JPS597867B2 - 自動変速機のロツクアツプ制御装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はロックアップ式自動変速機に用い、その直結ク
ラッチ付トルクコンバータをコンバータ状態かロックア
ップ状態にする制御を行なうロックアップ制御装置に関
するものである。

自動変速機は一般に、エンジンからのトルクを増大する
目的からトルクコンバークを動力伝達系に具える。

そして、通常のトルクコンバークはエンジン１駆動され
るポンプインペラでトルクコンバータ内の作動油を廻し
、この作動油によりステータによる反力下でタービンラ
ンナをトルク増大させつつ回転させる（所謂コンバータ
状態）ものである。

従って、トルクコンバータは作動中ポンプインペラとタ
ービンランナとの間でスリップを避けられず、トルクコ
ンバータを動力伝達系に具える自動変速機は、操作が容
易な反面、動力伝達効率が悪いことから燃費が悪い欠点
を持つ。

これがため従来から、エンジンのトルク変動が問題とな
らない比較的高車速域で、ポンプインペラ（入力要素）
にタービンランナ（出力要素）を直結し（ロックアップ
状態）、これにより両者間のスリップをなくす、所謂直
結クラッチ付トルクコンバータ（ロックアップトルクコ
ンバータとも言う）が提案され、この種トルクコンバー
タを動力伝達系に具えたロックアップ式自動変速機が一
部の車両に実用されている。

ところで、各変速位置毎に設定車速（ロックアップ車速
）以上になる時直結クラッチ付トルクコンバータをロッ
クアップ状態にする自動変速機のロックアップ領域は例
えば第３図の如くである（但し、アップシフト線を基準
にしたロックアップ領域のみを示し、ダウンシフト線を
基準にしたロックアップ領域は省略する）。

この図は前進３速の自動変速機のシフトパターンを示し
、図中Ｖ，，■２，■３が第１速、第２速、第３速のロ
ックアップ車速で、Ａ，Ｂ，Ｃが第１速、第２速、第３
速時のロックアップ領域である。

しかし、エンジン冷却水温が低い時、特にエンジン始動
後直ちに発進するような場合、エンジンが未だ滑らかに
運転され得ず、その出力性態も十分発揮され得ないため
、トルク変動が大きく、このような走行時も上述したよ
うな通常通りのロツクアップ制御を行なうと、ロックア
ップ状態でトルクコンバータによるトルク増大が得られ
ないことから、加速性能が悪いだけでなく、トルク変動
で車体が振動してしまい、著しく乗心地が悪くなる。

本発明は以上の観点から、エンジン冷却水温が低い間は
前記ロックアップ領域内の運転中と靴も、ロックアップ
が行なわれることのないようにして、上記従来の問題を
解決した自動変速機のロックアップ制御装置を提供しよ
うとするものである。

以下、図示の実施例により本発明を詳細に説明する。

第１図は前進３速のロックアップ式自動変速機用に構成
した本発明ロックアップ制御装置の一例で、この図中１
は１−２シフトスイッチ、２は２−３シフトスイッチを
夫々示し、これらスイッチ１，２は夫々例えば自動変速
機の変速制御を司どる１−２シフト弁及び２−３シフト
弁に組込み、これらシフト弁がダウンシフト位置の時オ
ン、アップシフト位置の時オフになり、従って例えは、
シフトスイッチ１，２は各変速位置で次表に示すオン、
オフの組合せになるものとする。

？又、両シフトスイッチ１，２は夫々抵抗３，４を介し
て電源回路５に接続し、これらスイッチ１，２がオフの
時１−２シフト信号Ｓ１が電源回路５からの電圧により
Ｈレベルになると共に２−３シフト信号８２３が電源回
路５からの電圧によりＨレベルになり、スイッチ１，２
がオンの時、これらスイッチを経て電源回路５がアース
されるため１−２シフト信号Ｓ１がＬレベルになると共
に２−３シフト信号８２３がＬレベルになるものとする
。

