JPS597341Y2 - 高速リフト用頂部連台 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、超高層建築工事等の現場で使用される高速リ
フトを任意の条件下で容易かつ効率よく設置できるよう
にした頂部連台に係るものである。

近年、超高層建築工事を行うに際しては、従来のユニバ
ーサルリフト、ロングリフト等に代って積載能力および
昇降速度が一段と改良された高速リフトが使用され、ま
た、性能の向上にともなって、モーターホイストによる
巻取式のウインチから、カウンターウエートを使用した
トラクションウインチに変っている。

これは、超高層建築では揚程が大きくなって巻取ワイヤ
ーが長くなること、および揚重能率を向上させるべく積
載荷重の増加、さらには昇降速度の高速化を行うに際し
て、モーター出力および゛ウインチが膨大なものになる
のを防止するためである。

一方、高速リフトの設置場所としては、工事中のエレベ
ーターシャフト、またはスラブに設けた仮設開口の昇降
路内、あるいは外壁面等があるが、現場の形状、工程、
工法等、種々の条件によってその設置箇所が選択される
。

他方、従来の高速リフトは、第１図に示すように、一本
のマス｝Ａを使用した一本構型、第２図に示すように、
二本のマス｝Ａの間に荷台Ｂを挾み込むと共に、カウン
ターウエートＣを一方のマス｝Ａの内部に通した二本構
型、さらに第３図に示すように、荷台Ｂをガイドレール
Ｄに沿って昇降させるガイドレール型などがあるが、こ
れらのものにおいては、荷台Ｂが平面配置に限定されて
いるので、設置場所や使用法も限定されたものであった
。

すなわち、第１図のものでは、（１）荷の積卸しが一方
向に限定される。

（２）外部設置の場合は、各階に仮設のハネ出しステー
ジを設ける必要がある。

（３）内部設置の場合は、横方向（左右方向）には鉄筋
スパン一杯に荷台Ｂの幅をとることができるので有利で
あるが、縦方向（前後方向）はマス｝Ａの設置スペース
を確保する必要から限定される。

（４）カウンターウエートの設置スペースがないので、
必然的にワイヤー巻取式のウインチを使用しなければな
らなかった。

また、第２図のものでは、カウンターウェートＣをマス
｝Ａ内に通しているので外部設置には有利であるが、内
部設置の場合はマス｝Ａによって荷台Ｂの横幅が制限さ
れる。

さらに、第３図のものでは、外部設置が困難であると共
に、荷の積卸しが一方向に限定され、また内部設置の場
合は、荷台Ｂの横幅は比較的大きくとれるが、カウンタ
ーウエートＣの設置によって荷台Ｂの縦幅が制限される
等、あらゆる条件の現場に適応して設置できる高速リフ
トではながった。

本考案は、上記のような従来の実情にがんがみ、その欠
点を一掃すべく創案されたものであって、その目的とす
るところは、従来のように荷台とカウンターウエートの
平面配置を固定することなく、昇降路上部に設けられる
支持架台を荷台部とカウンターウエート部に分割し、こ
れを工事中の建築物への設置状況に応じてその長手方向
、幅方向に相互に連結可能な連台に構或するとともに、
架台支持用のアウトリガーを伸縮自在とし、長手方向に
連結される上記ウェイト部分にも挿通させることにより
、上記架台の設置方式を自由に変えることにより、高速
リフトとしての性能を確保しながら、あらゆる条件の現
場に高速リフトを容易かつ効率よく設置できる高速リフ
ト用頂部連合を提供しようとするにある。

本考案の構戊を図面に示された一実施例について説明す
れば、第４図〜第１０図において、１は高速リフトの頂
部連合であって、該連台１は荷台２の吊下用シーブ３お
よひ゛トラクションウインチ４とを備えた荷台部５と、
カウンターウェート６の吊下川シーブ７を備えたウェー
ト部９とによって構威されている。

９は上記荷台部５の一端がら伸縮自在に突出させたアウ
トリガーであって、該アウトリガー９をウエート部８の
一側面から対向他側面に貫通する挿通孔１０（第１０図
）に摺動固定自在に差し込むことにより、荷台部５とウ
エート部８とが連設され、長平方向の構或をとっている
。

１１はウエート部８の一端両側部に突設した取付フラン
ジであって、該取付フランジ１１は、前記荷台部５の一
側端部に設けた取付部（図示省略）と結合可能に構或さ
れている。

１２は前記トラクションウインチ４からウエート部８に
至る巻上げワイヤ１３をカウンターウエート６の吊下用
シーフ゛７に案内誘導させると共に、これを荷台部５の
一側に向って偏向させる水平シーブであって、荷台部５
の一端近傍部に設けられている。

