JPS6016830Y2 - 液体燃料燃焼装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は石油コロン・石油暖房器等に用いられる比較的
小発熱量のもので、液体燃料を霧化して空気とともに気
化室に送り、ここで発生した気化燃料混合気を炎口で燃
焼させる、気化予混合燃焼の燃焼装置に関する。

本発明の前程となる液体燃料燃焼装置は、霧化容器の中
で回転する回転皿の上に燃料を供給し、回転皿の全周縁
から射出する霧化燃料のうち、ダンパーの開口部を通過
するものを空気とともに気化室に射出し、気化予混合燃
焼させるものであって、微小燃焼が可能となり、かつダ
ンパーの開閉によって燃焼量を変化させた場合に常に空
燃比は一定に保たれ、火力調節の範囲が広く安定した完
全燃焼を目的としたものである。

ここでその機能を十分に発揮させる為には、回転皿の周
縁で射出する霧化粒子の密度と粒径は、時間的・空間的
に一定でむらのないことが必要である。

然るに前記の燃焼装置において給油パイプは霧化容器の
側部を貫通し、回転皿の上部で屈曲し開口しているので
、この開口部を回転皿と同軸線に固定させることに難が
ある。

すなわち霧化室中央に設けた回転皿に対し側部に取付け
ると加工バラツキ屈曲部の角度、フレが相乗して生じる
。

また給油パイプは霧化容器の取付部から長く水平に伸す
ため、曲り、たわみを生じる。

さらに重要なことは給油パイプの開口端が屈曲部に近い
ため燃料は乱流域で流下される。

従って回転皿の周縁から射出される霧化粒子の密度と粒
径が片寄り、あるいは時間的空間的のむらを生ずるので
、空燃比の安定性を害し、あるいは気化量の変動を生じ
て火炎が揺らぐことがあった。

本考案は上記の問題点を改善することを目的としたもの
で、ダンパの回転皿を中央を貫通して給油パイプを配接
し、給油パイプの開放端と同軸上で直下に回転皿の軸を
設けたことにより、振し、ブレ、曲り等を生ずることな
く高精度に開放端を回転皿の中央に設けることができる
。

そして、給油パイプの開放端を垂直に突出させることに
よりパイプ中の燃料流れは一様となり、給油パイプから
噴出した燃料は回転皿の全周から均一に安定して飛散し
、燃焼の脈動や空燃比変化を生ずること無く良好な燃焼
が得られる。

以下図面とともに説明する。

第１図は本考案の前程となる液体燃料燃焼装置を示す縦
断面図で、１は霧化容器で、これに内接する円筒状のダ
ンパー２は調節レバー３によって回動可能であり、４は
その開口部である。

５は霧化容器１の中央に配設した回転皿で、給油バイブ
ロは霧化容器の側部を貫通し、その開口端は屈曲して回
転皿の中央上方に位置する。

７はバーナ体でその下部に気化室８を形成し、その側方
に開口した霧化燃料人口９は前記の開口部４と対向する
如く霧化容器１と連通接続される。

第２図は本考案の一実施例を示す縦断面図で、１′は霧
化容器、２′はダンパーで、２′ａのダンパー軸は中空
でこれを給油バイブロ′が貫通して配接し、給油バイブ
ロ′の開放端と同軸上で直下に回転皿５の軸を設けであ
る。

給油バイブロ′は、開放端を霧化容器１′中に回転皿５
に対して垂直に突出させである。

３は調節レバー、４は開口部であり回転皿５は給油バイ
ブロ′と同軸線にある。

７はバーナ体、８は気化室、９は霧化燃料入口である。

霧化容器１の下にファンインペラ１０を有するファンケ
ース１１と、モータ１２を有するモータケース１３と、
オイルレベラー１４と連通接続されたサブタンク１５と
、ポンプインペラ１６を有するポンプケース１７を連設
し、回転皿５とファンインペラ１０とポンプインペラ１
６とはモータの回転皿１８に直結する。

