JPS5952296B2 - 摩擦クラツチのための被動板 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、摩擦ライニング間に作動するばね装置を有す
る車輛用の摩擦クラッチの被動板に係る。

自動車輛がその変速機駆動を静かに且つ円滑に変更する
ために、クラッチ板上の摩擦面板（即ち、摩擦フェーシ
ング）に軸線方向の若干の弾力性を有せしめることが従
来から行なわれている。

摩擦面板の軸方向運動は、クラッチの円滑な係合を保証
するのに充分なほどに大きくなくてはならない。

前記形式のクラッチ板の既知の一解決手段は、軸線方向
に対向する一対の環状摩擦面板が、ハブ部材の周囲に円
周方向に配置される前以て成形されたばね緩衝要素によ
って互いに離れて保持されるようにすることである。

これら緩衝要素は、クラッチ板が車輌のはずみ車とクラ
ッチの圧力板との間に固くつかまれるとき、摩擦面板を
平担に保持するように設計される。

圧力がクラッチ解放機構の作動によって除去されるとき
、前記緩衝要素は摩擦面板を軸線方向に互いに離れるよ
うに動かす。

２つの摩擦面板間の距離は、内周縁におけるよりも外周
縁において−そう大きい。

このことは、クラッチが係合されるとき、最初の荷重が
摩擦面板の外周縁の、より大きい区域において受取られ
ることを保証する。

しかし、摩擦面板の半径方向外部分と半径方向内部分と
の間の距離の差によって本質的に平担な面板にひずみが
与えられる。

本発明によれば、車輌用の摩擦クラッチのための被動板
にして、複数個の弾性の緩衝要素によって環状の担持体
上に装架されて軸線方向に対向して隔置された一対の環
状摩擦面板を有し、該複数個の弾性の緩衝要素は該担持
体のまわりに配置され且つ該一対の環状摩擦面板間に置
かれて、該一対の環状摩擦面板がほぼ平行に保持されて
おり、該緩衝要素に隣接する摩擦面板の対向する２つの
背面は２つのほぼ平行な平面を画成しており、各該緩衝
要素は２つの平行な当接面間に延びている少なくとも１
つの円周方向に延びる作動的弾性部分を有し、各該当接
面はそれぞれの該背面の関連しており、該作動的弾性部
分は半径方向内側端におけるより大きい円周方向の幅か
ら半径方向外側端におけるより小さな円周方向の幅まで
先細になっていることを特徴とする摩擦クラッチのため
の被動板が提供される。

好ましくは、該緩衝要素の各作動的弾性部分は該緩衝要
素の２つの平行な部分間に作用する傾斜壁を含み、該平
行な部分はそれぞれ前記当接面のそれぞれに固定されて
おり、前記画成された平面に対する該傾斜壁の傾斜角度
が、該緩衝要素の半径方向の幅に亘って変化している。

好ましくは、該緩衝要素の２つの平行な平面間に作用す
る２つの傾斜壁が備えられる。

別の実施例において、該緩衝要素は、該緩衝要素の２つ
の平行な平面部分間に作用する１つの傾斜壁を有し、該
傾斜壁の各半径方向側の側方には一方又は他方の平行な
平面部分から他方の平行な当接面に向かって突出する別
の傾斜壁が配置されていて、該別の傾斜壁の平行な平面
部分から遠い端縁が、該平行な平面部分の他方と同じ平
面上に位置するようになっている。

好ましくは、２つの別の傾斜壁の各々のばね特性が前記
１つの傾斜壁のばね特性とほぼ等しくなっている。

別の実施例において、該緩衝要素の作動的弾性部分は２
つの平行な当接面間に作用するアーチを有し、該アーチ
は該緩衝要素の半径方向内側端において半径方向外側端
におけるよりも大なるスパンを有し、両端間のアーチの
スパンは漸次連続的に変化している。

好ましくは、該アーチは放物線アーチである。

別の実施例において、該アーチは該緩衝要素の平面部分
の１つの半径方向の側と一体に備えられており、該平面
部分は片持ち支持の半アーチ壁によって他方の半径方向
の側が画成されており、該片持ち支持の半アーチ壁は前
記平面部分から他方の平行な当接面に向かって突出して
いる。