従って、１−２シフト信号Ｓ１及び２−３シフト信号８
２３は夫々各変速位置で次表に示すレベルとなる。

？記両シフト信号Ｓ１，Ｓ２３は夫々ギヤ位置判定回路
６に入力され、この回路は両シフト信号レベルの上記第
２表に示す組合せから現在の変速位置を判別する。

この目的のため、ギヤ位置判定回路６はＮＯＲゲート７
，８，９及びＮＯＴゲート１０．１１で構成する。

両シフト信号Ｓ１２，Ｓ２３がいずれもＬレベルとなる
第１速時は、ＮＯＲゲート７がこれらシフト信号を受け
てＨレベルの１速信号Ｓ１ を出力し、シフト信号Ｓ１
２のみがＨレベルとなる第２速時は、ＮＯＲゲート８が
Ｈレベルの２速信号Ｓ２を出力し、又シフト信号８２３
もＨレベルとなる第３速時は、ＮＯＲゲート９がＨレベ
ルの３速信号Ｓ３を出力する。

つまり、ギヤ位置判定回路６は、第１速の時対応するゲ
ート７のみから、第２速の時対応するゲート８のみから
、又第３速の時対応するゲート９のみから選択的にＨレ
ベルの１速信号Ｓ１、２速信号Ｓ２及び３速信号Ｓ３を
出力し、これらを夫々対応するＡＮＤゲ−Ｉ−１２．１
３．１４の一方の入力端子に供給する。

１５は車速センサで、車速に応じ上昇する車速信号（電
圧）■を出力し、この車速信号■を車速比較回路１６に
供給する。

車速比較回路１６は、第３図につき前述した第１速用ロ
ツクアップ車速■１、第２速用ロツクアップ車速ｖ２及
び第３速用ロツクアップ車速ｖ３を記憶されており、供
給されてくる上記車速信号■をこれらロックアップ車速
と比較する。

そして、車速比較回路１６はＶ≧Ｖ１の時ゲートａより
、Ｖ≧ｖ２の時ゲートｂからも、又■≧ｖ３の時ゲート
ｃからもＨレベル信号を出力し、これら信号をＡＮＤゲ
ート１２〜１４の残りの入力端子に供給する。

かくて、ＡＮＤゲート１２〜１４は夫々Ｈレベル信号の
ＡＮＤをとり、ＡＮＤゲート１２は第３図の第１速用ロ
ツクアップ領域ＡでＨレベルの信号ＳＡを出力し、ＡＮ
Ｄゲート１３は第３図の第２速用ロツクアップ領域Ｂで
Ｈレベルの信号ｓＢを出力し、ＡＮＤ？ート１４は第３
図の第３速用ロツクアップ領域ＣでＨレベルの信号Ｓｃ
を出力する。

これら信号ＳＡ，ＳＢ又はＳｃを受けてＮＯＲ．ゲート
１７は、第３図に示すいずれかの領域Ａ，Ｂ又はＣにお
いてＬレベルのロックアップ許可信号ＳＬを出力するこ
とができる。

上記各構成要素によりロックアップ判定回路が構成され
、この回路は上述した処から明らかなように、車速（車
速信号Ｖ）が各変速位置（第１速、第２速又は第３速）
で夫々のロックアップ車速■１，ｖ２又は■３を越える
時ロックアップ許可信号ＳＬを発して、ロックアップす
べきか否かの判定を行なうことができる。

なお、前記１−２シフト信号８１２及び２−３シフト信
号８２３は夫々変速検知回路１８にも入力され、この回
路は１−２シフト信号８１２の立上がりと立下がりを検
知するエツジトリガ回路１９と、２−３シフト信号８２
３の立上がりと立下がりを検出するエツジトリガ回路２
０と、ＮＡＮＤゲート２１とで構成する。

エツジトリガ回路１９はＮＯＴゲート２２と、遅延回路
を構成する抵抗Ｒ１及びコンデンサＣ１ と、立上が
り検出用ＮＡＮＤゲート２３と、立下がり検出用ＯＲゲ
ート２４からなる。

