JPS5952257B2 - ヘドロ浚渫用吸込装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、ヘドロ浚渫船に使用されるヘドロ浚渫用吸込
装置に関する。

一般に、海底等に沈積−ｑたヘドロのポンプ浚渫作業に
おいては、沈積して硬くなったヘドロが高い粘性を持つ
場合が多くそのため、サクションラダーの先端に取りつ
けたヘドロ浚渫用吸込装置内に取入れたヘドロを攪拌し
流動状に希釈し吸引することが必要である。

しかし、従来のヘドロ浚渫船に使用される吸込装置では
、ヘドロが該吸込装置のへドロ吸込開口部を閉塞したり
、該吸込装置内で充分に攪拌し切れず吸込装置ケーシン
グ内に溜ったり、吸込装置と浚渫船の間に配設されたヘ
ドロ吸揚管の中で詰ったりして、浚渫船へのヘドロの吸
込みが阻害されたり、また、ヘドロの閉塞により吸引す
べきヘドロが該吸込装置の移動時に、該吸込装置に押し
退けられて、水中に拡散し、水を汚濁する二次公害を引
き起し、作業を中止せざを得ないなどの理由により、通
常の土砂浚渫の場合より非能率な浚渫を余義なくされて
いる。

本発明は上述の従来のヘドロ浚渫用吸込装置の欠点を解
消することを目的とし特に、スイング型ヘドロ浚渫船の
吸込装置として好適なものを提供するものである。

このため、本発明のヘドロ浚渫用吸込装置は左右両側に
設けたヘドロ吸込開口部と上面中央部に設けたサクショ
ンパイプ接続部と底板とを備えた箱体状の吸込装置ケー
シングと、上記へドロ吸込開口部に接近して吸込装置ケ
ーシング内に配置した水平軸まわり回動する一対の攪拌
ブレードと、攪拌ブレードの外周回転面と吸込装置ケー
シング底板の間隙を少くすべく、少なくとも攪拌ブレー
ドの回転外周面のうちへドロ吸込開口部と反対側下方の
底板上に攪拌ブレードの回転外周面に沿って配設された
内底板とを具えたことを特徴としている。

また、本発明のヘドロ浚渫用吸込装置は、左右両側に設
けたヘドロ吸込開口部と上面中央部に設けたサクション
パイプ接続部と底板とを備えた箱体状の吸込装置ケーシ
ングと、ヘドロ吸込開口部に接近して吸込装置ケーシン
グ内に配置した水平軸まわりに回動する一対の攪拌ブレ
ードと攪拌ブレードの外周回転面と吸込装置ケーシング
底板の間隙を少くする内底板とを具えた浚渫用吸込装置
において、ヘドロ吸込開口部に立設した水ジエツト管に
配設し、吸込装置ケーシング内へ水噴射を行う水ジエツ
トノズルと、該開口部の開閉を行う開閉装置とを備えた
ことを特徴としている。

以下、本発明のヘドロ浚渫用装置を図に示した一実施例
について説明すれば、第１図において２は船体の端部に
枢着したサクションラダー３の先端に本発明のヘドロ浚
渫用吸込装置１を装備したヘドロ浚渫船で、サクション
ラダー３に沿って図示しないサクションパイプが配設さ
れている。

サクションパイプの下端は後述するヘドロ浚渫用吸込装
置１のサクションパイプ接続部５に連結され、その上端
は浚渫船２の内部または浚渫船とは独立した浮体に設け
られた泥艙に連結されている。

サクションパイプの途中、望ましくは、船体２にはヘド
ロ浚渫用吸込装置１で攪拌稀釈したトド口を泥艙に移送
する浚渫ポンプが設けられている。

第２図乃至第６図にヘドロ浚渫用吸込装置１の詳細を示
す。

第２図〜第６図において、４は上面中央部に図示しない
サクションパイプと接続すべきサクションパイプ接続部
５を設け、左右両側にヘドロ吸込開口部６とその下面を
構成する底板２１とを設けた箱体状の吸込装置ケーシン
グ、７は？該開口部６に間隔をおいて吸込装置ケーシン
グ４内へ水噴射するように設けた流線断面形状の複数の
水ジエツト管で、ごみ除は装置を兼用するように配設さ
れている。

