JPS6014893B2 - 騒音抑制構造体 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は騒音抑制用構造体に関するものである。

エンジンの入口ダクトと排気ダクトから伝播する騒音を
減ずるのに広く容認されている技術の一つは、騒音抑制
材料則ち吸音材料でダクト壁を内張りすることである。

一形態において、この吸音材料は、一般に細胞形ハネコ
ム型の０材により隔層された２枚の薄い金属表面シート
則ち表皮材を有するサンドイッチ構造体から成る。この
ハネコム形サンドイッチ材料は、小室（ｃｅｌｌ）のす
べてがダクト流路に通じるようにその内側表皮に孔を有
する。周知のように、小室はへルムホルッ共鳴器として
働き、小室寸法と関係する振動帯域内の騒音を共鳴によ
って消去する。吸音処理の長さを増大することなく抑制
される騒音振動数の帯城を広げるために、様々な空洞容
積を待つ複数の細胞形空洞がダクトから様々な距離だけ
隔てられるとともに複数のネック通路がこれらの空洞の
ダクトとの間の蓮通のために設けられるような積重ね構
造を使用し得る。本件出願人に譲渡された米国特許第３
８１９００９号「ダクト壁吸音処理」にそのような構造
体の代表例が示されている。このような積層サンドイッ
チ材料がガスタービンェンジンの排気ノズルおよびダク
トによって代表される高温ガス環境において騒音抑制の
ために使用される時、熱膨脹差が問題となる。

この問題は、高温流路を画成するハネコム対面シートと
比較的低温の反対側（裏側）対面シートとの間に存在す
る大きな温度勾配に由来する。エンジンがその運転範囲
全体にわたって変動する作動を繰返すにつれて、周期的
な熱応力が騒音抑制材料に与えられる。これらの熱応力
およびその結果生ずるひずみや疲労は構造寿命を減らす
おそれがあり、従ってエンジンのコストはその全寿命に
わたって著しく増大する。それ故、ハネコムサンドィッ
チ型材料個有の音響上の利点を、高温ガス雰囲気中で材
料に高い熱応力を与えることなく利用するための手段が
必要になる。

つまり、問題は、ハネコム構造体を高温ガス雰囲気中で
構造上の負担をもたらすことなく音響上の特性を利用す
るように使うことである。従ってｔ本発明の主目的は、
熱物耳力発生の可能性を最小限に抑えるようなハネコム
型騒音抑制構造体を提供することである。本発明の他の
目的は、ガスタービンェンジン排気ダクト内に配置され
る積重ね式細砲形騒音抑制材料において熱応力が生ずる
可能性を最４・にすることである。

他の目的と利点は、以下の例示的な詳述と添付の図面か
ら明らかとなろう。

簡単に述べると、上記の目的は、ダクト肇と、同０環状
の内側高振動数パネルおよび外側低振動数パネルとから
成る構造体において達成される。

高振動数パネルは、高温ガス流路を画成する内側有孔シ
ートと、外側無孔シートと、両シートに挟まれた細胞形
ハネコム心材とを含む。低振動数パネルは、高振動数パ
ネルの外側に位置する複数の環状共鳴室を含み、そして
共鳴室を高温ガス流路に蓮通させるように高振動数パネ
ルの関口を貫く中空管を一体的に備えている。広帯域の
騒音抑制のため、共鳴室は寸法が別々であり、また管も
長さが相異なる。高振動数パネルは低振動数パネルを高
温ガス雰囲気から遮蔽するので、両パネル間にはかなり
の温度差が存在する。

相対的な熱膨脹に対処するために、低振動数パネルはポ
ケットを形成するようにダクト壁内に凹状に設置されそ
してダクト壁の中空空所に固定される。高振動数パネル
はこのポケット内に滑動自在に受容されそして相対熱膨
脹を許容するよう小なくとも１つの滑り継手によりダク
ト壁に連結される。管は低振動数パネルと一体であり、
そして管と高振動数パネルとの間に後者の熱膨脹による
干渉が生じないように、両者間に所定の遊隙が確保され
、その結果所定の温度差において閉口は管と同心関係に
なる。高振動数パネルの無孔外側シートには、パネル自
体における熱膨脹を許容するために膨脹用スロットが設
けられている。

スロットはパネルの周方向の剛性を減らすから、リング
補強材は内側有孔シートのハネコム心材に隣接する表面
に付設される。両パネル間には熱膨脹用空隙が存して追
加的な相対熱膨脹を可能にしてそして低振動数パネルへ
の熱伝達を減らす。次に、添付図面を参照しながら本発
明の好適実施例を説明する。

