JPS594580Y2 - 圧力調理器のパッキング - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、圧力調理器に於ける蓋体の周溝に圧嵌させる
周溝内の空気抜きと周溝への馴染みを良好としたバッキ
ングの構成に関する。

従来の圧力調理器に於ける蓋体に使用されているバッキ
ングは、バッキングを中空状若しくは充実体で、例えば
断面丸形に形成したものに過ぎなかった為、この種のバ
ッキングを蓋体の周縁部に設けた周溝へ圧嵌させる場合
、バッキングの嵌入に伴って周溝内の空気を抜く必要が
あって、周溝の溝底に空気抜き孔を間隔を隔てて穿設さ
せたものであるが、この種の穿設によるときは、蓋体に
形出した周溝へ各個に複数の空気抜き孔を穿設するので
、その穿孔作業に極めて手数がかかるし、又、丸味のあ
る溝底へ穿設するから、穿設も容易に行えず、然もその
加工治具等にも破損を生じ易いし、更に又、空気抜き孔
の目詰りにより確実な空気抜きを行うことも困難となる
諸欠点があった。

本考案は、蓋体の周溝へ圧嵌するバッキング主体に、バ
ッキングの圧嵌時、周溝内の空気を溝目へ誘導する空気
案内道を複数個所設けて、上記した従来の欠点を解消す
ることを目的とした圧力調理器のバッキングに関するも
ので、その一実施例を図面に付き説明すれば下記の通り
である。

図中１は金属製の容体で、高圧に耐え得る様に構成され
ている。

２は容体１の開口部へ嵌合させた金属製の蓋体で、蓋上
体３の中央部に突設した螺杵４へ加圧摘み５を螺合させ
、該加圧摘み５へ正面弓形状の昇降杆６を遊嵌させであ
る。

７，７は容体１の左右両側に突設した昇降杆６の承部で
、上端に互いに対応し、且、上昇した昇降杆６の端部を
係止する鉤部８，８を形出しである。

Ａは上記容体１及び蓋体２からなる圧力調理器で、閉蓋
時、昇降杆６の両端を容体１の承部７，７へ対応させて
、上記加圧摘み５を回動綿めすることにより、昇降杆６
を上昇させ、該昇降杆６の両端を承部７，７の鉤部８，
８へ係止させて蓋上体３を容体１の開口縁へ緊密に嵌合
させて容体１を密閉する。

９は蓋体２に於ける蓋上体３の周縁嵌合部に形出させた
周溝で、蓋上体３の周縁を断面円弧状若しくは断面略門
形に上方又は下方（図示なし）へ膨出させて溝目ａを下
向きとし、且、必要に応じ膨出部を稍肉薄として溝内を
大径化し、溝目ａを狭めて、後記するバッキングの抜は
落ちを防止し、該バッキングの圧嵌を確実とする。

１０は上記蓋体２の周溝９へ圧嵌し、蓋上体３に附設す
る後記第−又は第二の圧力調整弁より内部圧力に耐える
構成としたゴム又は合成樹脂製のバッキングで、周溝９
の内面形状に合致する様、断面形状を円弧若しくは略台
形状若しくは倒Ｙの字形とし下端に容体１の開口縁へ圧
接してバッキングの作用をし、煮沸時、内部圧力を調整
する弁の作用をして容体１の内部圧力が第一・第二圧力
調整弁の調整内部圧以上となったとき、変形して蓋体２
を持ち上げ、上記開口縁との圧接を解除して放気させる
第三の圧力調整弁の作用をする舌状の密閉片１１を設け
である。

又、断面略台形状のものの場合は、中間に下向き又は上
向きの切込み溝１２を長手方向に添い一端から他端まで
形成して一方に周溝９の溝内壁に圧接する長尺の圧嵌片
１３を形出しである。

１４はバッキング１０へ等間隔に複数個所設けた空気案
内道で、少なくとも一方の空気案内口は周溝９の溝底１
５に対応し、他方の空気案内口は溝目ａへ対応して、バ
ッキング１０の周溝９への圧嵌時、周溝９内の空気抜き
を可能とする。

尚、この空気案内道１４は、第４図に示す様にバッキン
グ１０の外側一方又は両方に凹設した縦溝イ′する場合
と、第３図などに示す様に透孔口′とする場合とがあり
、何れもバッキング１０の圧嵌時、周溝９内の空気を溝
目ａへ案内させる。

１６は蓋体２に於ける蓋上体３に附設した第二の圧力調
整弁で、蓋上体３に取付けた通気孔１７付の弁筺１８に
弁１９とスプリング２０とを内装し、且、弁筺１Ｂの上
端にスプリング２０の弾力調整を行う螺子蓋２１を螺着
してあり、後記する第一圧力調整弁より高圧調整を可能
とする第二圧力調整弁である。

尚、下部に濾過体２２を取付ける場合もある。

２３は蓋体２に附設した別の圧力調整弁で、蓋上体３に
突設したノズル２４の先端に、所定重さで通気孔２５付
の重錘２６をピボット部２７により係止させた第一圧力
調整弁である。

２８はバッキング１０に於ける周溝９への圧嵌部に設け
たバッキング１０の周溝９からのずれを防止する凹部で
、バッキング１０の下部外周寄りに断面台形状などに凹
設して、蓋体２の容体１への嵌合によるバッキング１０
の圧着に伴うバッキング１０の変形圧を吸収し、周溝９
からのずれを防止し、気密性の安定を計る。

