JPS599870Y2 - 真空成形装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、真空戊形装置に関するものであり、更に詳し
くは戒形材料を真空戒型用金型へ供給する搬送装置の改
良に関するものである。

従来、真空戊形方法において或形材料を金型へ供給する
為の手段として、シート状戊形材料の対向する両縁をチ
ェンに取り付けたクリップで挾持し、チェンを戊形材料
の搬送方向に駆動するのが一般的な方法であった。

しかし乍ら、該搬送装置では予め加熱された戒形材料を
搬送する場合においても、或いは搬送し乍ら或形材料を
加熱する場合においても、該成形材料はその縁部でのみ
支承されるので、搬送中に或形材料の中央部が垂れ下っ
たり、クリップの近辺で破断したりする欠点を有してい
た。

本考案は叙上の如き従来の真空或形装置の欠点を解消せ
んが為になされたものである。

次に本考案の一実施例を図面により詳細に説明する。

第１図において、１は真空戒形用金型であり台形状の凹
溝を形或する為の型窩２が設けられ、金型１内には一端
が真空ポンプＰに連結され他端が型窩面に開口せしめら
れた空気の吸引孔３が貫設されている。

４は金型１の上面左右に取り付けられた一部を省略して
示すエアーシリンダーであり、金型１を上下に往復移動
する機能を為す。

５は搬送装置であり、該搬送装置５は搬送板６と該搬送
板６を金型１の作動位置、即ち本実施例の場合金型１の
直下に対して出入可能にする搬送機７とからなり、該搬
送機７は搬送板６の底部四隅近辺に取り付けられた車輪
８と該車輪８に嵌合して走行する軌道９とからなり、搬
送機７はその車輪８が軌道９上を走行することにより金
型１の作動位置に対して出入可能となされている。

第２図は車輪８を取り外した搬送板６の平面図にして、
方形の外枠１０内が縦横に配設され且つ外枠１０と一体
に形威された内枠１１によって格子状に仕切られ多数の
区室が形或されており、該区室内には正方形状及び長方
形状の面発熱体１２が嵌着され、全体としてタイルを敷
設した形状になされている。

又搬送板６は第３図及び第４図にも示すようにその底部
は内側底板１３と外側板１４とがらなる二重構造となさ
れ、且つ外枠１ｏ及び内枠１１と一体に形或され、該内
側底板１３と外側底板１４との間には空洞部１５が設け
られており、内側底板１３と空洞部１５との間には、各
面発熱体１２の底部略中央に対応する位置の内側底板１
３に導線挿通孔１６が貫設されている。

又、１７はエアー押出ピンであり、シリンダー１８と該
シリンダー１８内のピン挿通孔１９に挿通されたピン２
０とからなり、搬送板６の内枠１１の交点を円筒状に切
欠し、その中に埋設されると共に内枠１１，内側底板１
３に溶接により固定されている。

ピン２０は下部にストッパー用リング２１を嵌着した円
柱状の基部２２と上部の断面略矢じり状の圧縮空気受鍔
２３と上端部の円錐状部２４とからなり、ピン挿通孔１
９もこれに対応した断面形状にされており、且つ圧縮空
気受鍔２３の周囲には空気怖部２５が、又基部２２の周
囲には第５図に示す如く花弁状の圧縮空気通路２６が貫
設されている。

２７はコンセントであり、該コンセント２７から空洞部
１５、導線挿通孔１６を経由して各面発熱体１２に通電
する為の導線２８が配設され、コンセント２７は図示し
ない温度調整装置に連結され各面発熱体１２は該温度調
整装置によってその表面温度の調整が各々独立して出来
るようになされている。

尚２９は図示しない加熱装置によって加熱せしめられ搬
送板６上に載置された熱可塑性樹脂製シート、３０は圧
縮空気送入口、３１はフレキシブルパイプである。

次に叙上の真空或形装置の作動について説明すると、先
ず、予め加熱装置によって加熱されたシ一ト２９を同じ
く予め中央部よりも周辺部の温度が高めになるようその
面発熱体１２の表面温度が調整された搬送板６の上面に
載置し、次いで搬送機７を手動もしくは適宜の駆動装置
により作動して搬送板６を金型１の作動位置迄移動させ
る。

