JPS6010743Y2 - ロ−タリクランパ装置

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【考案の詳細な説明】本考案はロータリクランパ装置に関するものである。

ロータリクランパ装置はプレス機械の金型、ホルスタあ
るいは金型とボルスタを同時に固定させるために使用さ
れるクランパのことであり、ロータリは、クランプロッ
ドが往復動（上下動）の他に回転運動を行なうことを意
味している。

従来この種の装置においては、クランブロンドの回転伝
達機構としてキー、コック類を使用した関係で、クラン
プストロークの割にはシリンダの長さが大となる欠点が
あった。

このことは圧力流体を利用したシリンダにコックあるい
はキー溝を設けると圧力流体が漏れてしまうので、シリ
ンダと回り止め機構を併設できないことから容易に推測
できる。

又ストロークを長くすると作動油量が非常に多く必要と
なってしまう。

本考案は以上の欠点をなくしたロータリクランパ装置を
提供するものである。

以下、本考案の一実施例である図面に基づいて詳説する
。

第１図において、シリンダ２は機体１に固設されている
。

機体１は本実施例においてはプレスのベッドである。

そしてボルスタと下型コモンプレートを共線めする。

金型をボルスタに固定するために本考案を実施する場合
は機体１はボルスタになる。

ピストン３はシリンダ２内に摺動回転自在に設けられて
いる。

クランプロッド４はピストン３内にピストン３を貫通し
て摺動自在に設けられている。

クランプロッド４はピストン３に対して勝手に回転しな
いように、ロッド部４ｂとピストン部４ｃとは互に偏心
している。

換言すれば、ピストン３において、クランプロッド４の
ロッド部４ｂを案内する穴とクランプロッド４のピスト
ン部４Ｃを案内する穴とは互に偏心している。

ヘッド４ａは金型あるいはボルスタに引掛けるものでク
ランプロッド４に固設されている。

バネ６はシリンダ２内の段部とピストン３のピストン部
３ｂの上面との間に組込まれ、ピストン３を下方に押し
さげる力を発生している。

該バネ６と前記ピストン３ｂとの間にベアリング６ａが
介在している。

このベアリング６ａは、ピストン３が回転するとき前記
バネ６がねじられるのを防止する。

ラック５はシリンダ２内に、シリンダ２の軸方向に対し
て直角方向に摺動自在に保持され、ピストン３の外周に
設けられたピニオン３ａと噛合っている。

シリンダ２の下部には、ピストン３及びクランプロッド
４を作動させるための圧力流体供給用開口２ｃと、ラッ
ク５を作動させるための圧力流体供給用開口２ｄ、２ｅ
とを有している。

ラック５の収容されている室２ａは、ピストン３の外周
面とシリンダ２の内周面とで形成されている室２ｂ、及
びクランプロッド４の外周面トビストン３の内周面とで
形成されている室３ａに連通して形成されている。

以下、作動について説明する。

第１図において、開口２ｃに圧力流体を供給するとクラ
ンプロッド４が上昇し、ピストン部４ｃがピストン３内
の段部に当接し、ピストン３を引き上げる。

この状態が第３図に示されている。次に開口２ｃの圧力
流体供給をやめ、第２図において、開口２ｅに圧力流体
を供給するとラック５が移動し、これと噛合っているピ
ニオン３ａを回転させるので、ピストン３とクランプロ
ッド４はある一定角度（この場合は９０°）回転する。

すなわち、第４図において、ヘッド４ａはＡからＢまで
回転し、ヘッド４ａは金型、あるいはボルスタに引掛る
状態になる。

第２図において、開口２ｅに供給された圧力流体はラッ
ク５が移動して移動端に来たとき、ラック５の後方端と
ピニオン３ａのスキマから室２ｂに流出するのでピスト
ン３はクランプロッド４を引下げる。

この時、ヘッド４ａは金型、あるいはボルスタに引掛る
ので金型あるいはボルスタは機体１にクランプされる。

クランプを解除する場合。

開口２ｃに圧力流体を供給し、クランプロッド４を上昇
させ、次に開口２ｄに圧力流体を供給すればラック５が
移動し、ピニオン３ａとピストン３を介してクランプロ
ッド４及びヘッド４ａが回転し、ヘッド４ａは金型ある
いはボルスタの切欠に入り込む状態にある。

続いて、開口２ｄの圧力流体は室２ｂ、３ａに流出する
のでクランプロッド４とピストン３は下降し、ボルスタ
は解除される。

本考案は以上のような構成であるので、（イ）使用され
る圧力流体の量が少なくてすむ。

この理由は、ピストン３のストロークはクランプストロ
ーク、すなわちクランプロッドのストロークに比シて可
戒短かいためである。

（ロ）クランプロッドの回転機構がシリンダ３と併設さ
れているので、従来の装置に比し、クランプストローク
を基準にした場合、全体の長さが短縮されている。

（ハ）ラック５の移動とピストン３及びクランプロッド
４のストロークは同じ圧力流体が用いられ動作が連続し
て行なわれるので時間的ロスがないので操作性が良い。

などの効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の１実施例の縦断面図、第２図は第１図
における■−■断面図、第３図は作動説明図、第４図は
第１図におけるＰ矢視図。１は機体、２はシリンダ、３はピストン、４はクランプ
ロッド、５はラック、６はバネ、７はボルスタ、８は下
型コモンプレートである。