JPS5945788B2 - パイル製品の加工方法 - Google Patents

パイル製品の加工方法

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JPS5945788B2
JPS5945788B2 JP54091409A JP9140979A JPS5945788B2 JP S5945788 B2 JPS5945788 B2 JP S5945788B2 JP 54091409 A JP54091409 A JP 54091409A JP 9140979 A JP9140979 A JP 9140979A JP S5945788 B2 JPS5945788 B2 JP S5945788B2
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pile
treatment liquid
centrifugal force
fiber
liquid
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雅男 松井
種男 岡本
孝夫 長川
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Kanebo Ltd
Kanebo Gohsen Ltd
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Kanebo Ltd
Kanebo Gohsen Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、パイル製品すなわちパイルを有する繊維製品
の加工方法に関する。
カットパイル又はループパイルのような立毛を有する製
品は、特異で多様な外観及び触感を有し広く使用されて
いる。
その外観、触感等を改善するため種々の加工法が行なわ
れ又提案されている。
これらのパイル製品製造の1つの目的は、毛皮様の製品
を得るにある。
しかし、周知のように、天然の毛皮は非常に複雑微妙且
つ高度な色彩と形態を有しており、それを人工的に製造
することはほとんど不可能であった。
例えば天然の毛皮の多くのものは、根元部、中央部、先
端部等が異なる色からなる精密な立毛を有するが、従来
そのようなものを人工的に作ることは、極めて困難で、
実除土はとんど行なわれていない。
同様に、天然の毛皮では、立毛の根元部、中央部、先端
部で太さが異なる。
そのような立毛を有する毛皮様製品の製造法もかなり多
く提案されているが、いまだ充分な精度と実用性をもつ
ものはないと云って過言ではない。
従って従来の方法で得られる毛皮様製品のほとんどのも
のは、その立毛において天然の毛皮のような複雑、高度
の色相や形態を有せず、低級なイミテーションの域を脱
していない。
本発明の第1の目的は、天然の毛皮に匹敵するような複
雑、高度の色相、形態を有するパイル製品を製造し得る
新しい方法を提案するにある。
本発明の第2の目的は、高度な意匠性や触感を有するパ
イル製品を製造し得る新しい方法を提案するにある。
すなわち本発明は、パイルの長さ方向に色相や濃度を変
えて染色又は脱色することが出来、更にパイルの長さ方
向にパイル繊維の太さを変化させることが出来る方法を
提案するものである。
従来、パイルの長さ方向に異なった色相を与えるために
は、染料又は脱色剤を表面(パイルの先端部分)に塗布
する方法が行なわれているが、この方法は精度が不充分
であり、且つ複雑な色相は得ることが困難である。
パイル(立毛)の長さ方向に着色や太さを変えるように
加工する場合の最大の課題の一つは、パイルを起立した
状態に保持し且つそれに対して高精度で伺らかの加工を
施すことである。
本発明者等は、この点について鋭意研究の結果、遠心力
によってパイルを起立状態に保持し、且つそれに対して
処理液(例えば染色液、脱色液、溶媒、分解剤液など)
の液面(界面)を形成させ、その液面(界面)とパイル
との接触状態を制御することにより、自由にパイルの着
色状態や太さを変え得ることを見出し、本発明を完成し
た。
本発明の方法は、パイルを有する繊維構造物を保持体に
取付けて回転させ、その遠心力により起立したパイルと
、回転する容器に収められ遠心力によって円筒状の界面
を形成した繊維処理液とを接触させることを特徴とする
ものである。
