JP2828739B2

JP2828739B2 - 施肥機

Info

Publication number: JP2828739B2
Application number: JP15060890A
Authority: JP
Inventors: 清高城; 善久百合野
Original assignee: Mitsubishi Agricultural Machinery Co Ltd
Current assignee: Mitsubishi Agricultural Machinery Co Ltd
Priority date: 1990-06-08
Filing date: 1990-06-08
Publication date: 1998-11-25
Anticipated expiration: 2013-11-25
Also published as: JPH0445710A

Description

【発明の詳細な説明】（イ）産業上の利用分野本発明は、走行車輌に装着して使用される施肥機に係
り、詳しくは施肥ノズルを地中に打込むクランクの構造
に関する。

（ロ）従来の技術一般に、施肥機は、肥料を圃場面に均等にばらまくも
の、圃場中に筋状に注入するもの、及び播種部分に点状
に注入するものがあるが、近時、施肥効率及び環境保全
の面から点状に注入する（以降点注という）方式が注目
されている。

従来、上クランクアームでノズル上部を支持し、下ク
ランクアームでノズル中間部を支持し、上クランクアー
ムと下クランクアームでノズルを地中に打込んで点注す
るクランク式点注施肥機では、施肥ピッチを変えた場
合、ノズルが地中で引きずられて、地中に長穴を形成す
る場合があった。

そこで、本願出願人は、上クランクアームの長さと下
クランクアームの長さを同じとし、下クランクアーム部
にスプリングを用いて自由度をもたせ、ノズルの地中で
の引きづりを小さくする方法を提案している。

（ハ）発明が解決しようとする課題ところで、上述のようにスプリングによりノズルの地
中での引きずりを吸収する方式は、施肥される圃場があ
る程度堅くなければならず、軟弱圃場では、スプリング
の力の方が強くて、長穴を形成してしまった。また、ス
プリングの効果も十分なものでなく、かつ機構も複雑で
故障しやすかった。

そこで、本発明は、上クランクアームの長さを下クラ
ンクアームに比してやや長く設定して、ノズルが地中に
長穴を形成しないように構成し、もって上述した課題を
解決した施肥機を提供することを目的とするものであ
る。

（ニ）課題を解決するための手段本発明は、上述事情に鑑みなされたものであって、例
えば第１図、第２図及び第４図を参照して示すと、走行
車輌に装着され、かつノズル（63,63′,65,65′）下端
部を地中に打込んで肥料を点注する施肥部（５）を備え
てなる施肥機（１）において、駆動源（11）からの回転
が伝達される第１のクランクシャフト（45）に固定さ
れ、かつ前記ノズル（63,63′,65,65′）の上部を支持
する第１のクランクアーム（57,57′）と、前記駆動源
（11）からの回転が伝達される第２のクランクシャフト
（49）に固定され、かつ前記ノズル（63,63′,65,6
5′）の中間部を支持する第２のクランクアーム（66,6
6′）と、を備え、前記第１のクランクアーム（57,5
7′）の長さを第２のクランクアーム（66,66′）に比し
てやや長く設定した、ことを特徴とするものである。

（ホ）作用上述構成に基づき、駆動源（11）からの回転は、第１
のクランクシャフト（45）に伝達され、第１のクランク
アーム（57,57′）を回転させる。また、駆動源（11）
からの回転は、同時に、第２のクランクシャフト（49）
にも伝達され、第２のクランクアーム（66,66′）を回
転させる。そして、第１のクランクアーム（57,57′）
によりノズル（63,63′,65,65′）の上部が回転すると
同時に、第２のクランクアーム（66,66′）によりノズ
ル（63,63′,65,65′）の中間部が回転し、これにより
走行車輌にてノズル（63,63′,65,65′）を含む施肥機
が前方に移動すると同時に、ノズル（63,63′,65,6
5′）の全体が回転し、ノズル（63,63′,65,65′）先端
が地中に打込まれて、点注施肥される。

その際、第１のクランクアーム（57,57′）の長さは
第２のクランクアーム（66,66′）に比してやや長く設
定されているので、ノズル（63,63′,65,65′）は、、
地中進入時及び地中脱出時には、施肥位置に向かって傾
斜しており、施肥位置に近付くほど直立して、施肥位置
では地面に直角の状態となる。このため、地中進入時及
び脱出時には、地表面に残るノズル後の穴は小さくな
り、施肥位置では、地中に残るノズル跡の穴は更に小さ
くなる。

