JPS6014878Y2 - シ−ルド掘進機用カツタビツト - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はシールド掘進機用カッタビットに係り、特に切
削抵抗の軽減および耐久性の向上を図ったシールド掘進
機用カッタビットに関する。

一般にシールド掘進機は、第１図に示すごとく筒体状シ
ールドフレーム１の前面開口部にこれを覆うごとくカッ
タ２を回転駆動自在に備えており、地山切羽を掘削しつ
つその切削したズリをカッタ後面側に区画形成されたカ
ッタ室３内に取込み、コンベヤ等の搬送手段を介して後
方外部へ搬出するように構成されている。

そして、上記カッタ２は第２図に示すごとく正逆回転す
る円板状の回転カッタ面板（以下カッタ面板という。

）４上に切削用カッタビット５を取付けて構成され、具
体的にはカッタ面板４にその半径方向に沿ってスポーク
６を設け、このスポーク６上にその長手方向に沿って適
宜間隔にカッタビット５を取付けている。

特に、カッタ面板４におけるスポーク６はの両側にはこ
れに沿ってズリ取込み用スリット７．７が形成され、カ
ッタビット５で切削されたズリをカッタ室３内に取込む
ようにしてあり、各カッタビット５はその刃先である超
硬合金のチップ８をスリット７側に臨ませて配設されて
いる。

ところで、従来のカッタビット５は一般に第３図に示す
ごとくビット本体５ａの斜め上方に延出した先端部にチ
ップ８を設けただけの構造で、そのチップ８をカッタ面
板４の回転方向に臨ませており、このチップ８が直接切
羽に食い込むようになっていたので、切削抵抗が大きい
という問題があった。

また、この種のカッタビット５のチップ８は砂礫層など
の硬い切羽を切削した場合には破損し易いものであるが
、殊に従来のカッタビット５は上述したよにビット本体
５ａにチップ８を１箇設けただけなので、このチップ８
が破損した場合には切削が不可能になり、このためその
破損の都度新品と交換しなければならなかった。

すなわち、チップ８が破損して切削不能になると、切削
されない切羽によってカッタ面板４が摩耗損傷する虞れ
があるため、そのカッタビット５を交換しなければなら
なかった。

ところで、シールド掘進機は掘削作業を連続的に行うこ
とを目的とするものであるが、カッタビット５のチップ
８が破損した場合にはその交換のために掘削作業を中断
しなければならないことになるので、作業の連続化の妨
げとなっていた。

また、従来のカッタビット５にあっては、切羽面に摺接
する背面部Ｘに土との摩擦によって摩耗を生じ易いなど
、耐久性が比較的に低い問題があった。

本考案は上述したごとき従来のシールド掘進機洋用カッ
タビットの有する問題点をにかんがみ、これらを有効に
解決すべく案出されたものである。

。本考案の目的は、切削に際して先ず切羽に圧砕条痕を
付けることができることにより、切削抵抗の軽減を図る
ことができ、しかもたとえチップが破損したとしても引
続いて切削を行うことができると共に、背面部の摩耗を
未然に防止することができる耐久性のあるシールド掘進
機用カッタビットを提供するにある。

以下に本考案の好適一実施例を第４図以降の図面に基づ
いて詳述する。

シールド掘進機のカッタ部分を示す第４図に示すごとく
、カッタ面板４にはその中央部を縦断すべくカッタビッ
ト取付用のスポーク６が設けられ、このスポーク６の両
側にはこれに沿って適宜の巾を有するズリ取込み用スリ
ット７．７が並行に形成されている。

そして、上記カッタ面板４上におけるスポーク６にほの
長手方に沿って適宜間隔に来者に係る切削用カッタビッ
ト１０が取付けられている。

このカッタビット１０は第５図、第６図に示スごく略直
方体状のビット体ｌｅａを有し、このビット本体１０ａ
の底部両端側は長手力向斜め方に傾斜して形成され、こ
れら傾斜部に連続した上側両端部をそれぞれチップ取付
部１１．１１としである。

これらのチップ取付部１１．１１には刃先として超硬合
金から成る切削用チップ１２．１２がろう付は等により
固着されている。

チップ１２の先端部はビット本体１０ａの高さ方向に連
続して鈍角の山形状に成型されている。

また、カッタビット１０の長さは、両端部のチップ１２
．１２が並行したスリット７．７上にそれぞれ位置する
ように設定されている。

一方、ビット本体１０ａの上面中央部には第６図、第７
図に示すごとく長手方向に沿って圧砕用チップ取付溝１
３が形成され、この溝１３内に基部１４ａが挿入されて
圧砕用チップ１４がろう付は等により固着されている。

この圧砕用チップ１４は上記両側チップ１２．１２間に
設けられており、これらのチップ１２．１２と同様に超
硬合金から戒っている。

ビット本体ｌｅａの上面部より突出した圧砕用チップ１
４の上端部１４ｂはビット本体１０ａの長手方向に連続
した鋭角の山型状に、かつ長手方向両端部から中央部に
向って円弧状に膨出した山形状に成形されている。