本発明においてパイルとは、カットパイル、ループパイ
ル、起毛その他のあらゆる立毛を云う。
繊維構造物とは、編物、織物、不織布及びそれに類似す
るものをいう。
第1図〜第6図は毛皮或いは本発明の適用されるパイル
製品の構造を示す説明図である。
多くの動物の毛皮は、太く長い刺毛1及び細く短かい綿
毛2からなる。
多くの場合刺毛は先端部1aか細く尖り、中央部1bが
太く、根元部1cか細い。
3は天然物においては皮の部分であるが、人工製品にお
いては編物、織物、不織布及びそれらの類似品からなり
基布と称する。
基布3は、例えばポリウレタン弾性体やゴム系或いは非
弾性系の樹脂類を含む場合が多いが、含まぬ場合もある
第2図〜第6図も第1図とはゾ同様な例であるが着色状
態が異なる例を示す。
すなわち第1図では先端部1aが淡色に、中央部1b及
び根元部1cが濃色に着色されている。
これに対し、第2図は先端部が濃色で他の部分が淡色の
例であり、第5図は根元部が濃色で他の部分が淡色の例
であり、第4図は根元部が淡色で他の部分が濃色の例で
あり、第5図は中央部が濃色で他の部分が淡色の例であ
り、第6図は先端及び中央下部が濃色で他の部分が淡色
の例である。
勿論上記濃色と淡色は1つの例であって、互いに明度又
は/及び色相の異なる2種の色の組合せで無数の配色が
得られることは明らかであろう。
本発明によってこれらの着色が任意且つ高い精度で行な
うことを可能にするものである。
云うまでもなく、本発明は第1図〜第6図のような構造
物の製造に好適であるが、該図のような構造物だけに限
度して適用されるものではない。
すなわち綿毛と刺毛の2種の立毛からなるものに限らず
、例えば1種類の立毛のみからなるもの、或いは3種以
上の立毛からなるものにも適用される。
同様に立毛の太さが長さ方向に沿って変化している製品
の製造にも適用し得るが、太さは変化しないで色だけが
変化する製品の製造にも適用し得る。
又、立毛を一様な長さに切断(毛割)することも出来、
或いは立毛を部分的に膨潤することや潜在巻縮糸を巻縮
発現させることも出来る。
立毛は巻縮していても巻縮していなくても同様に適用さ
れる。
第7図及び第8図は、本発明の実症例を示す模式図(断
面図)である。
第7図において立毛1を有する基布3は内筒4に保持さ
れている。
(第7図においては立毛は刺毛のみしか示されていない
が、勿論綿毛を有していてもよい。
)内筒4は、基布3を保持しつつ、中心軸10の廻りに
回転し、その回転によって生ずる遠心力により立毛1は
直径方向に起立する。
一方外筒5は処理液6の容器をなしており、同じく中心
軸10の廻りに回転し、その回転によって生ずる遠心力
によって処理液は円筒状の界面8を形成する。
7の部分はこの場合空間(空気)である。
パイル1が処理液6の中でも起立するためには、パイル
の比重は処理液の比重よりも大きいことが必要である。
多くの繊維比重は1以上であり、水系の処理剤よりも比
重が大きいので問題がない。
処理液が染色液の場合□、第7図のようにすれば、パイ
ル1の先端部が染められる。
染色液の量の加減等により界面8の位置を制御すれば、
立毛の任意の位置を染めることが出来る。
又例えば界面の位置を第7図の8の位置から9の位置ま
で徐々に移動させれば、パイル1の先端へ行くはト@琶
ニ染める(ぼかし染)ことが出来る。
同様にあらかじめ染色したパイルを脱色液で処理するこ
とによって先端を脱色したり、先端に行くに従って強く
脱色することが出来る。
更に、あらかじめ染めたパイルの中央部及び先端部を脱
色し、次いで先端部を染めることによりi重に着色した
パイルを得ることも出来る。
上記以外にも、染色と脱色及び液面の制御を自由に組み
合せて1本のパイルを長さ方向に沿って複雑微妙に着色
状態を変化させ得ることは明らかであろう。
界面(液面)の制御は、処理液をポンプやバルブ操作で
加減して、容易になし得る。
適当な液面計を利用して液面を監視したり自動制御する
ことも出来る。
立毛の太さを変える方法は、処理液として溶媒又は分解
剤溶液を用いることが出来る。
溶媒としては繊維をあまり膨潤させることなく表面から
順次溶解するものが望ましい。
分解剤としては、例えばポリエステル系繊維に対して、
苛性ソーダなどの強アルカリの水浴液がよく知られてお
り、この場合は繊維はほとんど膨潤することなく、表面
からまるで研磨されるように順次分解除去されるので、
