JPS6015613Y2 - 内面取工具 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はパイプ等の管材の内径側を面取する工具に関す
る。

従来、内径側にプラスチック等の軟質のライニングを施
したパイプの内径面取をする場合にも一般の鋼管切削用
のり−マ等を用いて行っているので、即ちプラスチック
内径ライニング付金属管用の特別な内径面取工具がなか
ったので内径ライニングがまくれたりあるいはばりが残
ったりして良好な切削面を得るのが困難であった。

本考案はこのような特に内径ライニングを施した管材の
内径取工具として開発されたものであるが内径ライニン
グを施してない一般の管材にも適用し得ることは勿論で
ある。

従来のり−マ等により内面取をすると内径ライニング（
内張り）がまくれてしまう原因は、リーマの刃先が金属
管本体も切削する必要があるために大きな逃げ角を有し
ているためと考えられる。

即ち、逃げ角が大きいと刃先が鋭利になり、そのため切
削時の一瞬間についてみてみると刃先が内張り部とはい
わば点接触状態にあり、刃先は切削するというよりもむ
しろ突きささるような状態になってしまうからであると
考えられる。

実際上、プラスチック等の切削にはそれほど大きな逃げ
角を有する刃先は不要である。

しかしながらその一方で、十分な逃げ角がないと金属の
管本体の切削ができないことになる。

更にまた上述の如く刃先と管内径部とが点接触状態にあ
ると全部の刃先が均一に管内径部に同時に接触すること
が難しく両者が相対的にぐらつき易くなる。

本考案はこれらの問題を解決した全く新規な型の内面取
工具を提供せんとするものである。

以下、図面に従って説明する。

本考案によれば内面取工具は好ましくは円錐体から製造
される。

即ち、円錐体９を例えばフライス加工等により切削して
刃面５と切粉逃げ部（切欠部）７を形成する。

刃面５は円錐体の母面を母線と実質上平行に切削して切
欠部７を形成することにより形成される。

ただしその際に各刃面５は円錐体９の横断面中心Ｏに対
してｅ（第３図）だけ偏心するように形成される。

ここで刃面５は円錐体９の母面の一部であることに留意
する。

即ち、刃面５の稜線５ＡはＯを中心とする円弧の一部で
あり従来の如き逃げ角に相当するものがない。

刃面５の数は最低限、直径状に対向する位置に２つあれ
ばよいが好ましくは管１０の内径部をしっかりと保持し
得るように等間隔に３つないしはそれ以上設けられる（
図示の例では５個）。

本考案の内面取工具を用いて実際に管１０の内径面取を
行う際には例えば軸部１を適当な工具ホルダ（図示せず
）の保持部に挿着すればよい。

一般には第２図に示す如き断面の刃では、即ち逃げ角が
ない刃ではこれをいくら回転しても切削を行うことはで
きない。

従って本考案においてはこのような逃げ角のない刃を第
３図に示す如く偏心させて形成したことに大きな特徴が
ある。

各刃面５は円錐体９の中心Ｏを中心とする同一母面の一
部であるにもかかわらずその指向中心が夫々ｅだけずら
されているために逃げ角を付けたのと同様の効果を有す
るのである。

何となれば、周知のごとく円錐をその頂点を含まない面
で切ると切り口は楕円、放物線、或いは双曲線になるの
で、本考案の刃面ばこれら２次曲線の一部となる。

そして該２次曲線の刃面ばその切削力作用方向にたいす
る角度が円錐の大径側に向かって変化するので結果的に
パイプにたいする逃げ角が変化するからである。

本考案の工具を用いてプラスチック内張りの鋼管の内径
面取を行うとばりもだれもなく極めて良好な面取仕上面
が得られることは実験的に確認されている。

更にまた、本考案によれば刃先に逃げ角がないために切
削中に刃先と管内径部とはいわば線接触することになり
、工具自身が管内径部を保持する保持部材としての機能
を有し、従って管１０が多少ぐらついていても良好かつ
均一な面取加工が達成され得る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る内面取工具の正面図、第２図は第
１図の右側面図、第３図は第１図の工具の刃面の部分拡
大図。 １・・・・・・軸部、３・・・・・・円錐形本体、５・
・・・・・刃面。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 所定角度隔てて同一の円錐母面上に位置せしめられる少
   なくとも２つの刃面を有する工具本体を具備し、該刃面
   は夫々円錐母面の大径側から小径側に見て円錐中心より
   同方向に所定距離だけずれた点に向かって指向している
   ことを特徴とする内面取工具。