JPH035545Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この考案は、筒状の芯材のまわりに環状に捲き
取つた合繊フイラメント（チーズとよばれる）等
を梱包するに適した梱包容器に関する。

［従来の技術］ 従来、環状に捲き取つた合繊フイラメント等の
収容物の梱包は、段ボール箱に積め込むことによ
り行なつていたが、この方法では個々の収容物の
保持が充分ではなく、輸送中に荷くずれしたり巻
き乱れが生じたりすることが多かつた。

［考案が解決しようとする問題点］ 本考案は、上記従来の梱包法における荷くずれ
しやすいという問題点を解決し、合繊フイラメン
ト巻取体（チーズ）のような収容物を簡単かつ確
実に梱包することのできる梱包容器を提供するこ
とを目的している。

［問題点を解決するための手段］ 上記問題点を解決するため本考案は次のような
構成とした。

すなわち、本考案にかかる梱包材料は、中間部
に上下方向の突起と上下方向のスリツトとがそれ
ぞれ形成され、前記スリツトを互いに係合させる
ことにより碁盤目状に組み合わされて容器内部を
仕切る同一高さの縦横の仕切板と、該仕切板によ
つて仕切られる各区画の中央部にチーズの芯材が
嵌合する丸穴が設けられるとともに仕切部には仕
切板の突起が上下両方向から嵌合する穴部をそな
えた中板と、上下方向のスリツトをそなえ、該ス
リツトを前記仕切板の端部に設けたスリツトに係
合させることにより仕切部の外周部に固定される
側板とをそなえてなる。

［作用］ 互いのスリツトを係合させることにより、縦横
の仕切板を十字状に組み合せ、その突起を中板の
穴部に嵌合させれば、中板の上面が碁盤目状の区
画に仕切られる。また、仕切板の端部に側板を係
合させることにより、外側の区画の外周部が閉塞
される。このようにして仕切られた各区画に収容
物であるチーズを１個づつ入れ、その芯材を中板
の丸穴に嵌合させるとともに、別の中板を仕切板
の上端部に嵌着する。この中板の上面にさらに別
の仕切板を嵌着することにより、任意の段数だけ
収容スペースを形成し、収容物を積み上げること
ができる。

［実施例］ 以下、図面にあらわされた実施例について説明
すれば、この梱包容器１はボール紙等の材料で作
られるもので、中板２、縦横２種類の仕切板３，
４、側板５、天板６および底板７をそなえてな
る。中板２は、正方形の板体に仕切板嵌着用の複
数の嵌合孔９，１０と各区画の中央部に位置する
丸穴１１とを穿孔してなる。図示例では、１辺の
長さ1080mmの中板１枚につきφ105の丸穴１１が
９個、長さ100mmの長い嵌合孔９が８個、長さ60
mmの短い嵌合孔１０が８個穿設されている。これ
ら嵌合孔９，１０の幅は16mmとなつている。一方
の仕切板３は、上端部の中間部に上に開口する比
較的幅の広いスリツト１３，１３をそなえ、両端
部には同様に上に開口する比較的幅の狭いスリツ
ト１４，１４が形成されている。これらスリツト
１３，１４の開口部には斜めに開く八字状の受入
部１３ａ，１４ａが形成されている。中間部の一
対のスリツト１３，１３の間には、仕切板の上縁
よりも突出する一対の突起１５，１５が形成さ
れ、その外側には凹部１６，１６が形成されてい
る。また、前記スリツト１４の内側には凹部１７
と比較的幅の広い突起１９が形成されている。仕
切板３の下端部には、前記突起１５の直下部に形
成された該突起と同寸法の凹部２２、前記凹部１
６の直下部に形成された該凹部と同寸法の突起２
３、前記凹部１７の直下部に形成された該凹部と
同寸法の突起２４、前記突起１９の直下部に形成
された該突起と同寸法の凹部２５がそれぞれ設け
られている。すなわち、仕切板３の荷重により中
板２が圧縮され中板２の厚みが減少しても突起１
９が変形しない様になつており、更に１枚の大寸
法の板状素材から仕切板３を打抜く場合に、１枚
の仕切板の突起とこれに隣接して打抜かれる他の
仕切板の凹部とが同時に形成されるようになつて
いる。

仕切板４は、中間部の比較的幅の広いスリツト
１３′が下に開口するように設けられ、両端部に
は上に開口する比較的幅の狭いスリツト１４が設
けられている。上記スリツト１３′以外の部分は
前記仕切板３と同形に形成され、同様に突起の変
形を防止すると共に１度の打抜きによつて凹部と
突部とを同時に形成することができるようになつ
ている。

