JPS596780B2 - 可変区画を備えた組仕切とそれを用いた包装方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、収納せんとする物品の差渡し径の大小に順応
して収納区画を可変となし得る組仕切と、そのような組
仕切を使用した包装方法に係るもの’ である。

一つの包装単位中に多数の物品を整列収納する場合には
、それら収納物品の位置ずれ又は相互の接触による損壊
を防止するために必ず組仕切が活用されている。

そして在来より慣用されている組仕切は、適当な切込溝
を設けた仕切板を互に天地を逆に組合わせて組仕切を形
成するもので、組仕切によりもたらされる物品収納区画
は、構成仕切板の定位置確保により常に一定の形状又は
スペースを有するようにされている。このような既往の
組仕切では収納物品の大きさの変化に対して許容性が皆
無であるため、収納物品の僅かな大小差にも幾通りもの
組仕切を用意しなければならず、また、組仕切と収納物
品との整合密着の度合いを高めんとすれば包装時の物品
の挿入又は組仕切の押込みが困難となり、逆にこれらに
融通性をもたせると組仕切区画内にて物品がルーズにな
つて物品の包装内における安定性を欠くというように種
々の問題点が未解決のまゝに過されてきたのである。本
発明は斯かる現況に鑑がみなされたもので、複数の仕切
板を組合わせて形成される区画を、収納する物品の大き
さに順応して可変となした組仕切を提案せんとするもの
であつて、組合わせの基準となる結着切込と組合わせ時
の相互移動を許容する伸縮切込とを備えた仕切板を組合
わせることにより、縦横方向に拡大又は縮少が可能な区
画を形成した組仕切の提供を目的としている。そして斯
かる可変区画となした組仕切を専用することにより、内
容物品の固有寸法に順応しつつ内容物品を組仕切に充分
密接せしめて保護し、あたかも多数の内容物品が一体化
したがごとき安定した包装方法を提供することが今一つ
の目的である。次に本発明の実施の一例を図面に基いて
詳述する。組仕切として適用せんとする対象物品、たと
えば缶、瓶等の高さに相応した幅を有する適宜材質の板
材に結着切込３及び伸縮切込４を配設して仕切板１１を
形成する。

結着切込３は、これらの仕切板１１，１２，１３又は１
４を互に天地を逆に組合わせたときに結着切込どうしが
噛合して結着し得るような切込となすのであつて、たと
えば第１図又は第３図に示すようにトムソン加工により
細幅の溝を打抜き、その先端より仕切板１１の幅の丁度
半分に至る間を切目となすことにより、上記のごとくそ
れぞれ天地を逆にして組合わすときに細幅溝がガイドと
なつて嵌合し易く、さらに切目部分が互に咬合して充分
に係止し合い結着の目的を達し得る。伸縮切込４は、第
１図乃至第４図に示すように深さは上記の結着切込３の
最深部までと同じく仕切板１１の長手幅の半分となし、
開口部分は、この仕切板を組合わせて得られる組仕切１
０に収納を予定される缶又は瓶等の胴部差渡し径が最大
のものに相当する最大寸法（Ｌ）と同じく最小のものに
相当する最小寸法（ｌ）との差（Ｌ−ｌ）に等しいもの
であつて、結着切込３の次位の切込はこのようにして得
られた伸縮切込４となし、さらにその伸縮切込４の次位
には、上記最大寸法（Ｌ）の２倍と同じく最小寸法（ｌ
）の２倍との差２（Ｌ−ｌ）に等しい幅の倍数伸縮切込
５を配するのであつて、ｎ番目の切込は結着切込３より
ｎｌ及びＮＬの距離の各点の間を開口部として、ｎ（Ｌ
−ｌ）の幅と結着切込と同じ深さの短形状の切込として
得られる。

斯かる形状の仕切板は基本的な一例として第３図及び第
４図に示すように、仕切板１１の結着切込と仕切板１２
の結着切込とを噛合させ、また、仕切板１３の結着切込
と仕切板１４の結着切込とを噛合させてそれぞれ結着交
点６，６となし、さらにこれらの伸縮切込が相互に嵌合
して伸縮交点７，７を形成するように組合わせて組仕切
１０を構成する。このようにして得られる組仕切１０に
おいては、最も単純な形態のものであつて９個の区画を
形成する場合についてみると、組仕切を構成する４枚の
仕切板の４個の交点が相対向する交点ごとに結着交点６
，６と伸縮交点７，７となり、結着交点６で直交してい
る仕切板１１及び１２を基準にすれば、他の結着交点６
で直交している仕切板１３及び１４は、仕切板１３が仕
切板１２に対して、又仕切板１４が仕切板１１に対して
それぞれ伸縮交点７，７において互の開口幅（Ｌ−ｌ）
の範囲内にて移動可能となり、４枚の仕切板１１，１２
，１３及び１４にて形成される９個の区画２，２は、組
仕切１０による四辺若しくは少なくともその直交二辺と
包装手段とにより占有領域を限定され、これらの各区画
は最大の場合で一辺の長さをＬとする（ＬＸＬ）、最小
の場合で一辺の長さをｌとする（ＩＸＩ）の底面積とな
り、伸縮切込の開口部によりもたらせれる自由度に随つ
て各区画は（ＬＸＬ）と（ＩＸＩ）との範囲内で任意の
領域を占めることができるのである。そして、この基本
形に基いて第２図に示すような多数枚の仕切板により形
成される組仕切となして多数の可変区画を含ませること
も容易にでき、斯かる自由度に富む可変区画の組仕切は
、その内部空間が一定容積に限定される箱容器に組込ん
で用いるよりも、包装完了後に得られる内部空間が多少
の変容特性を示すことができるような包装手段に組合わ
せて用いるのが、可変区画とした本来の目的効果を充分
に発現させるためにも枢要な条件であり、このような場
合には組仕切の外まわり部に配列する二辺又は三辺で形
成される区画も四辺で形成される区画と同様に収納物品
保持力を発現するのは本発明の有利な点である。本発明
の組仕切における可変区画の変容特性は、収納せんとす
る物品の差渡し径に制約されることなく、構成仕切板相
互の間隔を任意として形成される区画内に物品を収納し
、しかる後これらの物品を収納した組仕切が、仕切板の
結着交点を基準としてこの部分に向つて外周各部から押
し付け力が伝達されるような外装形式を採用することに
より、組仕切を構成する各仕切板を平面的にそれぞれ直
交方向に移動させると共に、これらの移動する各仕切板
を介して内容物品にも押圧力を及ぼして移動させること
ができる。