（ヘ）発明の効果以上説明したように、本発明によれば、ノズル（63,6
3′,65,65′）は、地中進入時及び地中脱出時には、施
肥位置に向かって傾斜しているので、地表面に残るノズ
ル跡の穴を小さくすることができる。更に、ノズル（6
3,63′65,65′）は、施肥位置に近付くほど直立して、
施肥位置では地面に直角の状態となるので、地中に残る
ノズル跡の穴を一層小さくすることができる。このた
め、ノズル（63,63′,65,65′）が地中に長穴を形成す
るのを避けることができ、肥料が設定された位置に、設
定された穴の大きさで点注されて、苗に効果的に肥料を
吸収させることができ、苗を良好に育成させることがで
きる。

また、地中に残るノズル跡の穴が小さくなるので、そ
れだけノズル（63,63′,65,65′）が受ける地面からの
抵抗が減少して、ノズル（63,63′,65,65′）及び施肥
部全体（５）の耐久性を向上させることができる。

なお、カッコ内の符号は図面を参照するためのもので
あって、何等構成を限定するものではない。

（ト）実施例以下、図面に沿って、本発明による実施例について説
明する。

施肥作業機１は、第２図に示すように、フレーム２を
有しており、その前方が変速部３と施肥部５になってい
ると共に、その公報が対地作業部６になっている。

また、前記施肥作業機１の前方には乗用田植機の走行
車体等の牽引車が連結されており、該牽引車から施肥作
業機１は動力を伝達されると共に、牽引されるように構
成されている。該牽引車と前記フレーム２は、トップリ
ンク９とロアリンク10,10で昇降可能に連結されてい
る。該トップリンク９と該ロアリンク10,10の間にはPTO
軸11が配設されており、該PTO軸11にはカプラ12が連結
されて、PTO軸11からカプラ12へ動力が伝達されてい
る。

そして、第10図及び第11図に示すように、該カプラ12
にはギヤ部13が連結されており、該ギヤ部13を覆うよう
にギヤケース15がフレーム２に固定されている。該ギヤ
部13にはスプロケット16が連結されている。該スプロケ
ット16は、カウンタシャフト17に固設されたスプロケッ
ト19にチェン20を介して動力を伝達している。前記変速
部３は、該スプロケット16,19及びチェン20からなり、
スプロケット16,19を交換することにより変換するよう
構成されている。

また、前記カウンタシャフト17にはスプロケット21が
固設されており、前記施肥部５に動力を伝達する第１の
シャフト22にはスプロケット23が固設されており、該ス
プロケット21からスプロケット23へチェン24を介して動
力が伝達されている。更に、前記第１のシャフト22には
スプロケット25が固設されており、前記対地作業部６に
動力を伝達する第２のシャフト26にはスプロケット27が
固設されている。該スプロケット25,27は同一歯数を有
し、チェン28を介して連結されている。これにより、第
１のシャフト22から第２のシャフト26に動力が伝達され
ると共に同一回転数となるように構成されている。

そして、前記第１のシャフト22にはスロケット29が固
設されており、該スプロケット29は、第１の分配弁30及
び第２の分配弁31の軸に固定したスプロケット32にチェ
ン33を介して動力を伝達している。

また、第12図に示すように、前記第１のシャフト22の
両端にはスプライン部22a,22a′がある。該スプライン
部22aにはスプロケット35のボス部のスプライン穴35aが
嵌合しており、該スプロケット35は第１のシャフト22に
回転不能かつ軸方向に移動可能に連結されている。該ス
プライン部22aには、カラー36,36,36が挿通されてお
り、該スプライン部22aに挿通されたカラー36,36,36及
びスプロケット35は、ボルト37とリング39により第１の
シャフト22に抜止・固定されている。

