JPS6013660Y2 - シリアルプリンタ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は単一インクリボンを用いるシリアルプリンタ
の改良に関する。

この種のプリンタ、例えばレジスタ用ドツト式プリンタ
等においては、ドツトヘッドの２倍強の幅を有するイン
クリボンを用いるにも拘らず、一般にこのインクリボン
の中央部で一列に印字するだけで、幅方向両側部は格別
使用しない。

従ってインクリボンが不経済であり、また反復使用に際
してもたえず中央部で重合印字するからその部分の消耗
が早く、しかもプリント面にインクの濃淡差を生じる問
題がある。

ところで、ホイルプリンタ等では、格別のリンク機構に
よってリボンガイド部材を活字に対して幅方向に移動さ
せ、インクリボンを幅広く、例えば二列に印字できるよ
うにする、つまり二色印字用プリンタで黒、赤インクリ
ボンを使い分けると同様の手段で前記問題の解決を図っ
ていることはよく知られている。

しかし、ドツト式プリンタ等のシリアルプリンタにこの
ような機構を設けると、印字ヘッドの往復動作機構と合
せて構成が複雑化、大形化し、特に単一インクリボンを
用いるものとしては不要に大掛りな構成になる難点があ
る。

この考案はそのような事情に鑑みてなされたもので、印
字ヘッドを保持して往復動作するヘッド基台に付勢して
、インクリボン移動部材をインクリボンの幅方向に一列
印字毎に往復移動させるようにし、これによって簡単か
つ小形な構成でインクリボンの効率化、つまり経済性向
上、耐久性向上及びプリント面のインク濃淡の解消が図
れるシリアルプリンタを提供するものである。

以下、この考案をドツト式のシリアルプリンタに適用し
た一実施例を、第１図〜第４図を参照して説明する。

図中１はプラテン、２は印字ヘッドとしてのドツトヘッ
ド、３は１対の固定ガイドレール４，５に支持されて、
プラテン１に対向するプリント位置でドツトヘッド２を
保持して直線往復動作するヘッド基台である。

なお、ドツトヘッド２はヘッド基台３の往復動作範囲に
印字を行なうものであり、これらの動作機構については
説明を省略する。

６はインクリボン移動部材を示している。これは、ヘッ
ド基台３の各折り返し地点にその両側片７，８を配置し
、かつその中間片９両側部を軸１０を介して本体フレー
ム（図示せず）に枢着したコ字形のリボンフレーム１１
によつ構成している。

つまり、リボンフレーム１１は中間片９にリボンスプー
ル１２．１３を介してインクリボン１４を取付け、この
インクリボン１４を両側片７゜８を介してプリント位置
に巻回させるようにしたもので、ヘッド基台３の往復動
作方向ａ、ｂ（左右）に対して直交する方向ｃ、ｄ（上
下、つまりインクリボン１４の幅方向）に往復回動でき
るものである。

そして、このリボンフレーム１１の各側片７，８から、
上下に互に方向を異ならせて先端を傾斜させた係合突片
１５，１６を突設するとともに、ヘッド基台３の対応部
両側に各係合突片１５．１６と係合する水平な係合突起
１７，１８を突設味ヘッド基台３が往動（ａ方向）した
場合は一方の係合突起１７が下向き係合突片１５の上面
に当接してこれをＣ方向へ押下げることによってプリン
ト位置にあるインクリボン１４のＩ’Ｄ向上半分をドツ
トヘッド２と当接させるようになり、また、ヘッド基台
３がｂ方向へ復動した場合は他方の保合突起１８が上向
き係合突片１６の下面に当接してこれをｄ方向へ押上げ
ることによってプリント位置にあるインクリボン１４の
幅方向下半分をドツトヘッド２と当接させるようになっ
ている。

つまり、リボンフレーム１１はリボン移動部材として、
ヘッド基台３に付勢されて、往復動作しインクリボン１
４をドツトヘッドに対して幅方向（ｃｔ ｄ方向）に移
動するものである。

なお、リボンフレーム１１の往復動作範囲は、両側片７
，８にあけた上下に長い係合長孔１９，２０の上下端を
、この両係合長孔１９，２０に挿通した固定ガイドレー
ル４に当接することによって規制するようにしている。

なお、インクリボン１４は図示しないリボンスプール駆
動手段によって、一方のリボンスプールから他方のリボ
ンスプールへ印字動作に連動して終端まで巻取られた後
、他方のリボンスプールから一方のリボンスプールへ巻
戻されるようになっている。