２９．２９は容体１の左右に承部７，７と共に取付けた
持手で、下部に耐火板３０を外装させである。

本考案に関する圧力調理器のバッキングに於ける一実施
例は上記の様に構成されているから、実施例に基づいて
今図面第３図などに示す切込み溝１２の入ったバッキン
グ１０を蓋体２へ嵌めて、そのまま蓋体２を容体１の開
口部へ嵌合させる場合は、空気案内道１４を形出し、又
切込み溝１２の開口によって平扁状態で左右に広がった
バッキング１０を、切込み溝１２が閉じるまで之れをつ
ぼめながら、バッキング１０を蓋体２に於ける蓋上体３
の周溝９へ嵌めて、周溝９の円周に添いバッキング１０
を一巡させる。

このときバッキング１０には空気案内道１４が設けられ
ているので、周溝９内の空気は、この空気案内道１４を
通って周溝９の溝目ａへ案内され、空気溜りを生ずるこ
となくバッキング１０を嵌込むことが出来る。

又、バッキング１０は切込み溝１２の形式によって外方
へ広がろうとする弾性作用により周溝９の内面へ圧嵌し
、周溝９からの抜は落ちが防止された状態で嵌込まれ、
このバッキング１０を周溝９内に収めた後、容体１の開
口部へ蓋体２を嵌めて、蓋体２の周溝９に圧嵌させる舌
状の密閉片１１を中心部に配したバッキング１０を容体
１の開口縁へ圧接し、更に蓋体２に取付けた昇降杆６の
両端を容体１の承部７，７へ対応させてから、蓋体２の
加圧摘み５を回動させて昇降杆６を上昇させ、その両端
を承部７，７へ係止させて蓋体２を押圧し、蓋体２を容
体１へ緊密に嵌着させて、加熱調理するものである。

上記の様に本考案に関する圧力調理器のバッキングは、
容体の開口部に嵌合させた蓋体の加圧摘みを回動綿めす
ることにより、両端を容体の承部へ対応させた昇降杆を
上昇させて、容体を密閉する圧力調理器の蓋体に於ける
周縁嵌合部に、溝目を下向きとした周溝を設け、該周溝
へ嵌着させる圧力調理器のバッキングに於いて、蓋体に
附設した圧力調整弁より内部圧力に耐えるバッキングを
形出すると共に、このバッキングに、少なくとも一方の
空気案内口は周溝の溝底に対応し、他方の空気案内口は
溝目へ対応し、且このバッキングの周溝への圧嵌時、周
溝内の空気抜きを可能とした空気案内道を複数個所設け
たものであるから、之れを蓋体の周溝へ圧嵌させる場合
、周溝内の空気はバッキングの周溝内への圧嵌に伴い、
上記バッキングの空気案内道を通って周溝の溝目へ案内
されるので、周溝内に空気溜りを生じてバッキングの不
確実な圧嵌を皆無とし、バッキングは周溝の内側形状に
馴染んで緊密に収まる為、従来の様に蓋体に形出した周
溝へ空気抜き孔を穿設する必要はないので、その穿孔作
業に要する手数とが穿孔機等の加工治具の破損も心配す
ることもなく、然もバッキングへ直接空気案内道を設け
であるがら、空気抜き孔の目詰りに起因する不確実な周
溝への圧嵌を皆無とすることも出来る特有の効果を示し
、又、バッキングは蓋体に附設した圧力調整弁より内部
圧力に耐え得る構成となっているので、煮沸時容体の内
部圧力が高くなって放気するときは、予め圧力を所定に
調整した圧力調整弁により自動的に放気させるものであ
るが、その際圧力調整弁に目詰りを生じ所定の内気圧に
達したときは、蓋体に圧嵌させた本考案のバッキングに
於ける舌状の密閉片の容体開口縁への圧接とが容体内の
蒸気圧と相俟って、上記密閉片の変形により、蒸気を放
出させるものであるから、目詰りに起因する爆発事故も
未然に防止することも出来る特有の効果を発揮するもの
である。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に関する圧力調理器のバッキングに於ける
一実施例を示すもので、第１図は使用状態の一部縦断側
面図、第２図は仝上一部横断平面図、第３図は一部切欠
拡大縦断正面図、第４図及び第５図は他実施例の一部切
欠拡大縦断正面図、第６図は圧嵌状態を示す説明図、第
７図は仝上地実施例の説明図、第８図は他実施例の要部
の拡大縦断正面図である。 尚図中１は容体、２は蓋体、５は加圧摘み、６は昇降杆
、７，７は承部、Ａは圧力調理器、９は周溝、ａは溝目
、１０はバッキング、１４は空気案内道、１５は溝底、
１６及び２３は圧力調整弁である。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 容体１の開口部へ嵌合して蓋体２の加圧摘み５を回動綿
   めすることにより、これに設けた昇降杆６を昇降させて
   、その両端を容体１の承部７，７へ係止し、容体１を密
   閉する圧力調理器Ａの蓋体２における周端嵌合部に、溝
   目ａを下向きとした周溝９を設け、該周溝９へ嵌着する
   下記要件からなることを特徴とした圧力調理器のバッキ
   ング。 （イ）蓋体２に附設した圧力調整弁１６，２３より内部
   圧力に耐えるバッキング１０を形成すること。 （ロ）前記バッキング１０に、少なくとも一方の空気案
   内口は周溝９の溝底１５に対応し、他方の空気案内口は
   溝目ａへ対応して、バッキング１０の２周溝９への圧嵌
   時、周溝９内の空気抜きを可能とした空気案内道１４を
   複数個所設けること。