JPS6011975B2 - ポリオレフイン系樹脂発泡シ−トの製造方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、押出発泡成形によるポリオレフィン系樹脂
発泡シートの製造方法に関し、特に表面平滑性が良く、
気泡が微細密なポリオレフィン系樹脂発泡シートの製造
方法に関する。

従来、ポリオレフイン系樹脂の押出発泡成形時における
分解型発泡剤としては、無機系発泡剤の重炭酸ナトリウ
ム、炭酸アンモニウム、重炭酸アンモニウム、亜硝酸ア
ンモニウム、アジド化合物、棚水素化ナトリウム等およ
び有機系発泡剤の４−４′オキシビスベンゼンスルホニ
ルヒドラジド、ジニトロベンタメチレンテトラミン、ア
ゾジカルボンアミド、トリヒドラジノヒドラジン等が用
いられており、これらの発泡剤を原料樹脂と混合したの
ち、押出機へ供給して押出す方法が知られている。

これらのうち、重炭酸ナトリウムや重炭酸アンモニウム
などの無機系二酸化炭素発生剤は比較的安価であるが押
出し機内で発泡温度に加熱した場合に分解が非常に緩慢
に起りガス発生量を調節することが困難である等の欠点
を有していた。このため前述した有機系発泡剤の使用が
主流となつている。本発明者らは、これら無機系二酸化
炭素発生剤の欠点を改良するために、弱酸を発泡助剤と
して加えて分解発泡を促進せしめる方法を種々行なった
が、この場合には二酸化炭素発生剤と弱酸が、ポリオレ
フィン系樹脂原料と混合直後より反応を始めてしまい、
この反応により生じた二酸化炭素はポリオレフィン樹脂
内に留まることなく、逸出してしまうために押出し機内
での有効な効果を期待できなかった。

事実、単に二酸化炭素発生剤と弱酸をポリオレフィン系
樹脂原料に混合した後、押出機に供給し、押出発泡成形
して得られた発泡シートは、気泡は粗く、表面の平滑性
は不良であった（比較例１参照）。また、これらの対策
として、あらかじめ二酸化炭素発生剤と弱酸のいずれか
一方、または両方を各別にポリオレフィン系樹脂と混合
したのち、両混合物を押出機へ供給して押出発泡成型す
る方法も考えられる。しかし、この場合には余分な混合
工程が必要となってくる。また神出機の供給口に供給し
たのちすぐに二酸化炭素発生剤と弱酸の反応が開始され
るため、二酸化炭素の逸出を完全にさげることができな
い。これらの問題点を解決するために更に研究を重ねた
結果、本発明者らは無機二酸化炭素発生剤および弱酸の
両方または一方をあらかじめ互いの接触をさげるための
特定のコーティング剤で被覆しておき、その後にポリオ
レフィン系樹脂と混合し押出成形することにより二酸化
炭素の効率の良い発泡が行なわれ、表面の平滑性が良好
で〜気泡が微細密な発泡シートが得られることを見し、
出し本発明に到達した。かくして本発明によれば、ポリ
オレフィン系樹脂を軟化点以上の温度で押出発泡ごせて
発泡シートを製造する方法において、発泡剤として無機
系二酸化炭素発泡剤および弱酸とを組合せ、かつこれら
の双方または一方を融点４０〜１２０ｏｏのコーナィン
グ剤で被覆して使用することを特徴とするポリオレフィ
ン系樹脂発泡シートの製造方法が提供される。

ここにおける発泡シートとは、いわゆる発泡フィルムを
も含むものである。

本発明におけるポリオレフィン系樹脂とは、エチレン、
プロピレン、プテン、イソプレン、ベンテン等のオレフ
ィンを重合また共重合して得られた熱可塑性樹脂を示し
、エチレン−酢酸ビニル、エチレンーアクリル酸エチル
等の共重合体のほか、アィオノマー等も含まれる。

本発明における無機系二酸化炭素発生剤としてはアルカ
リ金属もしくはアルカリ士類金属の炭酸塩または車炭酸
塩のほか、炭酸アンモニウムおよび車炭酸アンモニウム
が挙げられる。

このうち重炭酸ナトリウムを用いるのが好ましい。また
これらは２種以上の混合物であってもよい。本発明に用
いる弱酸としては、シュウ酸、マロン酸、マレィン酸、
フマール酸、コハク酸、ィタコン酸、シトラコン酸、ア
ジピン酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、ステアリ
ン酸、オレィン酸、カプリル酸、ェナント酸、カプロン
酸、青草酸、乳酸、酒石酸、クエン酸、フタル酸、安息
香酸、ベンゼンスルホン酸、トルヱンスルホン酸、クロ
ル酢酸、ジグリコール酸等の有機酸、棚酸等の無機酸お
よび酸性酒石酸カリウム等の酸性塩が挙げられ、クエン
酸を用いるのが好ましい。

