JPS6015636Y2 - 球面加工機 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、ワークを凸状の球面に加工する装置に係り、
特に眼鏡枠のように球面状の表面をきわめて滑らかに加
工する球面加工機に関する。

従来の球面加工機は、ワークに所望の球面加工を施すの
に、工具に平面運動および垂直運動可能とするｘＹＺか
らなる３軸の自由度をもたせ、これら３軸を数値制御装
置により同時に動作させて工具が球面形状に沿うように
している。

このような３軸の自動制御による加工機は、複雑な形状
も容易に作り出す利点を有する一面、Ｘ’１１方向の動
作に加えＺ軸方向の位置を設定する動作があるため長い
ＮＣテープを作らなければならない。

さらに、例えば眼鏡枠のようにきわめて滑らかなる表面
仕上りを要求されるものを加工する場合、Ｚ軸方向の直
線補間による粗さが表面の段差となって表われ商品価値
を損うという難点がある。

本考案の目的は、数値制御による直交したＸ軸方向及び
Ｙ軸方向からなる２軸の平面動作を簡単な機構によりワ
ークが球面上を移動するみそすり運動に変換させ、別置
した回転工具によるワークをきわめて滑らかな体外面に
加工できる球面加工機を提供することにある。

以下本考案の一実施例について図面を参照して説明する
。

第１図において、水平面上の位置を設定するために１．
Ｘ軸方向に移動するＸ軸テーブル１０上に係合されＸ軸
方向と直角方向であるＹ軸方向に摺動するＹ軸テーブル
１１とを設ける。

Ｘ軸テーブル１０にはナツト１２が内設されており、こ
のナツト１２と多数のボールを介して螺合した棒状のボ
ールスクリュー１３に第１のモータ１４が連結され、こ
の第１のモータ１４によりＸ軸テーブル１０は往複動作
する。

一方、−Ｙ軸テーブル１１にもナツト１５が内設されて
おり、このナツト１５と多数のボールを介して螺合した
棒状のボールスクリュー１６に連結した第２のモータ１
７によりＹ軸テーブル１１は往複動作する。

さらに、Ｙ軸テーブル１１には摺動面に対して直交して
延びる一対のブラケット１８が突出し、このブラケット
１８間にはワーク支持軸２０が立向きに配置される。

このワーク支持軸２０の上端部には、所望の形状に切削
しようとするワーク２７を固定する円板状のテーブル２
０ａが固着されており、さらにこのテーブル２０ａの下
方には球面部２０ｂが設けられている。

この球面部２０ｂは静止側に固定された支持体２６に球
面嵌合されており、したがってワーク支持軸２０はこの
球面部２０ｂの軸心Ｏ□を中心として支持体２６に球面
回動自在に支持される。

一方、ワーク支持軸２０の下端部には自在継手■が装着
されており、ワーク支持軸２０はこの自在継手１９を介
してＹ軸テーブル１１と連結するようになっている。

第２図は上記自在継手１（と、その連結機構を示し、自
在継手１９は、ワーク支持軸２０を包囲し且つ同一面内
に配列された内環２１および外環２２を有する。

内環２１はその一直径線（回転軸Ａ）上の２点にてワー
ク支持軸２０に植設された軸２３ａにより回動自在に支
持される。

外環２２は内環２１の回動軸Ａと９０度ずれた位置で、
その同一直径線（回動軸Ｂ）上の２点にて内環２１に植
設された軸２３ｂにより回動軸Ｂを中心として回動自在
に支持される。

さらに、外環２２の外周面にはその回動軸Ａ線上の２点
に連結金具２５が固定されており、これら一対の連結金
具２５は後述するスライド軸２８に夫々固定されている
。

前述したＹ軸テーブル１１の一対のブラケット１８には
、該テーブル１１の摺動面に対して直角方向に延びるス
ライド軸２８が夫々内設されている。

このスライド軸２８は、ブラケット１８の上下両端部に
設けれらたリニアボール軸受２９により軸方向に摺動自
在に支持されている。

さらにこのブラケット１８のワーク支持軸２０側には軸
方向に延びる溝１８ａが夫々設けられており、前述した
連結金具２５がこの溝１８ａを貫通してスライド軸２８
にボルト締め等の手段により固定されている。

一方、ワーク２７を切削加工する工具の支持装置につい
て第３図および第４図を参照して説明する。

工具３０は工具取付軸３１を介してモータあるいはエア
ービンからなる第３の動力源３２にて回転可能に取付け
られている。

一方、別置した架台３３にはスライドベース３４が上下
方向に摺動自在に係合されており、前記第３のモータ３
２はこのスライドベース３４に固定されている。

スライドベース３４には棒状のボールスクリュー３５が
螺着しており、このボールスクリュー３５は架台３３に
固定されたナツト３６と多数のボールを介して螺合して
いる。

そして、予めこのボールスクリュー３５の一端側に連結
された他のモータ３７によりスライドベース３４を上下
方向に移動させ、工具３０の位置決めをする。

なお、カウンタウェイト３８と、このウェイトとスライ
ドベース３４を結ぶワイヤロープ３９、およびこれらを
支持する滑車４０は、工具３０の位置を決める際にその
応答に速い制御を得るためのバランス機構である。

次に動作について説明する。

球面加工機を動作させる数値制御装置から動作信号が第
１及び第２のモータ１４，１７に与えられると、夫々独
立した回転量がボールスクリュー１３．１６を介してＸ
軸テーブル１０及びＹ軸テーブル１１を所定方向に所定
量移動する。