側板５は、中間部に比較的幅の広い一対のスリ
ツト３０が設けられ、一方の端部には前記スリツ
ト３０と同方向に開口する細いスリツト３１が、
また他方の端部にはこれらと反対側に開口する細
いスリツト３２がそれぞれ設けられている。側板
５の中間部には折り曲げ用の罫Ｍ，Ｎが入れられ
ている。罫Ｍと罫Ｎとは互いに逆向きに折り曲げ
ることができるようになつている。

天板６は、中板２と同様に正方形の外形に形成
されているが、中板のような嵌合孔９，１０や丸
穴１１のない平板状となつている。底板７は中板
２を適当枚数重ね合せてある。なお、仕切板３，
４、側板５のボール紙の補強用芯材の方向は、そ
れぞれの端部の破面で示すように、図の上下方向
となつている。

この梱包容器１は、次のような手順で組み立て
られる。先ず、パレツト３５上に適当枚数の底板
７を載せ、その上に１枚の中板２を載置する。つ
ぎに、縦横の仕切板３，４を互いのスリツト１
３，１３′を係合させることにより、碁盤目状に
組合わせて中板２に固定するとともに、側板５を
これら仕切板３，４の端部のスリツトを利用して
係合させる。このとき、仕切板３，４はそれぞれ
２枚ずつかさねあわせて使用すれば充分な強度が
得られる。側板５は仕切板３，４の長さよりも若
干長くなつており、前記罫の位置で蛇行状に屈曲
させて固定される。

このようにして、１枚の中板２上に９つの区画
４０が形成され、各区画の中に収容物であるチー
ズ５０がポリエチレン等の薄い袋５２に入れた状
態でそれぞれ１個づつ収容される。チーズ５０の
芯部には円筒状の芯材５１の上下の端部が若干突
出しているが、この芯材５１の突出端部は丸穴１
１内に挿入される。

収容物を各区画に入れたら、つぎに別の中板２
をその上から嵌着し、さらにその上に前記と同様
な手順で、仕切板３，４と側板５を組み付けて新
たな収容区画を形成する。このようにして、所望
の段数だけ収容空間を積層形成することができ
る。最上段の中板２の上には適当枚数の天板６を
載置し、全体を紐材５５で固定する。尚紐材のか
かる角部には補強材５６を入れても良い。

なお、組立て状態では、第７図に示すように上
下のチーズ５０，５０の芯材５１，５１の間には
隙間ｔが形成されており、上下に重ねられたチー
ズに互いの荷重がかからないようになつている。
また、上下のチーズ５０，５０が互いに当接して
いないので、運送時に適当なクツシヨン効果が得
られる。

この梱包容器は、中板２、仕切板３，４、側板
５等を組み合わせて係合させることにより、内部
が整然と区画された収容空間を所望の段数だけ任
意に形成することができるので、実用上きわめて
便利である。使用する部品数が比較的少なく、そ
の組立ては簡単であり強度も強いので荷崩れしに
くい。内部が収容物ごとに仕切られており、チー
ズの重量をチーズの下面全体で受けるので衝撃に
強く長距離の輸送時にもチーズが崩れにくい。

［考案の効果］ 以上に説明した如く、本考案にかかる梱包容器
は、複数行、複数列のチーズを中板を介して任意
の段数だけ積み重ねることができるものであり、
組立てが簡単で荷崩れ及びチーズ崩れの生じにく
いすぐれたものとなつた。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第３図は２種類の仕切板および側板
の正面図、第４図は中板の平面図、第５図は天板
（または底板）の平面図、第６図はその使用法の
説明図、第７図はその部分的拡大図である。 １……梱包容器、２……中板、３，４……仕切
板、５……側板、９，１０……嵌合孔、１１……
丸穴、１５，１９，２３，２４……突起、１３，
１３′，１４，３０，３１，３２……スリツト、
５０……チーズ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 中間部に上下方向の突起と上下方向のスリツト
   とがそれぞれ形成され、前記スリツトを互いに係
   合させることにより碁盤目状に組み合わされて容
   器内部を仕切る同一高さの縦横の仕切板と、該仕
   切板によつて仕切られる各区画の中央部にチーズ
   の芯材が嵌合する丸穴が設けられるとともに仕切
   部には仕切板の突起が上下両方向から嵌合する穴
   部をそなえた中板と、上下方向のスリツトをそな
   え該スリツトを前記仕切板の端部に設けたスリツ
   トに係合させることにより仕切板の外周部に固定
   される側板とをそなえてなる梱包容器。