有するものである。

この考案は前記の点に鑑み、ろ過装置据付時の組立てと
、損傷時の取替えが容易な、ろ材支持壁を提供すること
を目的とするものである。

この考案の輻流ろ過装置におけるろ材支持壁は、傾斜ス
リットと内分離壁とを接続して設けた複数個の横幅の等
しい内支持板を、前記傾斜スリットの上面開口を内側に
しつかり内分離壁を上側にして、多辺筒状に配列した内
支持壁と、該内支持壁の外側において、傾斜スリットと
外分離壁とを接続して設けた複数個の横幅の等しい外支
持板を、前記傾斜スリットの上面開口を外側にしかつ外
分離壁を上側にして、多辺筒状に配列した外支持壁とを
、筒状の種駒内において互いに間隔をあけ、かつ前記内
支持壁の下端と前記樽胴の傾斜底との間、ならびに前記
外支持壁と前記樽胴の内周面との間にそれぞれ間隙をあ
けて、はぼ同心に設けたことを特徴とするものである。

本考案の構成を実施例の図により説明する。

第５図は本考案のろ材支持壁を取付けた輻流ろ過装置の
一例を示す縦断面図、第６，７図は本考案における内支
持板の正面図および側断面図、第８．９図は同じく外支
持板の正面図および側断面図、第１０図は本考案の一実
施例を示す平面図である。

第５図において輻流ろ過装置は、漏斗状の傾斜底１２の
上に筒状の樽胴１３を接続してろ過層１４を形威し、傾
斜底１２の中心にノズル１５を設けて、このノズル１５
の上に揚流管１６を鉛直に設け、この揚流管１６の上方
に洗浄排水カバー１７を設けて、このカバー１７に洗浄
排水管１８を接続する。

さらに種駒１３内には、揚流管１６とほぼ同心の内支持
壁１９と外支持壁２０とを、外支持壁２０は傾斜底１２
に接し、内支持壁１９は傾斜底１２から若干離して設け
る。

また内支持壁１９の上に内分離壁２１を接続し、外支持
壁２０の上に外分離壁２２を接続して設ける。

外内離壁２１の上方には揚流管１６に支承したろ材シュ
ート２３を回転自在に設ける。

前記樽胴１３の上部近傍に清澄水の回収管２４を設け、
外分離壁２２の上部近傍に原水供給管２５を設ける。

しかして、樽胴１３と外支持壁２０との間は回収管２４
が連通ずる集水室２６を構成し、内支持壁１９と外支持
壁２０との間は、粗粒ろ材りと細粒ろ材Ｓとを、粗粒ろ
材りを内支持壁１９側にし、細粒ろ材Ｓを外支持壁２０
側にして充填したろ渦層２７を構成し、内支持壁１９な
らびに内分離壁２１の内側と揚流管１６との間は原水室
２８を構成する。

また外分離壁２２の内側であって、ろ渦層２７ならびに
原水室２８の上方は、原水供給管２５が外分離壁２２の
上部近傍において連通ずる流入室２９を構成したもので
ある。

次に前記輻流ろ過装置に取付けられた内外支持壁１９．
２０と、これらからなるこの考案の支持壁の詳細を第６
〜１０図により説明する。

内支持壁１９は、はぼ平行な斜面を多列に配して傾斜ス
リット３０ａを開口した複数個の内支持壁３０を等辺部
状に配列し、かつ傾斜スリン）３０ａの上面開口を筒状
の内側に配したものである。

また外支持壁２０は、前記同様に傾斜スリット３１ａを
開口した複数個の外支持板３１を等辺部状に配列し、か
つ傾斜スリット３１ａの上面開口を筒状の外側に配した
ものである。

しかして、ろ材支持壁は、内支持壁１９の外側にほぼ同
心に外支持壁２０を配設して構成したものである。

なお、内外支持板３０．３１の上部の、傾斜スリット３
０ａ、３１ａが設けられていない部分は、内外分離壁２
１．２２を構成する部部分となるものである。

前記構成の作用を次に説明する。

原水供給管２５を介して流入室２９内に原水を供給する
と、原水は原水室２８を通って内支持壁１９の傾斜スリ
ン）３０ａの上面開口から、粒状ろ材り、 Ｓを充填
したろ渦層２７に入り、このろ過層２７内を水平方向に
流れてろ過処理が行なわれ、清澄水となって外支持壁２
０の傾斜スリット３１ａの上面開口から集水室２６に入
る。