なお、図示例における圧砕用チップ１４は長手方向に沿
って適宜間隔に３分割されており、また圧砕用チップ１
４の巾方向両側を支えるビット本体ｌｅａの巾方向上側
両端部は圧砕用チップ１４を確実に固定し得ると共に土
による摩耗を防止し得るように第７図に示すごとく硬化
肉盛１５が施されている。

このように構成されたカッタビット１０は、両側チップ
１２．１２を両スリット７．７側にそれぞれ臨ませた状
態で、ビット本体１０ａの底部をスポーク６に固定する
ことによりカッタ面板４上に取付けられ、この取付方法
によりスポーク６の長手方向に沿って適宜間隔に複数取
付けられることとなる。

次に、上記実施例の作用を述べる。

第６図において、カッタ面板４の回転によりカッタビッ
ト１０が図中左方向へ移動しているとする。

切羽に対してはカッタ面板４上より一番高く延出してい
る圧砕用チップ１４が先ず最初に摺接することになり、
シールド掘進機の推進に伴ってこの圧砕用チップ１４の
先端部１４ａは切羽に押圧され、カッタビット１０の移
動により切羽を圧砕しつつこれに条痕を付加形成するこ
とになる。

これにより切羽は概略的に切削され、次いで同図中左側
のチップ１２により完全に切削されることになり、切削
されたズリは、左側のスリット７からカッタ室３内に取
込まれる。

従って、固い切羽に対してチップ１２を直に食込ませて
切削するのではなく、予め圧砕用チップ１４により大ま
かな切削を行った後にチップ１２で切削を行うという具
合に段階的に切削するため、切削抵抗が軽減される。

また、圧砕用チップ１４は上述したごとく切羽を圧砕す
る切削機能を発揮し得るので、たとえばチップ１２が砂
礫等によって破損したとしても、その圧砕用チップ１４
により引続いて切削を行うことができる。

このため、シールド掘進機は掘削作業中にカッタビット
のチップ１２が破損してもその交換を行う必要がないこ
とにより作業の中断をしなくて済むので、掘削作業の連
続化を達威し得る。

しかも、切羽が圧砕用チップ１４によって圧砕されるこ
とにより地盤から受けるカッタビットの背面部、すなわ
ちビット本体１０ａの上面部の摩耗が少なくなるために
、この部分の摩耗が未然に防止されることになる。

一方、カッタ面板４を前述とは逆方向に回転することに
よりカッタビット１０を第６図中右方向に移動させた場
合も前記と同様に切削を行うことができ、すなわち圧砕
用チップ１４を挟んで相対向する位置にチップ１２．１
２を有することにより、カッタ面板４の正逆回転に応じ
た両方向の切削が可能である。

以上要するに本考案によれば次のような優れた効果を奏
する。

（１）切削に際して先ず切羽に圧砕条痕を付けることに
より、チップによる爾後の切削が容易にできるため、切
削抵抗の軽減が図れる。

（２） 圧砕用チップが切削機能を発揮し得るため、
たとえばチップが破損したとしても支障なく引続いて切
削を行うことができると共に、背面部の摩耗を未然に防
止することができる。

（３）従って、耐久性のあるシールド掘進機用カッタビ
ットを提供することができ、この種のカッタビットの信
頼性を可及的に向上させることができる。

（４）特に、スポーク上にその長手方向に適宜間隔に設
けられるビット本体の両側に切削用チップを設けると共
にこれら切削用チップ間のビット本体上に圧砕用チップ
を設けた構成としたので、切羽の全面を均−且つ容易に
切削できると共に、カッタビットの取付は及び交換はビ
ット本体毎に一括して容易に行うことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はシールド掘進機のカッタ部分近傍の側断面図、
第２図は第１図Ａ−Ａ線正面図、第３図は第２図Ｂ−Ｂ
線断面図、第４図は本考案の好適一実施例を示すシール
ド掘進機のカッタ部分の正面図、第５図は第４図Ｃ部拡
大図、第６図は第５図Ｄ−Ｄ線断面図、第７図は第５図
Ｅ−Ｅ線拡大断面図である。 図中、４はカッタ面板、７はズリ取込み用スリット、１
２はチップ、１４は圧砕用チップである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 回転カッタ面板にその径方向にスポークを設けると共に
   該スポークの両側にズリ取込み用スリットを形成したシ
   ールド掘進機の上記スポーク上に配設されるカッタビッ
   トにおいて、上記スポーク上にその長手方向に適宜間隔
   に設けられるビット本体と、これら各ビット本体の両側
   に上記ズリ取込み用スリットに臨んで設けられる切削用
   チップと、これら切削用チップ間の上記ビット本体上に
   設けられる圧砕用チップとを備えたことを特徴とするシ
   ールド掘進機用カッタビット。