８は水ジェット管７上に設けられたジェットノズル、９
は図示しないジェット１水供給管との接続部、１０は上
記へドロ吸込開口部６に接近させて吸込装置ケーシング
４内に水平軸まわりに回動するように設けた一対の攪拌
ブレード、１１はスプロケッ）１２，１３及びチェノ１
４を介して攪拌ブレード１０を回転させるため；吸込装
置ケーシング４上に設けられた水中モータ、１５はへド
ロ吸込開口部６上縁がら稍上向きに延設したヘドロ拡散
防止板、１６は該開口部６に設けた開閉蓋、１７は連結
片１８を介し開閉蓋１６を開閉するため、吸込装置ケー
シング４上に°配置されたシリンダー、１９は一対の攪
拌ブレード１０．１０の間つ吸込装置ケーシング内空隙
を塞ぐため該ケーシング２１上に設けられた内底板であ
る。

吸込装置ケーシング４内は、攪拌ブレード１０；に接近
した壁と内底板１９とにより攪拌ブレード１０に対する
間隙を可及的に少なく構成しである。

上記装置のうち攪拌ブレード１０は図示した外にカゴ型
、ラセン型を用いることができ、水ジエツトノズルの取
付は方及び他の部分の構造も例′示したものだけには限
定されない。

またスプロケット１２，１３及びチェノ１４は吸込装置
ケーシング４内に納めるよにしても良い。

ヘドロの浚渫は、上述のヘドロ浚渫用吸込装置；１の一
方の開閉蓋１６を開き、他方の開閉蓋１６を閉じ、開い
たベドロ吸込開ロ部６側をヘドロに向って、スイングあ
るいはドラグ式に移動させ乍ら、水ジエツトノズル８か
ら所要量の水ジェツトを吸込装置ケーシング４内へ噴出
させ且つ一対の攪拌ブレード１０を第４図中の矢印２０
のように互に反対向きに回転させて船上の浚渫ポンプで
吸湯げることによって行なう。

このとき、ヘドロはヘドロ浚渫用吸込装置１の移動と共
にヘドロ吸込開口部６を通って吸込装置ケーシング４内
へ入るが、該開口部６のすぐ間近に攪拌ブレード１０が
設けであるから該開口部６に入る粘着性のヘドロはその
攪拌ブレード１０で直ちに砕かれ水と混合されるので該
開口部６部分へのヘドロの詰まりは確実に解消される。

また吸込装置ケーシング４内は攪拌ブレード１０との間
隙を可及的に小さくし、２組の攪拌ブレード１０を回転
させるから吸込装置ケーシング４内に入ったヘドロは入
口側、奥側で全体に平均して良く攪拌混合され、流動状
になって該ケーシング４内に滞積せずヘドロ吸揚管にも
詰まることなしに円滑にサクションパイプを通って泥艙
に吸湯げられ、ヘドロの吸込み吸湯げは安定して継続す
るようになる。

この場合に水ジエツトノズル８から供給する水量は；ヘ
ドロの含水量が低い場合に、ヘドロが浚渫ポンプの吸引
に適当な含水量の流動体となるように浚渫速度（吸込装
置移動速度）に応じて調節すれば良く、また拡散防止板
１５はヘドロがヘドロ吸込開口部６に入る際に生じる抵
抗で上方へ拡散するのを防ぐのに役立つ。

実験によれば、含水比１０８％のヘドロに対して上述し
た装置のへドロ吸込量ロ部６全部を埋め、浚渫速度６
ｍ ７分、水ジエツト吐出量３．６ｍ”／ｈｒで浚渫を
行なったとき、浚渫ポンプには含水比１４５％の高含泥
率で連続的に安定してヘドロが吸引され、このとき吸込
開口部６及びヘドロ吸揚管の詰まり、吸込装置ケーシン
グ内のヘドロ滞積は全く生じず、ヘドロの拡散は極めて
軽微であった。

また同様に含水比１０８％のヘドロに対し、水ジェツト
の吐出なしに浚渫速度４ ｍ ７分で浚渫を行なったと
きにはヘドロと共に海水を吸込み、浚渫ポンプには含水
比１９４％程度のヘドロが連続的に吸湯げられ、金泥率
及び浚渫速度は稍不充分であるが、この場合にも本発明
のへドロ吸込装置１のヘドロの詰り滞積はなく、水中へ
の拡散も極めて軽微であった。