この集水室２６に入った清澄水は回収管２４によってろ
過層１４外に回収される。

なお前記水平方向の流れは原水供給管２５と回収管２４
の間の落差によって誘起される。

ろ渦層２７の洗浄を行なうときは、ノズル１５から圧力
空気等の圧力流体を噴出させ、傾斜底１２の傾斜面に沿
って傾斜底１２の中心に集って来る粒状ろ材り、 Ｓを
揚流管１６内に吹き上げて攪拌し、互いに接触させ洗浄
し、揚流管１６の上部から洗浄後の粒状ろ材り、 Ｓと
洗浄水とを噴出する。

噴出した粒状ろ材り、 Ｓは、回転するシュート２３を
介して外分離壁２２近傍からろ過層２７上に投下され、
細粒ろ材Ｓが外支持壁２０側に堆積し、粗粒ろ材りがそ
の上を転がって内支持壁１９側に堆しで再びろ渦層２７
を構成する。

すなわち、粒状ろ材り、 Ｓは循環して使用することが
できるものである。

一方洗浄水は洗浄排水カバー１７によって集められ、洗
浄排水管１８を経てろ過層１４外に排出される。

しかして、前記内外支持板３０．３１は、この間に投入
して粒状ろ材Ｌｔ Ｓを、傾斜スリット３０ａｙ３１ａ
の斜面の上面において原水室２８および集水室２６内に
落下させることなく支承し、かつ水の流通も自在なるよ
うに粒状ろ材り、 Ｓを支持する。

以上説明したように、この考案案のろ材支持壁は、輻流
ろ過装置内においてろ渦層外に粒状ろ材が落下すること
がなく、かつ通水自在なるように粒状ろ材を支持すると
共に、各々複数個の内外支持板を配列して組立てた内外
支持壁によって構成されたものであるから、装置の製作
が容易であると共に、損傷時の部分的な取替えが容易で
、製作費と修理費の節減ができる効果を有するものであ
る。

なお、内支持板の巾と外支持板の巾とをそれぞれ筒径に
比例させると、同心据付けならびに内外支持壁の間隔の
平均化を容易にすることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の一般的な重力ろ過装置の説明図、第２図
は単層のろ材粒度分布図、第３図は上向流ろ過装置の説
明図、第４図は複層のろ材粒度分布図、第５図は本考案
のろ材支持壁を取付けた輻流ろ過装置の一例を示す縦断
面図、第６図は本考案における内支持板の正面図、第７
図は第６図の側面図、第８図は同じく外支持板の正面図
、第９図は第８図の側面図、第１０図は本考案の一実施
例を示す平面図である。 １９・・・・・・内支持壁、２０・・・・・・外支持壁
、３０・・・・・・内支持板、３１・・・・・・外支持
板、３０ａ＊３１ａ・・・・・・傾斜スリット。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 傾斜スリットと内分離壁とを接続して設けた複数個の横
   幅の等しい内支持板を、前記傾斜スリットの上面開口を
   内側にしかつ内分離壁を上側にして、多辺筒状に配列し
   た内支持壁と、該内支持壁の外側において、傾斜スリッ
   トと外分離壁とを接続して設けた複数個の横幅の等しい
   外支持板を、前記傾斜スリットの上面開口を外側にしか
   つ外分離壁を上側にして、多辺筒状に配列した外支持壁
   とを、筒状の種駒内において互いに間隔をあけ、かつ前
   記内支持壁の下端と前記種駒の傾斜底との間、ならびに
   前記外支持壁と前記種駒の内周面との間にそれぞれ間隙
   をあけて、はぼ同心に設けたことを特徴とする輻流ろ過
   装置における多片型ろ過材支持壁。