JPS599522B2 - 水稲育苗箱処理用殺虫組成物 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は２−ジメチルアミノー５・６−ジメチルピリミ
ジン−４−イルジメチルカーバメート（以下化合物Ａと
いう。

）とＳ−Ｃα一（エトキシカルボニル）ベンジル〕ジメ
チルーホスホロチオ口チオエート（ＰＡＰ）、ジメチル
−４−メチルチオ−ｍ−トリルーホスホロチオエート（
ＭＰＰ）、 ジエチル−２・３−ジヒドロ−３−オキソー２一フエニ
ルー６−ピリダジニルホスホロチオエート（ピリダフエ
ンチオン）、 ジエチル−２−イングロビル−６−メチル−４ーピリミ
ジルーホスホロチオエート（ダイアジノン）、 ０・Ｓ−ジメチルーＮ−アセチルホスホ口アミドチオエ
ート（アセフエート）、 ジグロピルーＰ一メｆルチオーフエニルーホスフエート
（プロパホス）、 シエチル−Ｓ−（２−エチルチオエチル）ホスホロチオ
ールチオエート（エチルチオメトン）、ジメチル−Ｓ−
（２−（１−メチルカルバモイルエチルチオ）エチル〕
ホスホロチオエート（バミドチオン）、 ジメチル−２・２・２−トリクロロー１−ヒドロキシエ
チルホスホネー｝（ＤＥＰ）、 ジエチル−５−フエニルー３−インキサゾリルホスホロ
チオネート（インキサチオン）、等の有機リン系殺虫剤
。

Ｓ−ペンジルージイソプロピルーホスホロチオレート（
ＩＢＰ）、 ０−エチルージフエニル−ホスホ口ジチオレート（ＥＤ
ＤＰ ） 、 等の有機リン系殺菌剤。

〔（）内略称、以下略称をもって表示〕

等の化合物の１種以上とを有効成分とする水稲育苗箱処
理用殺虫組成物に関するものである。

近年、水稲栽培においては田植え時、稚苗、中苗を用い
た水稲機械移植栽培が広範におこなわれるようになった
。

移植用苗は一般に６０Ｘ３０Ｘ３（ｃｆｒＬ）の苗箱で
稚苗、中苗まで育て機械にかけられ移植するが、移植の
前に殺虫剤（粒剤、乳剤、水利剤等）を根部に処理（苗
箱施薬）しておき、根に薬剤を付着させたままの苗を移
植し、稲を害虫の被害から守っている。

この方法によれば、水稲栽培初期の害虫の被害を回避で
きる訳である。

このような栽培方法は、西南暖地における殺虫剤抵抗性
ツマグロヨコバイ常発地帯でも採用されているが、最近
では従来使われてきた苗箱施薬用薬剤でも抵抗性の発達
が認められている。

これまで、一般に有機リン剤やカーバメート剤に抵抗性
のツマグロヨコバイを防除するために、有機リン剤とＮ
−メチルカーバメート剤との相剰効果を利用し、粉剤等
の形で水田において散布されている。

苗箱施薬においてもこの有機リン剤とＮ−メチルカーバ
メート剤との混合物の相剰効果を利用した適用方法が考
えられるが、Ｎ−メチルカーバメートが水稲稚苗、中苗
に対し強い薬害をもたらすため、苗箱施薬を不可能にし
ている。

本発明者らは、水稲稚苗、中苗に対する薬害が通常の使
用ではほとんどなく、有機リン剤と混合することにより
抵抗性ツマグロヨコバイに対し極めて強力な相剰効果を
もたらす水稲育苗箱処理用殺虫組成物について鋭意研究
を重ねた結果、前記化合物Ａと有機リン系殺虫剤および
有機リン系殺菌剤との混剤が苗箱施薬に使用できること
を見出し本発明を完成した。