更に上述した装置は、左右の吸込開口部６，６の何れ側
へ向けても同様の操作で洞じ作用を行なうからこれをス
イング浚渫に用いると左右の吸込開口部６を交互に開閉
することによって、水中にヘドロを拡散させないでヘド
ロ浚渫を高能率に安定して行なうことができる。

上述したように本発明のヘドロ浚渫用吸込装置は特許請
求の範囲に記載の構成により、吸込装置ケーシングの左
右両側に設けたヘドロ吸込開口部に接近させて該ケーシ
ング内に一対の攪拌ブレードを配置し、攪拌ブレードに
対する該ケーシング内の間隙を可及的に少なくし、その
ヘドロ吸込開口部に該ケーシング内へ噴射する複数の水
ジエツトノズルを配置したことによって、ヘドロ浚渫用
吸込装置の移動と共に、そのヘドロ吸込開口部に取入れ
る粘性のヘドロを水ジエツトノズルからの適当な量の水
噴射により希釈を行い、同時にヘドロ吸込開口部間近に
臨んだ攪拌ブレードで攪拌し、こなして行くから、ヘド
ロ吸込開口部に粘性ヘドロが詰まることがなく、且つ吸
込装置ケーシング内での粘性ヘドロの希釈攪拌が適度に
行き渡ってヘドロ吸揚管の詰まりを解消し、吸込装置内
のヘドロ滞積をなくし、それによって吸込装置の吸込能
率の低下、水の汚濁の発生を確実に最少に押える効果を
得るものである。

また、吸込装置ケーシングの左右両側にヘドロ吸込開口
部とその開閉蓋を設けて、サクションラダーのスイング
方向に面する開口を交互に開いて、ヘドロ吸込みを行な
うことによってサクションラダーを左右何れの方向へス
イングするときでも水の汚濁なしに連続したヘドロ浚渫
を能率良く行なえる効果を得るものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明のヘドロ浚渫用吸込装置を備えた浚渫船
の概略全体図、第２図は本発明のヘドロ浚渫用吸込装置
の全体斜視図、第３図は第２図装置の平面図、第４図は
第３図のＩＶ〜ＶＩ線に沿う断面図、第５図は第３図の
Ｖ−Ｖ線に沿う断面図、第６図は第５図のＶＩ −ＶＩ
線に沿う断面図である。 １・・・・・・吸込装置の全体、２・・・・・・ヘドロ
浚渫船、３・・・・・・サクションラダー、４・・・・
・・ケーシング、５・・・・・・サクションパイプ接続
部、６・・・・・・ヘドロ吸込開口、７・・・・・・水
ジエツト管、８・・・・・・ジェットノズル、１０・・
・・・・攪拌ブレード、１１・・・・・・攪拌ブレード
用モータ、１６・・・・・・開口開閉蓋、１７・・・・
・・蓋開閉用シリンダー、１９・・・・・・内底板、２
１・・・・・・底板。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 左右両側に設けたヘドロ吸込開口部と上面中央部に
   設けたサクションパイプ接続部と底板とを備えた箱体状
   の吸込装置ケーシングと、上記へドロ吸込開口部に接近
   して吸込装置ケーシング内に配置した水平軸まわりに回
   動する一対の攪拌ブレードと、攪拌ブレードの外周回転
   面と吸込装置ケーシング底板の間隙を少くすべく、少な
   くとも攪拌ブレードの回転外周面のうちへドロ吸込開口
   部と反対側下方、底板上に攪拌ブレードの回転外周面に
   沿って配設された内底板とを具えたことを特徴とするヘ
   ドロ浚渫用吸込装置。 ２ 左右両側に設けたヘドロ吸込開口部と上面中央部に
   設けたサクションパイプ接続部と底板とを備えた箱体状
   の吸込装置ケーシングと、ヘドロ吸開口部に接近して吸
   込装置ケーシング内に配置した水平軸まわりに回動する
   一対の攪拌ブレードと、攪拌ブレードの外周回転面と吸
   込装置ケーシング底板の間隙を少くする内底板とを具え
   た浚渫用吸込装置において、ヘドロ吸込開口部に立設し
   た水ジエツト管に配設し、吸込装置ケーシング内へ水噴
   射を行う水ジエツトノズルと、該開口部の開閉を行う開
   閉装置とを具えたことを特徴とするヘドロ浚渫用吸込装
   置。