そして、該スプロケット35のボス部外周にはベアリン
グ40,40が嵌着されており、該ベアリング40,40を支持す
るようにチェンケース41の一側が配設されている。該チ
ェンケース41の他側上部には、ベアリング42,42が支持
されており、該ベアリング42,42の内周にはスプロケッ
ト43が固定された第１のクランクシャフト45が嵌着され
ている。更に、第２図に示すように、前記チェンケース
41の第１のクランクシャフト45取付部位下方には、ベア
リング46,46が支持されており、該ベアリング46,46の内
周にはスプロケット47が固定された第２のクランクシャ
フト49が嵌着されている。そして、前記スプロケット4
3,47は、同一歯数を有し、チェン50を介して、案内車5
1,52によりチェン張力を調整されて、前記スプロケット
35から動力を伝達されている。

また、該チェンケース41の下部PTO軸11側には、ケー
スストッパ53が固設されており、該ケースストッパ53は
フレーム２に固定されたサポート55に摺動可能に取付け
られている。該サポート55には多数の穴が開けられてお
り、該穴にピンを挿入してケースストッパ53はサポート
55に固定されている。

また、前記チェンケース41と前記カラー36,36,36との
組合せと共に、前記ケースストッパ53と前記サポート55
の多数の穴との組合せにより、チェンケース41の位置が
変えられるように構成されている。

また、第12図に示すように、前記第１のクランクシャ
フト45の一端には第１のクランクアーム57の一端が固定
されており、第１のクランクシャフト45の他端には第１
のクランクアーム57′の一端が固定されており、これら
第１のクランクアーム57と57′は180度角度がずれて第
１のクランクシャフト45に取付けられている。該第１の
クランクアーム57,57′の他端にはシャフト59が固設さ
れており、該シャフト59の外周面にはベアリング60,60
が嵌着されており、該ベアリング60,60を介してシャフ
ト59にはノズルホルダ61が回動自在に支持されている。
前記ベアリング60,60のインナレースは、ボルト64及び
リング62によりシャフト59に抜止め・保持されている。
また、第１図に示すように、前記ノズルホルダ61の一側
にはノズル63,63′が固着されている。

また、前記第２のクランクシャフト49の一端には第２
のクランクアーム66の一端が固定されており、第２のク
ランクシャフト49の他端には第２のクランクアーム66′
の一端が固定されている。該第２のクランクアーム66と
66′は180度角度がずれて第２のクランクシャフト49に
取付けられている。前記第１のクランクアーム57の第１
のクランクシャフト45への取付角度と、第２のクランク
アーム66の第２のクランクシャフト49への取付角度は同
一とすると共に、前記第１のクランクアーム57′の第１
のクランクシャフト45への取付角度と、第２のクランク
アーム66′の第２のクランクシャフト49への取付角度も
同一となるように構成されている。

また、第12図及び第13図に示すように、前記第２のク
ランクアーム66の他端には長穴66aがあり、該長穴66aに
はシャフト67の一端が挿通されており、該シャフト67は
長穴66a内を移動可能であると共に、ナット69により第
２のクランクアーム66に固定されている。該第２のクラ
ンクアーム66の末端には調節ボルト70が回動自在に挿通
されており、該調節ボルト70は抜止リング71により第２
のクランクアーム66に対して軸方向の移動が阻止されて
いる。該調節ボルト70は長穴66aの周壁部位まで延出し
ており、かつ長穴66a内で前記シャフト67と螺合してお
り、調節ボルト70のネジ部70aとシャフト67のネジ部67a
とは螺合している。該調節ボルト70を回転させることに
よりシャフト67を長穴66a内で移動可能なように構成さ
れている。

そして、前記シャフト67の他端はノズルホルダ72の長
穴72aに挿入されており、該ノズルホルダ72は長穴72aの
範囲内で摺動可能であると共に、ボルト73及びリング75
によりシャフト67より抜け止めされるように構成されて
いる。更に、該ノズルホルダ72の一側には前記ノズル6
3,63′が固着されている。

従って、第１のクランクシャフト45の回転は、第１の
クランクアーム57,57′に伝達され、ノズルホルダ61,61
を回転させると共に、第２のクランクシャフト49の回転
は、第２のクランクアーム66,66′に伝達され、ノズル
ホルダ72,72を回転させる。これに伴って、ノズルホル
ダ61,61,72,72に固着したノズル63,63′,65,65′も回転
し、該ノズル63,63′,65,65′が地中に打込まれて、肥
料を地中に点注するように構成されている。