全図を通じて同要素には同符号を付してある。

第１図は本発明を具現したガスタービンェンジンノズル
１０を概略的に示す。高温燃焼ガスは当業者の周知の態
様でタービン（図示せず）を通って膨脹し、そして矢印
１２で示す方向に排気ノズル１０を通って排出されて反
対方向に推力を発生する。図示のノズル１０は軸線１６
を中心として対称形の剛性中心体１４と、概して同０環
状のダクト壁１８を含み、そして中心体１４とダクト壁
１８との間に高温ガス通路２０が画成されている。中心
体とダクト壁は両方とも、次に説明するような吸音処理
２２，２４を施されたものとして図示されている。第２
図と第４図はダクト吸音処理２４を詳細に示す。

両図を参照するに、複数の小径孔３０を設けた内側シー
ト２８と、外側シート３２と、両シートの間に挟まれた
ハネコム型の細胞形心材３４とから成る高振動数吸音パ
ネル２６が示されている。この内外両シートはろう薮或
いは拡散接合のような幾つかの方法に任意のものにより
ハネコム心材に合着されている。各小室３６はその内部
が流路２０と蓮適するように孔３０の一つと整合され、
そして小室はその寸法と関係する振動数帯域内の騒音を
消すへルムホルッ共鳴器として作用する。この高振動数
吸音パネル２６は、低振動数吸音パネル３８内に同Ｄ的
に取付けられ、この低振動数パネルは複数の同０環状の
共鳴室４０から成る。ここで使用する「低振動数パネル
」と「高振動数パネル」という用語は相対的な言葉であ
って、抑制すべき騒音振動数が低ければ低い程ますます
大きな室が必要となることは周知である。これらの共鳴
室は、様々な方式で形成され得るが、ここでは円筒状内
側対面シート４４と、それから半径方向に複数の直立隔
壁４８により離隔された環状の段付き外側対面シート４
６との間に形成される。両対面シートと隔壁は剛性構造
体を形成するように熔接、ろう薮等のいずれかによって
接合されうる。実際上、図示の実施例では、段付き外側
対面シート４６は、隣合って対をなす隔壁４８間に１個
ずつ設けられた複数のリング５０から成る。各共鳴室４
０には、内側対面シート４４と一体をなしそして共鳴室
内に突入する中空管４２が設けられている。

高振動数パネル２６はそれを完全に貫く複数の開□５２
を有し、そして閉口５２は管４２とほぼ整合する位置に
あり且つ管より直径が大きい。従って、管４２は高振動
数パネルを貫通してはいるがしかしそれに結合してはお
らず、かくて、抑制すべき騒音が存する高温ガス通路２
０と共鳴室４０とを蓮通させる。共鳴室４０は寸法（容
積）が互いに異なり、そして管４２も長さが変えられて
いるので、前述の米国特許第３８１９００針号‘こ教示
されるような広帯域の騒音の抑制が可能である。

前述のように、低振動数および高振動数パネル間には熱
膨脹差が生ずる。

この状態は、高振動数パネル、特に内側シート２８が通
路２０を通る排出ガス流に直接さらされることによる。
他方、低振動数パネル３８は高振動数パネル２６の存在
により高温ガスから遮蔽されており、従って高振動数パ
ネルより低い温度にとどまる。この温度差は、エンジン
始動中のような過渡的な作動期間中もっとも顕著である
。この相対的熱膨脹を許容するために、ダクト壁１８と
高振動数パネル２６との間には滑り継手５４が設けられ
、高振動数パネルがもっと低温の外側構造体に対して全
体として膨脹することを可能にする。

第２図に示すように、低振動数パネル３８の内側対面シ
ート４４はポケット５５を形成するようダクト壁１８か
ら引込んだ所に設置され、そして高振動数パネル２６は
この低振動数パネルポケット５５内に滑り継手５４を介
して納遣されて軸万向と半径方向の熱膨脹を許容する。
管４２は高振動数パネルにではなく低温側の低振動パネ
ルに取付けられる。これは、音響上の観点から、共鳴室
４０が中空管４２による室内外の蓮通を除いて完全に密
閉されることが望ましいからである。管４２を高振動数
パネル２６に取付けるとすれば、熱膨脹を許容するため
管とシート４４との滑りばめが必要となり、従って音響
上の「漏れ」が生ずる可能性がある。管４２と高振動数
パネル２６との間に後者の熱膨脹による干渉が生じない
ことを保証するために、遊隙５６が管を取囲む閉口内に
確保されている。

