JPS597529Y2 - 消音器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、エンジン等に装備される消音器に関し、特
に消音器内に複数の消音室を形或したものに関する。

従来から消音器の内部を複数の消音室に区画し、エンジ
ン等の排気管から排出される高温高圧の排気ガスを各消
音室に順次案内し、ここで膨張させることにより消音す
るようにしたものがある。

ところが、このものでは、膨張室での急激な膨張により
生ずる膨張音が消音器の外壁を伝わって外部に漏れ出す
うえ、消音器自体が振動変形による発音を起し易い筒形
に形或されていることから、消音器全体としての消音効
果が十分でない。

また、個々の消音室での膨張率を高めようと、抵抗を大
きくすると、その背圧でエンジン出力の低下をきたすか
ら、個々の消音室での膨張率をあまり大きくすることが
できず、数次に互って膨張を行なわなければならない。

これにより消音器内に膨張室を多く形威しなければなら
ず、消音器が大型化してしまうという問題があった。

本考案は、このような点に鑑み提案されたもので、小型
で消音効果の高い消音器を提供するものである。

以下、本考案の実施例を図面に基づき説明する。

第１図は消音器の縦断正面図であり、図において消音器
１は、有底筒状に形或した一対の外筒２，２の開口部同
士を対向させて、その周縁部３をカーリングにより接合
して形威し、その内部空間を二枚の遮閉板４，５で三つ
の消音室６，７．８に区画してある。

最上位の第１消音室６と中間位の第２消音室７とを区画
する遮閉板４は上に凸の球面状に形或してあり、突曲面
９が第１消音室６に、凹曲面１０が第２消音室７に臨む
状態で、外筒２，２同士のカーリング接合部間に扶持固
定されている。

一方、第２消音室７と最下位の第３消音室８とを区画す
る遮閉板５も下に凸の球面状に形威してあり、凹曲面１
１が第２消音室７に、突曲面１２が第３消音室８に臨む
状態で外筒２の内周面１３にスポツＩ・溶接してある。

第ｌ消音室６は遮閉板４の突曲面９部分を除いて二重筒
に構或されており、多孔板製内筒１４と外筒２の内周面
１３との間にグラスウール１５が充填されている。

消音器１の排気入口管１６は第１消音室６内の上部空間
に横断状に突入しており、その下面に形威した排気流出
口１７は遮閉板４の突曲面９に対向している。

第２消音室７は二枚の遮閉板４，５で球状に形威されて
おり、その下部空間が第１消音室６の上部空間と連通管
１８で連通連結している。

この連通管１８はその排気取入口を排気入口管１６の排
気放出口１７よりも上部に位置しており、その排気出口
１８ ａを下側遮閉板５の凹曲面１１に対面させている
。

第２消音室７の上部空間と第３消音室８の下部空間が連
通管１９で連通連結しており、この連通管１９の排気人
口１９ ａは第２消音室７の上側遮閉板４の凹曲面１０
に対面している。

第３消音室８から排気出口管２０が導出してある。

この排気出口管２０は外筒２０ ａと多孔板製内筒２０
ｂとからなり、外筒２０ ａと内筒２０ ｂとの間に
グラスウール等の断熱性吸音材２０ Ｃを充填した二重
管構造になっている。

次に、この消音器１での消音作用を説明する。

排気入口管１６から第１消音室６内に流入した高温高圧
の排気は消音室６の内周壁に配置されたグラスウール１
５で吸音されるが、このとき、第１消音室６と第２消音
室７とを区画する遮閉板４が第１消音室６側へ球面状に
突出していることから、排気は遮閉板４の突曲面９で周
側壁側へ拡散状に反射されて、グラスウール１５へ案内
される。

次に排気は連結管１８を通って第２消音室７に流入する
が、第２消音室７は二枚の遮閉板４，５で球状に形威し
てあるから、第２消音室７に流入した排気による騒音は
反射干渉により消音され、連結管１９から第３消音室８
に流入し、第３消音室８内で膨張して圧力を降下させた
のち、排気出口管２０内面に配設したグラスウール２０
Ｃと接触して、さらに吸音されて外部に放出される。

なお、本実施例では消音器１の内部を三つの消音室６，
７．８に区画したが、第３消音室８を省略して、排気出
口管２０を第２消音室７から導出するようにしてもよい
。

また、本実施例では、消音器１の内部を区画する遮閉板
４，５を突曲させて、拡散反射面９及び球殻状消音室８
を形戊しているが、これらを形戒する部材を遮閉板と別
体とすることも考えられる。

以上述べたように本考案は、消音器の内部に２以上の消
音室を形威したものにおいて、第１消音室の排気ガスが
衝突する面を拡散反射面に形戊するとともに、他の内周
面に吸音材を配設し、第１消音室と連らなる第２消音室
をほぼ球状に形或してあるから、消音器内の騒音は第１
消音室においては、拡散反射板により反射拡散されて、
低密度になって吸音材に広い面積で確実に吸音され、第
２消音室においては、反射波同士の干渉で大幅に減衰さ
れ、さらに第２消音室で消音され残った騒音は、出口管
から外部に放出される際に、出口管の内周面に位置する
吸音材で確実に吸音される。

このように、二度に亙る吸音材による効果的な吸音と強
力な干渉による消音とにより、小型で消音効果の高い消
音器を得ることができる。

また、第１消音室の内周面には吸音材が配設してあるか
ら、第１消音室における膨張に起因する振動で消音器の
外壁が励振され難く、第２消音室も球状に形或してある
から、その剛性が高いので、消音器の外壁が排気ガスの
膨張で励振されず、消音器自体の振動による騒音発生を
確実に抑えることができる。

さらに、消音室内における排気放出口よりも拡散放射面
と対向する壁面側に排気導出管の排気取入口を位置させ
ているので、消音室内での排気が大きな旋回流となって
円滑に流れる。

これにより、消音室内での圧力が上昇せず、背圧がかか
ることがない。

また、第２消音室において、第１消音室との連通管の出
口の開口方向と第２消音室からの排気導出管の入口の開
口方向とを第２消音室内で互いに異ならせているので、
第２消音室内で騒音がストレートに抜けることがない。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示し、第１図は消音器の縦断正
面図、第２図は第１図ＩＩ − ＩＩ線断面図である。 １・・・・・・消音器本体、６，７・・・・・・消音室
（６・・・・・・第１消音室、７・・・・・・第２消音
室）、９・・・・・・拡散反射面、１３・・・・・・６
の内周面、１５・・・・・・吸音材、１６・・・・・・
排気入口管、１８・・・・・・連通路、２０・・・・・
・出口管、２０ Ｃ・・・・・・２０の吸音材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 消音器本体１の内部に複数の消音室６，７を形戊し、各
   消音室同士を連通路１８で連通させてなる消音器におい
   て、第１消音室６に排気入口管１６を突入させ、この排
   気入口管１６の排気放出口１７と対向する第１消音室６
   の壁面を拡散放射面９に形或するとともに、他の内周面
   １３に吸音材１５を配設し、第２消音室７をほぼ球状に
   形威し、第１消音室６と第２消音室７とを連通ずる連通
   管１８の排気取入口を排気入口管１６の排気放出口１７
   よりも拡散放射面９と対面する壁面側に位置させ、第２
   消音室からの排気導出管の入口の開口方向と前記連通管
   １８の出口１８ ａの開口方向とを第２消音室７内で互
   いに対向しないように異ならせて位置させたことを特徴
   とする消音器。