また、前記第１のシャフト22の他端のスプライン部22
a′においても、前記スプライン部22aと同様に構成され
ている。従って、ノズルホルダ61の一側にはノズル76,7
6′が固着され、他のノズルホルダ61の一側にはノズル7
7,77′が固着されており、ノズルホルダ72の一側には前
記ノズル76,76′が固着され、他のノズルホルダ72の一
側には前記ノズル77,77′が固着されている。

そして、第１のクランクシャフト45,45、第２のクラ
ンクシャフト49,49、第１のクランクアーム57,57,57′,
57′及び第２のクランクアーム66,66,66′,66′から、
打込み手段78が構成されている。

また、第１図、第12図及び第13図に示すように、前記
第１のクランクアーム57,57′の長さをr₁、第２のクラ
ンクアーム66,66′の長さをr₂、第１のクランクアーム5
7,57′のシャフト59と第２のクランクアーム66,66′の
シャフト67の間の距離をｗ、第１のクランクシャフト45
と第２のクランクシャフト49の間の距離をｌとする。r₁
とｌは一定であり、r₂は前記調整ボルト70を回転させる
ことにより可変であり、r₁＞r₂となるように構成されて
いる。r₁は150mm、r₂は120〜145mm、ｌは270mmである。
そして、シャフト67が調節ボルト70により第２のクラン
クアーム66の長穴66a内で移動可能な距離ｘが25mmであ
るので、r₂は120〜145mmの範囲で調節可能である。

また、r₂が可変であるので、ｗも変化する。そして、
シャフト67がノズルホルダ72の長穴72a内で移動可能な
距離ｙが60mmであるので、シャフト67を長穴72a内で摺
動させることによりｗの変化を吸収するように構成され
ている。

次に第７図に示すように、施肥ピッチをＰ、ノズル6
5,65′の先端部によって地中に形成されたノズル跡の穴
の長さをｎとする。設定された施肥ピッチＰのもとで、
ノズル跡の穴の長さｎが最小となるように前記第２のク
ランクアーム66,66′の長さr₂が調節されている。

また、第２図及び第３図に示すように、前記第２のシ
ャフト26の両端にはスプライン部26a,26a′がある。該
スプライン部26aにはスプロケット79のボス部のスプラ
イン穴79aが嵌合しており、該スプロケット79は第２の
シャフト26に回転不能かつ軸方向に移動可能に連結され
ている。該スプライン部26aには、カラー80,80,80が挿
通されており、該スプライン26aに挿通されたカラー80,
80,80及びスプロケット79は、ボルト81とリング82によ
り第２のシャフト26に抜止・固定されている。

そして、前記スプロケット79には播種装置駆動部83が
連結されており、スプロケット79及び播種装置駆動部83
を覆うように、チェンケース85が配設されている。該チ
ェンケース85の下部にはケースストッパ86が固設されて
おり、該ケースストッパ86はフレーム２に固定されたサ
ポート87に摺動可能に取り付けられている。該サポート
87には穴89,89,89,89が開けられており、該穴89にピン9
0を挿入してケースストッパ86はサポート87に固定され
ている。

また、前記チェンケース85と前記カラー80,80,80との
組合せと共に、前記ケースストッパ86と前記サポート87
の穴89,89,89,89との組合せにより、チェンケース85の
位置が変えられるように構成されている。

そして、前記播種装置駆動部83からの駆動は、チェン
90を介して播種ノズル軸91に固定されたスプロケット92
に伝達されており、該播種ノズル軸91には多数の播種ノ
ズル93が周設されて播種ノズル部95が形成されており、
該播種ノズル部95に隣接して種子96を収容する種子ホッ
パ97が配設されて播種装置99が構成されている。該播種
装置99下部にはローラー100,101が軸支されている。

また、前記第２のシャフト26のスプライン部26a′側
も、スプライン部26a側と同様に構成されている。

また、前記フレーム２の後方には真空ポンプ102が取
付けられており、該真空ポンプ102はチューブ103,103を
介して前記播種ノズル部95,95に通じている。

そして、前記サポート87の両端にはゲージホイル105,
105が軸支されており、前記サポート55の両端にはソリ1
06,106が取付けられており、該ゲージホイル105,105と
ソリ106,106で施肥作業機１を支持して移動させるよう
に構成されている。