ポンプケース１７の吐出口は給油バイブロ′と連通接続
し、霧化容器１の下部とサブタンク１５とはドレンパイ
プ１９によって連通接続する。

上記の如く構成した本実施例の動作について述べると、
先ずバーナ体７を予熱して適温に達したとき、調節レバ
ー３を操作してダンパーの開口部４を適度に開き、次に
モータ１２に通電すれば、回転皿５、ファンインペラ１
０、ポンプインペラ１６が一斉に回転する。

サブタンク１５はオイルレベラー１４によって常に定位
に燃料が供給されているのでこれがポンプケース１７に
吸入され、燃料は給油バイブロ′を通って回転皿５の上
に一定流量で流下する。

従って燃料は遠心力によって回転皿５の全周縁から霧化
燃料となって射出するが、この大部分はダンパー２′に
遮ぎられて流下し、ドレンパイププ９を通りサブタンク
１５に還流する。

また前記の霧化燃料のうちダンパーの開口部４を通過し
た一部のものは、霧化燃料人口９を通って気化室８に射
出される。

同時にファンケース１１から吐出された空気は、回転軸
周りの通路を通って霧化容器１′に供給されるので、こ
れも開口部４を通って気化室８に流入する。

気化室８で加熱されて発生した気化燃料と空気は混合し
つつ炎口から噴出するので、これに点火すれば燃焼を開
始する。

給油バイブロ′は、ダンパー２′の中央を貫通して配接
しであるため、開放端は短かい直下パイプで形成され曲
り、振れを生じない。

そして給油バイブロ′を回転皿５と同軸上で直下に設け
であるため相互の取付けが容易で高精度に開放端を回転
皿５の中央に設けることができる。

また、給油バイブロ′の開放端を垂直に突出させること
により、給油バイブロ′中の燃料の流れは、乱れを減衰
し直下方向の均一な層流となる。

給油バイブロを通過する燃料の流量は常に一定に保たれ
ており、かつ層流域にある開口端から下流され、燃料は
回転皿５の中心上に正しく供給されるから、回転皿５の
周縁で射出される霧化燃料の密度と粒径は時間的・空間
的にむらなく均一である、次にダンパーの開口部４の開
口度を変化すれば、これに応じて通過する霧化燃料と空
気の量が同時に変化し、空燃比を一定にできるから、容
易に火力の調節ができ、かつ完全燃焼を得る。

さらに述べると回転皿５の周縁で射出される霧化燃料の
密度と粒径が時間的にむらがないので開口部４を通過す
る霧化燃料の量も時間的に均一であり、火炎の揺らぎな
どを生じない。

また空間的に均一であるから回転面のどの位相角におい
ても同−角度内の霧化燃料の量や等しくダンパーの開度
を変化して行なう火力調節の制御性が良好である。

上記の如く本考案は給油パイプをダンパーの回転軸の中
央を貫通して配設し、給油パイプの開放端を垂直に突出
させるとともに、この開放端と同軸上で直下に回転皿の
軸を構成したので、回転皿の全周縁から射出される霧化
燃料の密度と粒径が時間的・空間的に均一となり、ダン
パーの開度を変化して行なう火力調節の制御性がよくな
り、また同一火力のときの火炎の揺らぎを生ずることな
く安定した完全燃焼が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の液体燃料燃焼装置の縦断面図、第２図は
本考案の一実施例における液体燃料燃焼装置の縦断面図
である。 １．１′・・・・・・霧化容器、２，２′・・・・・・
ダンパー２′ａ・・・・・・ダンパー軸、３・・・・・
・調節レバー、４・・・・・・開口部、５・・・・・・
回転皿、６，６′・・・・・・給油パイプ、７・・・・
・・バーナ体、８・・・・・・気化室、９・・・・・・
霧化燃料入口。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 気化室と霧化容器と燃焼部を連結し、前記霧化容器内に
   霧化燃料を周縁で発生させる回転皿と、この霧化燃料の
   一部を選択的に気化室へ射出する回転可能なダンパと、
   このダンパの回転軸の直下に前記回転皿の軸を設けると
   ともに、前記回転軸の中央を貫通し、かつ開放端を垂直
   に突出させて回転皿の上方に臨ませた給油パイプとから
   なる液体燃料燃焼装置。