以下、図面に従って本発明の実施例について説明する。

第１図、第２図、第３図を参照して、被動板は円周方向
に隔置された緩衝要素１の列の各側止に配置された２つ
の隔置された環状の摩擦面板７を有している。

図示された緩衝要素１は予め成形されたばね綱から作ら
れ、被動板に組付けられた場合に半径方向外側端２と半
径方向内側端３とを有している。

半径方向内側端３はリベット１４によって環状担持円板
１３に取付けられる半径方向内側端に延びる耳部４を担
持している。

代替的に、緩衝装置は、半径方向外側端２と半径方向内
側端３とを有するに過ぎず、耳部４を有していないもの
でもよい。

また代替的に、２個の摩擦面板７は、その第１の摩擦面
板７が担持円板２０に結合され、第２の摩擦面板７が担
持円板２０から遠い緩衝要素の側に結合されて取付けら
れるようにしてもよい（第５図参照）。

緩衝要素１は、リベット８によって２つの摩擦面板７を
結合させるための２つの平行な平面５と６を提供するよ
うに形成される。

２つの平行な平面５及び６の各々は摩擦面板７の対向す
る背面上のそれぞれの当接面にリベット８で１定されて
いる。

第１の平面６の半径方向側の側方には第２の平面５，５
が置かれ、２つの平面５，６は２つの傾斜壁９によって
分離されている。

この傾斜壁９の各々は２つの平行な当接面間に延びてい
る円周方向に延びる作動的弾性部分を構成している。

各傾斜壁９は半径方向内側端におけるより大きい円。

周方向の幅から半径方向外側端におけるより小さな円周
方向の幅まで先細になっている。

傾斜壁９による作用のメカニズムは単純なビームのメカ
ニズムをあてはめることによって容易に理解し得る。

各傾斜壁９に対して半径方向内側端と外側端は単純なビ
ームであると考えられる。

そうすると、ビーム１０は長くそれ故にビーム１１より
も可撓性を有するから、軸方向に等しい荷重が半径方向
外側端及び内側端に適用され、２つの平面５，６が互い
に向かって該荷重下に変形されるとした場合、この変形
は外側端２よりも早く内側端３において生ずることにな
る。

緩衝要素１の半径方向の幅にわたって、半径方向内側端
３におけるより長いビーム１０から半径方向外側端２に
おけるより短かいビーム１１に向かってこの変形が滑ら
かに進行することになる。

ビームの長さ上におけるこの滑らかな変形の遷移はこの
傾斜壁９によってもたらされるわけである。

傾斜壁９の傾斜角は、２つの平行な平面５，６に対して
緩衝要素の半径方向の幅にわたって変化している。

前記形式の緩衝要素を配して製作された被動板が、はず
み車５０とクラッチ圧力板５１との間に取付けられ（第
６図参照）、そしてクラッチが掛けられるとき、軸線方
向に前記摩擦面板に与えられる軸方向の荷重は該摩擦面
板の全面に伝達される。

半径方向内側端３のビーム１０は半径方向外側端２のビ
ーム１１よりも長いから、緩衝要素はその半径方向内端
縁３においてまず変形し、これによって、クラッチの係
合時における最初の荷重が２つの摩擦面板の摩擦面の半
径方向外側部分上に伝達されることを確実にする。

長いビーム１０から短かいビーム１１への緩衝要素の半
径方向の幅を横切る、傾斜壁９によって構成される如き
連続的遷移は、緩衝要素による軸方向荷重の円滑な受領
を保証して、摩擦面板７の全面の漸進的係合をもたらす
。

第４図、第５図及び第６図を参照すると、図示される緩
衝要素２１は、原理上、第１図に示された緩衝要素に似
ており、半径方向内側端２２と半径方向外側端２３とを
有する。

緩衝要素２１は、第５図及び第６図に図示される如く、
担持円板２０に、リベット８によって結合されている。

代替的に、半径方向外側端２２は、第３図に示されるそ
れに似た、担持円板１３に結合される耳部２５を有し得
る。

緩衝要素２１は平行な平面上に位置する２つの平行な平
面２６．２７を備えている。

２つの平面２６，２７は２つの平行な平面２６．２７間
に作用する作動的弾性部分を構成するほぼ半径方向の傾
斜壁２８によって分離されている。

傾斜壁２８の半径方向外側端３０は内側端２９よりもよ
り短い円周方向幅を有する。

この傾斜壁２８も前述したメカニズムによって作動する
。

傾斜壁２８の反対側の平面２６の半径方向側には片持ち
支持された同じ形態の傾斜壁３２が備えられている。

この傾斜壁３２の作用は傾斜壁２８と同じである。

片持ち支持された傾斜壁３２は半径方向に配置され、半
径方向内側端３３における円周方向の幅は、半径方向外
側端３４における円周方向の幅よりもより大であり、傾
斜壁３２の幅は半径方向外側端３４における円周方向の
短かい幅に向かって漸進的に短かくなっている。

