JPS595Y2 - 移植機のガイド輪取付構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は苗床から採取されたタバコ、キャベツ等の苗を
畝面に植付ける移植機に関する。

この種の移植機は、走行機能を備えた機体に機体の走行
に合わせて、移植対象の苗を畝面に逐次植付けることを
可能とする植付機構及び機体の走行に合わせて、逐次移
植対象の苗を前記植付機構に供給する苗供給機構を設け
たものである。

この種の移植機の走行は畝を跨ぎ得るように適幅離隔さ
せて機体の左右に設けた左右一対の走行駆動輪及び該走
行駆動輪の前方に位置し、同様に離隔させた前記走行駆
動輪に追随回転する左右一対のガイド輪、また機種によ
っては該ガイド輪夫々の前方で且つ各ガイド輪の内方に
位置させて、移植作業時に畝の傾斜した左右各側面に当
接可能に配置された左右一対の進行方向矯正用転動輪等
によって行われるが、畝の幅又は相隣る畝合間の寸法は
圃場によって異なるため、実際の移植作業においては、
左右の走行駆動輪等の軸距を圃場条件に合せて調節する
必要がある。

ところで従来の移植機は走行駆動輪とガイド輪との軸距
調節は個々に行わねばならないように構成されていた。

従って走行駆動輪の軸距とガイド輪の軸距の一致が困難
であり、移植作業前に各圃場の畝合間寸法によって走行
駆動輪及びガイド輪の軸距を個々に変更調節するのは作
業者にとって極めて煩わしいものであった。

本考案は斯かる事情に鑑みてなされたものであって、左
右の走行駆動輪の軸距を畝の幅又は相隣る畝合間の寸法
に合わせるのに連動して左右のガイド輪の軸距も同時に
調節し得るようにした移植機のガイド輪の取付構造の提
供を目的とし、以下に本考案をその実施例を示す図面に
基いて詳述する。

第１図は本考案に係るガイド輪支持脚を具備した移植機
の左側面図、第２図は左側走行駆動輪の取付構造を示す
部分断面背面図である。

図において１はエンジン２、サイドクラッチ１９ ａそ
の他の変速装置１９等を搭載した機枠である。

変速装置１９のケース１９ｂには円筒状のサイドクラッ
チ軸外筒内側部材８０ ａが機体の左方に向けて固着さ
れており、その中途は機枠１に固定されて支持されてい
る。

この外筒内側部材８０ ａには、左端縁を後述する走行
駆動輪主取付部材８３に固着した円筒状のサイドクラッ
チ軸外筒外側部材８０ ｂが該外筒内側部材８０ ａの
左側開口端側から機体の内外側方向への移動及び回動が
可能となるように嵌入されており、走行駆動輪主取付部
材８３との固着部には、台形の補強板８３ ａ 、８３
ｂを用いて主取付部材８３とサイドクラッチ軸外筒外
側部材８０ ｂとが堅固に固着されている。

更にまた第３図に示すようにサイドクラッチ軸外筒外側
部材８０ ｂの外側前面には、本考案に係る後述のガイ
ド輪取付脚４１が前方下方に延出するように溶着されて
いる。

そしてこれらの外筒内側部材８０ａ、外筒外側部材８０
ｂとで、サイドクラッチ軸外筒８０が構成されている
。

サイドクラッチ軸８１はサイドクラッチ１９ａに連結さ
れたサイドクラッチ軸内側部材８１ ａと該内側部材８
１ ａの左側部にスプライン嵌合されて、その左端部に
スプロケット８４が嵌着されたサイドクラッチ車外側部
材８１ ｂとからなり、このサイドクラッチ軸８１はサ
イドクラッチ軸外筒８０内にこれと同軸的に回転自在に
収納されている。

８３は矩形の平板からなる走行駆動輪主取付部材であっ
て、その上部が外筒外側部材８０ ｂに固着され、該外
筒外側部材８０ｂを挾持するようにして設けられた前記
補強板８３ ａ 、８３ ｂの一側面が固着されている
。

そして主取付部材８３にはサイドクラッチ軸外筒８０又
はサイドクラッチ軸８１と同軸の穴が開設されており、
この穴から前記スプロケット８４が突出している。

主取付部材８３の中央部には同軸配置された減速用の２
個のスプロケッｌ−８２ａ 、８２ｂが取付けられてい
る。

８８は車軸支持筒であって、主取付部材８３の下部に開
設された穴と同軸的に機体の内側に向けて水平に固着さ
れている。

車軸支持筒８８内には車軸８５が同軸的に回転自在に収
納され、該車軸８５の左端部に嵌着されたスプロケット
８７が主取付部８３の下部の穴から突出している。

スプロケット８４と８２３及びスプロケット８２ ｂと
８７には夫々チェイン８９ ａ 、８９ ｂが張設され
て伝動が行われるようになっている。

そして主取付部材８３にはこれらのスプロケット及びチ
ェインを覆うカバ９０が取付けられていて、このカバ９
０と主取付部材８３とで車軸ケースが構成されている。

また車軸８５の機体内側側には鉄車輪タイプの走行駆動
輪３が嵌着されている。

９１は丸パイプを適宜の丸みを持たせて直角に屈曲成形
してなる走行駆動輪補助取付部材であって、上部は機枠
１に固着された支持金具９２に水平となるようにして、
機体の内外側方向への移動及び回動が可能となるように
枢着されており、また下部は図示の如く車軸支持筒８８
の外周面に回動可能に枢着されている。

