JPS6013109B2 - 除荷機構を有するｐｃ鋼材の定着装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は任意のＰＣ鋼材を同時に緊張して個々に定着
板に漠定着するポストテンショニング方式によるＰＣ鋼
材緊張定着装置において、定着用機の定着板の襖孔への
穣入をスプリング等を利用して制御することにより、Ｐ
Ｃ鋼材に与えられた緊張力を自由に弛めることができる
除梅機構を有するＰＣ鋼材の定着装置に関するものであ
る。

すなわちこの発明の装置はＰＣ鋼材緊張用のセンターホ
ール型油圧ジャッキの先端部に取り付けられた定着用襖
圧入機構と、定着用襖の定着板滋孔への貫入を抑制する
除樹機構とから構成されている。そして定着用襖圧入機
構はＰＣ鋼材を前記センターホール型油圧ジャッキに挿
入するための穴のあいたガイド板を兼ねた氏入板と、こ
の圧入板を押圧する油圧シリンダーとからなる。また除
樹機構は前記圧入板と定着用蝶に介在し、定着用換後端
面にボルトで固定されるリフティングプレートと、この
リフティングプレートを圧入板方向へ押し戻すスプリン
グとからなる。この発明の除荷機構によりＰＣ鋼材の緊
張力を除流する場合の利点としては以下のような事項を
挙げることができる。

１ アースアンカーあるいはロックアンカー工事におい
てはアンカー体の強度および支持力を確認するためにＰ
Ｃ鋼材に一旦、所定確認耐力まで緊張力を与え、しかる
後に所定の緊張力設計荷重にまで弛めて定着するといっ
た場合が多くあるが、この発明の装置によれば極めて容
易にこの作業を行なえる。

２ アースアンカーあるいはロックアンカー工後におい
て、仮定着完了後、ある期間経過した後に構造体やアン
カー体に変位がみられ「荷重の除荷が必要な場合に、定
着された穣とスプリングを装着したりフティングブレー
トをボルトで結合し、庄入機構を取り付けたジヤ、ソキ
を・使用することにより必要に応じた除荷ができる。

３ アースアンカーあるいはロックアンカー工事におい
て、本工事に先立ち試験体を埋設し、アンカーの強度、
支持力、効果等を調査する目的で試験工事が行なわれる
。

この試験工事に際しもＰＣ鋼材は無荷重から設計荷重ま
での間で様々なサイクルで緊張力の増減が行なわれ、最
後に所定の荷重で定着される。このような使用例におい
てもこの発明の装置によれば後述するように極めて容劇
ここの一連の作業を行なうことができる。従来この種の
装置にあってＰＣ鋼材の緊張力を除術することは極めて
困難な作業であり、これを解決するため支圧板と定着板
の間に中間支圧板（シム）を入れておき、必要に応じて
この中間支圧板を除去することにより除去する方法、あ
るいは定着板の外周部にネジ機構を設けナットを調節す
ることにより除補する方法が一般的に行なわれている。

しかし、いずれも一様作でＰＣ鋼材の緊張除荷を行なう
ことができず「作業に時間がかかり、中間支圧板として
様々な種類のものを多数用意したり「定着板のネジ加工
、ナットの用意が必要である等「経費がかかるほか、調
節できる長さも己ずから制限を受けるなどの欠点がある
。この発明の装置は一操作でＰＣ鋼材の緊張除荷ができ
、作業が短時間で完了し、特殊な部材を用意する必要も
ない。

また緊張するＰＣ鋼材が長いために所定の荷重まで緊張
および除荷を行なうのに必要なだけのストロークを有さ
ないジャッキを使用しなければならない場合、穣の定着
および開放を漸次行なうことにより、ＰＣ鋼材の緊張し
ろの調整、任意な荷重の調整が可能である。また定着に
際しては、核の強制圧入を行なうので、定着時の襖の定
着板挟孔へのめり込み量が少なくなる特徴を有している
。４ ポストテンショニング方式によるＰＣ鋼材の緊張
に際して、ＰＣ鋼材とシースの間に摩耗抵抗が生じ、プ
レストレストコンクリートの設計断面において必要な緊
張力をＰＣ鋼材に与えるためには緊張端において過緊張
力を加えざるを得ないが、この過緊張力を除荷できれば
、ｉ）ＰＣ鋼材の定着端部におけるコンクリートの負荷
が減少し、端部の安全性が高まる。