閉口は、構造体全体が低温である製造時に管と同心的に
配置されないことが好ましい。その代り‘こ、高振動数
パネル２６は加熱されるとその中心か外方へ一様に膨脹
するのが一般であるから、パネルが加熱されて膨脹する
時各管が対応する関口内で同０位置を占めるように各遊
隙５６をあらかじめ設定しうる。これは、エンジンの運
転中振動や空気力学的荷重がノズルを変形する傾向があ
る時でも干渉が起らないことを保証する。更に、相対的
熱風彰眼を許容するためだけでなく、低振動数パネルへ
の熱伝導を減らす目的のために低振動数および高振動数
パネル間に環状空隙５８が設けられていることにも注意
されたい。低振動数パネルは、明らかに、ダクト壁１８
がノズルのこの部分における荷重担持構造体として機能
することを助ける。従って、低振動数および高振動数パ
ネル間の熱膨脹問題が克服されたことは明らかである。
′残る問題は、パネル内、特に高
振動数パネル内の熱応力に関するものである。

内側シート２８は外側シート３２よりもはるかに大きな
割合で膨脹する煩向があるから、両者間に挟まれそして
ろう接されているハネコム心材に応力がかかり、その結
果ハネコム心材は曲がりやすく、時として座屈すること
さえある。この作用はパネル端で最も顕著となろう。な
ぜなら、パネルは中心から外方へ幾分対称的に膨脹する
と予想されうるからである。従って、第３図に示すよう
に、外側シート３２は、複数の長方形モザイク状部片６
４に分割されるように藤方向スロット６０と周方向スロ
ット６２とにより切目をつけられている。これらの部片
は、パネルの構造上の一体性またはその音響上の性質を
過度に蟻性もこすることなくパネル端部に対する前述の
影響を最小限とするためになるべく小さいものとすべき
である。（切目線は高振動数小室の幾つかを非密閉状態
とすることに注意されたい。）かくて、部片６４はあら
ゆる方向に相対的に膨脹自在である。代表的なガスター
ビンェンジンノズルに対しては、約０．０１〜０．０２
インチの幅を持つスロットが、騒音抑制効果に重大な影
響を与えることなく熱応力をかなり低減する。このサン
ドイッチ状構造体は、その構造強度と剛性の向上を主眼
としたものでなく、この吸音性の向上を目的としたもの
であるが、或る程度の構造的剛性も要求される。

軸方向スロット６０は円周方向の剛性を予想される振動
その他の荷重に耐え得ない点まで減じるおそれがあから
、内側対面シート２８のハネコム心材に隣接する背面に
複数の薄い補強環６６を付設することが必要となるう。
このような補強環は、そのすぐれた熱伝導性が補強環中
の温度勾配を制限するので、熱応力問題をひき起すこと
はない。本発明の概念を逸脱することなく上記発明に対
して幾多の改変をなし得ることは当業者に明らかであろ
う。

例えば、本発明をガスタービンェンジン排出ノズルにお
いて使用する環状パネルに適用する場合について述べた
が、明らかに、本発明はパネルの形状とは無関係に任意
の吸音処理された高温ガス流路に等しく適用しうるもの
である。また、「パネルＪという語は特定の形状に退定
されない。同様に、前述のように、「高振動数」および
「低振動数」という用語もここでは相対語に過ぎず、本
発明を特定の振動数帯城に限定するものですまない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明によって吸音処理されたガスタービンヱ
ンジン排気ダクトの一部の部分断面図、第２図は本発明
の騒音抑制構造体を詳細に示す第１図のエンジンの排気
ダクトの拡大図、第３図は第２図線３一３に沿う部分断
面図、第４図は第２図の騒音抑制構造体の構成を詳しく
示す拡大図である。 １０……ガスタービンエンジンノズル、１８…・・・ダ
クト壁、２０・・・…高温ガス流路、２６・・・・・・
高振動数パネル、２８・…・・内側シート、３０・・・
・・・孔、３２・…・・外側シート、３４・・・・・・
′０村、３６・・・・・・小室、３８・・・・・・低振
動数パネル、４０・・・・・・共鳴室、４２・・・・・
・中空管、４４…・・・内側対面シート、４６・・・・
・・外側対面シート、４８・・・・・・隔壁、５２・・
・・・・閉口、５４・・…・滑り継手、５５・・・・・
・ポケット、５６・・・・・・遊隙、５８・・・・・・
環状空隙、６０，６２・・・．・・スロット、６４・・
…・モザイク状部片、６６・・・・・・補強環。 モ三百ｌ ｂ亘２ モ三百日 西