特に好適である。
例えば、第2図において、パイル1にポリエステル繊維
(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチしンテレフタ
レート、ポリエチレンオキシベンゾエートなど)を用い
、処理液として60〜100°Cに加熱し゛た苛性ソー
ダ水溶液(1〜5%)を用い、処理液の界面を9から8
まで徐々に変化させることにより、パイルを中央部から
先端にかけて徐々に細くすることが出来る。
又第2図において6の部分に処理液と相溶性がなく、処
理液よりも比重が大きく、パイルよりも比重かやS小さ
く、且つパイルに対し不活性の液体(例えば四塩化炭素
とn−ヘキサンの混合物等)を満たし、1の部分に処理
液としてアルカリ水溶液を満たし、適当な温度・時間処
理すれば、パイル1の根元部を細くすることが出来る。
同様にして中央部と根元部の中間部を細くすることによ
って根元部を細めないでパイルの触感を改良することも
出来る。
このようにしてパイルの根元部中間部や先端部を自由に
細くすることが出来る。
第1図の方法は、パイル製品の保持部(内筒)と処理液
の容器(外筒)との回転軸が同心(同軸)である。
この場合は、処理液の種類液面(界面)を時間的に変化
させるなどの制御により、パイルの長さ方向に沿って異
なった処理をする。
又第7図の方法では、パイル製品はバッチ的に処理され
る。
これに対し、第8図は処理液の液面を一定に保ってもパ
イルを移動させることによりパイルと処理液との接触状
態を時間と共に変化させ得る方法の例である。
又第3図の方法ではパイル製品は半連続的に処理される
第8図においてパイル1及び基布3からなる構造物(綿
毛はあってもよくなくてもよい)は、スプール11から
送込ロール13によって送り出され、11本の案内ロー
ル14に沿って移動し、取出しロール15によって取出
されスプール12に巻取られる。
これらのロール及びスプールからなる保持装置は、軸1
0を回転軸として回転し、パイルに遠心力を与え半径方
向に起立させる。
一方外筒5は処理液6が満されて軸10を中心に回転し
ており、その遠心力によって処理液と空間部7との界面
8が形成される。
11本の案内ロール14は中心軸10に対して偏心的に
配置されているために基布が案内ロール14に沿って移
動するに従がい、パイルと処理液との接触状態が変化す
る。
すなわち第3図かられかるように、パイル製品は、送込
ロール13から送り込まれた時は処理液と接触していな
いが、図の右方向へ移動するにつれて処理液と接触し、
図の右端で最大深さまで接触する。
次いで左方へ戻るに従がい、接触の深さが小さくなり、
取出しロール15付近では接触しなくなる。
このようにしてパイルの先端部の接触時間を長くするこ
とにより、パイルの先端を濃く染めたり、逆に強く脱色
したり、又強く分解又は溶解して細くすることが出来る
第8図の方法では大きな送り出しスプール11及び巻取
スプール12を用いることにより、かなり長いパイル製
品を処理することが出来る。
送り出しスプール11からパイル製品が巻取スプール1
2へ移動するに伴ない、保持装置の重心が移動し回転の
バランスが崩れるのを防ぐために、補償用(バランス用
)の液体16及び17を夫々増減することが好ましい。
回転のバランス検出器を付加し、補償用液体16及び1
7の量を自動制御することも出来る。
なお18は外筒5の回転を液に効率よく伝えるための「
ひれ」である。
本発明は前述の如く、あらゆるパイル製品に適用出来る
例えば、別珍、ベルベット、スウエード調などの短かい
立毛を有するものは勿論、毛皮様の長い立毛を有するも
の、タオル様のループ伏パイルを有するものなどのパイ
ルの染色、脱色、切断(毛割)太さの変化、膨潤、溶解
、分解、吸着、収縮、巻縮発現、その他各種の処理に適
用出来る。
本発明に適用する遠心力は、パイルを起立させ、処理液
に円筒状の液面(界面)を形成せしめるに足りるもので
ある必要があり、通常重力加速度Gの3倍(3G)以上
、多くの場合5倍(5G)以上であるが、更に10@(
’l0G)以上特に30培(30G)以上が好ましい。
遠心力による加速度が大きいほど(特に100G以上)
パイルの起立性がよく、好ましいが、他方機械的強度の
点から実際上は数1000G以下に限定されることが多
い。
例えば半径1m、1秒間1回転の場合、遠心力は約3.
