JPS5947538B2 - 回転電機の固定子鉄心積層方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は特に大形回転電機の固定子鉄心の積層方法に関
するもので積層時間の短縮と締付スタットの製作コスト
の低減を図ることを目的としたものである。

大形回転電機の固定子鉄心は硅素鋼板の最大中が普通９
１５ｍｍであることから扇形状に打ち抜いたものを円板
状に継ぎ合せ、積み重ねて製作される０ さて、回転電機の固定子鉄心は運転中に発生するトルク
によって円周方向に力を受ける。

また鉄心は温度上昇によって外径側に伸びる。

このため積層された固定子鉄心は円周方向には動きがお
さえられて、しかも半径方向には熱膨張による伸ひを逃
げる構造でなければならない。

ところで従来は第１図乃至第３図に示すように内周円弧
長りに定めた扇形に打ち抜かれた硅素鋼板１（以下鉄心
板１と称す）は第３図の平面図に見るごとく外径側に半
径方向を長径とし外周側が切欠かれた楕円形の穴２が設
けられ、この穴２に締付スタット４を挿入して全体を締
付ける構造としていた。

鉄心積の際は先づ固定子枠５の側板を水平に置き、側板
上の正規の位置に締付スタット４を固定し、直立した締
付スタット４をガイドに鉄心板１を矢印Ｐの方向から挿
入して１／２ラツプで積み重ねて行く。

前記運転の際の熱膨張を逃げるために半径方向を長径と
した楕円形の穴２は積層の際円周方向のガイドにはなる
が半径方向のガイドにはならない。

そこで半径方向のガイド的役割を果すようにして鉄心板
１の外周面に軽く接するようにして固定子枠５に支えら
れ積層方向に延びるガイドキー６を複数本配設している
。

尚鉄心積層後ガイドキー６は取り除かれ、ギャップ８お
よび締付スタット４と楕円形の穴２とのギャップを介し
て鉄心３の半径方向の熱膨張を逃げうるようにしている
。

したしながらこの従来方式には次の欠点がある。

第１は締付スタット４を鉄心積のガイドにしているので
締付スタット４に曲がり、うねりがあると各締付スタッ
ト４間の間隔がちがって楕円穴２とのピッチが合わなく
、鉄心が積めなくなる場合がある。

そのため締付スタット４の真直度には高精度が要求され
締付スタットは非常にコスト高となっていた。

第２には第２図に示すごとく、締付スタフｌ−４は固定
子枠５の側板（図示下面板）から上方へ突出して配置さ
れ、また第３図でわかるように締付スタット４は鉄心板
１の外径側へは外れないような楕円の穴２である。

従って積層の際鉄心板１は締付スタット４の最上端から
挿入しなければならない。

更に穴２の短径側は締付スタット４との隙間が０．１〜
０．２ｍｍ程度で鉄心板１を締付スタット４の最上端か
らすべらせながら挿入することは細心の注意と労力を必
要とする作業であり、大容量機で鉄心積層寸法の大きい
ものは積層作業に多大の時間と労力を要した。

本発明は上記の欠点を除去し、より低コストで作業性が
良く、しかも信頼性の高い回転電機の固定子鉄心積層方
法を提供せんとするものである。

以下その方法を第４図、第５図の実施例に照して記す。

第５図に示すごとく扇形に打抜かれた鉄心板２１の外周
側に締付スタット用の外周側が切欠かれた楕円形の溝２
２が等間隔に複数個あけられている。

鉄心板２１の外周の楕円形の溝２２の部分を避けた部分
に当る１セグメントの中心とその両端にガイドキー用案
内溝２３，２３’ 、２３“が設けられる。

この案内溝はセグメントの中央および両端にこだわるも
のではないがセグメントが半径方向と円周方向にずれる
ことを防止できれば良いので例えば波線で示す案内溝２
６のごとく２箇所に設けても良くその他の方法でも良い
。

鉄心積層に際しては前記案内溝２３．２３’ 、２３“
に嵌挿する角棒のガイドキー２５を固定子枠５の正規の
位置に着脱自在に装設し、このガイドキー２５をガイド
として鉄心板２１を１／２ラツプで積層する。

この場合ガイドキー２５はＡ、Ａ’面が円周方向のガイ
ドとなり、８面が半径方向のガイドとなる。

従って従来方式のように締付スタットをあらかじめ先に
立てておいて積層の際のガイドとする必要はなく、第４
図Ｑ矢で示すように鉄心板２１を横方向に移送し、鉄心
板２１の案内溝２３．２３’ 、２３“をそれぞれ対
応すガイドキー２５に嵌装することにより容易に積層す
ることができる。

規定鉄心長まで積層したら最後に一連のダクトに形成さ
れた楕円溝２２に図示してない締付スタットを挿入し上
下からプレスフィンガ１１等を介して固定子枠５に締め
付は固定される。

この場合締付スタットは従来のように真直度に高精度を
必要とせず少少の曲り、うねりがあっても締付スタット
を打ち込めば鉄心積層後挿入可能となる。

当然ながら本発明においてもガイドキー２５は鉄心の熱
膨張を逃げるため鉄心締付完了後取り除く。

以上本発明によれば先づ締付スタットをガイドとして使
用しないので締付スタットの加工精度はそれ程高くなく
ても良く、普通の引抜鋼をそのまま使用できるので非常
に低コストとなる。

次に積層時には締付スタッドを使用しないでガイドキー
を使用するため鉄心の内径側横方向から鉄心板を積層で
きるので作業性が良くなり、能率が向上し、かつ鉄心板
の損傷もなくなる。

更にガイドキーは治具的役割を果たすので鉄心積層完了
後も除去した後工具として保管し、何回でも別の固定子
鉄心の積層用に使用しうるように々り経済的である。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来形の固定子鉄心の縦断面図、第２図は第１
図の鉄心の積層過程を表す縦断面図、第３図は第２図の
Ａ−Ａ断面図。 第４図は本発明の固定子鉄心の積層過程を表す縦断面図
、第５図は第４図のＢ−Ｂ断面図である。 １０．１１・・・・・・プレスフィンガ、２１・・・・
・・鉄心板、２２・・・・・・楕円形の溝、２３，２３
’ 、２３“。 ２６・・・・・・案内溝、２５・・・・・・ガイドキー
。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 扇形状に打ち抜かれた鉄心板の外径側に半径方向を
   長径とし外周側が切欠かれた複数の楕円形の溝をそなえ
   、締付スタッドを該鉄心板の溝に挿入して該鉄心板を積
   層して締付けて形成される回転電機の固定子鉄心におい
   て、前記鉄心板の外径側に円周方向の動きを抑止しうる
   面と半径方向の動きを抑止する面とを有する案内溝を複
   数箇所設け、該案内溝の面に当接するガイドキーを回転
   電機の固定子枠に着脱自在に装設し、該ガイドキーに前
   記鉄心板の案内溝が嵌合するように鉄心板を半径方向か
   ら順次規定の鉄心長まで積層し、積層後前記構円形の溝
   に締付スタッドを挿入するとともに該締付スタッドによ
   り固定子鉄心を固定子枠に線膜し、その後前記ガイドキ
   ーを取除くようにしたことを特徴とする回転電機の固定
   子鉄心積層方法。