また、リボンフレーム１１の中間片９の後端部に、この
リボンフレーム１１をヘッド基台３に再び付勢されるま
で往動位置（下降位置）又は復動位置（上昇位置）に保
持する保持手段２１を設けている。

これは、リボンフレーム１１の中間片９の後端部と本体
フレームとの間にブラケット２２．２３を介して取付け
たトグルスプリング２４によって構成したもので、この
１つのスプリング２４で両方向の保持を行なうようにし
ている。

なお、図中２５はプリント用ペーパーを示す。

このような構成であれば、ドツトヘッド２によって１行
印字する毎に、つまりヘッド基台３が往復移動時に折返
し地点に達する毎に係合突起１７．１８と係合突片１５
，１６とが係合することによって、インクリボン移動部
材１１が付勢されてインクリボン１４をドツトヘッド２
に対して幅方向（ｃ、ｄ方向）に交互に移動し、その各
動作を保持手段２１によってそれぞれ保持できる。

従って格別の複雑な、又は大形な機構を用いる必要なく
、少数部品による簡単かつ小形な装置でインクリボン１
４の幅方向全体を利用して、例えば第４図に印字跡２６
を示すように、上下二列に印字できるようになる。

従って、インクリボン１４を幅方向に効率よく利用でき
るようになって経済性を向上できるとともに、１本のイ
ンクリボン１４の反復使用に対しても幅方向のそれぞれ
異なる位置で印字できるのでインクリボン１４を長持ち
させることができ、かつプリント面にインクの濃淡差が
生じることも防止できるものである。

なお、インクリボン移動部材６及び保持手段２１は前記
実施例に限らず、種々変更できるものである。

例えば第５図に示すように、ヘッド保持部材３ａの側面
部が往復動作時当接する位置に、略丁字形のインクリボ
ン移動部材６ａを軸ＩＱａを介して揺動自在に設け、こ
のインクリボン移動部材６ａをヘッド保持部材３ａの押
圧力でインクリボン１４ａの幅方向（Ｃ′、ｄ′方向）
に往復移動できるようにしてもよい。

そして、ストッパ２７゜２８及び引張りスプリング２４
ａからなる保持手段２１ａによってインクリボン移動部
材６ａを往方向Ｃ′及び復方向ｄ′のいずれの位置にも
安定に保持できるようにしてもよい。

このような構成の場合は、インクリボン移動部材６ａは
、下向き位置（実線位置）にあるとき、ヘッド基台３ａ
に押されると上向き位置（点線位置）へ回動腰逆に上向
き位置（点線位置）にあるとき、ヘッド基台３ａに押さ
れると下向き位置（実線位置）へ回動する。

そして、再び押動（付勢）されるまでは各回動位置に保
持手段２１ａによって保持される。

従って、このような構成であっても前記実施例と同様に
一行印字毎にインクリボン１４ａを幅方向に移動保持し
て、そのインクリボン１４ａの効率よい使用が図れるも
のである。

なお、この第５図に示す実施例では、−往復動作につい
て一回のインクリボン１４ａの切換え移動を行なうよう
にしているから、例えばドツトヘッドが一方向に移動す
るときのみ印字動作するプリンタに適するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第４図はこの考案の一実施列を示すもので第１
図は斜視図、第２図は一部省略して示す正面図、第３図
は側面図、第４図はインクリボンの状態を示す概略図、
第５図はこの考案の他の実施例を示す構成図である。 １・・・・・・プラテン、２・・・・・・ドツトヘッド
、３，３ａ・・・・・・ヘッド基台、６，６ａ・・・・
・・インクリボン移動部材、２１．２１ａ・・・・・・
保持手段。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１）プラテンに対向するプリント位置で印字ヘッドを
   保持して往復動作するヘッド基台と、このヘッド基台が
   動作終端位置に達したときこのヘッド基台の一部に当接
   されてインクリボンの幅方向へ移動するインクリボン移
   動部材と、このインクリボン移動部材を前記ヘッド基台
   の一部に再び当接されるまで往または復動位置に保持す
   る保持手段とを具備したことを特徴とするシリアルプリ
   ンタ。
2. （２）前記インクリボン移動部材を、プラテンと反対側
   の端部を支点軸として回動動作させ、プラテン側におい
   てインクリボンが掛渡されている部位をインクリボンの
   幅方向へ移動させるようにしたことを特徴とする実用新
   案請求の範囲第（１）項記載のシリアルプリンタ。