6Gであるが、パイルの起立性や処理液の液面の円筒形
成性かや5弱い。
1秒間10回転では遠心加速度は約360Gであり充分
である。
パイル繊維が巻縮したものは加速度が大きすぎると巻縮
が伸びることがあるので、適度の加速度を選ぶ必要があ
る。
回転@10の方向は、水平でも垂直でも、その他任意の
角度をもっていてもよい。
又処理液の液面を制御するために、液の注入口、放出孔
、ポンプ、バルブ、液面計などを適宜設置することが出
来る。
勿論、処理液の温度を制御するための加熱又は冷却装置
、温度検出装置を備えることも出来る。
又第8図のような装置の場合、案内ロール14の配置に
ついては種々の応用があることは明らかであろう。
例えば処理液とパイルとの接触状態(深さ)を正弦関数
的に変化させることも出来るし、時間と共に直線的に或
いは2次曲線的に変えることも出来、その他任意の関係
とすることが出来る。
パイル製品の保持部分と、処理液との回転角速度は同一
でもよく、若干の差があってもよい。
同一の場合は回転軸や駆動系を共用出来るので有利であ
る。
一方回転角速度に差がある時は、処理液の撹拌が行なわ
れより均整な処理が出来る。
あまり大きな速度差(例えば1回転/秒以上)ではパイ
ルの起立が乱れるので好ましくない。
他方処理液の均一性を保つために処理液の系にポンプを
設は液を循環させることも出来る。
パイルを構成する繊維は、天然繊維及び化学繊維、合成
繊維などあらゆる繊維が使用される。
パイルを構成する繊維は1種又は2種以上のものを混用
したものとすることが出来る。
例えば、太さ、断面の形、染色性、脱色性、分解性、溶
解性、収縮性、巻縮性、潜在巻縮性、自己分割性などの
異なる2種以上の繊維からなるパイル製品、例えばジャ
カード編織物に本発明を適用することにより、より複雑
な色彩、外観、触感をもつものを製造することが出来る
本発明の方法では必要に応じ高い精度で処理液の界面を
制御することが出来、パイルの部分によって異なる処理
を精密(こ実姉出来る。
これに対して従来の方法、例えば特公昭48−4910
号公報の第1図に示されるように容器に処理液を充たし
、上方から(重力により)パイルを垂下させその先端を
浸漬して処理する方法など、では処理液が毛細管現象に
よってパイルの間に吸上げられ、処理すべきでない目的
外の場所が不規則に処理されたり汚染されたりするとい
う重大な欠点がある。
本発明の方法ではこのような毛細管現象による処理液の
不必要部分への浸入を充分な遠心力、例えばIOG以上
、特に30G以工を用いることによって、防ぐことが出
来る。
更に、一般に、パイルはそれまでの製造工程によって巻
縮したりゆるくカールしていることが多く、パイルを均
整に起立させることは困難である。
従って、従来法ではパイルに均整な処理を癩すことは困
難であるが、本発明は、遠心力によって、重力の何倍も
の必要があれば何十倍、何百倍もの力でパイルを起立さ
せることが出来るので、処理の均一性は飛躍的に向上す
る。
以下実姉例により本発明を具体的に説明する。
実姉例 1 自発巻縮性を有するアクリル系複合フィラメント(12
0d/100f)Flをパイル糸に用い、6ナイロンフ
イラメント(150d/40 f )F2を地糸に用い
、カットパイル織物CP1を得た。
CPlのパイル長は18mmパイル単糸密度は約100
00本/dである。
ポリエチレンテレフタレートに対し、分子量600のポ
リエチレングリコールを5%(重量)共重合したポリエ
ステルをポリマーP1 とする。
ポリマーをPlを溶融紡糸し、100°Cで3.5倍に
延伸し、続いて145℃で熱処理して巻取った150d
/3f(単糸50デニール)のポリエステル繊維をフィ
ラメントF3 とする。
パイル織物CP1にタフティング法でフィラメントF3
を用い、1−当り単糸約400本の密度で植毛し、パイ
ル長30朋のカットパイルとし、パイル織物CP−2を
得た。
アクリル系フィラメントF1 が綿毛に相当し、ポリエ