なお補助取付部材９１の下部は主取付部材８３の内側面
における車軸支持筒８８固着部近傍に枢着してもよい。

次に本考案の要部たるガイド輪取付脚４１は、前述した
ように、該ガイド輪取付脚４１が前方下方に延出するよ
うにその上端部がサイドクラッチ軸外筒外側部材８０
ｂに固着され、ガイド輪支持脚４１の下部は、湾曲され
て垂直部を形成し、この垂直部の下端には、キャスター
構造を有するガイド輪４を装着しており、ガイド輪４は
走行駆動輪３の前方に位置させている。

そしてガイド輪取付脚４１の垂直部の略中央で進行方向
矯正用転動輪５０１がガイド輪４の内方に位置させて移
植作業時に畝の傾斜した左右各側面への当接を可能にし
、機体の走行方向が常に畝に沿うように支持されている
。

そして上述した構造は図示しない右側走行駆動輪及び右
側ガイド輪についても同様である。

上述したように外筒外側部材８０ ｂと外筒内側部材８
０ ａとの嵌合、サイドクラッチ軸外側部材８１ ｂと
サイドクラッチ軸内側部材８１ ａとのスプライン嵌合
及び補助取付部材９１と支持金具９２との嵌合はいずれ
も主取付部材８３、走行駆動輪３、ガイド輪４等の機体
の内外側方向への移動を可能とするように構成されてい
るために走行駆動輪３及びガイド輪４の軸距の同時変更
調節が可能である。

なお走行中の軸距の変動又はサイドクラッチ軸内外側部
材のスプライン嵌合の離脱を防止するために左右の外筒
内側部材８０ ａは第４図Ａ、Ｂの拡大図面で示すよう
に機枠１の外側の適宜部位において締付が行えるように
なっている。

すなわち、外筒内側部材８０ ａの上部には、その外側
端縁から軸長方向に延びる適長のスリット９３が形成さ
れ、また該スリット９３の機体内側側端部に連らなり、
外筒内側部材８０ ａの周壁に沿い約１２０°の広がり
を有する周設スリット９４が形成されている。

更にスリット９３の前後における外筒内側部材８０ ａ
の周壁面上には一対のクランプ片９５ ａ 、９５ ｂ
が固着され、これらのクランプ片９５ ａ 、９５ ｂ
にはバカ穴９６ ａ 、９６ ｂが穿設されており、一
方のクランプ片９５ ａにはバカ穴９６ ａと同径のネ
ジ穴を螺設したナツト９７がバカ穴９６ ａと同軸的に
固着されており、図示しないボルトをクランプ片９５
ｂ 、９５ ａのバカ穴及びナツト９７に螺入すること
によってスリット９３の間隔を狭め、これにより外筒外
側部材８０ ｂを締付けその機体内外側方向への移動、
従ってまた主取付部材８３、走行駆動輪３等の該方向へ
の移動を防止するようになっている。

而して、本考案に係るガイド輪取付構造を適用した移植
機を使用する場合は、移植作業を行う圃場の畝合間寸法
に合わせて、左右の主取付部材８３及び補助取付部材９
１を機体の外側へ牽引し又は内側方へ押入して走行駆動
輪３の軸距を変更調節する。

これにより該変更調節に連動して左右のガイド輪４、更
にまた進行方向矯正用転動輪５０１も走行駆動輪３の軸
距と同幅の軸距に調節される。

この変更調節の後、上記クランプ片９５ ａ 、９５
ｂに螺入したボルトを締付けることにより、走行駆動輪
３及びガイド輪４の軸距を固定した後、移植を行わせる
。

これにより移植機はその圃場の畝合の地表面上に確実に
着地して安定走行を行い、移植は畝面の略中夫に行われ
る。

このように本考案によれば、走行駆動輪３及びガイド輪
４の軸距の変更調節は、従来の如く個々に行う必要がな
く、同時に連動して行われ、作業者の労力負担が軽減さ
れることは勿論、走行駆動輪３及びガイド輪４の軸距は
常に等しく、移植機の安定走行が確実になる実益がある
。

なお上述の実施例においてはガイド輪取付脚４１を外筒
外側部材８０ ｂに固着することとしたが、ガイド輪取
付脚４１は、走行駆動輪３の軸距調節に伴って車幅方向
に走行駆動輪３と一体的に移動する、主取付部材８３等
の適宜部材に固着してもよいことは勿論である。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すものであって、第１図は本
考案に係るガイド輪取付構造を備えた移植機の左側面図
、第２図は左側走行駆動輪の取付構造を示す部分断面背
面図、第３図は第２図のＩＩＩ−ＩＩＩ線における拡大
側断面図、第４図Ａは左側のサイドクラッチ軸外筒内側
部材の左側端部にお（する拡大背面断面図、第４図Ｂは
第４図ＡのＢ−Ｂ線における側断面図である。 １・・・・・・機枠、２・・・・・・エンジン、３・・
・・・・走行駆動輪、４・・・・・・ガイド輪、４１・
・・・・・ガイド輪取付脚、１９・・・・・・変速装置
、５０１・・・・・・進行方向矯正用転動輪、８０・・
・・・・サイドクラッチ軸外筒、８１・・・・・・サイ
ドクラッチ軸、８３・・・・・・走行駆動輪主取付部材
、８５・・・・・・車軸、８８・・・・・・車軸支持筒
、９１・・・・・・走行駆動輪補助取付部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 走行駆動輪の軸距調節を可能とした移植機の走行に追随
   して回転するガイド輪の取付構造において、走行駆動輪
   の軸距調節に伴って走行駆動輪と一体的に移動する適宜
   部材に、下端部にガイド輪を装着してなるガイド輪取付
   脚の適宜部分を固着したことを特徴とする移植機のガイ
   ド輪取付構造。