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 高温ガス通路２０を部分的に画成し且つその中に中
   空空所を有するダクト壁１８と、１対の第１対面シート
   ４４，４６間に挾まれた第１細胞形心材４８を有し、該
   １対の第１対面シートの一方４４がそれに固着された複
   数の中空管４２により貫通されそして各中空管の一端が
   前記第１細胞形心材の一つの小室４０内に突入して該小
   室内部への唯一の入口となっているような、前記中空空
   所内の低振動数吸音パネル３８と、前記低振動数吸音パ
   ネルにより覆われていて前記高温ガス流路を画成し、そ
   して１対の第２対面シート２８，３２間に挾まれた第２
   細胞形心材３４を有し、該１対の第２対面シートの一方
   ２８に第２心材小室群３６の内部と連通する複数の小径
   孔３０が形成されている、前記中空空所内の高振動数吸
   音パネル２６とを包含し、前記高振動数吸音パネルは、
   前記中空管と概して整合した状態で該高振動数吸音パネ
   ルを完全に貫通し且つ該中空管の前記低振動数吸音パネ
   ルとは反対側の端を自由に受入れる複数の開口５２を有
   し、また前記高振動数吸音パネルは少なくとも１つの滑
   り継ぎ手５４により前記ダクト壁に滑動自在に固定され
   、かくて前記高振動数および低振動数吸音パネルの一方
   が他方に応力を誘起することなく相対的な熱膨張をなし
   得る、騒音抑制構造体。 ２ 前記高振動数パネルが前記低振動数パネルとの間に
   環状空隙５８を形成するように前記低振動数パネルから
   離間して前記ダクト壁に支持される特許請求の範囲第１
   項記載の構造体。 ３ 前記ダクト壁と前記１対の第２対面シート１方が前
   記高温ガス流路を画成する特許請求の範囲第１項記載の
   構造体。 ４ 前記開口５２がそれらに受入れられる前記中空管よ
   り大きな断面を有し、そして該中空管が最初前記開口内
   の次のような位置、即ち、前記高振動数パネルと前記低
   振動数パネルの相対的熱膨張の結果、前記開口が前記中
   空管と実質上同心になるような位置に置かれる、特許請
   求の範囲第２項記載の構造体。 ５ 前記開口５２がそれらに受容される前記中空管より
   も大きな断面を有し、そして前記開口が最初前記中空管
   に対して、前記高振動数パネルが前記低振動数パネルに
   対して所定の温度差をもつ時の前記高振動数パネルの各
   中空管に対する熱膨張による偏位に実質上等しい量だけ
   偏心されている。 特許請求の範囲第２項記載の構造体。６ 前記第２細胞
   形心材がハネコム構造型のものでありそしてそれに関連
   する前記１対の第２対面シートに取付けられている特許
   請求の範囲第２項記載の構造体。７ 前記第２細胞形心
   材を挾む前記１対の第２対面シートの他方が、自由に熱
   膨張をなすために、モザイク模様の形態で該第２細胞形
   心材に達するまで切り目をつけられている特許請求の範
   囲第６項記載の構造体。 ８ 前記第２細胞形心材を挾む前記１対の第２対面シー
   トの他方が、相対熱膨張を許容するように互いに側方に
   離間してモザイク状に配列された複数の小さなシート片
   から成る特許請求の範囲第６項記載の構造体。 ９ 前記高振動数パネルが、前記１対の対面シートの１
   方の前記第２細胞形心材と隣接する側に取付けられた複
   数の補強環を備える、特許請求の範囲第８項記載の構造
   体。 １０ 前記低振動数パネルと前記高振動数パネルがぼ同
   心環状であり、そして前記高振動数パネルが前記低振動
   数パネルより内側にあって前記高温ガス流路を画成する
   、特許請求の範囲第２項記載の構造体。 １１ 前記中空管が概して前記１対の第１対面シート１
   方から前記小室４０内に部分的に突入し、そして該中空
   管の長さと該小室の寸法が所定の振動数帯域の騒音の抑
   制に適合する複数のヘルムホルツ共鳴器わ形成する、特
   許請求の範囲第２項記載の構造体。 １２ 第１細胞形心材並びに該第１細胞心材を貫通しこ
   れに固着された複数の中空管を有する低振動数吸音パネ
   ルと、前記低振動数吸音パネルに覆われていて、一対の
   対面シート間に挾まれた第２細胞形心材を有し、該第１
   対面シートの１つは、前記高温ガス流路を部分的に画成
   し且つ該高温ガス流路と前記第２細胞心材の間を流通す
   る複数の小孔が貫通している高振動数吸音パネルを有し
   、該高振動数吸音パネルには前記中空管の端部を受入れ
   るための複数の大きめの孔が貫通しており、前記低振動
   数吸音パネルと高振動数吸音パネルとの相対的熱膨張を
   許容する膨張手段５４，５５，５６，５８とを有する騒
   音抑制体。