なお、１４は荷台２を昇降案内するガイドレール、１５
は頂部連合を支持する梁体、１６は工事進行に伴う現場
変更に対応する余巻ドラムである。

次に叙上の如く構威した本考案の使用法について説明す
る。

荷台部５とウエート部８との間隔は、アウトリガー９の
伸縮長さにともなって接離するようになっているので、
例えば゛第１１図に示すように、高速リフトを外壁設置
の状態で外側がら荷を積込み、内側に取込むために荷台
２の両側を開けておく必要がある場合、または第１２図
に示すように、奥行きは狭いが横幅にカウンターウエー
ト６が入る余裕がある場合、あるいは荷の積卸しが一方
向だけに限定できない場合、さらに第１３図に示すよう
に、横幅および奥行きに余裕がなくカウンターウエート
６を別のスペースに設ける場合等には、支持梁１５を増
設するなど現場の設置条件に合せてアウトリガー９の長
さを伸縮させ、あるいはウエート部８をアウトリガー９
に沿って摺動させたり、フランジ１１を介して連結した
りして、荷台部５とウエート部８との間隔を調整すれば
、荷台２およびカウンターウエート６を所定の位置に設
置することができる。

また、第１４図に示すように、奥行き方向（荷台の幅方
向）のスパンにはカウンターウエート６を設置する余裕
があるが、積幅方向（荷台の長手方向）には余裕がなく
、荷の積卸しが手前側だけに限定される場合には、第７
図および第８図に示すように、ウエート部８をアウトリ
ガー９から抜き取り、取付フランジ１１をボルト（図示
省略）で荷台部５の一側端部に締付固定して荷台部５に
ウエート部８を結合させ、トラクションウインチ４から
水平シーブ１２を介してウエート部８に巻上げワイヤ１
３を配設すればよい。

これを要するに本考案は、トラクションウインチおよび
荷台の吊下用シーブを備えた荷台部と、カウンターウエ
ートの吊下用シーブを備えたウエート部とを結合可能に
組合わせて高速リフトの頂部連合を構威し、該荷台部に
はその長手方向端部において該荷台部を支持する支持梁
上に支持するアウトリガーを設け、該アウトリガーの少
くとも一方は突出方向に伸縮自在にするとともに前記ウ
エート部の一端面から他端面に摺動固定自在としたから
、アウトリガーの伸縮長さにともなって荷台部とウエー
ト部との間隔を接離させることができると共に、必要に
応じてアウトリガーからウエート部を抜き取り、これを
荷台部の側部に固定で゛きるので゛、荷台に対してカウ
ンターウエートを自由な位置に配置させることができ、
したがって、高速リフトの性能を確保しながら、あらゆ
る条件の現場にも高速リフトを容易かつ効率よく設置す
ることができる極めて有用な実用的効果を奏するもので
ある。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る高速リフト用頂部連合の実施例を示
すものであって、第１図〜第３図は従来の高速リフトの
平面配置図、第４図は本考案の一実施例を示す平面図、
第５図は第４図の正面図、第６図は同上ローピング図、
第７図は第４図の組み変え状態を示す平面図、第８図は
第７図の正面図、第９図はウエート部の平面図、第１０
図は第９図の正面図、第１１図〜第１４図は本考案の頂
部連合による高速リフトの設置例を示す概略平面図であ
る。 図中、１は頂部連合、２は荷台、３はその吊下用シーブ
、４はトラクションウインチ、５は荷台部、６はカウン
ターウエート、７はその吊下用シーブ、８はウエート部
、９はアウトリガー、１０は挿通孔、１１は取付フラン
ジ、１２は水平シーブ、１４はガイドレール、１５は支
持梁である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ガイドレールにそって昇降する荷台のための支持架台を
   、トラクションウインチおよひ゛荷台の吊下用シーブを
   備えた荷台部と、カウンターウェイトの吊下用シーブを
   備えたウエート部とに分割し、これら両部を相互に連結
   可能に組合わせて高速リフト用頂部連合として構或し、
   該荷台部にはその長手方向端部において該連台を支持梁
   上に支持するアウトリガーを設け、該アウトリガーはそ
   の突出方向に伸縮自在にするとともに、上記ウエート部
   の荷台部への連結は、荷台の長手方向の連結にあっては
   ウェイト部に設けた挿通孔に上記アウトリガーを摺動固
   定自在に挿通して行われ、荷台の幅方向の連結にあって
   はウェイト部に設けたフランジを介して行われることを
   特徴とする高速リフト用頂部連台。