ステル系フィラメントF3が刺毛に相当する訳であるが
、CP2の刺毛は粗硬であり触感、外見共に劣る。
パイル織物CP2を第7図のような装置、但し軸10が
垂直であり、直径1mの内筒及び直径1.2mの外筒有
するものに取付けて、刺毛の太さを変える加工を行った
内外筒を1200回転/回転速度で回転させながら外筒
5に、四塩化炭素と流動パラフィンの混合物で比重が1
.2のものを基布から15mmの位置まで充填し、続い
て苛性ソーダ5%、アルカリ加水分解促進剤(一方社油
脂工業■DYK−1125)・0.5%の水溶液を厚さ
12朋充填し、70℃で90分間処理した。
この処理によりポリエステルフィラメントF3よりなる
刺毛は根元部の太さが約半分(断面積)に細められた。
次に四塩化炭素/流動パラフィン混合液を抜き去り、苛
性ソーダ5%、加水分解促進剤0.5%の水溶液(70
°C)を徐々に充填し、基布から39mmの点すなわち
刺毛の先端から、内部へ液面を90分間で10mm移動
し、次にアルカリ液を徐々に放出し、同様に90分間で
元の(基布から30mmの)位置に戻し、最後にすべて
のアルカリ液を抜き去った。
このアルカリ液処理により、ポリエステルフィラメント
F3からなる刺毛は根元部の約12mmが細められ、更
に中央部から先端部にわたって10朋の部分が徐々に細
くなるように加工された。
得られたパイル織物の構造は第1図に示されたようなも
のであり、天然の毛皮に近いものであった。
これをパイル織物CP−4と記す。
この刺毛の太さを変える加工をしたパイル織物CP−4
を第8図の装置を使って染色加工をした。
まず塩基性染料を含む染色液を基布を浸すまで充填し、
アクリル系フィラメントF1 からなる綿毛を90℃で
60分間染色し極めて薄い灰色(染料owfO,02%
)に着色した。
次にこの染色液を放出し、分散染料を含む95℃の染色
液を基布から30mmの点(刺毛の先端)まで充填し、
続いて徐々に染色液を注入して基布の位置まで60分間
で到達させて染色を中止し、染色液を放出し、洗滌した
ポリエステル系フィラメントF3からなる刺毛は、先端
部かや\濃い灰色、根元部は極めて薄い灰色に着色して
おり、平均の染料吸着率は0.1%owfであった。
この染色したパイル織物にポリウレタン系弾性体を裏面
に塗布してパイルを固定したものをCP−5と記す。
パイル織物CP−5はミンクの毛皮に近い非常に高度の
外観と触感を有しており、未卯工のCP−2又はCP−
2を単に灰色に染色したものとは全く異なるものであっ
た。
実施例 2 実姉例1のパイル織物CP−5とほぼ同様にして、但し
刺毛としてポリマーP1からなる単糸50デニールのフ
ィラメントと単糸30テ゛ニールのフィラメントとを1
:2(本数比)の割合で使用し、パイル先端部15朋を
アルカリ液で徐々に120分間処理してパイル織物CP
−6を得た。
パイル織物CP−6の太い(40デニール)刺毛は長さ
30朋であるが、細い刺毛(20デニーノりは長さが約
25mm(先端部の5mmは完全に分解)であり、CP
−5よりも更に複雑で高級な外観と触感を有していた。
実姉例 3 実症例1のフィラメントF1をパイル糸に使用し、同じ
くフィラメントF2を地糸に使ってカットパイル織物C
P−7を得た。
CP−7のパイル長は25mm単糸パイル密度は約80
00本/dである。
ポリエチレンテレツクレートに対し分子量600のポリ
エチレングリコール5%(重量)及びエチレンスルホイ
ソフタレート成分3モル%を共重合したポリエステルを
ポリマーP2 とする。
ポリマーP2を溶融紡糸、熱延伸、熱処理して単糸40
テ゛ニールのフィラメントF4を得、同様にして単糸デ
ニール20デニールのフィラメントF。
を得た。
実症例1のポリマーP1を溶融紡糸熱延伸、熱処理して
単糸30デニールのフィラメントF6及び単糸20デニ
ールのフィラメントF、を得た。
パイル織物CP−7に対し、フィラメントF4゜F5.