また、第14図に示すように、ペースト又は液状の肥料
107を収容した肥料タンク109,109には第１のポンプ110
及び第２のポンプ11が接続されており、該第１のポンプ
110には下段ノズル用の前記第１の分配弁30が接続され
ており、該第２のポンプ111には上段ノズル用の前記第
２の分配弁31が接続されている。

また、第３図、第15図及び第16図に示すように、該第
１の分配弁30及び第２の分配弁31の前方にはパイプ112
がフレーム２に取付けられている。該パイプ112中央一
側にはパイプ穴部112aがあり、パイプ112の上面にはジ
ョイント113,115,116,117,119,120,121,122が固設され
ており、パイプ112の該ジョイント取付部位には各々チ
ューブ穴112bが開けられている。

そして、第14図に示すように、前記第１の分配弁30に
はチューブ123が接続されており、該チューブ123は前記
パイプ穴部112aからパイプ112へ挿入されて、チューブ
穴112bを挿通されて前記ジョイント113へ通じている。
該ジョイント113はチューブ125を介して前記ノズル65に
通じている。更に、第１の分配弁は、チューブ126、ジ
ョイント117、チューブ127を介して前記ノズル63に通じ
ており、チューブ129、ジョイント119、チューブ130を
介して前記ノズル77に通じており、チューブ131、ジョ
イント122、チューブ132を介して前記ノズル76に通じて
いる。

また、第２の分配弁31は、チューブ133、ジョイント1
15、チューブ135を介して前記ノズル65′に通じてお
り、チューブ136、ジョイント116、チューブ137を介し
て前記ノズル63′に通じており、チューブ139、ジョイ
ント120、チューブ140を介して前記ノズル77′に通じて
おり、チューブ141、ジョイント121、チューブ142を介
して前記ノズル76′に通じている。

次に、第17図に沿って一部変更した実施例を説明す
る。

第17図に示す実施例では、第14図に示す第１のポンプ
110と第２のポンプ111のかわりにポンプ143が設けられ
ており、該ポンプ143の６連のうち４連が第１の分配弁3
0に接続され、２連が第２の分配弁31に接続されてい
る。これにより、第１の分配弁30には大目の肥料が供給
されて、下段ノズルは大目に施肥すると共に、第２の分
配弁31には少目の肥料が供給されて、上段ノズルは少目
に施肥するように構成されている。このため、苗の成長
の初期には、苗の根が上段ノズルからの少目の肥料を吸
収し、苗が更に成長すると、苗の根が下段ノズルからの
大目を肥料を吸収するので、苗はその成長に合せて必要
とする肥料を吸収することができ、苗を良好に育成する
ことができる。

本実施例は以上のような構成よりなるので、PTO軸11
からの動力は、カプラ12へ伝達され、変速部３で変速さ
れて、カウンタシャフト17へ伝達される。該カウンタシ
ャフト17のスプロケット21から、第１のシャフト22のス
プロケット23に動力が伝達される。更に、第１のシャフ
ト22のスプロケット25から第２のシャフト26のスプロケ
ット27にチェン28を介して動力が伝達されると共に、該
スプロケット25,27は同一歯数を有して同一回転数とな
っている。このため、第１のシャフト22から動力を伝達
される分配弁30,31と打込み手段78、及び第２のシャフ
ト26から動力を伝達される種播装置99,99は、同じタイ
ミングで作動するので、施肥と播種のタイミングを一致
することができ、第７図、第８図及び第９図に示すよう
に施肥位置と播種位置の関係を正確に一定に保ち、施肥
効率を向上させることができる。

また、施肥及び播種のピッチの調節は、変速部３のス
プロケット16,19を交換することにより行なわれ、この
際、変更した回転がカウンタシャフト17を介して第１の
シャフト22に伝達されるので、施肥と播種のタイミング
は、ピッチ調節及び変速によって何ら影響されず一定に
保つことができる。

また、第１のクランクアーム57,57′の長さr₁は第２
のクランクアーム66,66′の長さr₂に比してやや長く設
定されており、かつノズル跡の穴の長さｎが最小となる
ように第２のクランクアーム66,66′の長さr₂が調節さ
れている。これにより、第４図、第５図及び第６図に示
すように、ノズル63,63′,65,65′は、地中進入時及び
地中脱出時には、施肥位置に向かって傾斜しているの
で、地表面に残るノズル跡の穴を小さくすることができ
る。