このようにして仕切板、物品共に結着交点に収斂せしめ
ることにより組仕切の形成する区画を可変領域とし、且
つその区画内に収納される物品と各仕切板とが相互に密
接し合つてルーズな部分が全然なく、完全に一体化した
包装体を自動的に得ることができるのである。また、内
容物品の性状等に対応して、仕切板の間隔を収納せんと
する物品の差渡し径に合致する間隔に予め設定しておき
、それらの区画内にそれぞれ物品を挿入して以後は組仕
切と収納物品との相互押圧が解除しないような緊縛状態
の外装形式によれば、一種類の仕切板で多種類の収納体
に対応させることが可能であると共に多数の集合状態を
安定な一体包装物として得ることもできる。第５図に示
すのはその具体化した一例であつて、この例では内容物
品２１を適当なトレー２２上に載置し、その外部を全面
にわたつてシユリンクフイルム２３で外被包装したもの
であり、トレー２２の周縁へり部を主として可撓性を保
たさせることにより組仕切１０は内容物品２１の形状に
馴染んで可変区画を妥当なサイズを占め、同時にトレ一
２２の周縁へり部も内容物品２１に密接包持する態様で
シユリンクフイルム２３により緊縛包装され安定な一体
包装品となり得るのである。このような場合に処して、
本発明の可変区画の組仕切は、結着切込３におけるトム
ソン加工による細幅溝を始め各伸縮切込４及び倍数伸縮
切込５は、各仕切板を組仕切に構成するに際して噛合の
ガイドとなつてその組合わせが非常に容易である。また
、一旦組仕切に組上げた後は結着切込どうしの結着交点
は互に相手仕切板を拘束し合い、結着切込が伸縮切込を
噛んでいる形態の交点も結着交点に準する拘束状況を示
すのであり、このような状態においては組仕切の任意の
一点を支持するのみで持ち上げても、伸縮切込相互の接
合による伸縮交点は幅に比べて深さがあるために互に絡
み合つて離脱することなく、組仕切全体は連鎖状に一体
のまま持ち運びができる。さらに、本発明の可変区画を
形成する仕切板にあつては、伸縮切込の開口部において
適宜の一辺より他辺に向つた嘴部を突出させ、同時にこ
の嘴部を係止める受入切込を併せ設けることにより互に
ロツクし合う組仕切となし得るのである。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の具体的な実施の一例を示すもので、第１
図は結着切込、伸縮切込及び倍数伸縮切込を設けた仕切
板、第２図はこのような仕切板を組合わせて得られる本
発明組仕切の斜視図、第３図及び第４図は本発明の基本
的な説明図、第５図は本発明の包装方法による一例を示
す斜視図である。 ２・・・・・・区画、３・・・・・・結着切込、４・・
・・・・伸縮切込、５・・・・・・倍数伸縮切込、６・
・・・・・結着交点、７・・・・・・伸縮交点、１０・
・・・・・組仕切、１１，１２，１３，１４・・・・・
・仕切板、２１・・・・・・内容物品、２２・・・・・
・トレ一、２３・・・・・・シユリンクフイルム。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 適宜幅の板材に、その長さ方向の一辺に直角な切目
   を含み幅の半分の長さの結着切込を設け、この結着切込
   を基準にして同じ一辺上に適宜の長さｌを隔てた点と同
   じくｌよりやや長いＬを隔てた点との間を開口部とし上
   記板材幅の半分に相当する深さと（Ｌ−ｌ）の幅とを有
   する伸縮切込を設け、次いで上記結着切込よりｎｌを隔
   てた点と同じくｎｌより長いｎＬを隔てた点との間を開
   口部とし上記板材幅の半分に相当する深さとｎ（Ｌ−ｌ
   ）の幅とを有する倍数伸縮切込を設けた仕切板を、互に
   天地を逆にして結着切込どうしが噛み合つて結着交点を
   形成すると共に他の交点は伸縮交点を形成するような組
   合わせとなし、各仕切板の伸縮交点における相互の移動
   により得られる区画の大きさを可変となし得る構成とし
   たことを特徴とする可変区画を備えた組仕切。 ２ 結着交点を基準とし伸縮交点において各仕切板が相
   互に移動可能なようになすことにより、各仕切板で形成
   する区画の大きさを可変とした組仕切をトレー上面に載
   置し、斯かる組仕切が二面、三面又は四面をそれぞれ限
   定することにより得られる各区画内に内容物品を収納し
   、然る後外被膜で全体を覆つてこの膜を収縮せしめるこ
   とにより組仕切に押圧力を付加し可変区画を基準となる
   結着交点に向つて収斂せしめて内容物品と組仕切とを密
   着させ、複数の内容物品を安定な一体物として包装する
   ようにしたことを特徴とする可変区画を備えた組仕切を
   用いた包装方法。