JPS6012009Y2 - 吊天井用ハンガー - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は吊天井の吊金具として使用されるハンガーの
改良に関する。

従来この種のハンガーとして、第１図に示すごとく板金
製のハンガー主版１の垂下端側に野縁嵌め込み用のＵ字
状屈曲部２を曲げ加工し、その開放端側の外向き反り返
し部に野縁抜は止め用の下向爪部３を打抜き加工してな
る構成のものは公知である。

しかしながら上記構成のハンガーは、それ自体のスプリ
ングバック性を利用してＵ字状屈曲部２に上側から野縁
材４を圧入嵌合させるようになっているにも拘わらず、
Ｕ字状屈曲部２の開放端側に前述のごとく下向爪部３を
有していることからＵ字状屈曲部２に嵌め込む野縁材４
は前記下向爪部３を乗り越えさせねばならず、このこと
により野縁材４のＵ字状屈曲部２に対する嵌め込みが非
常に難しくなっていることから、その嵌め込みに際して
は作業者が自らＵ字屈曲部２を野縁材４が嵌め込み易く
なるよう故意に拡げているのが現状である。

しかし、Ｕ字屈曲部２を一旦拡げてしまうと、それ自体
のスプリングバック性がなくなることから、Ｕ字状屈曲
部２に折角嵌め込まれた野縁材４であっても、この野縁
材４は爾後吊天井に施される照明器具等の取付作業時に
下側から受ける作用力で抜は出す結果となることが度々
あって吊天井施工上における大きな問題点となっていた
。

−また、上記構成のハンガーはその自体のス
プリングバック性が充分なものとなるよう肉厚を厚くし
ているので材料費が嵩むこと）相俟ち、Ｕ字状屈曲部２
と下向爪部３を別々に加工しなければならないので加工
費も嵩ぼって頗ぶる不経済であった。

他の従来技術として、長尺の金属板の下部をコ字状に折
曲げてその前板と後板との間に野縁受吊溝を設け、後板
の前板上端より若干下部にあたる位置に、一旦内方に折
曲げた後、さらに上方に折曲げて段部を形成すると共に
、後板の上部を前板と逆方向に直角に折曲げて水平部を
設け、この取付水平部にボルト孔を設けてなる野縁受吊
金具が提供されているが、これとても金属板のコ字状部
分にその上側から野縁材を圧入嵌合せしめるから番１図
の従来例について上記したと同様にスプリングバック性
が失われる虞があると共に、装着作業の容易化が配慮さ
れていない等の欠点を有する。

この考案は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的
は野縁材を随時簡単に手際よく嵌め込むことができ、し
かも嵌め込まれた野縁材を抜は出すことのないよう確実
に抱え込み、かつ製作にあたって材料費や加工費が嵩む
ことのないよう簡単に加工することができる構成とした
吊天井用ハンガーを提供することにある。

以下、この考案の一実施態様を第２図以降の図面にもと
づいて説明すると、１０は板金からなる吊天井用ハンガ
ー上鈑で、その上端部にはコンクリート天井壁のインサ
ート（図示せず）に連結させる有孔取付片部１１が曲成
されている。

また、前記ハンガー主版１０の下端側には吊天井の野縁
材１４を嵌め込み保持するコ字状屈曲部１２が一体曲成
されており、このコ字状屈曲部１２はその上壁１２ａ１
下壁１２ｂ及び側壁１２ｃの間に、野縁材１４を少なく
ともその上下端部１４ａ、１４ｂとの間に隙間が生じな
いように抱え込む寸法に設定されている。

従って、この考案に適用される野縁材１４は、例示図の
ものでは断面チャンネル状をなしているが、その他の例
えばアングル状や■形状等をなすものであってもよいこ
と勿論である。

更に前記コ字状屈曲部１２の下壁１２ｂの先端には嵌め
込み野縁材１４の抜出を防止する短壁の立上り受部１３
が側壁１２ｃに対向させて一体形成されており、この立
上り受部１３の上方部は野縁材嵌め込み用の開放部に形
成されている。

そしてこの立上り受部１３はコ字状屈曲部１２とともに
一工程で曲げ加工される。

しかして上記構成のハンガーは、吊天井施工現場でコン
クリート天井壁に一体化されたインサートに有孔取付片
部１１をねじ締め手段等により連結させることによって
垂下保持され、その状態でコ字状屈曲部１２にその横向
き開放部から野縁材１４を嵌め込むことにより、この野
縁材１４は前記コ字状屈曲部１２および立上り受部１３
によって完全に抱え込まれ、しかもその抱え込み状態下
におけるハンガー自体のスプリングバック性により確実
堅固に保持される。

従って、この考案の吊天井用ハンガーによれば、野縁材
の嵌め込み操作が随時簡単に手際よく行なえること）相
俟ち、コ字状屈曲部に嵌め込まれた野縁材が吊天井に対
する照明器具等取付作業などの際に下側から受ける作用
力で上方に抜は出すような危惧が全くなく、吊天井施工
時においてハンガーの構成に起因する従来の問題点を一
挙に解消することができるという頗ぶる顕著な実用的効
果を奏するのみならず、この考案による吊天井用ハンガ
ーは、コ字状屈曲部とその下壁先端の立上り受部を同時
に曲げ加工することができるので、加工の容易性が図れ
従来に比して加工費の低減を図ることができる。

また、前述のごとく野縁材を抱え込む構成となっている
のでハンガー自体の肉厚を従来のように厚くする必要も
なく、このため材料費も節減できて廉価に提供すること
ができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の吊天井用ハンガーを示す側面図、第２図
はこの考案の一実施態様に係わる吊天井用ハンガーの側
面図、第３図は同斜視図である。 １０・・・・・・ハンガー主版、１２・・・・・・コ字
状屈曲部、１２ａ・・・・・・土壁、１２ｂ・・・・・
・下壁、１２ｃ・・・・・・側壁、１３・・・・・・立
上り受部、１４・・・・・・野縁材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上端部を天井壁のインサートに連結して垂下させるハン
   ガー主版の垂下端側に、該主版の垂下端から水平方向に
   伸長して野縁材の上部を保持する土壁と、該土壁から垂
   下する側壁と、該側壁から水平方向に伸長して野縁材の
   下部を着床せしめる下壁とからなる野縁材嵌め込み用の
   コ字状屈曲部を一体曲或するとともに、野縁材の下端側
   部を受ける短壁の立上り受部を前記下壁先端に一体形成
   し、側壁に対向する立上り受部の上方部を野縁材嵌め込
   み用の開放部に形成したことを特徴とする吊天井用ハン
   ガー。