本発明による数成分化合物の混合物は、一般の農薬の製
剤処方に従って、担体との混合などの方法で粒剤、乳剤
、水利剤などの剤型にして使用することができる。

その場合の有効成分である数化合物の剤中での混合比は
一般に１０〜９０重量％の範囲内で自由に決定すること
ができる。

次に本発明殺虫剤組成物の製剤と殺虫効果、薬害につい
て実施例および試験例をあげて具体的に説明する。

実施例中「部」と表示してあるのは「重量部」を示す。

なお、実施例および試験例中の供試化合物は前述の略称
をもって表示する。

実施例 １ ピリダフエンチオン２５部、化合物Ａ２５部、ラジオラ
イト３０部、ホワイトカーボン１５部、界面活性剤５部
を混合粉砕して水利剤とする。

実施例 ２ ピリダフエンチオン３部、化合物Ａ２部、ベントナイト
９５部を混合粉砕し、加水して造粒し、乾燥後最適な粒
径に整粒して粒剤とする。

実施例 ３ プロパホス１．５部、化合物ＡＩ．５部、ベントナイト
９７部を混合粉砕し、加水して造粒し、乾燥後最適な粒
径に整粒して粒剤とする。

実施例 ４ キナルホス３０部、化合物Ａ２０部、界面活性剤５部を
有機溶媒４５部に溶かして乳剤とする。

実施例 ５ ピリダフエンチオン２５部、化合物Ａ２５部、界面活性
剤１０部を有機溶媒４０部に溶かして乳剤とする。

実施例 ６ ピリダフエンチオン２部、化合物Ａ２部、ＩＢＰ２部、
ベントナイト９４部を混合粉砕し、加水して造粒し、乾
燥後最適な粒径に整粒して粒剤とする。

試験例 １ 各供試化合物の乳剤を水で希釈し、有効成分濃度で５
ｐｐｍとした。

この液を径５ｃＩｒＬのポリエチレンカップに１００１
′Ｌｌ入れ、水稲稚苗の根がひたるよう水耕栽培し、根
から有効成分を稲体に吸収させた。

水稲は１００メッシュの金網円筒でおおい、抵抗性ツマ
グロヨコバイ雌成虫（中川原系統）をカップ当り２０頭
ずつ放った。

放飼２４時間後に生．死虫数を調査し死虫率を求めた。

なお、殺虫力の持続性をみるために、経過日数毎に虫を
放った。

結果は第１表に示した。

混合剤は混合比率を１：試験例 ２ 水稲育苗箱（６０×３０×３ＣｒｆＬ）に所定通り水稲
稚苗を栽培し（水稲品種；日本晴）、播種２１日後（移
植当日）、供試粒剤を育苗箱当り５０ｆ施薬した。

ジョロにて充分濯水し、施薬３時間後５０００分の１ア
ールポット（土を入れ水を加え水田状態とした）に育苗
箱からかきとった苗（土をつげたまま）をポット当り５
本ひと株にして移植した。

ポットは金網円筒でおおい、抵抗性ツマグロヨコバイ雌
成虫（中川原系統）を２０頭／ポットあて放ち、２４時
間後生死虫数を調査し、死虫率を求めた。

なお、試験例１の場合と同様に殺虫力の持続性：・も調
査した。

結果は第２表に示した。なお、混合剤の比率は１：１と
した。

試験例 ３ 水稲育苗箱（６０Ｘ３０Ｘ３Ｃｒｒｔ）に所定通り水稲
稚苗を栽培し（水稲品種：日本晴）、播種２１日後（移
植当日）、供試薬剤を育苗箱当り５０グあて施薬した。

ジョロにて充分潅水し、施薬３時間後、５０００分の１
ａポット（土を入れ水を加え水田状態とした）に、育苗
箱からかきとった苗（土をつげたまま）をポット当り５
本ひと株にして移植した。

移植後２０日間薬害の有無を観察調査した。

結果は第３表に示した。なお、混合剤の比率は１：１と
した。

第１表および第２表から本発明化合物は、育苗箱処理用
薬剤としての効果は高く、また第３表からＮ−メチルカ
ーバメートであるＭＴＭＣや、ＢＰＭＣが水稲に薬害が
強く、有機リン剤と混合することが実用的には不可能で
あることが明らかであり、反面、本発明化合物である化
合物Ａと有機リン剤の混合剤は薬害がない。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ２−ジメチルアミノー５・６−ジメチルピリミジン
   −４−イルジメチルカーバメートと有機リン系殺虫剤の
   Ｓ−〔α一（エトキシ力ルボニル）ベンジル〕ジメチル
   ーホスホロチオロチオエート、ジメチル−４−メチルチ
   オ−ｍ−｝リルーホスホ口チオエート、ジエチル−２・
   ３−ジヒドロ−３−オキソー２−フエニルー６−ピリタ
   ゛ジニルーホスホロチオエート、シエチル−２−インプ
   ロビル−６−メチル−４−ピリミジルーホスホ口チオエ
   −ト、Ｏ−Ｓ−ジメチルーＮ−アセチルホスホロアミド
   チオエート、ジグｄピルーｐ−メチルチオーフエニルホ
   スフエート、シエチル−Ｓ−（２−エチルチオエチル）
   ホスホロチオールチオエート、ジメチル−Ｓ−（２−（
   ］一メチル力ルバモイルエチルチオ）エチル〕ホスホロ
   チオエート、ジメチル−２・２・２ − トＩＪクロロ
   ー１−ヒドロキシエチルホスホネート、シエチル−５
   −７−１１−＝ルー３−インキサゾリルホスホロチオネ
   ート、有機リン，ｌａｌＪのＳ−ペンジルージイソグロ
   ピルーホスホロチオレート、〇一エチルージフエニルー
   ホスホ口ジチオレートの中から選ばれた１種以上とを混
   合してなることを特徴とする水稲育苗箱処理用殺虫組成
   物。