又、エツジトリガ回路２０も同様にＮＯＴゲート２５と
、抵抗Ｒ２及びコイデンサＣ２で構成された遅延回路と
ＮＡＮＤゲート２６と、ＯＲゲート２７とからなる。

エツジトリガ回路１９．２０は夫々、対応するシフト信
号Ｓ１，Ｓ２３がＬレベルからＨレベル又はＨレベルへ
切換わる時、即ち前述した処から明らかなように兎に角
変速が行なわれる時、ＮＡＮＤゲート２１の対応する入
力端子に負極性のパルス信号（パルス幅は上記遅延回路
できまる）を供給する。

この時ＮＡＮＤゲート２１は当該パルス信号を反転して
得られる正極性のトリガパルスＰ１を出力し、これを変
速信号Ｓｔとしてタイマ２８に供給する。

タイマ２８は変速信号Ｓｔのパルス幅を要求通りに設定
してパルス信号Ｐ２を出力するものとし、そのパルス幅
を自動変速機の変速に必要な時間に対応させる。

な３、２９はトランジスタで、その導通時ロックアツプ
ソレノイド３０を電源回路５に通じさせる。

ロックアツプソレノイド３０はその附勢時、自動変速機
のロックアップトルクコンバータをロックアップ状態と
なし、減勢時ロックアップトルクコンバータをコンバー
タ状態にし得る通常のものとする。

ＮＡＮＤゲート３１は前記ロックアップ許可信号ＳＬ及
びパルス信号Ｐ２を入力されるが、自動変速機が変速を
行なわない定常運転で前述した処から明らかなようにパ
ルス信号Ｐ２が発生しておらず、又前記ロックアップ領
域Ａ，Ｂ又はＣ内にあって前述の如くＬレベルのロック
アッフ許可信号ＳＬが存在している場合、ＮＡＮＤゲー
ト３１はＨレベルのロックアップ信号ＳをＡＮＤゲート
３２の一方の入力端子に供給する。

そして、このロックアップ信号は、ＡＮＤゲート３２の
他方の入力端子に後述の如くＨレベル信号が入力されて
いる間、ＡＮＤゲート３２にＨレベル信号をトランジス
タ２９のベースに供給することにより、該トランジスタ
を導通してロックアツプソレノイド３０を附勢し、自動
変速機を要求通りロツクア゛ンプ状態にすることができ
る。

しかし、ロックアップ領域Ａ，Ｂ，Ｃから外れた運転状
態で前述の如＜Ｌレベルのロックアップ許可信号ＳＬが
存在してない場合、ＮＡＮＤゲート３１はこれを受けて
Ｌレベル信号を出力することによりＡＮＤゲ゛一ト３２
にＨレベル信号を出力させ得ず、トランジスタ２９を非
導通にしてロックアツプソレノイド３０を滅勢し、自動
変速機を要求通りコンバータ状態にすることができる。

ところで、自動変速機が変速を行なう際は、前述した処
から明らかなようにパルス信号Ｐ２が発生しており、Ｎ
ＡＮＤゲート３１はこのパルス信号を受けてＬレベル信
号を出力し、ＡＮＤゲート３２からＨレベル信号を出力
させ得ず、ロックアップ許可信号ＳＬが存在していても
、つまりロックアップ領域Ａ，Ｂ又はＣ内での運転中と
靴も、トランジスタ２９の非導通によりロックアツプソ
レノイド３０を滅勢してハルス信号Ｐ２のパルス幅（自
動変速機の変速動作時間）だけロックアップを中断し、
ロックアップ状態のまま変速することにより変速ショッ
クが生ずるのを防止できる。

本発明においては、上述の如く通常のロックアップ制御
を行なう回路に附加してエンジン冷却水温検知回路３３
を設ける。

この回路は、エンジン冷却水温を検出する素子として例
えばサーミスタ３４を具え、該サーミスタはエンジン冷
却水温の上昇に応じ例えば第２図の如くに抵抗値が減少
する負性抵抗素子とし、これを抵抗３５を介して電源回
路５に接続する。