！ｉｉ） もしくは、コンクリート端部の受圧面積を減
少できる（例えばＰＣタンクにおいてはバットレスを小
さくでき、コストダウンにつながる）。

‘ｉ‘） コンクリート端部の補強鉄筋の使用量を減少
させることができｔまた定着板、支圧板を小さくできる
。

ｉｖ）ＰＣ鋼材の使用量を減少させることができる。

これらー）〜ｉのの利点は特にＰＣ鋼材とシースの摩耗
抵抗が大きくなる円形構造物、例えばＰＣ水タンク〜Ｐ
ＣＬＮＧタンク、原子炉格納容器等において顕著に現わ
れる。

以下この発明を図示した実施例に基づいて説明する。

第亀図は先端部に定着用襖の強制圧入用油圧機構を内蔵
したセンターホ−ル型油圧ジャッキを用いたこの発明の
装置の一実施例である。

図中１は支圧板、２はＰＣ鋼材１４の本数に見合うだけ
の円錐状の俊定着孔２ａを有した定着板で、ＰＣ鋼材１
４を一本づつ湊定着孔２ａに貫挿させてあり支圧板１に
密着している。

６はリフティングプレートで、定着板２の穣定着孔２３
と対応した位置に同数の貫通孔６ａを設けてあり、ＰＣ
鋼材１４を−本づつ貫挿させる。

このリフテイングプレート６にはボルト７により定着用
礎４を取り付けるようになっている。そのためのボルト
孔６ｂはボルト７の直径よりも若干大きくしてあり、、
ボルト７を多少移動できるようになっている。またこの
リフティングプレート６はスプリング５を介して定着板
２に対し適当な間隔を設けてある。なおスプリング５の
リフティングプレート６への取り付けについては第３図
に示すように、リフティングプレート６の外周面にはテ
ーパ一部を設け、このテーパ一部にスプリング５の端部
を押し込んで鼓合するようにすれば装着が容易となる。
ＰＣ鋼材１４はセンターホール型油圧ジャッキ１０の内
部または端部に取り付けられているプーリングヘッド１
２および緊張用核１３で固定される。

この状態で油圧ジャッキ１川こ設けられている油圧供給
孔１０ａより油圧供給するとジャッキラム１１が後方（
支圧板１と反対方向）に移動し、ＰＣ鋼材１４に緊張力
がかかる。

この時、定着用蝶４は浮き上った状態にあり、緊張の妨
げとならない。ＰＣ鋼材１４に所定の緊張力を与えた後
、油圧供給孔１０ｂより油圧を供孫貧するとジャッキラ
ム１１は支圧板１の方向に移動し、ＰＣ鋼材１４にかか
っている緊張力は除荷される。この時、定着用襖４はス
プリング５により支えられたりフティングプレート６に
取り付けられているので、ＰＣ鋼材１４が支圧板１側に
移動しても定着板２の挟定着孔２ａに挟入することがな
い。従ってＰＣ鋼材１４は定着板２に対し定着されない
。このようにしてジャッキラム１１の前方への移動量を
調整制御することにより、ＰＣ鋼材１４の緊張力を自由
な値まで除荷することができる。所定の緊張力まで除補
したなら、油圧供給孔１０ｃよりスプリング５の反力よ
りも高い油圧を供給することにより、湊強制圧入用油圧
シリンダー９を支圧板１側に移動させる。

これによって定着用渓４は圧入板８およびリフティング
プレート６を介して定着板２の襖定着孔２ａに圧入され
、次いでジャッキラム１‐１を前方に移動させるとＰＣ
鋼材１４は定着板２および定着用襖４で完全に定着され
る。第４図〜第８図はこの発明の袋直によるＰＣ鋼材１
４の緊張の手順を、第９図〜第１４図はＰＣ鋼材１４の
除荷の手順を示したもので、以下それぞれについて説明
する（図中、スプリング５は省略）。

１ 緊張 ０１ この発明の定着装置Ａを装着する（第４図）。

■ ０→６瓜の緊張 油圧ジャッキ１０を作動させ荷重を６ に上げる。

このとき定着用襖４は浮き上った状態にあり緊張の妨げ
にならない（第５図）。

‘３１６０→１０比への緊張力の再導入 ■ 油圧ジャッキ１川こ内蔵した駿強制圧入用油圧シリ
ンダー９を作動させ、定着用換４でＰＣ鋼材１４を仮定
着させる（第６ 図）。