更に、ノズル63,63′,65,65′は、施肥位置に近付く
ほど直立して、施肥位置では地面に直角の状態となるの
で、地中に残るノズル跡の穴を一層小さくすることがで
きる。このため、ノズル63,63′,65,65′が地表面及び
地中に長穴を形成するのを避けることができ、苗に効果
的に肥料を吸収させることができる。

また、ノズル63,63′,65,65′は、肥料位置付近で
は、ほぼ垂直にゆっくりと上下するため、地面からの抵
抗を小さくすることができる。

また、第２のクランクアーム66,66′の長さr₂を調節
する調節ボルト70が、第２のクランクアーム66,66′内
に内蔵されているため、第２のクランクアーム66,66′
からの邪魔な突起物がなく、第２のクランクアーム66,6
6′の回転時に突起物による接触が生じることはない。

そして、ノズルスライド部である調節ボルト70、シャ
フト67及びノズルホルダ72を一体型として形成したた
め、構造が簡単となり、故障を減少させることができ
る。

また、第２のクランクアーム66,66′の長さr₂を変化
させることにより、ノズル63,63′,65,65′の地中進入
時及び地中脱出時の角度を変えることができ、施肥ピッ
チの変化に無段階に対応することができる。

なお、上述実施例では、対地作業部６として播種装置
99を用いているが、これに限らず、田植装置等の苗を移
植する移植装置を用いてもよいことは勿論である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明によるクランク部分を示す詳細背面図、
第２図は本発明を適用した施肥作業機を示す側面図、第
３図はその平面図、第４図はノズルの作動を示す図で、
（ａ）はノズルが地表面に近付く時の概略側面図、
（ｂ）はノズルが地中進入時の概略側面図、（ｃ）はノ
ズルが施肥位置にある時の概略側面図、（ｄ）はノズル
が地中脱出時の概略側面図、（ｅ）はノズルが地表面か
ら遠ざかる時の概略側面図、第５図は第１のクランクア
ームの長さが150mmで第２のクランクアームの長さが120
mmの場合のクランクアーム及びノズルの作動を示す図
で、（ａ）はクランクアーム及びノズルの作動側面図、
（ｂ）はその動軌跡図、第６図は第１のクランクアーム
の長さが150mmで第２のクランクアームの長さが145mmの
場合のクランクアーム及びノズルの作動を示す図で、
（ａ）はクランクアーム及びノズルの作動側面図、
（ｂ）はその動軌跡図、第７図は施肥と播種の位置関係
を示す平面図、第８図は第７図におけるＡ−Ａ線断面
図、第９図は第７図におけるＢ−Ｂ線断面図、第10図は
PTO軸からの伝動を示す伝動平面図、第11図はその伝動
側面図、第12図はチェンケース及びクランク部分を示す
詳細平面断面図、第13図はノズルホルダ部分を示す図
で、（ａ）はノズルホルダ側の側面図、（ｂ）はナット
側の側面図、第14図は肥料の流れを示す肥料フロー図、
第15図は分配弁及びパイプ部分を示す概略平面図、第16
図はパイプ及びジョイント部分を示す図で、（ａ）はそ
の部分正面断面図、（ｂ）はその部分側面断面図、第17
図は他の実施例を示す第14図と同様な肥料フロー図であ
る。１……施肥機（施肥作業機）、５……施肥部、11……駆
動源（PTO軸）、45……第１のクランクシャフト、49…
…第２のクランクシャフト、57……第１のクランクアー
ム、 57′……第１のクランクアーム、 63……ノズル、63′……ノズル、 65……ノズル、65′……ノズル、 66……第２のクランクアーム、66′……第２のクランク
アーム。

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】走行車輌に装着され、かつノズル下端部を
地中に打込んで肥料を点注する施肥部を備えてなる施肥
機において、駆動源からの回転が伝達される第１のクランクシャフト
に固定され、かつ前記ノズルの上部を支持する第１のク
ランクアームと、前記駆動源からの回転が伝達される第２のクランクシャ
フトに固定され、かつ前記ノズルの中間部を支持する第
２のクランクアームと、を備え、前記第１のクランクアームの長さを第２のクランクアー
ムに比してやや長く設定した、ことを特徴とする施肥機。