そして、サーミスタ３４及び抵抗３５間を比較器３６の
十側入力端子に接続し、サーミスク３４及び抵抗３５を
分圧抵抗として機能させる。

これがため、比較器３６の十側入力端子にはエンジン冷
却水温に応じた電圧（エンジン冷却水温信号）ＴＥが供
給される。

比較器３６の一側入力端子は、電源回路５に接続した互
に直列な分圧抵抗３７，３８間に通じさせ、抵抗３７の
抵抗値を抵抗３５に同じにすると共に、抵抗３８の抵抗
値を例えば第２図に示すようにエンジン冷却水温が４０
℃の時のサーミスタ抵抗値Ｒ１ に同じにする。

かくて、比較器３６の一側入力端子には、４０°Ｃのエ
ンジン冷却水温に対応した基準電圧ＴＲが供給されてい
る。

なお、比較器３６の出力端子はＮＯＴゲート３９を介し
てＡＮＤゲート３２に接続する。

かかる構成においては、エンジン冷却水温が設定値（こ
の場合４０゜Ｃ）以上の高温時、比較器３６がＬレベル
信号（温度信号）を出力し、この信号がＮＯＴゲート３
９によりＨレベルに反転されてＡＮＤゲート３２に供給
されることから、前記通常のロックアップ制御が実行さ
れる。

しかし、エンジン冷却水温が上記設定値以下の低温時、
比較器３６がＨレベル信号を出力し、この信号がＮＯＴ
ゲート３９によりＬレベルに反転されてＡＮＤゲート３
２に供給されることから、該ＡＮＤゲ゛一トがいかにし
てもＨレベル信号を出力して口ツクアツプソレノイド３
０を附勢し得す、自動変速機はこの場合常時コンバータ
状態にされる。

かくして本発明ロックアップ制御装置は、上述の如くエ
ンジン冷却水温がエンジンの滑らかな運転を望めない低
温の間、決してロックアップ状態が得られないよう構成
したから、この場合もロックアップ領域に至るとロック
アップが行なわれて加速不十分となったり、振動が激し
くなっていた従来型ロックアップ制御装置の問題解決を
実現することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の構成になるロックアップ制御装置の電
子回路図、第２図は本発明装置に用いるサーミスクの特
性図、第３図は田ンクアツプ領域を例示する自動変速機
のシフトパターン図である。 １・・・・・・１−２シフトスイッチ、２・・・・・・
２−３シフトスイッチ、５・・・・・・電源回路、６・
・・・・・変速位置判定回路、１２〜１４・・・・・・
ＡＮＤゲート、１５・・・・・・車速センサ、１６・・
・・・・車速比較回路、１７・・・・・・ＮＯＲゲート
、１８・・・・・・変速検知回路、２８・・・・・・タ
イマ、２９・・・・・・トランジスタ、３０・・・・・
・ロックアツプソレノイド、３１・・・・・・ＮＡＮＤ
ゲート、３２・・・・・・ＡＮＤゲート、３３・・・・
・・エンジン冷却水温検知回路、３４・・・・・・サー
ミスタ、３５，３７，３８・・・・・・分圧抵抗、３６
・・・・・・比較器、３９・・・・・・ＮＯＴゲート。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 車速が各変速位置で夫々のロックアップ車速を越え
   る時に生じたロックアップ信号により作動制御される直
   結クラッチ付トルクコンバータを動力伝達系に具えたロ
   ックアップ式自動変速機において、エンジン冷却水温検
   知回路を設け、該回路からエンジン冷却水温が設定値以
   上であることを示す温度信号が出力される時のみ、該温
   度信号と前記ロックアップ信号とで前記直結クラッチ付
   トルクコンバークをコンバータ状態からロックアップ状
   態になし得るよう構成したことを特徴とする自動変速機
   のロックアップ制御装置。