これらは２種以上の混合物であってもよい。上記二酸化
炭素発生剤と弱酸との接触を遮断し、押出機内の両剤の
反応位置をコントロールするための、融点４０〜１２０
００を有するコーティング剤としては、パラフィン類、
ワックス類（例えばポリエチレンワックス）、植物油・
動物油を含む多価アルコールの脂肪酸ェステル類（例え
ばグリセリンやエチレングリコールのステアリン酸、オ
レィン酸およびモンタン酸ヱステルならびにこれらの混
合物）および脂肪酸アミド類（例えば、硬化牛脂アミド
、ステアリルアミド、パルミチルアミド、オレイルアミ
ドおよびリノレインアミド）が挙げられる。またこれ以
外に前記した鍵酸および二酸化炭素発生剤と反応させる
ものであり融点４０〜１２０ｏｏを有するものが使用可
能である。本発明における、上記コーティング剤による
発泡剤の被覆方法としては、種々の方法があるが、二酸
化炭素発生剤と弱酸をそれぞれ乾燥した後、これら双方
に、または一方に上記コーティング剤を適量加え、加熱
燈拝して被覆し、冷却して得られた固形物を粉砕したも
のを使用するのが適している。この際、粉砕して得られ
た被覆発泡剤を粥梓機に移し、コーティング剤の融点近
くまで濁拝しながら再加熱して発泡剤の被覆状態をでき
るだけ均一に調製しておくことが発泡性の点で好ましい
。また、上記被覆方法においてコーティング剤は、二酸
化炭素発生剤および弱酸に対しそれぞれ５〜５０ｗｔ％
、好ましくは１０〜２０ｗｔ％量使用される。

このようにして得られた少なくとも一方がコーティング
剤で被覆された、二酸化炭素発泡剤と弱酸は各別に、ま
たは混合してポリオレフィン系樹脂原料に加えて使用さ
れる。

このようにコーティング剤より互いの接触を遮断せられ
た二酸化炭素発生剤および弱酸は、常温では容易に反応
しないが、ポリオレフィン樹脂が押出される際の温度に
おいてはコーティング剤が溶融して効率良く微細な二酸
化炭素の発泡を生じる。

これにより従来、無機系分解型発泡剤の単独使用では得
られなかった表面平滑性が良好でかつ気泡が微細密なポ
リオレフィン系樹脂の発泡シートが得られる。特にポリ
プロピレンのように、軟化時の流動特性から押出し発泡
成型の発泡コントロールが非常に困難な樹脂においても
、本発明の方法を用いることにより均質かつ気泡微細密
で表面平滑な発泡シートが得られる。以下に実施例を挙
げて本発明を説明するが、これによって本発明は限定さ
れるものではない。

実施例 １重炭酸ナトリウムおよびクエン酸を充分に乾
燥させた後、それぞれ２の×％の硬化牛脂アミド（融点
９８ｏｏ）を加え、それぞれ硬化牛脂アミドの融点以上
に加熱、縄拝して充分に混合し、冷却後、石ウスで粉砕
した。

これらを各別に蝿梓機に移し、硬化牛脂アミドの融点近
くまで蝿拝しながら再加熱し、冷却して被覆車炭酸ナト
リウムおよび被覆クエン酸を得た。ポリプロピレン樹脂
１００重量部、上記で得た硬化牛脂アミド被覆重炭酸ナ
トリウム０．５重量部（重炭酸ナトリウムの純分として
）および硬化牛脂ァミド被覆クエン酸０．５重量部（ク
エン酸の純分として）を均一に混合し、通常の押出機に
供給し、押出量５【９／時の割合で常法に従って押出成
形を行なった（円型ダィ使用）。

押出された円筒状の発泡体を切り開いた後に、発泡倍数
約１．５２倍、平均厚さ１側、幅４０物舷の気泡微細で
表面平滑な多孔・性ポリプロピレンシートを得た。

実施例 ２ 硬化牛脂アミドの代りにポリエチレンワックス（低分子
量ポリエチレン；融点約９０℃）をコーナィング剤とし
て用い、実施例１と同様な方法で押出成形を行なった。

得られたシートは発泡倍数約１．８所音、平均厚み１．
５柵、幅４０仇肋の気泡微細で表面平滑な多孔性ポリプ
ロピレンシートであった。比較例 １ポリプロピレン樹
脂１００重量部、重炭酸ナトリウム０．５重量部および
クエン酸０．５重量部を均一に混合し、実施例１と同様
にして押出成形を行なった。

得られたポリプロピレンシートの気泡は粗く、発泡倍数
約１．２針苦で表面平滑性もなく、外観不良であった。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ポリオレフイン系樹脂を軟化点以上の温度で押出発
   泡させて発泡シートを製造する方法において、発泡剤と
   して無機系二酸化炭素発泡剤および弱酸とを組合せ、か
   つこれらの双方または一方を融点４０〜１２０℃のコー
   テイング剤で被覆して使用することを特徴とするポリオ
   レフイン系樹脂発泡シートの製造方法。 ２ 無機系二酸化炭素発生剤および弱酸が、重炭酸ナト
   リウムおよびクエン酸である特許請求の範囲第１項記載
   の製造方法。 ３ コーテイング剤が、ワツクス類、多価アルコールの
   脂肪酸エステル類、脂肪酸アミド類のいずれかである特
   許請求の範囲第１項または第２項記載の製造方法。