■ 油圧ジャッキ１０のジャッキラム１１を復元する。

このときＰＣ鋼材１４は定着用挟４で固定されているた
め、ジャッキラム１１ を復元してもその緊張力は変化しない （第７図）。

■ 油圧ジャッキ１０を作動させ荷重を６仇から１０肌
こ上げる。

このときＰＣ鋼材１４の緊張により、定 着用核４は自動的に開放状態になる（第 ８図）。

以下｛３１■〜■と同様な操作を繰返すことにより緊張
荷重を所定確認耐力（例えば１７仇）まで増加させるこ
とができる。

０ 除荷 ｛１｝ １７他緊張状態（第９図）。

■ １７０→１４比の除補 ジャッキラム１１を復元し、１４肌こ荷重を除補する（
第１０図）。

このとき定着用襖４はスプリング５の作用により浮き上
った状態にあり除満の妨げにならない。

【３１１４０→１０仇の除同 ■ 油圧シリンダー９により定着用核４を圧入し、ＰＣ
鋼材１４を仮定着した後、ジャキラム１１をさらに復元
してプーリングヘツト１２からＰＣ鋼材１４を開放する
。

従ってＰＣ鋼材１４の張力は完全に定着用駿４部分の定
着機構に移る（第１１図）。

■ ジャッキラム１１を必要なストロークだけ引き出す
（第１２図）。

■ ジャッキラム１１を作動させ、ＰＣ鋼材１４に張力
を与えると定着用襖４は自動的に浮き上り、ＰＣ鋼材１
４を開放する（第１３図）。

■ ジャッキラム１１を復元し、１０比まで除補する（
第１４図）。

以下‘３’■〜■の操作を繰り返すことにより任意に除
荷することができる。

この発明は以上の構成からなり、前述したようにこの装
置を使用すれば、ＰＣ鋼材の緊張、除荷が一蓮した単一
の操作でなされ、短時間で作業を完了できる。

従って特にアースアンカーあるいはロックアンカー工事
等におけるサイクル試験等が容易となるほか、種々のＰ
Ｃ構造物の施工において適用範囲が広い。

【図面の簡単な説明】

図面はこの発明の実施例を示したもので、第１図は装置
の概略を示す縦断面図、第２図はその１−１断面図、第
３図は要部の縦断面図、第４図〜第８図はＰＣ鋼材緊張
の手順を示す縦断面図、第９図〜第１４図はＰＣ鋼材除
荷の手順を示す縦断面図である。 Ａ・・・定着装置、１…支圧板、２・・・定着板「 ２
ａ…酸定着孔、３…ジャッキチェア、４・・・定着用挟
、５…スプリング、６…リフティングプレート、６ａ…
貫通孔「 ６ｂ…ボルト孔、７…ボルト、８…圧入板、
９・・・油圧シリンダー、１０・・・油圧ジャッキ、１
０ａ，１０ｂ，Ｔ０ｃ…油圧供給孔、１１…ジャッキラ
ム、１２…プーリングヘッド、１３…緊張用酸、１４…
ＰＣ鋼材。 第１図 第２図 第３図 第４図 第５図 第６図 第７図 第８図 第９図 第１０図 第１１図 第１２図 第１３図 第１４図

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ＰＣ鋼材緊張用のセンターホール型油圧ジヤツキの
   先端部に取り付けられた定着用楔圧入機構と、定着用楔
   の定着板楔孔への貫入を抑制する除荷機構とから構成さ
   れており、前記定着用楔圧入機構はＰＣ鋼材を前記セン
   ターホール型油圧ジヤツキに挿入するための穴のあいた
   ガイド板を兼ねた圧入板と、この圧入板を押圧する油圧
   シリンダーとからなり、前記除荷機構は前記圧入板と定
   着用楔間に介在し、定着用楔後端面にボルトで固定され
   るリフテイングプレートと、このリフテイングプレート
   を前記圧入板方向へ押し戻すスプリングとからなること
   を特徴とする除荷機構を有するＰＣ鋼材の定着装置。 ２ リフテイングプレートの外周面にはテーパー部が設
   けられており、スプリングはその端部をこのテーパー部
   に押し込んで嵌合してある特許請求の範囲第１項記載の
   除荷機構を有するＰＣ鋼材の定着装置。