次にエアーシリンダー４を操作して金型１を下降させ、
シ一ト２９の周縁部が該金型１と搬送板６とで挾着され
る位置で停止させる。

このような状態で、図示しないコンプレッサーの作動に
よりフレキシブルパイプ３１を経て圧縮空気送入口３０
より空洞部１５内に空気が圧送され、該圧縮空気は更に
圧縮空気通路２６を経て空気溜部２５内に充満し一定圧
力に到達すると第４図に示す如く圧縮空気受鍔２３が圧
力を受けピン２０がストッパー２１で規制を受ける迄上
昇して搬送板６上に載置されたシ一ト２９を持ち上げ、
同時にピン２０の上昇により圧縮空気が円錐状スリット
から噴出してシ一ト２９の搬送板６の上面からの離型を
促進する。

一方上記エアー押出しピン１７の作動と並行して吸引ポ
ンプＰも作動する。

即ち吸引ポンプＰの作動により型窩２内の空気は吸引孔
３から吸引されて減圧せしめられ、シ一ト２つの中央部
は浮き上って型窩２の内面に密着され、第１図鎖線で示
した状態に或形される。

次いで金型１を上昇するとシ一ト２９は金型１に付着し
た僅上昇する。

次いでコンプレッサーを停止させるとエアー押出ピンは
自重で落下する。

搬送板６を原位置に復帰させた後、吸引ポンプＰを停止
すると或型品が落下する。

以下同様の操作を繰り返して連続的に真空戒形すること
ができる。

本考案において搬送板に面発熱体を用いた場合その種類
としては、例えばアルミニウム鋳込ヒーターのように、
金属製の面発熱体本体の内部にニクロム線のヒーターを
埋込んだもの、ハニカム構造にしてチタン酸バリウム系
のセラミックからなる半導体製のもの等公知のあらゆる
種類の面発熱体が戊型品の形状、使用する戒形材料の種
類に応じて選択採用し得る。

又、搬送板の表面は四弗化エチレンコートのような表面
加工を施すのが好ましい。

又、エアー押出しピンは、全て同時に作動せしめる他シ
ートの一端部から他端部に向けて順送りに作動するよう
な機構例えば搬送板底部の空洞部をいくつかのブロック
に別け、各ブロック毎に独立して操作出来るバルブを設
け、該バルブをタイミングをずらして操作出来るように
すると、シートの搬送板からの離型が円滑になされ、特
に薄物シートの場合に効果がある。

本考案真空或形装置は、搬送装置として、搬送板と該搬
送板を真空或形用金型の作動位置に対して出入可能にす
る搬送機とを用いたので、搬送中に戊形材料の中央部が
垂れ下ったり、破断したりする恐れがない。

又、搬送板にはエアー押出ピンが挿設されているので、
加熱された戒形材料の搬送板からの離型が容易となり離
型に際して戒形材料が破断する恐れもなく、又更に金型
の吸引作動と相まって戊形材料の型窩面への密着も確実
になされ、或形能率と品質の向上を図り得る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案真空或形装置の一実施例を示す一部省略
正面図、第２図は同上の搬送板のみを示す平面図、第３
図は同上のＩＩＩ−ＩＩＩ線にて切断した一部切欠拡大
断面図にしてエアー押出ピンが作動していない状態のと
きを示す図であり、第４図は同上エアー押出ピンが突出
したときの状態を示す図、第５図はエアー押出ピンのみ
を取り出して示す拡大断面図である。 １は真空或形用金型、２は型窩、５は搬送装置、６は搬
送板、７は搬送機、１２は面発熱体、１７はエアー押出
ピン、２９は熱可塑性樹脂製シート。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 真空戒形用金型の作動位置に戒形材料を搬入する搬送板
   にエアー押出ピンが挿設されていることを特徴とする真
   空或形装置。