この移動動作はＹ軸テーブル１１の一対のスライド軸２
８を介して自在継手１（に伝達され、さらに自在継手１
９からワーク支持軸２０に伝達される。

すなわち、Ｘ軸方向及びＹ方向の動作が自在継手■に伝
達されると、Ｘ軸方向の動作に対しては外環２２が回動
軸Ａに関して回動し、Ｙ軸方向の動作に対しては内環２
１が回動軸Ｂに関して回動し、これらの動作に伴って一
対のスライド軸２８が上方及び下方に夫々移動する。

かかる動作がワーク支持軸２０に伝達されると、ワーク
支持軸２０は自在継手１工の連結点を作用点とし、球面
部２０ｂの中心Ｏ□を支点としてみそすり運動を始める
。

すると、ワーク支持軸２０の上端部は支点Ｏ工を中心と
する半径でしかも球外面に沿った運動が得られる。

そこで、このワーク支持軸２０の上端面に固定されたワ
ークは、別置した回転する工具３０により球面加工を行
う。

次に上記Ｘ軸方向、Ｙ軸方向の変位動作による球面上の
位置の設定について説明する。

第５図に示したように、ワーク支持軸２０の自在継手１
９の連結点と球面部２０ｂの軸心Ｏ０との距離をＬとし
、球面部２０ｂとワーク２７の切削面との距離をＣとす
ると、第６図ａで示したように、連結点が描く球面上の
位置は、 Ｘｎ” 十Ｙｎ” 十Ｚ。

” ＝Ｌ２で表わされ、これに対してワーク２７の切削
点の描く球面上の位置は、 Ｘｓ” 十Ｙｓ” 十Ｚ。

’ ＝Ｃ２で表わされる。

そして両者の間にはＣ／Ｌなる比率がある。

これによって、第６図すに示すように、Ｘ、Ｙ方向の単
位動作指令に対するＺ方向の変位量△Ｚは △Ｚ＝Ｚｎ＋１−Ｚｎ＝ 、ｖ’Ｌ２− ＣＸｎ＋１”＋Ｙ、＋１２）−、ｖ’Ｌ
２−（ｘｎ” 十Ｙｎ”’ ）にて求めることが出来る
ので、所望の球面上の位置は、Ｘ、 Ｙの２変数を決め
ることによって求めることが出来る。

したがって被加工物に所望の球面加工を施すときには、
空間の位置をｘ、 ｙ、 ｚの３変数を決める代わりに
、２を前記の式によってＸ、Ｙ成分にて表わし、さらに
Ｃ／Ｌの比率を加味することによって３次元の加ニブロ
グラムを２次元の円弧ブロックの連続としてＮＣテープ
に記憶させ、順次読み込みを行うことによって加工を行
うことが出来る。

この加工中においては、工具３０を第３の動源３２によ
り回転させるが、上下方向の移動は行わない。

工具３０を予め所定の高さに位置決めするには、数値制
御装置からの指令により他のモータ３７を回転させても
よいし、又モータによらず手動送りで行うこともできる
。

この加工機により第７図および第８図に示した眼鏡枠４
１を加工する場合、複雑な平面上の曲線で形成される枠
の外周面及び内周面は素より、表面やレンズ挿着用の１
４１ａの面をきわめて滑らかに加工することができる。

以上のように本考案の構成によれば、平面上で直交する
Ｘ軸方向、Ｙ軸方向の２軸の動作からＺ軸方向の動作が
生ずるので、ＮＣテープが３軸制御のものに比較して大
巾に短縮でき、しかもきわめて滑らかな球外面に加工で
きる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す球面加工機のワーク動
作部の斜視図、第２図は第１図の自在継手とその連結部
を示す平面図、第３図は第１図のワーク動作部と対応す
る工具支持装置の側面図、第４図は第３図のＡ−Ａ線に
沿って切断し矢印方向にみた断面図、第５図はワーク支
持軸の外形図、第６図ａ、ｂはワーク支持軸のみそすり
運動によるワークの垂直方向の変位をとって示した説明
図、第７図はこの加工機により加工する眼鏡枠の平面図
、第８図は第７図のＢ−Ｂ線に沿って切断し矢印方向に
みた断面図である。 １０・・・・・・Ｘ軸テーブル、１１・・・・・・Ｙ軸
テーブル、１４・・・・・・第１のモータ、１７・・・
・・・第２のモータ、１９・・・・・・自在継手、２０
・・・・・・ワーク支持軸、２０ｂ・・・・・・球面部
、２６・・・・・・支持体、２８・・・・・・スライド
軸、３０・・・・・・工具、３２・・・・・・第３の動
力源、３３・・・・・・架台。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 第１のモータの動作により水平面上のＸ軸方向に往復動
   作するＸ軸テーブルと、 このＸ軸テーブル上に摺接し第２のモータによりＸ軸方
   向に対して直交するＹ軸方向に往復動作するＹ軸テーブ
   ルと、 このＹ軸テーブルに前記水平面に対して直交方向に往復
   動可能に装着された一対のスライド軸と、この一対のス
   ライド軸の間に立向きに配置されその軸方向の途中に球
   面部を一体的に形成したワーク支持軸と、 このワーク支持軸の前記球面部を球面回動自在に支承し
   ワーク支持軸を静止側に支持する支持体と、前記一対の
   スライド軸とワーク支持軸の下端部とを連結しＸ軸テー
   ブルおよびＹ軸テーブルの変位動作をワーク支持軸がそ
   の球面回動軸心を支点としてみそすり運動自在に伝達す
   る自在継手と、 一方静止側に別置した架台に上下方向の位置決め可能に
   してかつ第３の動力源により回転する工具を装着した工
   具支持装置とからなり、 前記ワーク支持軸の上端面に固定したワークを前記第１
   のモータおよび第２のモータを夫々数値制御により動作
   させて球面に沿った運動を与え前記工具支持装置の工具
   により加工するようにしたことを特徴とする球面加工機
   。