平面２６か遠い傾斜壁３２の端縁３５は平面２７と同じ
平面上に位置する。

同様に、平面２７も片持ち支持された傾斜壁３６を有し
ており、この傾斜壁３６も緩衝要素２１の半径方向幅に
わたって延びている。

傾斜壁３６の半径方向内側端３７の円周方向幅は、半径
方向外側端３８の円周方向幅よりもより大である。

緩衝要素の半径方向幅にわたって変形は滑らかに漸進す
るようになっている。

傾斜壁３６の平面２７から遠い端縁３９は平面２６と同
じ平面上に位置する。

２個の片持ち支持された傾斜壁３２と３６は同じ寸法を
有し、傾斜壁２８に対して、摩擦面板の周囲における締
付は荷重の均等の円周方向分散を保証しつるように正し
い比率に保たれている。

上記緩衝要素は第１図に示されたそれと同じ態様で機能
する。

傾斜壁２８，３２，３６はそれらの半径方向内側端２９
，３３．３７における円周方向の幅が半径方向外側端３
０，３４．３８における円周方向の幅よりも大となって
いる。

従って、緩衝要素２１の半径方向内側端は荷重下におい
て半径方向外側端よりも前に変形するようになっている
。

第７図と第８図には本発明に基く被動板の別形式の緩衝
要素が図示されている。

この緩衝要素においては、作動的弾性部分はアーチ、好
ましくは放物線アーチである。

平面部分４１は半径方向内側端４２と半径方向外側端４
．３とを有する。

半径方向内側端４２はハブ部材に結合される耳部４４を
有する。

代替的に、緩衝要素は耳部４４を有せず、第４図、第５
図及び第６図に示される如き担持円板に固定されうる。

平面部分４１は、その一方の側において一体構造の細長
い放物線アーチ４５によって境界を画定され、他方の側
において手放線形状の一体構造の片持ち支持されたビー
ム壁４６によって境界を画定されている。

細長い放物線アーチ４５の頂とビーム壁４６の頂は第２
の平面４０を画成する。

アーチ４５及びビーム壁４６は半径方向内側端４２にお
いて、半径方向外側端４３よりも大なるスパンを有して
、より小さな荷重受承能力を持っている。

変形は緩衝要素の半径方向幅に亘って滑らかに漸進され
るようになっている。

摩擦面板７は、緩衝要素の一方の側において平面部分４
１によって担持されるとともに、該緩衝装置の他方の側
において放物線アーチ４５の頂と片持ち支持されたビー
ム壁４６の頂とによって平面４０上に確保される。

細長い放物線アーチ４５と片持ちビーム壁４６は、クラ
ッチ圧力板５１とフライホイル５０の間に被動板が締付
けられた時、摩擦面板の円周上に荷重を均等に分散する
ように比率を定められる。

この形式の緩衝要素は、第１図と第３図とに示された緩
衝要素と同じ態様で機能する。

緩衝要素の半径方向内側端４２は緩衝要素の半径方向外
側端４３が変形する前に変形するように仕組まれており
、従って、これら緩衝要素を使用する被動板が車輛はず
み車５０とクラッチ圧力板５１との間に取付けられると
き、過剰荷重は摩擦面板の半径方向外方の円周方向部分
に於て受取られる。

第１図、第４図及び第７図に図示された何れの構造にお
いても、緩衝要素の可変荷重特性によって生じる摩擦面
板の幅方向における荷重の変化は、該摩擦面板のより大
きい外円周方向区域に対して補正するのに充分にされて
、該摩擦面板の外周縁部と内周縁部との間において均等
の締付は圧力を提供する。