F6.F7を夫々110本/dの密度でタフティング法
により植毛し、パイル長40mmに切断してパイル織物
CP−8を得た。
パイル織物CP−8を第8図のような装置で加工した。
まず11本の案内ロールを中心軸に対して同心的位置に
調節しく半径0.5m)、CP−8を取付けて1200
rl)Inの速度で回転させる。
実症例1で用いたと同じ四塩化炭素/流動パラフィンの
混合液(比重1.2,70°C)を基布から20mmの
点まで充填し、次に実症例1で用いたアルカリ液(70
℃)を厚さ10mm充填し、70℃で90分間処理し、
刺毛(F4 、F5 、Fa 、F7 )の根元部を細
めた。
次に11本の案内ロール14の位置を偏心的に配置調整
した。
すなわち織物が送出しロール13から出て取出しロール
15へ移動する180分間に、刺毛の先端は常にアルカ
リ液に接触し、刺毛の先端から10mmの点はアルカリ
液との接触が30分間、同じく先端から15mmでは接
触時間が0となるように、11本の案内ロール14の位
置及びアルカリ液の充填量を調節し、アルカリ液処理を
行ない刺毛の先端15mmを細めた。
この処理後、アルカリ液をすべて放出し、次に弱酸性(
PH4)黒褐色の分散染料(アゾ系で抜染可能なもの)
及び黒色の塩基性染料を含む染色液を案内ロール上の基
布の位置迄充填し、98℃で120分間染色した。
染着量はアクリル系の綿毛が約5%(主として塩基性染
料)、ポリマーP1からなる刺毛が約3%(主として分
散染料)、ポリマーP2からなる刺毛が約6%(主とし
て塩基性染料)であった。
次に染色液を放出し、110℃のジメチルホルムアミド
(DMF)によって刺毛の先端部の染料を抽出脱色した
すなわち、パイル織物が11本の案内ロール14上を移
動する90分間に、刺毛の先端は常にDMFに接触し、
先端から10mmの点は155分間、先端から15朋の
点はO分間夫々DMFと接触するようにDMFの充填量
及び案内ロールの位置を調節した。
脱色後充分洗滌し、弾性体によって裏打した製品は非常
にすぐれた色彩と外観・触感を有しており、キツネの毛
皮に酷似していた。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第6図は、本発明に係るパイル製品の構造を示
す説明図、第7図〜第8図は本発明を実癩するに用いる
装置の断面図である。 図中、1は刺毛、2は綿毛、3は基布、4は内筒、5は
外筒、6は処理液、7は空間、8は界面、10は中心軸
、11及び12はスプール、13は送込ロール、14は
案内ロール、15は取出しロール、16及び17は補償
用数本を示す。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 パイルを有する繊維構造物を保持体に取付けて回転
    させその遠心力により起立したパイルと、回転する容器
    に収められ遠心力によって円筒状の界面を形成した繊維
    処理液とを接触させることを特徴とするパイル製品の加
    工方法。 2 遠心力が100以上である特許請求の範囲第1項記
    載の方法。 3 遠心力が30G以上である特許請求の範囲第2項記
    載の方法。 4 遠心力が100G以上である特許請求の範囲第3項
    記載の方法。 5 繊維処理液が染色液又は脱色液であり、パイルと接
    触させて、該パイルを染色又は脱色する特許請求の範囲
    第1項記載の方法。 6 繊維処理液の界面の位置を変化させてパイルの長さ
    方向に異なる濃度に染色又は脱色する特許請求の範囲第
    5項記載の方法。 7 繊維処理液がパイルの溶媒又は分解剤溶液であり、
    パイルと接触させて該パイルを部分的に溶解又は分解除
    去する特許請求の範囲第1項記載の方法。 8 パイルを部分的に溶解又は分解除去してパイルの先
    端部及び/又は根元部又は中間部を中央部よりも細くす
    る特許請求の範囲第7項記載の方法。 9 パイルと繊維処理液との接触状態を時間的に変化さ
    せる特許請求の範囲第1項記載の方法。 102種の繊維処理液を用い、一方の処理液が他方の処
    理液と異なる比重を有し、相溶性がなく且つパイルに対
    し不活性である特許請求の範囲第1項記載の方法。 11 繊維構造物の回転軸と繊維処理液の容器の回転軸
    が同心的であり、パイルと該処理液の界面との相対位置
    を時間的に変化させる特許請求の範囲第9項記載の方法
    。 12保持体上を移動し回転する繊維構造物の回転軸と繊
    維処理液の容器の回転軸が偏心的であり、パイルと該処
    理液の接触状態を時間的に変化させる特許請求の範囲第
    9項記載の方法。 13重心の変化を補償しつ\繊維構造物を移動させる特
    許請求の範囲第12項記載の方法。
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