代替的に、前記荷重の変化は摩擦面板の内周縁部に較べ
外周縁部において−そう大きい締付は圧力を提供するよ
うに調整され得る。

かような条件下において、摩擦面板の外周縁部は内端縁
よりも早く摩耗する傾向があり、この摩耗は、摩擦面板
の外周縁部において、締付は荷重を減じる傾向がある。

しかし、外周縁部におけるより大なる締付は圧力は、新
規のクラッチ被動板のベデイング（ｂｅｄｄｉｎｇ）が
為されるにしたがって生じ、それは摩擦面板における荷
重分配が最も重要である段階である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に基く被動板の緩衝要素の斜視図、第２
図は摩擦面板が結合されているときの矢印Ａの方向にお
ける第１図の緩衝要素の側面図、第３図は第１図及び第
２図に示された緩衝要素と、組わされた典型的なりラッ
チ被動板の断面図、第４図は本発明に基く被動板の別形
式の緩衝要素の斜視図、第５図は第２図の場合とは異る
構造を用いている、摩擦面板が結合されている第４図の
緩衝要素の矢印Ｂの方向における側面図、第６図は第４
図及び第５図に示された緩衝要素と組合わされた典型的
なりラッチ被動板の断面図、第７図は本発明に基く被動
板のさらに別の一形式の緩衝要素の斜視図、第８図は第
１図及び第２図に示したと同様に摩擦面板が結合された
、第７図の緩衝要素の矢印Ｃの方向における側面図であ
る。 図面上、１は「緩衝要素」；２は「半径方向外側端」；
３は１半径方向内側端」；４は「耳部」；５．６は「平
行な平面」ニアは「摩擦面板」；９は［傾斜壁Ｊ：１０
，１１は「ビーム」を示す。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 車輛用の摩擦クラッチのための被動板にして、複数
   個の弾性の緩衝要素によって環状の担持体上に装架され
   て軸線方向に対向して隔置された一対の環状摩擦面板を
   有し、該複数個の弾性の緩衝要素は該担持体のまわりに
   配置され且つ該一対の環状摩擦面板間に置かれて、該一
   対の環状摩擦面板が互いにほぼ平行に保持されており、
   該緩衝要素に隣接する摩擦面板の対向する２つの背面は
   ２つのほぼ平行な平面を画成しており、各該緩衝要素は
   ２つの平行な当接面間に延びている少なくとも１つの円
   周方向に延びる作動的弾性部分を有し、各該当接面はそ
   れぞれの該背面に関連しており、該作動的弾性部分は半
   径方向内側端におけるより大きい円周方向の幅から半径
   方向外側端におけるより小さな円周方向の幅まで先細に
   なっていることを特徴とする摩擦クラッチのための被動
   板。 ２、特許請求の範囲第１項記載の被動板において、該緩
   衝要素の各作動的弾性部分は該緩衝要素の２つの平行な
   部分間に作用する傾斜壁を含み、該平行な部分はそれぞ
   れ前記当接面のそれぞれに固定されており、前記画成さ
   れた平面に対する該傾斜壁の傾斜角度が該緩衝要素の半
   径方向の幅に亘って変化していることを特徴とする被動
   板。 ３ 特許請求の範囲第２項記載の被動板において、該２
   つの平行な平面間に作用する２つの傾斜壁を有すること
   を特徴とする被動板。 ４ 特許請求の範囲第２項記載の被動板において、該緩
   衝要素は、該緩衝要素の２つの平行な平面部分間に作用
   する１つの傾斜壁を有し、該傾斜壁の各半径方向側の側
   方には一方又は他方の平行な平面部分から他方の平行な
   当接面に向かって突出する別の傾斜壁が配置されていて
   、該別の傾斜壁の平行な平面部分から遠い端縁が、該平
   行な平面部分の他方と同じ平面上に位置するようになっ
   ていることを特徴とする被動板。 ５ 特許請求の範囲第４項記載の被動板において、２つ
   の別の傾斜壁の各々のばね特性が前記１つの傾斜壁のば
   ね特性とほぼ等しいことを特徴とする被動板。 ６ 特許請求の範囲第１項記載の被動板において、該緩
   衝要素の作動的弾性部分は２つの平行な当接面間に作用
   するアーチを有し、該アーチは該緩衝要素の半径方向内
   側端において半径方向外側端におけるより大なるスパン
   を有し、両端間のアーチのスパンは漸次連続的に変化し
   ていることを特徴とする被動板。 ７ 特許請求の範囲第６項記載の被動板において、該ア
   ーチは放物線アーチであることを特徴とする被動板。 ８ 特許請求の範囲第６項又は第７項記載の被動板にお
   いて、該アーチは該緩衝要素の平面部分の１つの半径方
   向の側と一体に備えられており、該平面部分は片持ち支
   持の半アーチ壁によって他方の半径方向の側が画成され
   ており、該片持ち支持の半アーチ壁は前記平面部分から
   他方の平行な当接面に向かって突出していることを特徴
   とする被動板。